機動戦士ガンダムSEEDMEMORY

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STARG19 裏切り



「リン、いるか?ミリアさんが俺達を呼んでるみたいだ。行こうぜ」

そういわれるとリンはすぐさま部屋を出た。部屋を出たところにはディルノが立って待っててくれた。ディルノは微笑むとリンと共に司令室へ向かった。司令室に入るとクルーのものがミリアの下オーブ上陸のため色々な設定を行っていた。

「通信、そのまま開いてて!右舷は左舷は一応のことを考えて準備していて」

ミリアはそういうと「ふぅ」とため息をついた。そして、それを見計らったかのようにディルノがミリアに声をかけた。

「艦長、連れてきました」

ディルノがそういうと、ミリアは振り向いた。そして、ミリアはそこに座ってというと二人は頷き、席に座った。ミリアはリン、ディルノを見ると微笑みながら言った。

「オーブについたらあなたちにも上陸許可を出すわ。たまには息でも抜いて楽にしなきゃね」

そうミリアがいうと、微笑んだ。リンたちは顔を見合わせガッツポーズをとる。そして、すぐさまミリアを見た。ミリアは困った顔でリンたちを見た。

「でも・・・ひとつ問題があるわ。まだ、敵対気味のオーブにそう易々と上陸できるわけないわ。だから・・・念のためあなたたち二人に防衛に出てもらうわ、ディルノ君はあのMS・・・『キサラギガンダム』で出てもらうわ。でも、リン君・・・あなたは今回はデスティニガンダムでは出れないわ」

「・・・・・」

リンは黙っていた。その意味は知っていた、リンは一度オーブを守ったがその後裏切った。そのことを思い出し手を強く握った。

「あなたにはウィンダムで出てもらうわ。慣れてないから大変かもしれないけど・・・分かってるわね?」

「はい・・・」

ミリアがそういうと、リンは立ち上がり司令室から出て行った。ディルノは頭を下げるとあとに続くかのように出て行く。それを見てミリアはため息をついた。そして、前を向くとオーブを見た。








リンは更衣室で戦闘スーツを着替えていた。ディルノは後から入ると「リン!」と呼んだ。リンはディルノを見ると一度見ただけで着替え続けた。ディルノは自分の戦闘スーツを取り出すと着替え始めた。そして、着替えながらリンに言った。

「あんまり・・・気にするなよ・・・俺はお前を攻める気はない・・」

「・・・・・・分かってるけど・・・・・でも・・・俺はたくさんの命を奪った・・・それは・・・変えられないだろう・・・?」

「・・・・でも・・・お前はやるしかなかったんだろう?お前の力は強い・・・でも、それを殺すために使うんじゃない・・・救うために使えばいいんだよ。お前はそれだけの力があるんだ」

「・・・救う・・・力・・・?」

「・・・・ああ・・・・キラ・ヤマト・・・あの人も救うために力を使った・・・時に言えば殺してしまうことがあった・・・だけど、彼は救うために殺さず助けるためにその・・・力を使った・・・やることは辛いけど・・・お前もそれだけやれる力はある・・・・難しいかも知れないけど・・・やってみろよ」

「・・・・俺ができるなら・・・やりたいさ」

そうリンがいうと、リンは更衣室から出て行ってしまった。ディルノはため息を着くと自分の上着から写真を取り出した。それは二人が仲良く笑っている写真で5歳くらいの時だ。リンは今より少し髪が短く、ディルノもそんなに長くはなかった。それを見てディルノは懐かしく思った。

「やっぱり・・・あの頃には・・・戻れない、か・・・」

そういうと、ディルノは更衣室から出た。そして、リンの後を追うように歩いていった・・・。




『光と闇』

今こそ 歩き出す 道を 探し続け

闇という暗闇の中 彷徨い 正しき道探し 歩き続ける

果てしなき闇を突き抜けて 希望を僕らは探し続け

振り向かず前を向き ただ歩いて 自分たちの居場所を探し出す

たとえ 辛いことがあっても ただ 前を向き歩き続けて

この胸に秘めた勇気を 振りかざして 闇を消し去り、光に照らそう

悲しみも孤独も消し去って 未来への鍵は 自分たちの手の中

静かに 光の鍵を 振るい翳して




リンはウィンダムに、ディルノはキサラギガンダムに乗ると設定をし始めた。リンのモニターにディルノの顔が映る。そして、微笑みながらリンに言った。

「緊張してるか?」

その問いにリンは首を振った。そんなことは分かってると言うようにディルノは「そうか・・・」と言った。リンは緊張するはずはなかった、でも、防衛する気はならない・・・親友がいたとしても・・・・乗れないのは当たり前だ。そして、ナビゲーターの声が聞こえた。

「ウィンダム、発進準備完了次第出撃お願いします」

そういわれるとリンは首を横に振り気合を入れた。そして、レバーを前へ倒す。

「リン・アーカー。ウィンダム、行きます!」

そういうと、グラディウスから飛び立った。すぐさま、ディルノのほうも発進準備完了となる。ディルノは前を見る。

「キサラギ、発進どうぞ!」

そうナビゲーターが言うとディルノはレバーを前へ倒した。

「ディルノ・シバ、キサラギ・・・出るぞ!」

そういうと、キサラギガンダムはグラディウスから飛び立った。そして、ウィンダムとキサラギガンダムはグラディウスの真横で飛ぶ。キサラギガンダムはフェイズシフト装甲が発動し色が変わる。全員が緊張した、いつ攻撃されるか分からない状況だ・・・無理はなかった。だが、オーブ軍からは何も来なく、意外とあっさりと上陸できた。リンとディルノは顔を見合わせた。
そして、ゆっくりと地上に降りた。オーブ軍の偉い者か、多くの付き人を連れてグラディウスへと近寄ってきた。丁度、ミリアたちも降りてきたところでオーブのものに敬礼をした。リン達もすぐさま敬礼をする。歩いてきたのはカガリ・ユラ・アスハ代表首長と結婚が決まっていたユウナ・ロマ・セイランのご家族の一人、ウナト・エマ・セイランだった。髪の毛は銀色で横だけ髪が生えている。オレンジ色のサングラスをかけている。

「いやいや・・・地球軍の皆さんですか・・・長旅・・・ご苦労様です。何用でオーブに?」

ウナトの問いにミリアは敬礼をするのをやめてウナトに言った。リンは右下に俯く、ディルノはリンに近寄り顔を見せないようにする。

「大西洋条約・・・のことで詳しく聞きたいのでオーブに・・・。地球軍とはいえど、あんまり上層部の人しかしらないので・・・詳しくは上層部の者に聞くよりは自分で聞いたほうがいいと思いましてね。『百聞は一見にしかず』とも言うでしょう?」

ミリアがそういうと、ウナトは「ふむ・・・」といい、ミリアに近寄り手を差し出した。

「なら、深く教えましょう。オーブを自由に使っていいですし・・・それに・・・」

ウナトはチラッとリンを見る。ディルノはリンを後ろに隠す、ミリアもリンを見た。そして、ウナトは続けていった。

「気になる話も・・山ほどありますしな。詳しくは軍部施設の特別会議室でのちほど・・・」

そういうと、ウナトは歩いていった。ミリアはリンを見ると近寄りリンに向かい言った。

「気にしないで・・・元からあーだとは知っていたから・・・あなた達にも上陸許可は出すわ。心を休ませることは・・いいことだと思うわ」


そういうとミリアはウナトの後をついていくように歩いていった。リンは「ふぅ」と深いため息をついた。ディルノはリンの肩を優しく触れるとリンに優しく言った。

「・・・とりあえず・・・せっかく上陸許可をもらったんだ。散歩でもしないか?少しでも気が休まると思うぞ」

「・・・うん」

そういうと、二人は艦隊へ一度戻った。そして、普段着へ着替えると二人は外で待ち合わせをした。ディルノの格好はアスランのような格好で黒いジーパンに黒い胸元が見えるがその上にさらに黒い手首まである服だ。そのディルノの姿ではかっこよく紳士的に見えた。しばらくし、リンが艦隊から出てきた。リンもディルノに似たような感じで黒一色だ。ただ、違うのはペンダントを首に掲げズボンのポケットには銀色の鎖がついていた。ディルノは手を振るとリンはゆっくりと歩いてきた。

「ごめん!待った?」

「いや、大丈夫さ。行こうか?」

「うん・・・」

二人は一緒に歩き始めた。二人が最初に行った場所はオーブの街だった。色々な店を廻る。こんなにゆっくりできるのは久しぶりだ・・・そうリンは歩いていて思った。そのとき、ディルノがいなくなっているのを気づいた、リンは辺りを見回す。だが、ディルノの姿はなかった。リンは呆然とした。

「この年で迷ったか・・・・元オーブだし・・・道は覚えてるけど・・・動き回らないほうがいいかな・・・」

リンはそう思い、とりあえず座れる場所を探して歩いた。だが、人が多くよくぶつかる。動きにくい状況ながらうすら覚えであるが公園がある場所へと進む。そのとき、赤い髪の毛の女の子とぶつかった。リンの持っていた買った物は地面へと落ちる。二人は尻餅をついた。

「ッ・・・ごめん・・その余所見してて・・・」

「こっちこそ・・・・ごめん・・・なさい」

リンが目を開けた先にいたのはオレンジ色の髪の毛で肩までしかない髪型で瞳の色は緑色だ。服装は上は茶色のコートで下は黒いスカート。リンはその姿を見て顔を真っ赤にした。そして、そっぽを向く、女の子はリンを見て首をかしげた。

「・・・・どうしたんですか・・・?」

「その・・・見えてる・・・よ」

その言葉に少女は認識するのがしばらく時間がかかった。そして、すぐさまスカートを押えるように立ち上がる。そして、顔を真っ赤にした。リンも立ち上がり顔を真っ赤にしながら言った。

「その・・・悪気はなかったんだ・・・その・・・ごめん・・・」

女の子は首を振った。そして、すぐさまリンが落とした買った物を拾い始めた。それを見てリンもすぐさま拾い出す。そして、缶ジュースを拾おうとした、二人の手が合わさる。二人はすぐさま離れる。そして、胸をドキドキさせていた、リンは深呼吸し落ち着くと缶ジュースを拾った。そして、少女もゆっくりと深呼吸をすると立ち上がった。

「その・・ありがとう・・拾ってくれて・・・俺の名前はリン・アーカー。君は?」

「私?私の名前はリアナ・クラシス。リン・アーカーか・・・よろしく。で、リン君はここで何してるの?」

「あ、いや・・・友達と離れちゃってさ・・・それがこれだ。情けないよな・・・君は?」

「・・・私?ん~・・・・・散歩~・・・かなぁ~・・・」

リンはその話し方でおとなしく、能天気な人なんだろうと分かった。リアナは両手を合わせるとリンの手を引っ張った。そして、公園へと連れて行くと微笑みながらリンに言った。

「もし、よかったらお話しない?あなたのことも~・・・知りたいしね」

「え?あ・・・いいけど」

そういうと、二人はベンチへと座った。リンはため息をつくと荷物を自分の横に下ろす。リアナはベンチから立つと噴水の前に立った。リンは黙ってそれを見ていた。リアナは振り返るとリンを見た。

「あなたって・・・オーブに来た事ある?」

「え?・・・それは・・・・あるよ、生まれたのがオーブだし・・・」

「ふぅ~ん・・・私は・・・どこで生まれたか・・・覚えてないんだ・・」

「・・・・どういうこと?」

リンのその問いに平然とした顔でリアナは言った。その声はどこか悲しげな言葉であった。

「・・・私は・・・幼い頃にお父さんを亡くしてお母さんと過ごしてたの。その頃は・・・私はオーブにいた。でも・・・お母さんは『お前が生まれたのはオーブじゃない・・・もっと遠いところだよ』と言ったの・・・」

「・・・・・・・・・・・」

リンは黙っていた。この人も父親をなくしたんだ。自分は両親を亡くした。でも、妹は残っている。自分の唯一の支えはナナミ・・・。でも、この人も同じだ。唯一の支えは母親・・・辛い思いをしているのだろうと思った。
そのとき、遠くから声が聞こえる感じがした。リンは辺りを見回す。すると、ディルノが買ったものを持ちながら手を振りながら走ってくる。リンはそれに気づき手を振った。

「ディルノ!」

ディルノはリンの前に来ると息を切らしながら言った。

「どこ・・・行ってたんだよ・・・探してたんだぞ・・」

「ごめん・・・その迷って・・」

「迷った!?・・・・はぁ・・・お前って奴はのんきだな・・・」

ディルノがそういういいため息をつくとリアナは近づき顔を見た。ディルノは一度リンを見るとリアナを見ながら言った。

「リン、この子は?」

「あ、リアナ・クラシスっていうんだ。荷物をぶつかって零したときリアナが拾ってくれたんだよ」

「そうか、すまないな。俺はディルノ・シバ。リンの友達だ、よろしく」

そういうと、微笑みながら手を出した。リアナは自分の手を差し出した。そして、握手を交わす。

「初めまして~リアナって呼んでください。あなたもオーブ育ち?」

「ん?あ、ああ・・・リンとは幼馴染だから・・・」

「そっかぁ~・・・」

ディルノはリンを見るとリンに向かい言った。

「どうする?戻るか?」

リンはしばらく考え込むとディルノのを一度見、リアナに向かい言った。

「君なら知ってるかもしれない・・・もしよかったら海がよく見える場所に連れて行ってくれないか?」

「海が・・・見える場所・・・?あるけど・・・少し悲しい場所だよ?いいの・・?」

「・・・・うん」

そういうと、リアナは歩いていった。リンとディルノは顔を見合わせると後を続くように歩いていった。街から出、長い森を抜けていった。日は暗くなり夕日が綺麗に見えるくらいまであった。そして、着いた先は一つの墓があり、花がかけられている崖であった。

「ここよ・・・こういう夕日の日は・・・とても綺麗なの・・・」

リンは辺りを見回す、海が綺麗に光っていた。それを見てディルノも驚く。そして、リアナは墓の前に座ると墓を触る。そして、撫でるようにしながら言った。

「私の・・・お父さんのお墓・・・綺麗なこの場所ならお父さんも喜ぶかな・・・と思って・・・」

リンはリアナを見つめた。どことなくフォーンと同じ様な感じが漂った。ディルノは辛そうな顔をし、俯く。

「あなたたち・・・もしかして、地球軍の人・・・?」

リン達は吃驚し、ディルノの顔を見る。ディルノも驚き二人は顔を見合わせる。リアナはチラッとリンたちを見る。リンはすぐに答えた。

「何言ってるんだよ・・・俺たちが戦ってるように見える?」

「見えるも何も・・・あなた達が地球軍艦隊から降りてくるのを見たから・・・」

二人は観念したかリンはリアナに向かい言った。

「ばれてたか・・・でも・・・俺たちはオーブの人たちに危害を加えることはしない。抵抗もしない君達に攻撃しても無駄だろう・・?」

「・・・・私も正直に話すわ」

リアナはそういうと、立ち上がり振り返った。丁度そのとき、風が靡き三人の髪を揺らす。そして、目を逸らさず言った。

「私も・・・オーブ軍の一人よ・・・だからといって大西洋条約を結んでる限りあなたちを殺す気はないわ・・・特例がない限りね・・あなたは何の為に戦うの?」

リンはビクッとし、肩を揺らす。ディルノは俯く・・・リンが今まさに迷ってること・・・それは『何の為に戦うか』だ。敵でありながらも今は仲間の者に聞かれる・・・それは辛いことだろう。

「答えられない・・・ということはあなたはほかの人の思考で動いてるの?」

「そんなんじゃ・・・・俺は妹の為に・・・平和にする為に・・・」

リアナはとまることもなくリンに言った。

「平和の為?平和・・・平和・・・といいつつ、平和は一時的なものしか過ぎないでしょ?・・・先の戦い後、条約が結ばれた。でも、それはすぐに破られた・・・違う?あなたは・・・それでも平和を望む?妹の為だってそう・・・力があれば守れる・・・でも、その力は時には世界をも滅ぼす力になる。あなたは妹を守れる力があったとする・・・でもあなたは無差別に敵を切り裂くだけよ・・きっと・・・それでも言うの?『妹の為、平和の為に戦う』と・・・」

リンは黙っていた。静かに風は流れる、ディルノはリアナを見、そしてリンを見た。そして、リンは振り返ると森の中へと戻っていった。ディルノはリアナを見るとすぐさまリンを追いかけた。リアナは夕日を見つめた、そして、深いため息をつく。





リンは森を出て街に入ると艦隊へと歩いていった。ディルノはすぐさま追いつき、リンの肩を引っ張る。リンはディルノを無理やり見るような姿になる。

「待てよ、リン・・・その・・・あんまり気にするなよ・・」

「・・・・気にするな・・・っていうのが無理だよ・・・」

「お前はまだ大人じゃないんだ、深く考えなくても・・」

リンはキッとディルノを睨んだ。ディルノは驚き後ずさりをする。リンは睨みながらディルノに言った。

ディルノには関係ないだろ!!ディルノは戦う理由があるよ・・・!でも俺はないんだ!ほっといてくれよ!

ディルノはカッとし、リンに近寄り頬を思いっきり叩いた。リンは打たれた頬を触る。そして、ディルノを見る。ディルノは怒りの目をしリンを見つめながら怒った口調でリンに言った。

お前は・・・皆心配してくれてるんだぞ!!なのに・・・お前は・・・俺とかクルーの人に相談もしないで・・・一人で抱えて・・・!少しは信頼したらどうだ!一人で悩まなくてもいいじゃないか・・・

ディルノがそういうと、リンはハッとし、俯いた。そして、ディルノにいつもの声で言った。

「ごめん・・・・一人にしてくれないか・・・?」

そういうと、走って艦隊へと行ってしまった。

リン!!

ディルノは追いかけようとはしなかった。リンは看板にいき夕日を見ると手を強く握った。そして、ペンダントを取り出すと強く握った。そして、夕日を睨むように見る。目には涙が零れた。ディルノは外で夕日を見つめていた、その目はどこか悲しげな目であった。そして、複雑な思いを抱えたままこの日が終わろうとしていた・・・。



『アメノナカ』

雨の振る あの公園で 静かに震えていた子猫が

なぜか、子供のときの自分に見えた

それは自分が可哀想だからと 思ったからかもしれない

ひとつの写真 それが最後の君の面影だから

君がいてくれた あのときを 思い出したいけど 忘れてしまう

でも、ずっと 胸にしまっているから 私を思い出して

なぜか 今日の雨は 冷たく切なかった・・・





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