空白だらけな箱

蛮×蛇~短編小説~






「あ~~~~~~~ぁ…。つまんねぇつまんねぇつまんねぇー!!」

悪天候のため部屋から出られず雄叫びを上げながら大の字に寝そべっている男。
それを笑いながら見る仲間と思える者たち。何とも平凡な一日。
寝そべっていた男が大人しくなった。眠ったのだろうか……。



――――――――――――――――――――――――リアルな夢。

生前、数え切れないほどの人や妖怪を斬り捨てた。
腕を振るい自慢の刀を巧みに操り肉を、骨を、臓器を…何の躊躇いもなく斬り込んでいた。
鉄の臭いが混じった血の匂い。臓器の生臭さ。それと斬り捨てられる人間の……断末魔…。
俺の目に映るのはいつも目を見開き瞳潤ませ頭を下げる女子供と自分の名も親も知らぬ兵士たち。殺されるぐらいなら自分で死ぬと下を噛み切り死ぬ女や首を太刀で落とす者。
それを見て、無意識に表情が柔らかくなって笑顔を浮かべながら甲高い笑い声をもらす俺。
…斬る楽しさを知らない、幼い頃でも…自分を売りながら村を歩きまわった。
そうする事でしか生きられないから。自分を買った奴には愉しい思いをさせてたった。
でもそれが終わればそいつを刺して金目の物を持ってそこを後にした。
そんな毎日を送っていたときに大兄貴が来たんだっけなぁ……。

「あれ?先客かぁ。」

少し眺めの三つ編みを揺らしながら小屋の入り口で言う少年。
からっと晴れた空気のような声が古びた小屋の中に広がる。
隅に蹲るようにしていた者が顔をあげてこちらを見る。

「誰だよ。」

短くそう言った声は、何処か気だるそうだった。
三つ編みの少年がドカドカと小屋の中に入り、気だるそうな声を発した者の傍まで寄り、
割れ物を扱うように頬に触れる。
ビクッと身体を震わせる相手に、そっと自分の着ていた余分な着物を一枚被せる。
そして一言。

「俺んとこ来ないか?」

その言葉に、今までまるで光がなかった瞳の奥にチラリと火が灯った。
晩、寄り添う様にして眠り、夜明けと共にその小屋をあとに歩いて行った。
その日、色々と着物を買ってもらった。綺麗な簪も…。
如何してこの三つ編み少年が此処までしてくれるのかわからなかったが、買ってくれると言ったのだから…。そう思い色々と頼み込んで買い捲る。
そんな相手を見て苦笑いのような笑いをしながらも金を払う三つ編み少年。
買ったものを身に付けていきながら、徐々に瞳の炎は燃え上がる。
そして三つ編み少年が「帰るか」と言った時、まだ居たいという顔をするも歩き去ろうとする相手を見て、その後を追う様にくっついて歩く。

「御前さ、名前なんて言うんだ?」

唐突に聞かれ、一瞬「??」だった。それに自分の名前など知らないと思った。
そのまま口にしても言いのだろうかと考えているうちに三つ編み少年は続ける。

「俺は蛮骨だ。…御前名前ねーなら今後は“蛇骨”って呼ぶからな?」

そう言われ、ただ頷くことばかりで言葉にする事ができなかった。
自分に名前が出来るとは思ってもいなかったかのような顔になり、涙を零しながらよたよたと歩く。

「Σぁ、おい;!蛇骨っ!!!」

声が遠ざかり自分は谷底へ落ちているような感覚に襲われた…
―――――――――――――――――――――――――――――・・・・…
「蛇骨!おい!?蛇骨ぅー!!!」

その声と共にガバッと上半身のみを起こし、きょときょとと辺りをざっと見渡し、
声の主を探す。

「ぁ、蛮骨ん兄貴v何かあったんか~?」

暢気にそういう相手を見て額をおさえながら

「うなされてたぜ;?」

と言うと、軽くぎゅっと抱く。
「へへっ」と笑い、

「あのなぁ~vv?…」

と、夢の出来事を面白そうに話しはじめる。

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なにゃーーーーーーー!!!!!!(ぁ
ま、許して(ぇ



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