ロシアではICBMの発射実験を行った模様。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080828-00000151-jij-int
これはポーランドやチェコがアメリカのMDの枠組みに入ったことに対しての対抗措置なのは間違いない。そして黒海での米露の緊迫関係も含めた上でのロシアの明確な意思表示なのでしょう。
しかしながらこれはロシアの孤立化を益々深めるだけで逆効果だと言える。現実にグルジア侵攻駐留で南オセチアとアブハジアの独立承認の行動をとったロシアへ支持を明確に打ち出しているのはベラルーシのルカシェンコ大統領とシリアのアサド大統領だけで、国際紛争などではよく共同歩調を取る中国ですら、「対話による問題解決を」と独立承認には一線を引いている。これは中国としてはウイグルやチベットなど分離独立問題がある国にしてみれば承認しずらいのが現状だろう。ロシアにしてもチェチェン問題があるだろうが、この独立承認の動きの背景にはチェチェンも落ち着いてるとの裏付けがあると言える。どちらにしろ、ロシア近隣諸国からすると「いつ我が身がグルジアと同じ目に遭うか」との危機感は増大してに違いない。現にウクライナなど親欧米国は更に欧米寄りになっている。フランスはウクライナ南部のクリミア半島や、モルドバの沿ドニエストル地方など、旧ソ連構成諸国のロシア系住民居住地域を次なる標的としてくる危険があると警告もしている。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/173549/
そんな孤立化の進むロシアは冷戦など恐れるものか!との勇ましい勢いだが、経済情勢だけは勇ましさ一辺倒では当然ながらこうなる。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/173549/
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080822/erp0808220935005-n1.htm
資産の海外への逃避に株価下落。ルーブル暴落と。
グローバル経済に取り込まれた国が自国領土付近でこんな派手な軍事パフォーマンス繰り返していたら、そら不安定な国との地政学的リスクは増すばかり。大切な資産は他所に移すし、投資も避ける。これを無視し続けて欧米と我慢比べして潰れたのはソビエト連邦w相当な馬鹿じゃない限り同じ轍は踏まんとは思うけど。
だからと言って欧米にもリスクが無いかと言えばそんなワケでもない。
今は一時よりかは下がって落ち着いた原油相場。この紛争が一月早ければ今と同じ状況になってたかは微妙だ。青天井相場がまだまだ上値を追う展開だったと想像する。そして原油相場が再び上昇し、高値147ドルを突破でもすれば、今度は世界中が抱える爆弾が脅威となる。インフレだ。今の所115ドルから120ドルを行ったり来たりで落ち着いている為、リスクとしての認識は小さいだろう。
これらを考慮すればロシアとて本気で冷戦など望んでいるとは思えない。振り上げた拳をどう下ろすのかそのタイミングだけの問題だと思うが欧米主導の妥協案などを呑めば現状では自国の不利益にしかならず、またアメリカに屈したとのイメージは国民の支持を失う。強気の姿勢を貫き通せば経済的損失は免れない。
南オセチア、アブハジアの独立承認は時期尚早の失策だったと思う。
中露など6カ国で構成する上海協力機構でも「ジェノサイド(大量虐殺)」と「グルジアからの侵略」との言葉を盛り込もうとしたが中国に難色を示される次第であり、ICBM発射実験なども敬遠される要因だろう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080829-00000007-jij-int
こんな記事みたいに「推測」でアメリカ非難を打ち出す自体、ロシアは実のところは手詰まり状態なんだろう。
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