空白だらけな箱

カラスと青鳥



私に何か用ですか?

その笑顔を向けないで

何の用もないのに…

その羽根の様な笑顔を向けないで

私は黒く醜いカラス

貴方は幸せをもたらすと言われる青い鳥

住む世界が違うのだから

言われる事も違うのだから

私に笑顔を向けないで

どうせその笑顔は同情でしかないのだから

心の底からの笑顔は向けてはくれないのだから

それならいっそ笑顔など向けないでほしい

私は勘違いの多いカラスです

その笑顔を向けられるだけで安心して

変に舞い上がってしまいます

その笑顔は

真の笑顔ではなかったとしても

他人を幸せにする力があるのでしょうか

私が笑顔になっても

誰も幸せにはならないのに

寧ろ不幸にばかりなっていくのに

あなたが羨ましい

…いつだっただろうか…

憎いと思うようにもなった…

私は幸の鳥を羨ましいだけでなく

憎い…御前が居なければ…

汚い心が芽生えてしまったのです

あなたが私に笑顔を向けるたびに…

私は…『殺してしまいたい』…

その笑顔をこの世から消し去ってしまいたくなる

いっそ私が食い殺してしまおうか

そう考えたこともすくなくはない

ある時…また思った…

『いっそ貴方を食い殺してしまって
  私があなたの変わりに世を不幸へと導いて…』

どうして私はこんな考えしかできないのだろう

私がこの世から消えれば良い

あなたは幸せをもたらす青い鳥

私は不幸をもたらす暗黒のカラス

何故私はあなたの笑顔に出会ってしまったのでしょう

出会わなければ良かったのに

そうすればあなたは死なずにすんだ

私が食い殺すこともしなくてすんだ

あなたを食い殺そうと近寄ったとき

最後の最後まであなたは私に笑顔を向けた

でも私はあなたを食い殺した

あなたの一言を聞き涙を流しながら

私はあなたを食い殺した…

食い殺した……

私は暗黒の翼を持つ醜く汚いカラス

私は幸の鳥を食い殺した…

あの笑顔が憎らしく…頭にくるから

前以上に…私は嫌われ者になった

幸の鳥を食い殺したから

こうなることは予想していた

でもいざこうなってしまうと…

…辛い…苦しい…悲しい…怖い…

自業自得と嘲笑われて

自分でもそうだと思っていても

納得できていても…私は……

あの時のあなたの言葉は嘘だったのでしょうか

私は最後まで貴方に救われる事をされてきたのに

どうして私は食い殺してしまったのでしょうか

あなたなしではつまらなくて仕方ないのに

この世は皆貴方を慕っていたから…

それが羨ましくて…憎くて…

あなたはどうして自分が食い殺されるとき

抵抗一つしなかったのでしょう…

そして何故私にあの言葉を言ったのでしょう

私が幸せになる事は二度とない

いっそ死んだほうが楽だ…幸せだ…

でも私は幸の鳥を食い殺したんだ

だから…苦しくても…生きて…

辛い思いをしなければならないんだ

自業自得

私は馬鹿なことをしたんだ

幸の鳥を食い殺すなどしなければよかった

殺してしまいたいと思ったときに

私が死ねばよかったのに

私が死んだところで誰も気づきはしないのだから

あなたのあの言葉は所詮…言葉でしかなかったようですね

でも所詮言葉でも…その言葉を支えに

あなたの分まで生きます

食い殺してしまってごめんなさい

私が幸の鳥になれるのなら

皆が笑顔になれるよう頑張ります

こんな私で良いのなら

幸の鳥になれるのなら

どんな事でもやります

だから…どうか…あの言葉が現実になりますように…














------貴方は私以上に

              幸せな鳥になれるよ

                        必ずね-------


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