空白だらけな箱
縛らないで 見詰めないで 言葉をかけないで 私は人形でしかない 縛られても痛くない 見詰め返すことはできない 言葉を返すことはできない 私を人間扱いしないで 私は人形 腕をもがれても 足を切り落とされても 首を落とされても 私は人形 骨の折れる音はしない 温かい血は流れない 悲痛な声もあげられない 私は人形 視界に入るのは何もなくて ただ暗闇の中に ポツリと居るだけの人形 指は小箱の中腕は箪笥の中 脚はクローゼット胴は土の中 首はリビングに飾られて ただ無言の悲鳴をあげている 私は人形