空白だらけな箱

苦しい





途方に暮れて 前が見えなくなって
ただどうしようと辺りを窺う

そんな僕の顔を覗き込んで微笑む姿があった

目を疑った 天使のようだった
その唇は何も音を奏でなかった

何でもいいから何か言って欲しかった

ただ微笑むだけでは物足りなかった

だからじゃない そんなことぐらいで
僕は涙を出さない



















君は残酷に 優しく微笑むだけだった




















この沢山の人の中で 僕が居るのかすら解らない
そんな中で 君は見つけてくれた

ありがとう

でも僕は欲深いんだ 見つけてくれるだけじゃ足りない
微笑んでくれるだけじゃ物足りない

でもこうして欲しいと強請るのは嫌い

君ならわかってくれると思って言わなかった
それは間違いだと気付くことができずに
君はどこかに行ってしまったんだね

この人の群れの中で
僕は君を見つけだすことが出来るだろうか
































君のように顔を覗き込んで微笑むことが出来るだろうか





























僕にはできないよ

この瞳は人だかりを移さない
この耳は音を聞き取らない
この唇は開かない
この喉は音を発せない
この腕は何も掴まない
この足は地を踏まない




僕は何もできない




















屍同然だから



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