機動戦士ガンダムSEEDMEMORY

機動戦士ガンダムSEEDMEMORY

STARG54 未来の種 ~前編~


そして、二人はさきほどまでの出来事を思い出す。

【あの人は僕に言った。僕との戦いで最後にしよう、未来を選ぶか過去を選ぶか・・・だから、僕は本気で戦った!】

その表情・・偽りのない本当の言葉。

【違う・・・!過去も未来も・・・同じくらいの重さだ。でも・・過去に過ちをしたことは・・今になっては戻せない・・・でも、未来なら変えられる・・・未来を直すのも過去だ・・・・!】

その言葉が意味することは未来にも過去も同じ重さだけのことがある。未来を直すのも過去・・つまり、今から。過去を直すのはでいないけど・・未来なら変えられる・・・それが今、できること。

カズマは呟く・・それは自分が未来を断ってしまった事・・間違ったことをしてしまったこと。だが、後悔は半分はあるが半分はない。

「俺は・・・平和を望む・・・!だから、あいつを討たなくては俺たちの平和はないんだ・・・!」

ユミはその呟きが聞こえたかカズマを見る・・そして、その眼に灯る火を見て体を震わせる・・・その目は歓喜と憎しみ、己の信念がまさに映し出されている目だ。それはまさに戦いを切り抜けた人しか持たぬ目・・決意であった・・ユミは再び、強く決意を固める・・しかし、半分くらいしか固まらない・・・何かが何かが決定つかない・・・でも、倒さなければいけない・・平和を得るためにはフォーンを・・・。

「私も・・平和を望む・・だから・・戦うの・・!」

その言葉とほぼ同時に警報がなる・・そう、戦闘準備のときとなったのだ。二人は一度見合うと互いに頷く、そして、指令が格納庫内に飛び回る。一言一言が最後の決戦の意味を現していた。

≪各戦闘配備!総員、出撃準備をせよ!この戦いが最後と思われる・・ザフトの正義と信念を今貫き、新たな世界を!ザフトに!≫

全員の目つき・・そして、揺らいでいた想いが一気に高まる・・すべては家族のため、愛するもののため・・そして、自分らが信じるすべてのために。











「・・・・ン!・・・・・ン!・・・・・ろ・・・!」

【・・・・・誰?僕は・・・何処にいるの・・・?】

かすかに聞こえるその言葉は聞き覚えのなる声・・しかし、体が動かない・・・。そして、リンは知った、自分が死んだことを。

【・・・!そっか・・僕は死んだ・・のか】

なぜか、執着心はない・・・疲れた、そう思うしかできなかった。今までは怖かったことをずっとしてきた、自分が生き抜くためでもあり、誰かを守るために、平和を得るためにも。

【・・・疲れた・・・でも、もう戦わなくていいんだ・・】

そのとき、一人の姿が自分の前に映し出される。それはフォーン・・嘘か本当とかは分からない・・・でも、きっと、自分が願ったんだろう、今会いたい人を。フォーンは微笑みながらリンを見つめる・・しかし、どことなくその表情は悲しく、切ない。

【フォーン・・僕・・・もう・・疲れちゃったんだ・・】

その言葉を伝えた瞬間、フォーンの表情が曇る、そして、次々に大粒の涙が溢れ出してきた。
その姿を見、リンは戸惑う・・彼女が見せてくれた・・自分への涙。

【なんで・・泣いてるの・・・?】

フォーンの幻影は消え去る。次に現れたのはナナミ・・・その表情は同じく微笑んではいるが・・どこか悲しい。なぜ・・みんな同じ顔をしているのか・・表情をしてるのか・・・?

【僕が・・・いなく・・なるから・・・?】

そして、ナナミの幻影は頷く、その意味を知り、リンの瞳から涙が零れる・・・自分のために泣いてくれる人がいる・・自分を求める人がいる・・自分を待ってくれている人がいる・・・そう思うと涙が止まらなかった。ナナミは微笑みながら優しく手を伸ばす、フォーンの幻影も再び現れ、手を伸ばす・・・その手は暖かそうで・・そして、一番自分の身近にあり、大切なものだ。

【・・・そっか・・休んでる暇はない・・休んでる暇はなく・・そして・・みんなは僕を望んでいる・・・だから、僕は・・・生きる・・・!世界へ・・人類への希望を掴み取る!未来が・・未来があるから・・!】

リンはいつの間にかナナミ、フォーンの手を掴んでいた・・その優しく暖かい手はすべてを包んでもらえるかのようだった・・・そして、二人の後ろにあった光が次第に強くなる・・・そして、リンはその光を見、目を瞑った。











「・・・ン君!・・・・ン君!・・・リン君!目を覚ましてリン君!」

リンはその重たい目を開ける・・ずっと、寝ていて、なんだか悲しい・・・そんな感じがした。そして、目を開けた先にいたのはフォーン。その目には幻影と同じように大粒の涙が写っていた、すぐ横を見るとナナミも同じように大粒の涙と喜びでリンを見つめていた。リンは優しく、はっきりと、言葉を返す。

「・・・ただいま、皆」

そのリンの言葉は間違っていない・・でも、なんだか、リンは間違ってる気がしてならなかった。でも、なぜ、この言葉を使ったのか?
それは・・この言葉のほうが・・・自分らしいと思ったからだ。
でも、みんなは許してくれるか・・不安と少しの希望を持ちつつみんなの顔を見渡す、その顔に写るのは笑顔・・安堵のため息、さらには苦笑しつつも笑顔だ。

「リン・・あんまり心配・・させないでくれよ」

ディルノの言葉・・それは親友とでもあり、絶対的な信頼を持つ者への言葉・・リンはそのまま笑顔でいられた。ヴァンも照れくさそうに鼻を手で啜り、リアナ、フォーン、ナナミ、アオイはリンを笑顔で見ていた。そして、ハッとし、体を起こす・・と同時に体に激痛が走る・・怪我とは別の痛み・・。

「ッ・・・!」

フォーンは急いでリンに駆け寄り、リンの肩を支える、その目には心配と不安がある。ナナミも心配そうにリンを見ると多少だが悲しい目でリンを見た。

「ダメよ・・まだあなたは完全じゃないの・・意識不明から今目覚めてすぐ動けるわけじゃない・・ましてや、あなたは怪我をしているのよ・・?胸に・・できることはしてくれたけど・・それでも、まだ戦闘なんか無理なのよ」

リンはその言葉を聞き、撃たれたはずの自分の胸を見る・・そこにあったのは包帯だ、しかし、痛みがくるのは胸と胸の間・・心臓から奇跡的に外れたらしい。傷こそは見えないが・・痛みは並を超えている、懸命な処置をしてくれたおかげで動かなければ出血は逃れることができるが、戦闘でもすればたちまち開く・・・そんな状況だ。そうすれば、ナナミが少し悲しい目で見たのも分かる・・兄としてこれ以上血が繋がっていなくても心配をかけるのは辛い・・でも・・あの夢の・・あの夢か分からない・・あの言葉を自分は信じてみたい、そう思えた。

「でも・・行かなくちゃ・・・僕は休むわけにはいかないんだ」


そのリンの言葉に一同は戸惑う・・あれだけの痛みだ、戦闘に差し控えはある、何より、戦いの中で死ぬ確立がさらにあがる・・だが、リンの性格からにして休むわけはない。それは、ここにいるもの、全員が知っていた、腹が据わると頑固なリン・・・だが・・全員に選択が求められる。

リンを戦わせ辛い想いをさせるか―――・・・

リンを戦わせず生きることを求め、本人の想いを踏みにじるか―――・・・

だが、選択などはいらなかった。最初から・・決まっていたのだ。それを現すかのようにリンはそのまま言葉を続けて話す。

「僕はみんながどう言っても・・戦う。それは変えるつもりはないんだ」

リンがそういうと同時に立ち上がる、激しい痛みが胸にくるが・・・それを表情に出さない・・・それが強さだから。
立ち上がると同時に扉のほうへと向かう・・全員の視線がリンへと向けられる、それに気づかないかのようにリンはどんどん歩いていく、制服を着ると扉が自動で開く。

「待て、リン」

リンはその言葉を聴き、その場に立ち止まる。ディルノは振り向かないことを知りながらもリンに向かい、話す。その言葉はきっと、そこにいたもの、全員の想いの言葉かもしれない。

「・・・生きて・・帰ってくるぞ」

「・・・うん」

リンはそう告げると部屋を後にする。そして、今、戦いへと向かうのであった。リンはパイロットスーツに着替えると基地内の格納庫に向かう、そこにあったのは、エターナルメモリーガンダム・・以前の激しい戦いの後もなくなっており、新品同様の機体へと変わっていた。リンは静かに歩み寄るとエターナルメモリーガンダムを見上げる・・静かに灯る目の光は・・戦いのときを待っていたかのように見えた。

「・・・ごめんね、でも・・もう少し・・もう少しだけ・・僕に力を貸してくれないかな?」

ゆっくりとコクピットの中に入り込むと、すぐに設定をする。コクピット内が明るくなり、画面が明るくなる。それとほぼ同時に次々にシステムが点滅していき、機能が回復していく。
リンの目に映るのはエターナルメモリーガンダムのすべて、共に生きてきたこの機体・・・壊してはいけない・・壊されてはいけない。
多くの人の願いが込められているから、自分が架せられた運命を生き抜くために・・この機体と共に行く。それが自然と思えるようになっていた・・今、思えば・・自分は成長したのだろうが・・?
成長・・したのかもしれない。
以前は戦うことが怖かった・・誰かを倒すと・・いつも泣いていた・・臆病だったから。でも・・今は・・・?今は・・・力があるから・・そして、気持ちがひとつとなっていた。守りたい人たちがいる・・愛する人がいる・・それは自分の力の源になっていた。

「僕は・・・やらないといけないんだ。変わったから」

独り言には違いない・・でも、自分に言い聞かせるための決意の表れでもあり、現すだけの言葉でもあった。もう、迷いはしない・・自分の望むべき姿・・それを手に入れるためだけに―――・・・

そのリンの言葉と別の現しか、多くの人がリンの出撃を魅入る。もちろん、それは自分の住む街を守ってくれる、という意味でもあるし、見たいからという興味本位な部分もあった、街の中央に大きなモニターが設置され、そこで見るものがいた。ほかにも、携帯から見てるものや連絡のみで聞いてる人など多くの手段で情報を得ようとしていた。その中にはリンたちが助けた女の子たちもいた、あの後少女らは軍のものたちの手により無事帰還することができたが・・自分を助けたリンたちをあの後休む暇なく心配していた。
もちろん、片時も忘れたことはない、リンが無論エターナルメモリーガンダムに乗っているのも知らない、ただ、パイロットだけとしか。
少女らは自然と手を握っていた、なぜ、そうしたかは分からない、でも、こうしてないといけないんだ・・そう思ったからでもあった。

「無事に・・・帰ってきてほしいわ・・」

「ええ・・・願いましょう・・・祈りとし・・」

二人は願う、共和軍の無事を・・。勇気あるテレビ局は整備班や軍のものの目を盗み、基地内に侵入していた。その内心はドキドキだが、スクープとなり、さらにあの最強MS『エターナルメモリー』のパイロットといえば、特大のネタでもある、誰もが食いつく場所で視聴率も上がると思ったからだ。3人のカメラマンとリポーターは壁に寄り添い、見つからないよう注意を払いながら進む。もちろん、生中継である。

『え~・・私たちはついに侵入に成功しました!そして、今皆さんが気になるであろうと思われるパイロットに直撃!インタビューをしたいと思います!』

女性記者はその身を奮いださせるように小さく拳を作るとゆっくりと通路を進む・・多くの視聴者はこれに釘付けだった。そして、ついたのは格納庫前・・全員に緊張が走る、女性記者の声も少し震え、だが、冷静さを装っている。もちろん、そんなのは視聴者から分かってしまうが・・。

『つ・・ついに来ました!あとは・・直撃です・・・!もう、当たって砕けるだけです・・・!でわッ!行きますッ!』

一度画面から記者がいなくなると同時に・・カメラが激しく動き扉が開くと同時に突撃が開始されたようだ。間近には大きな足・・つまり、MSの足がある。カメラが上げられた先にあったのはエターナルメモリーガンダム、今まさに出撃するところだ。視聴率は一気に上昇する、ここが目玉のひとつでもあった。

『今まさに出撃寸前です!パイロットさん!何か、何か!一言を!!!!』

女性記者の声が大きくなる、だが、そんなのも聞こえてないかのように次々に準備が行われる、その行動に気づいた整備班は女性記者らに近寄る。そして、その動きを止める。

『な・・!あんたら死にたいのか!?』

『何か一言を!』

そんな心配の一言も他所に言葉は続けられる。機体は秘密シャッターへと移動される、リンはその騒ぎにやっと気づいたか左方カメラでその様子を拡大し見る、そのもみ合いの末に整備班がガッツポーズを見せる、リンはそれを見、微笑む。一般通信のスイッチを押すと、そのまま喋る。

『危ないですよ、下がっていてください、あと・・行ってきます!』

そういうと同時に秘密シャッターが閉じる。次々にMSが飛んでいく中、エターナルメモリーガンダムが発進準備のため発進レバーへと取り付けられる。それと違う場所ではその声を聞き、街のものは盛り上がっていた。

「あのパイロット・・・やけに声が幼いぞ!?」

「もしや・・子供・・!?」

「そんな馬鹿なことが・・だが、否定はできない・・!」

「なら・・凄いことじゃないか!」

「凄いことだ・・!彼こそ、救世主だ!」

その言葉を横で聞いていた女の子たちは目を輝かせる。その声は自分たちが聞いた・・あのリン・アーカーの声だからだ。生きていたことを知ると・・胸がドキドキしてたまらなかった。

「やっぱり・・生きていた・・!」

「生きていた・・・!生きていた・・・!」

それはひとつの言葉へと変わっていた。支えるための言葉でもあり、ひとつの祈りとしてでも。そして、それを背負ったかのようにリンは次々に進路をクリアしていく状況を見、十分に出撃可能となると出力を全開とする・・そして、レバーを押す。それはスラスターを上昇させ、飛び立てる状況にする。

『エターナル!エターナル!エターナル!』

その声と共にリンは足元のレバーを踏む。さらに目を宇宙へと向かう・・ザフトとの最後の戦いの場所に。

「リン・アーカー!エターナルメモリー!行きますッ!」

エターナルメモリーガンダムは基地から飛び出す、そして、一回転すると放射能が散り、赤き翼が広がる、それと同時に光の翼が現れ、それはまさに勝利の天使の姿であった。その様子を見た、街のものは息を呑む・・そして、さらなる期待が膨らみ、すべてのものがその様子に魅入る。

「かっこいい・・・」

女の子たちはその美しさに魅入った、それは人々を吸い尽くすかのような美しい光景だった。エターナルメモリーガンダムはその祈りと想いを受けついたがのように戦場へと向かう・・・果てしなき、平和を目指し。





『翼を持つ者たち』 歌詞:管理人

永遠(とわ)という戦いを終わらすため 守るべき力を今

刃へと変えて 過去を凌駕するその力を今・・・・・

巡り会い 誘(いざな)う その永遠(とわ)への道

新たな自由への翼を広げ 永遠という道を歩み続ける

平和と偽り 何も変わらない 明日という日常

悲しみと怒りと憎しみの連鎖が続く戦い

安息という眠りを探し 人は彷徨い続ける

永遠(とわ)という戦いを終わらすため 守るべき力を今

刃へと変えて 過去を凌駕するその力を今

想いへと変えて 戦いを終わらせる翼に・・・





戦いはさらに悪化していく、グラディウス周りでは基地防衛のためについた機体が爆発しては消えていった。その様子を見ていた、ミリアはその戦いの激しさを知る。誰もが望まないこの争い・・だが、戦わなければ争いは終わらない・・・しかし、今の自分らの力だけでは防ぎきれない・・それは誰もが認めていた。再び、ブリッジ近くで爆発が起き、戦艦『グラディウス』は今にも壊れそうな勢いで震えた。

「くっ・・・!」

「いやあああっ!」

「うわああっ!」

「左エンジン破壊!スラスター、5番、6番も破壊!左舷も損傷!高度維持不可!これでは・・!!」

「耐える・・・!耐えるのよ・・!後少し・・・!必ず・・助けが来るはず・・!」

ミリアは祈る、リンたちが来ることを誰よりも。諦めかけていたブリッジのものたち・・だが再び想いは一つになる。賭けるしかない、少なかろうが・・リンたちが来ることを。
グラディウスの真横にグフイグナイテッド(青)が現われる、それはメインのエンジンを狙っていた。狙われてはさすがのグラディウス言えど動けなくなる・・それはまさに命綱でもあった。全員の真剣さが再び現われる、ミリアが口を開き、指令を出そうとしたそのとき、一度戦場が静かになる・・・それは暗黙のとき・・ともいえた。その静けさを感じ取ったミリアは呆然とする・・ザフトの兵も動かない・・それは何かが舞い降り何かが起きようとした、そんな前兆だった。アージェンは熱源反応が起きているのを知る、それはグラディウス軍へと向かう・・その反応は・・・祈りが通じたか己らが求めた光でもある。

「後方から熱源反応・・・!これは・・エターナルメモリー!ヴァイン!パーシフル!ヴァントプロミス!スパイラル!アクアパレス!プライドシュライド!ブレイバーです!」

その言葉はまさにグラディウス内の士気をあげる結果になった。そして、上空から舞い降りると同時にエターナルメモリーガンダムは≪ルシヴァー≫ビームソードを抜くとグラディウスの前に舞い降りる・・その姿こそ、天使であり、守り人でもあった。エターナルメモリーガンダムの目に光が灯る・・それは何かを決意したかのように見えた。
次々に舞い降りてくるとグラディウスの前に立ちはだかるように機体が集う・・。

「あ・・あ・・・」

ミリアは声になるのがこれで精一杯だった。そして、モニターにリンの顔が映し出される。その目には揺るぎがない赤き想いが集われていた。そして、ミリアを見ると安心し、微笑む。

『ミリアさん!』

「リン君・・・!」

『ここは僕に任せてグラディウスは後退してください!この戦いは・・僕らで終わらせる・・!最終決戦の準備を!』

「でも・・・!」

『休んでる暇はない・・それが運命だから・・架せられた運命だから。それに、僕はもう・・十分に休ませてもらいました。今度は僕の番です・・!』

その言葉を聴き、ミリアはなぜか胸がホッとする。理由は分からない、でも・・リンらしい言葉でもあり、安心できることには変わりはなかった。
その無難の選択を受け入れることにした、もちろん最善の命とし、もしかしたらイーゼルがいなかったから焦っていたのかもしれない・・安心するために。

「分かりました、グラディウスは後退します、しかし、無理はしないように・・あなたたちも・・失うわけにはいかない・・から」

その言葉にリンは頷く、それと同時にモニターが消えた。ミリアは静かに深く深く・・それは深いため息をすると、すぐに顔を上げ、クルーに通達する。

「グラディウス軍は撤退します!もちろん、修理が終了次第、復帰するわ!各部隊に通達を!」

「は・・はい!」

グラディウスは方向転換し基地へと向かう。その様子をリンたちは見、安心すると、振り返る。その先にいるのはザフトの部隊・・数は少ないものの実力は今までを覆す。気を抜いて戦えない相手でもあった、そして、後に控えるのは地球軍・・それを考えると厳しい戦いだった。ヴァントプロミスガンダムのコクピットにリンの顔がモニターに映し出される。フォーンはそれに気づき、顔を上げる。

『フォーン』

「リン・・」

『彼らとの・・・決着も・・これで最後にしよう・・・』

そのリンの言葉を聴くとユミの素顔が思い浮かぶ。共に笑ったあの日々、共に苦しんだ日々・・激しい激闘・・リンが殺されたと思われたときのあの悲しき表情・・・それが今、決着しようとなっている今。
リンの表情は穏やかだった・・・なぜ、こんなときに穏やかでいれるのか・・・?

「最後に・・・できないとしたら・・?」

その言葉がふと漏れた。それを聞いてか、リンはフォーンに言葉を返す、それは、別の形での安心を込められ、決断を決められる一言。

『フォーンが討たないなら『僕』が討つ。それが・・僕しかできないことなら。でも・・フォーンが討つなら・・僕は君を守る、殺させたりはしない・・傷つけさせはしない・・フォーンに決めてほしいから・・』

その笑顔は何も嘘のない、本当の言葉。今、リンが言える唯一の言葉。
フォーンにキツイ一言に見える・・戦うことを誘う言葉・・そんな言葉だが、それは違う、戦うだけでも・・もし、リンが討ってしまったら・・・?
それは後悔が残るだけの悲しい結果になる、自分の手で討つことは・・後悔は残らない・・そして、ある決意が生まれる。それをもう一度確認するため、リンは今、言ったのでもあった。

「・・・・私・・・私がユミを討つ・・だから・・もう一人を・・・お願い。もう一度、ユミと話がしたい・・それでも・・変わらないようなら・・・」

その眼には決意が宿っていた。消して消えることのない、『過去』を断ち切るための重い決意を。
リンはそれを感じ取れるとエターナルメモリーガンダムは≪ルシヴァー≫ビームソードを抜いたままヴァントプロミスガンダムから目を離す、最後に一言呟く・・・。

『君を・・・愛せてよかった。傍にいてくれてよかった・・・僕は君を守るだけの力を得られたかもしれないから・・』

その一言を呟くと通信は消える。エターナルメモリーガンダムは眼を光らせるとザフトの部隊へと突撃する。その後にヴァインセイバーガンダム、ブレイバーガンダム、アクアパレスガンダム、パーシフルガンダム、スパイラルガンダム、プライドシュライドガンダムと続く、その様子はまるで自分を導いてくれていたかのようであった。それを見、自然と力が湧くとフォーンは操縦桿をギュッと力強く握り、その後を追うように飛んでいく・・そして、今、ザフトと共和は・・激しい激闘が始まろうとしていた・・。






その頃、クロスウィザードガンダム、エレヴァールガンダムはその静寂とした戦況の中を不思議に思えていた。ひとつの通信が開く、それは母艦からの連絡でもあった。その通信に対し、ほぼ同時にユミとカズマが答える。

『どうかしたの?』

『どうかしたか?』

その同時の返答に屈することなく、代理の艦長を務める『ジャック・フロスキー』は答える。

「急に戦闘が中断した・・というわけはあれらが来たと考えてもいいのではないか、と思い・・連絡したのですが」

ジャック・フロスキーはザフトの中でも名が通る人物で戦闘・・とはいえ、MSやMAでの戦いは苦手としてるが指揮に関してはレヴェリー同等の指揮力を持つ男でもある、黒髪に右目に傷があることから過去になにかしらのことがあったのだと想像はつく。
ジャックの『あれら』という言葉にカズマは敏感に反応する・・目つきが険しくなり、ユミも沈黙する。ユミの口は堅く閉ざされ開こうとはしない・・フォーンとの戦いのためか?

『ほう・・・あいつらが来たっていうのか・・・例の奴の熱源もあるのか?』

カズマの口調は以前より荒々しい。彼をどうして、ここまで変えたのは分からない、しかし、唯一つなげられることはリンとの接触とレヴェリーの死であろう。その口調に動じることもなく、ジャックはそのまま言葉を返す。

「ええ、生きていますよ、彼は。しかも・・前衛部隊を全滅させ、後衛の私たちの向かっています。・・・さすがですね、彼は・・・いや、彼だけの力だけではない、彼『ら』の力の大きさには正直・・驚きますよ、スーパーエース級以上とも言えるんじゃないですか?」

その過小評価の言葉に対し、カズマは顔をさらにきつくさせる。それは彼らをそれしか見ていなかった、という彼の言葉に思いに対し残念と怒りを少し覚えたからだ。だが、彼はここで怒りは爆発させない・・それはリンへと向け、自分の力にするためだからだ。

『あまり過小評価はするな。奴らは強い・・・『SEEDを持つ者』と一部では称されてるが・・・所詮は人だ、力の限界などはたかが知れている』

「ごもっとも」

そのジャックの言葉は異様にキツイ。その冷静な性格は幾たびの戦闘を生き抜いてきたというのが分かる、なぜ、彼が『FAITH』にならないかは不明だ。だが、理由はなんとなく分かる・・その嫌味ったらしい性格からだろう、部下からの信頼も厚いがその強気でなおかつ嫌味な口調が彼を悪影響を及ぼしていた。カズマは配属当初慣れないでいたが(嫌な奴、むかつく奴という意見が多かったのは余談)今となっては慣れてしまった。
だが、彼にも弱点のひとつや二つはある、それの代表的な例としてレヴェリーである。ジャックはレヴェリーには忠誠を誓い、決して嫌味を言うことはなかった。彼を凄く信じていたか、互いに信じあっていたかいざこざはなかったようだ。
ユミは熱源探知機・・そして、全方位を目で逸らすことはなかった。さらにアラームが鳴る、ユミはハッとし右前方を拡大する、その先にいたのは2機のMS・・・エターナルメモリーガンダムとヴァントプロミスガンダムだ、エターナルメモリーガンダムは≪ルシヴァー≫ビームソードで敵を殺さず武器やメインカメラ、サブカメラだけを切り落とし道を開く。ヴァントプロミスガンダムは≪ハオロム≫ビームライフルで敵を次々に撃ち落す、その様子に気づいたカズマの口元がにやける。

『来た・・・でわ、作戦通り決行だ、頼む!』

「了解、無理はせぬように」

ユミとカズマは声を合わせて『了解!』とジャックに伝え、回線を閉じる。カズマは指をポキポキと鳴らす。ユミは操縦桿を握る力がさらに強くなり、二人の集中力はさらに高まる。
リンの脳裏で激しい勘が働く・・・それは、何かの気配を感じさせていた。

「あっ・・・!」

『リン君!?どうしたの!?』

「・・・あの人たちが・・・来る!」

リンの表情がさらに険しくなる。フォーンはその言葉を聞くと同時に表情が変わる、それは友と戦うためのの決意の表情に。

「・・・僕が・・・相手をする!だから、フォーンは彼女と!」

『!?・・・・うん!』

フォーンは別れるとすぐさま、方向をユミが乗るクロスウィザードガンダムに向け飛び立つ。リンはそれを見送ると再び自分の脳裏に激しい勘が・・予感が働く。見た先から飛んできたのは無数のビーム・・・そして、機体の数は20を超える。それを見据えるとリンは目を閉じる。そして、リンの中で種が弾け割れる、目を開いたとき・・それは【SEED】を覚醒させたときの目に変わる。

「・・・くっ!」

≪ルシヴァー≫ビームソードを抜くとザフト軍『FAITH』部隊へと単独突撃をする。並大抵の腕前では無理だが・・リンなど特定のものでは別である。その遥かに超越した腕前を持つリンやディルノらはそれをいとも簡単にできる。だが、ディルノの腕前でもそれでも軽傷はする・・しかし、リンは別格である、その優秀な遺伝子を受け継いだ自称『最強のコーディネーター』のリンはパイロットを殺さず、その力は一個師団を軽く全滅させるくらいの腕前・・と評されるだけであり、スーパーエース級が多い『FAITH』部隊どいえど、対等に戦えるだけの力があった。エターナルメモリーガンダムは高速で接近する、それに気づいたあるグフイグナイテッドのパイロット面々が漏らす言葉・・それは圧倒的な力の前での無力さと驚きだった。

『何!?早いッ!?』

≪くそッ!数が多ければ当たる!≫

『くそッ!撃て!撃てッ!』

M181SE≪ドラウプニル≫ 4連装ビームガンがグフイグナイテッドの腕の機関銃から放たれる。それはエターナルメモリーガンダムに向けられるが・・弾は当たらずすべてをその高速の素早さから回避されていた。傷一つ負わないその腕前からも、機体のブースト、スラスターの操作、どれだけ使いこなせてるかが分かる。≪ルシヴァー≫ビームソードでグフイグナイテッドの真横を抜けると同時に切り払う、それはパイロットを殺さず、武器のみ・・力のみ失わせることでもあった。
あっという間にエターナルメモリーガンダムは第一関門を突破する。

『何ッ!?』

≪第一防衛ラインが突破だと!?≫

『これが・・奴の力ッ・・・!』

そして、次に現われたのはガナーザクウォーリアの部隊である。ガナーザクウォーリアはエターナルメモリーガンダムにM1500≪オルトロス≫高エネルギー長射程ビーム砲を撃つ、だが、これも左右に避けることに避けられた。≪オーフェイス≫ビームライフルに武器を切り替えるとM1500≪オルトロス≫高エネルギー長射程ビーム砲の銃口に向かい撃つ、全弾が命中しM1500≪オルトロス≫高エネルギー長射程ビーム砲のみが破壊される。その腕前からもリンの正確差が分かる。
母艦ではその結果が伝えられている、ジャックの目には怒りが芽生えていた。

『第一防衛ライン!第二防衛ラインも突破!本隊へと約、2分後激突します!』

その報告を受けると同時にジャックの手がさらに強まり、白く握られていた。普段はありえないその彼の行動が今、移されていた。

「くっ・・・!奴め・・・化け物か・・・!」

その声と同時にアラームが鳴る、そう、エターナルメモリーガンダムがこちらに向かってきたのだ。ジャックは歯を食いしばる、リンは突き進む・・なるべく、フォーンのほうに行動が行かぬように、こちらに目線を向けさせようとしていた。だが、エターナルメモリーガンダムの前にエレヴァールガンダムが立ちはだかる、その手にあるのは対艦刃≪ヴェステーヌ≫対艦刃という巨大な対艦刀だ、その威力は艦を真っ二つに斬り捨てることができるくらいでもある、リンはそのMSに乗ってるのが誰だかはすぐ分かった。

「・・・・君は・・・カズマ・・・」

『・・・ああ。この艦は・・・やらせん!』

その目は迷いがない・・リンは見えなくても・・それは感じられた。だが、リンは戦いは好まない・・その理由は・・。

「・・・この戦いは無意味だっていうことが・・君には・・分かるよね?」

『・・・分かるさ、だが、戦わなくちゃ・・守れないものがあるといったのは・・君だろ?』

「・・・うん、でも・・二つの力があっては・・また争いが生まれる。僕らには・・明日がある明日があるから・・戦いは嫌なんだ」

『・・・変な理由・・だが、その言葉の意味は【明日があるから、無駄な後悔を残したくはない】と言ってるようだな、だが・・レヴェリーさんが守るものがあったように俺にも守るものはある・・!』

リンは歯を食いしばる・・戦わず済む方法はないのか・・・?ふと、その考えが脳裏を過ぎる。だが、それは無駄な考えだった、カズマはその目をリンから離さない。互いに一度間を取る・・しばらくし、互いにスラスターの出力を全開にすると中央部で激突する。≪ルシヴァー≫ビームソード、対艦刃≪ヴェステーヌ≫対艦刃は激しくぶつかり合う、二人の目には戦いという目となっていた。手加減は不要でもあった。

『はあああああああッ!』

カズマの咆哮の叫びと共に二人は互いに一度離れる、だが、その力は多少の差があり、カズマのほうが一枚上手であった。、≪オルケベス≫超高速収束レール砲を回転させるとエレヴァールガンダムは多少体勢を崩しているエターナルメモリーガンダムに向かい撃つ、エターナルメモリーガンダムはシールドで防御するが、耐え切れず再び吹き飛ばされる。

「ぐああっ!」

『なぜ!お前は生まれてきた!?』

「ッ!?」

その言葉を聴き、リンは半目を開け、エレヴァールガンダムを見る、エレヴァールガンダムは再び、対艦刃≪ヴェステーヌ≫対艦刃を抜くとエターナルメモリーガンダムに向かい飛ぶ、その光の翼が機体を恐ろしく見せ、それはまるで自分と・・いや、兄と戦っているような気がした。
その異様な感覚にリンは戸惑う・・・。

『お前がいなければ・・お前が存在しなければ・・・多くの命を失わなかった!』

「僕――・・・・が・・・・・・?」



「俺のこと忘れるなよ・・・」


思い出されるのは自分が甘いばかりに討たれた『ミハイル』
彼とは親しかったわけでもない・・・でも、頼れる人であり・・そして、何より、強かった人。




『早く・・・・逃げやがれ・・・・馬鹿野郎・・・・!』



頼りにし、どんなことでも気軽に乗ってくれた仲間・・そして、自分を庇うために意識不明となった・・男。『イーゼル』
リンは首を振る・・それは自分を縛りつかせる恐怖になる。

「・・・う・・・」

『お前の存在が・・一体どれだけのことを生んだか分かるか!中立を気取り、平和と偽り!人を討つ!そんな独占者の言葉を・・・どれだけ吐いてきた!』

「・・・がう・・・」

エレヴァールガンダムは対艦刃≪ヴェステーヌ≫対艦刃を振り落とす、それはシールドを切り、すぐさま離れたエターナルメモリーガンダムに向かう。

『どれだけのものがお前の力を認め!求める!?数え切れないものがお前に憧れを持ち、目標に持つ!それを望むあまりに人は過ちを繰り返す!それもお前が存在するからだ!』

「ちがう・・・違う!そんな存在じゃないッ!」

『ッ!?』

エターナルメモリーガンダムは≪ルシヴァー≫ビームソードを抜くとすぐさま、体勢を戻し、エレヴァールガンダムに向かい飛ぶ、再び、双方の剣がぶつかり合うと激しい火花が散る。リンは迷うことなくカズマに言葉を吐く、どんな言葉であろうと。

「人は人だ!それに何の変わりもない!僕は一人の人間だ!君も一人の人間だ!君は僕じゃない!君なんだッ!」

『・・・それがどうかしたかッ!?貴様は・・・!』

「僕は最強のコーディネーターなんかじゃない!泣く事もあれば笑うこともある!怒ることもあれば、悔しくなるときもある!それは・・人だって言うことだからだッ!」

『・・・ッ!』

2機は一度離れる、エターナルメモリーガンダムは≪オーフェイス≫ビームライフルをエレヴァールガンダムに向かい、3発ほど撃つ、エレヴァールガンダムはZZIK≪アルファ・ロンド≫手甲部ビームシールド発生装置を発動させると、ビームシールドを展開する。それは、ビームを防ぎカズマは舌打ちをする。

『だけど・・お前は・・多くの命を奪った!』

「だけど、迷わない!後悔などはしない!その人の想いを受け継ぎ、僕は戦うッ!未来も!過去も!今も!」

その言葉はカズマを大きく揺さぶる・・そして・・再び迷わされそうになった。だが、カズマは首を振る・・・そして、叫ぶ、ただ、それを認めたくないがために。

『くっそおおおおおおおおお!!!!!!!』

カズマの中で黄色い種が弾けて割れた、それは怒りの種割れですべてをねじ伏せる力になる。リンはその感じを感じ取った・・・。

「ッ!?」

『お前なんかにッッッ!何が分かるッ!』

エレヴァールガンダムの光の翼がさらに大きくなる・・リンはその違和感を感じ取ると何が起きたかも分かった。

「君も・・・SEEDを持つ者・・・!?」

『貴様を俺は今越える!レヴェリーさんの想いを受け継ぎ!今、ここで貴様を討つッ!』

エレヴァールガンダムは右肩にある、≪レジェンドリア≫ビームブーメランを手に取るとエターナルメモリーガンダムに投げる、エターナルメモリーガンダムはそれを≪ルシヴァー≫ビームソードで斬り捨てるとすぐさま、エレヴァールガンダムに向かう、エレヴァールガンダムも対艦刃≪ヴェステーヌ≫対艦刃を抜くと互いにぶつかり合いは避け、再びぶつかり合う。その互角はカズマが上であった。

「くっ・・・!」

『負けられれねぇ!俺にも・・守りたいものが・・人がいる・・・!』

エレヴァールガンダムは蹴りを繰り出すとまず、コクピットに一撃を決め、そのまま蹴り捨てる。

「ぐああああっ!」

機体は激しく揺れながら飛んでいく、リンは操縦桿から手を離すことはなかった。なぜ、自分がここまでして、戦わなきゃいけないかは・・分かっていた。一人の顔が映る・・それはフォーンの笑顔・・。

「僕は・・・僕は・・・ッ!」

リンの中で翼が羽ばたかれ羽が散っていく、エターナルメモリーガンダムの翼がさらに展開し、光の翼が大きくなる・・・リンの目には迷いがなかった。どれだけの言葉を言われようが・・迷いのないその力が今目覚めた。
カズマはその変わりようにわが目を疑う。

『覚醒・・・したッ・・・!?だが・・・!』

カズマは対艦刃≪ヴェステーヌ≫対艦刃を持ったままエターナルメモリーガンダムへと向かう、エターナルメモリーガンダムは全砲門を開くとそのまま、フルバーストモードで向かってくる、エレヴァールガンダム目掛けて放つ、それはエレヴァールガンダムのコクピットのみを避け、すべてを破壊した。

『ぐあああああああああッッ!!!!!!!』

エターナルメモリーガンダムの目の光がエレヴァールガンダムを見据える・・・それは、同情じゃない、同じ気持ち同士の想いであった。カズマはコクピットの中で強く拳を握り叩く、ジャックの顔がモニターに映る。その顔には心配の顔が映っていた。

【カズマ!】

『・・・ジャ・・・ック・・・』

カズマの無事な様子を見るとホッと胸を撫で下ろす。カズマは知る・・自分は何一つ勝るものがなかったのだと・・。その自分の力の非力さに・・泣いた。一粒の涙が頬から零れる。エターナルメモリーガンダムは近寄ると回線を開く・・そして、カズマはそのリンの表情を見た。穏やかで安らかだった・・・なぜか、心が安心する・・そんな気持ちになった。

「・・・・・君の正義は・・・何をも勝るよ」

『・・・・・!・・・うっ・・・うっ・・・・』

カズマは気づく・・リンと出会えれば・・自分は変わったのだと。
怒りだけに身を任せてしまっては・・何も変わらないのだと・・。
二人は・・今、分かり合えたのかもしれない・・・。


(後編へ)

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