殺風の風~さっぷうのかぜ~


両親が謀反人だったため、何も
かもが失ってしまった少女・殺風は
街を彷徨っていた。
そんな時、昔の友達・華姫に会う。
彼女の誘いでしばらく館へ置いて貰う
事になった。
その翌日に殺風は新たに‘桜風‘と名前を変えた。

~桜風の部屋~
桜風は部屋でくつろいでいた。
ふと外を見てみると
満月が空にあった。
「きれい・・・。」
桜風が空を見ていると侍女が来た。
「なに?」
「そろそろ寝所の方へいらしてはと・・。」
「あっそうね。」
と桜風が寝所へ入ろうとしたその時だった。
ザクッ!
廊下から聞こえてきたのだ。
まるで人を切るような音が・・。
バタバタッ・・・
華姫の部屋の方が騒がしい。
桜風は急いで向かってみるとそこには
華姫の侍女の死体が横たわっていた。
桜風は目の前が一瞬暗くなった。
何せ、死体を見たのはこれで二度目だから。
あの両親が自殺した頃はまだ桜風は幼かったので何も分からなかった
が今はその時と似たような光景を目にした
から。
今いる場所から血の浸たる匂いがあの日と同じだった・・。
桜風は恐怖のあまり、その場で倒れてしまった。
「様!」
「桜風様!」
侍女の声で目を覚ました。
あたりをみてみると朝だった。
「ごめん。倒れちゃって・・。」
「いいえその事ではございません。
それより華姫様はお呼びですよ。」
「え?」
~華姫の部屋~
「何?」
「桜風。」
「あの侍女を殺した犯人が分かったのよ。」
「犯人・・?」
「亡き悲花の宮様の子供だったのよ。」
「悲花の宮・・?」
「その宮様は先帝の第三皇女で、母親は位の低い尚侍だったのよね。元の名は
‘尚子内親王‘右大臣に降嫁された
皇女様よ。」
「聞いたことあるわ!でも右大臣は他に妻が
いたのよね。
それでその妻ばかり可愛がっていたのよね。
おまけに宮様はお腹に子を宿していたのに
流産してしまったのよね。
その数年後、右大臣は病で亡くなってから
子供が産まれたのよね。」
「そうよ。
でもある日。その頃都では流行病が流行っていたのよ。
宮様もその病にかかったの。
それで宮様は母親の尚侍の実家の二条の邸で休養しに行こうと
したけれど
途中で牛車の具合が悪くなったので二条の邸まで歩いて行く
事になったのだけれど元から体の弱かった宮様は
歩いている途中で疲れてきって病の症状が出たせいかその場で
亡くなったという。それで‘悲花の宮‘と呼ばれるように
なったのよ。」
「なぜその子供が・・・?」
「あの侍女はその右大臣の正室(尚子内親王は側室)の方の子供だったので憎らしくて
殺してしまったらしいわよ。」

つづく

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