機動戦士ガンダムSEEDMEMORY

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STARG54 未来の種 ~後編~


こうして二人、邪魔をされなく戦えるのはなぜなのか・・?
答えは一つ、『リンが守ってくれているから』だった。
さらにもう一つ、問いが出される。

リンは無事なのか―――・・・と

(無事・・・よね・・・)

不安が過ぎる、リンがやられるはずもない・・自分名が見てきたリンは強く、大きく、優しかった。
だが、それと反面失ったときの痛みは多い・・それは分かっていた。
それと同等の・・今は友を討とうとしている・・この手で。

「・・ううん、迷ってなんかいられない・・まずは・・やってみないと」

自然と操縦桿を握る強さが強くなるのが分かる。熱源反応がどんどん近づいてくる、その速さも普通より速く。

「・・・来た・・・!」

フォーンが見据える先、そこにあるのはクロスウィザードガンダム、その手にあるのは巨大な斧・・だが、見かけでは考えられない威力を持つ、その巨大対≪ジジェレル≫ビームアックスである。
そのクロスウィザードガンダムの目に映る光はそれははずされることもなく、ヴァントプロミスガンダムを見つめていた。
ユミはそれが誰であるかはすでに知っていた・・話したくない・・・でも、話さなくちゃいけない・・重い口を開く。

『・・・フォーンなのね・・?』

「・・・ユミ・・・」

その声は・・あまり交わせることのなかった・・親友と親友との言葉の交差であった。裏切られ、裏切り・・互いに別々の道を歩むことになった。
二人は互いに忘れることもなく・・互いの信じているもののために、強くなった。

『ユミ・・・ザフトに戻る気は――・・・』

「ないわ、もう・・戻らない、ユミこそ、私たちと一緒に戦いを止めるために――・・・」

『そんなことできないわ・・ザフトを・・あの人まで裏切るのは・・・』

二人の言葉は途切れ途切れに意見が発せられる。二人は別々の道を歩んだ、だから、もう戻れないと・・そう感じていたのだ。

「・・・リン君は・・・」

その言葉を発すると同時にユミの表情が変わる、その表情は戸惑いに。
聞きたくない・・そう思うと耳を塞ぎたかった。
それは自分の考えが・・・自分が自分じゃなくなってしまうと思えたから。

「リン君は・・・多くのことを・・し・・」

『やめてッ!』

「!?」

フォーンはその目で見る・・ユミはもうすべてを受け入れるだけの力が残されてなかった。ユミは唇を震えさせ、まるでその言葉を聞くのを拒んでいるかのように感じた。

「ユミ!聞いて!私たちはリン・・」

『うるさい!うるさい!聞きたくない!私が壊れちゃう!』

「ッ!?」

その言葉を聞き、もう何を言っても無駄ななのだと・・フォーンは感じた。だが・・あきらめはしない・・それが、フォーンの目に映り存在した。
クロスウィザードガンダムは巨大対≪ジジェレル≫ビームアックスを持ったままヴァントプロミスガンダムに向かい、スラスターを全開にし、突撃する。そのまま、ヴァントプロミスガンダムとクロスウィザードガンダムはぶつかり双方は体勢を崩す。

「きゃああっ!」

「ううっ・・・!」

ユミの中で赤い色の種が弾けて割れる、目つき変わり、すべてを超越する力に変わる。クロスウィザードガンダムは腰から≪クレルンド・エイジャ≫ビームライフルを取り出すと体勢を崩したままのヴァントプロミスガンダムに向かい撃つ、その撃った数は五発だ。
だが、ヴァントプロミスガンダムは体勢を崩しながらも目標をクロスウィザードガンダムのほうへと向けると、目を光らせる。まるで、フォーンの意思を受け継いだかのように。
背面全方位遠距離追尾型≪フロスト≫バリアーは展開すると、ヴァントプロミスガンダムを覆い、ビームから守る。その後、すぐに展開は解除され、再び背に戻る、背面遠距離追尾型小型≪レジェル≫ファントムエスがすぐさま展開され、その標的でもあるクロスウィザードガンダムに向かい放たれる。
ユミはそれを見据えると、まず、巨大対≪ジジェレル≫ビームアックスで目の前に現われた背面遠距離追尾型小型≪レジェル≫ファントムエスの一基を切り落とす。その後、すぐさま片手を離し、腰につけていた≪クレルンド・エイジャ≫ビームライフルを取り出すと後方の背面遠距離追尾型小型≪レジェル≫ファントムエスを一基撃ち落す。

「くっ・・・!」

『それが・・あなたが背負う想い!?そんなに軽いモノなの!?口だけでいい、あなたの手でそれは実現できる!?』

「・・・そ・・それは・・・」

フォーンの顔に不安が募る・・それは・・自分の未来を本当に実現させられるかという・・不安だった。ユミの言葉・・それは本当に考えるに考えて現われる・・言葉だった。

『答えて!リンという人は確かに多くのことを知ってる!でも、本当に平和にしたいとか想ってるの!?』

「想ってる!少なくても・・デュランダル議長の考えにはあの人は惑わされたりなんかしない!」

その言葉を聞くと同時に、ユミは首を振る。デュランダルの言う、デスティニープランは間違ったものではなかった。その能力ごとに分けて多くの生命を作動させ、多くのことを成す、つまり、人々に限られた能力でただ従い争いなど無縁の世界を生きる、ということでもあった。

『デュランダル議長のデスティニープランは・・・間違ったことじゃない!
そうしないと!また争いが繰り返される!』

クロスウィザードガンダムは背中から飛び出した背面≪エールレルイン≫遠距離攻撃型ビームブーメランを掴むとそれを両手で後ろに引っ張り、そのてこの原理を使いヴァントプロミスガンダム目掛けて放る。

「くっ・・!」

ヴァントプロミスガンダムの手に背面全方位遠距離追尾型≪フロスト≫バリアーが展開する、フォーンの中で種が弾けて割れるとヴァントプロミスガンダムはそれと誇張するかのように向かってくる背面≪エールレルイン≫遠距離攻撃型ビームブーメランをはじき返すとそのまま突撃する、クロスウィザードガンダムは巨大対≪ジジェレル≫ビームアックスを振り上げると向かってくるヴァントプロミスガンダムに向かい振り落とす、ヴァントプロミスガンダムはそれに対し、左腕でビームアックスを防ぐ、その一瞬に戸惑うユミ。

『うっ!!』

フォーンはその隙を逃さない、その振り上げた瞬間の隙を狙い肩部収束高速砲≪プロンド≫ビームキャノンを放出する。それは振り上げた腕へと命中し、破壊される。

『いやあああっ!』

クロスウィザードガンダムは腕を失い、その爆発に巻き込まれ吹き飛ぶ、フォーンはそれを黙って見ていた。≪オーブ≫ビームソードを抜き取ると、体勢を崩すクロスウィザードガンダムに向かい最後の一撃を決めに行く、クロスウィザードガンダムは肩部20mm≪ケテゥル≫ビーム砲を向かってくるヴァントプロミスガンダムに向かい撃つ、だが、フォーンは揺るがない。ヴァントプロミスガンダムの足に当たり、左足が壊れる、だが、勢いはとどまらない。どのまま≪オーブ≫ビームソードを持つ手は破壊されず、ただただ無心に向かう。

「はああああああっ!」

ユミは大きく目を見開く。その脳裏に・・あることが思い出される・・それは・・フォーンとユミの2年間の思い出。甘い甘い・・学校生活を送っていたときの懐かしき・・思い出。


『ねぇ、フォーンは好きな人いないの?』

髪はこの頃はまだ多少短く、ユミはこのとき14歳だった。その茶色の髪は肩までしかなく、まだ、やや幼い。制服は赤服で、ここはアカデミー・・つまり、ザフトのために戦うものをより強くするための強化アカデミーのようなものであった。その隣には同じ赤服のフォーン、フォーンはこのときは、髪を縛り、その目はやや大人っぽい雰囲気をイメージさせ、やはり、幼い。背は今より、3cmは低く、周りのものからは『天使の微笑み』と称されていた。フォーンとユミは学力は同じくらいで銃の腕前なども同じくらい、若手フォーンが上なだけで実力に差はなかった。ユミとフォーンの出会いはフォーンが木の下で読んでいたときにたまたま通りかかったユミが話しかけたときから始まった。この意外なコンビは明るいと冷静という正反対の性格を持つというわけで人気だった。はたや二人とも美少女でもあり、人気は鰻上りだった。

『・・いない・・けど』

『え~、勿体無い!美人さんなのに!あ、そうだ!今度、友達とカラオケに行くけど・・フォーンも行こう!』

フォーンは本を読んでいた、その話にはまるで無関係のように刻々とページを進める。彼女が読んでる本の題名は『歩く犬もただどんどんと』という変なタイトル。しかし、その隣には『OSの名称』など機体関係も多い。その無心なところを見たユミは頬を膨らませる。

『も~・・フォーンは・・。彼氏とかできないよ?』

『・・・できなくていい、必要ないから』

『・・・・夢がないなぁ・・』

その一言にフォーンは首を振る。その様子を見た、ユミは首をかしげる、意外と言えば意外な素振り、好奇心が湧いて出てくる。

『・・・夢あるの?』

『・・・うん』

その言葉を聞くとユミの好奇心が最高潮となる。ワクワク感で胸がいっぱいだった。その場でワクワクしつつフォーンに顔を突き出す、その顔は笑顔で溢れていた。

『何!?何!?教えて!』

フォーンは顔を少し赤くさせる、口元を少し開け、ボソッとユミにしか聞こえない声で伝える。ユミは耳を近づけさせ、そのひっそりとした声を聞く。

『・・・笑わない・・・?』

『笑わないよ』

ユミは笑顔で答える、その表情で安心したか、フォーンはさきほどより、少し大きい声で答える。

『・・ユミと一緒にザフト軍の『FAITH』になる。で・・一生友達で・・いたい』

そのことを聞くと、ユミはフォーンの手を自分の手で包み込む。それは友達として・・凄く嬉しいことだった。フォーンがはじめて自分から心を開いてくれた瞬間でもあった。

『私もよ、フォーン。一緒に・・ずっと・・何も一緒だよ』

二人は笑いあう、それはフォーンの初めての笑顔にもなった。ユミが重たい目を開けた先にいたのはフォーンだった。その目は笑顔で安心に染められていた。その過去を思い出し・・涙が溢れた。ユミはゆっくり体を起こすとあたりを見回す・・それはさきほどまで戦っていた戦場・・しかし、ザフトの敵が次々に落とされ・・その光は歴然となっていた。ユミの手をフォーンはしっかり握る。

「・・・覚えてる?」

『・・・え?』

「二人でずっと一緒にいようって・・言ったとき」

『・・・覚えてたの・・・?』

「忘れるわけ・・・ないじゃない・・」

そのフォーンの言葉は偽りは感じられなかった。ユミは自然と手を握る力が強くなるのが分かった・・・。フォーンは黙って優しく微笑む・・そして、戦場を見ながら話し始める。

「・・・私が裏切った。その約束を」

ユミは黙っていた。言いたいことはある・・でも、それがさきほどの思い出で消えた。その意味が今、なんとなく分かった。それは・・

「・・許してくれるわけ・・・ないよね。ごめんなさい」

『ううん・・・いいよ』

大切な何かを忘れようとしていたからだった――・・・。

「えっ?」

『許してあげる・・・』

フォーンの表情は驚きに満ちていた。その単純な返答に・・意外性を感じた。絶交させられるのも・・半分諦めていた。覚悟してたくらいだ。
ユミはフォーンの前に人さし指を立てると笑顔でフォーンに告げる、それは約束でも決意の表れでもあった。

『でも・・この世界を・・・正しくして。自分の力を信じて』

その一言と共に涙が流れる。フォーンも自分の瞳から涙が零れたのが分かった・・共に分かり合えたこと・・そして、共に信じきれたこと・・それが今、溢れ出ていた。
静けさと共にエターナルメモリーガンダムは舞い降りた、ヴァントプロミスガンダムの隣に舞い降りるとゆっくりとコクピットを開ける、その中にいたのはカズマとリン、その様子を見た、ユミは驚く。

「カズマ!」

「ユミ!」

二人は互いに駆け寄りあい、それぞれに怪我がないところを見ると二人して安堵のため息をつく。カズマはリンを見ると表情を険しくする・・・リンここにつれてきた理由は二人を再会させ、無事に帰ってほしいという願いからだった。

「・・・今、聞く。今のままで行けば・・一時的な平和を得られたとしても・・戦いは繰り返させられるぞ?お前には・・それだけの覚悟はあるのか?」

その言葉に対し、リンは目を逸らさず、答える。それは今までのことを通して成長した目で見る、自分の未来。それに立ち向かう瞳であった。

「覚悟はある。確かに・・・戦いは終わらないかもしれない。でも、終わらす、死ぬまでずっと戦う。僕はこの世界が好きだから、僕はこのすべてを好きだから・・だから、戦える」

その一言でカズマは微笑んでいられた。エターナルメモリーガンダムにリンは搭乗する。最後に、フォーンが戻ろうとしたとき、ユミが「フォーン!」と呼び止める。その言葉に振り向いたフォーンは顔を少しととぼけた顔で見る。

「・・・何?」

「・・・・いい彼氏できたね」

その言葉にフォーンは顔を真っ赤にする。ユミは「えへへ~」といいながらフォーン見た。手を振ると笑顔で見送る。

「・・・またね」

「・・・うん、また」

そういうとフォーンはコクピットの中に入る。フォーンはコクピット内のモニターから様子を見る。二人はそれぞれの乗る機体を見つめ、微笑んでいる。
ヴァントプロミスガンダムはスラスターを全開にすると、基地に向かい飛び立つ。その姿を見た、リンは迷いがなくなったことを分かるとその光の翼を発現させ、飛び立つ。二人に見守られる中飛び立つその翼は今、未来へと飛びたとうとしていた・・・。





どんなときも 思い出してる 君の笑顔を

小さい頃に 遊んでいた 公園で また出会う

もう逃げたりしないから 

会えたときは 君に言うから 好きという言葉を

だから ずっと 待ってるから

あの滑り台の上で

そして 見つめよう あの綺麗な星を

優しく君と手が触れ合う その日を・・・





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