綺麗な嘘




「御前が居なけりゃ 永遠なんて要らなかった」


「其れ何?何時もの冗談?」
蛇骨は大きく首を傾げた。
大事な言葉はどうも簡単に伝わらないらしい
俺はさぁな、と軽く笑って視線を逸らし、酒をぐいっと無理やり飲み込んだ。

「大兄貴の云うことは何時もおっかしいもんなぁー。なぁ、其れどういう意味なんだよ」
否、御前も充分おかしいと思う。なんて突っ込みを入れてみたりして。
何時も、そうこんな感じに
そう、ずっとずっと、こんな感じでやっていきたいなぁ。
ずっとずっと、御前と一緒にこうやって酒飲んで、莫迦やって騒いで、暴れてたい
なぁ。
「なー大兄貴ってば!!全っ然意味判んねーよ俺!」
「まー判んなくても良いぜ。どーせ御前じゃ判んねぇだろうからよ」
「うわ何其れ?!ひっでー。」

・・・この世界は変らない
俺たちが死んで、生き返って。見るものは何も変っちゃ居ない
皆何かのために戦って、殺しあって、そして死んでいく。

だけど、一つだけ変ったことが在る。俺たちは死人、そう俺たちは永遠を手に入れた 
誰も手にすることの出来ない、誰もが求める

 だけど、其れは

「なー大兄貴。ずーっとこうして居られたら、俺もう他に何も要らねぇよ」

突然の蛇骨の言葉に、俺は一瞬返す言葉に途惑った。そして頷いてみせる。
「おう、俺たちは死なねぇんだ。ずっと一緒に暴れられるぜ」
「あはは、そりゃ良いや。毎日毎日、きっと楽しくて楽しくてしあわせだろうなぁ」

・・きっとしあわせだろうなぁ。
毎日楽しくて楽しくて、笑って寝転がってさ

・・・・でも、でもさ蛇骨。
そしたら俺たちは一体どうなるんだろうなぁ。
この世に飽きちまったら俺たちゃどうするんだろう
ずっと同じ風景を見て、ずっと同じうたを口にして。
それでも、今みたいに笑ってられるかなぁ・・

「大丈夫だろ。だって、俺が居るもん」
ぽかんとした俺に、蛇骨がははっと笑って肩を叩いて来た。
「大兄貴がこの世に飽きたって、俺が見せてやるよ。面白いもんきれいなもん全部まとめて、俺が大兄貴に見せてやるよ」
「・・・・本当かぁ?」
「ん?何だよ俺が信じられねーつうのかよ、当り前だろ。だから安心しろって」
な?と自信たっぷりに笑いかけてくる蛇骨に、
「信じられねー訳ねぇよ。今の言葉ちゃんと憶えてろよ?頼りにしてっぜ、蛇骨」
俺は杯にもう一杯酒を注ぎながら、満面の笑みを浮べた。

なぁ蛇骨、この世にきれいなもんなんか在るのかなぁ?

俺は知っちまったんだ
御前の四魂の欠片 いのちを繋ぎとめてるもんをさ煉骨が盗ったんだって、な
御前云ったよな。俺がもしこの世に飽きたって、面白いもんきれいなもん全部見せてくれるって。

御前が一番きれいだったよ

本当 だぜ



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