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行き止まりは、どこにもなかった
新!コテ派な日々~第二十一話~(番外?Dead Data@第十一話)
「いや、変でしょ普通に。なんとも思わないの?」
「お前引きこもりのくせになんなのそれwww名前負けしてるじゃんwwww」
荒らしに負けて
「う、うん…ちょっと…すいません。これ以上は…」
「いや、私達多分合わないと思う」
「そんなごちゃごちゃ言うならもっと合う人と一緒になれば?居ないと思うけど!
異性に負けて
「俺、今度医大受けるんで時間取れないんだわ」
「いやー、今日の試験ボロボロだったわ、平均ギリギリ!お前は?」
「あー…まぁ、だろうな。」
友人に負けて
自分が勝てる所なんてどこにもない。
だからこそ、常に目を逸らして、ただ前に突き進んで、自分が出来る遊びの中で引き篭もって。
そんな自分すら大嫌いで殺したくて。全てにもう負けたくなくて。勝ちたくて。
気づけば一人ぼっち。だけどそれすら認めたくなくて。ただ、自分を認めさせたいばかり。
そこに自分が囚われているって気付いてない訳じゃない。だけど、今更戻る場所もない。
だから、諦めたり途中でやめたりは絶対に出来ない。
だって、諦めたらそこで…。
最後に残った自分の決めた物にさえ、負けてしまう事になる。
もうこれしか残っていない。もう、負けられない。後がない。だから…
全 員 死 ぬ ま で 終 わ ら な い
「っぁ!!!」
激しい憎悪に苛まれ、私は飛び跳ねる様に起きる。
何だ今の一体…。夢…だよな?
よくわからない夢だったが…ただただ胃が痛くなる様な内容だった。
これも記憶の一部とかなんだろうか?だとしたら、私は結構な劣等感を持っているな。
「ん、うぅ…どうしたのぉ…何、突然さぁ…飛び起きてぇ…」
今の一連の動作は私が思ってた以上に激しかったらしく、彼女も目を覚ましてこちらを見る。
眠い目をこすりながら状況を確認する様に私を上から下まで見下ろし…いや、まぁ目はないが。
不思議そうな雰囲気で首を傾げ、声を掛ける。
「あれ?君…目も無い癖に泣いてるじゃん…。え、どしたの本当…」
そう言われて頬に手を当てると確かに濡れていた。
…と言うかそれを言うと前回君も泣いていたんだがな。
それはともかく、私はどう答えた物かも分からず、黙って涙を拭った。
「急に怖くなったとか?それで夢見悪かったり…。
まぁ、あるよね。今の状況、いつ死ぬかもわからないしね…」
あの後、私達は隠れ家を飛び出し、何か記憶のヒントとなるものが無いかあちこち探し回った。
しかし、街に手掛かりらしい手掛かりは見つからず…。
それでも諦めきれないで探していたら気づけば夜だ。
あまり長く移動していると奴らに見つかる可能性を考えて、なるべく隠れた場所で野宿する事になったのだが…
まぁ、見ての通り。夢見が悪く起きた次第だ。
緊張状態で無理に寝たのが悪かったのか、あの日記や少しだけ蘇った記憶の断片のせいか。
両方だろうな。
ともかく、すぐまた寝付く気にもならないので私はなんとなしに彼女へ話を振る。
話は大体、思い出話。例の彼、心金柑の事を聞けるだけ聞いた。
「…ちょっと変わった人だけどね、優しいんだ。あの人は」
穏やかな雰囲気でゆっくりと話す彼女。
その彼との思い出はきっとこの街での彼女の唯一の癒やしだろう。
そんな彼女を見ていると私も何となく安心する。
何せ、先程までは相当不安定に見えたからな。
まぁ、あの日記の最後の方で、彼女を託す様な文章なんて彼の死後に見つけてしまったら、なぁ…。
心穏やかではいられないだろうさ。
だからこそ、それらを払拭出来る様な話が出来る事に心の底から安堵し、ついつい小さく笑いを漏らす。
「?何?」
「…いや。調子が戻ったみたいで安心しただけだ。何よりだよ」
「…そう。…なんかやだなー」
「なんだ?」
「最初、私の方が事情通ぶってさ、お姉さん、みたいに振る舞ってきたのにさ。
…今じゃ君が私の子守?なんか、弱くなっちゃったみたいだよ…。」
少しまた沈んだ声で言う彼女に、私は茶化す様に答える。
「いや、女性は少し弱みを見せた方が可愛げがあるもんじゃないか?
男性が甲斐性を見せるにも、そういう部分がないとな。だから、気にするよりはもっと弱くなっていいんじゃないか?」
そう言うと彼女は意地悪な笑みを零しながら私を突く。
「へぇー。言うじゃなーい。よわーい私を守れる程の甲斐性がー…実際君にある訳ー?」
「さぁてね?自分じゃ判断が付かんからその内守られる時に測ってくれ。」
「そんな時が本当に来るかなー?」
「案外近いかも知れないぞ。」
そんな軽口を言い合い、私の方も大方の不安は消えた。
もう一度寝直したい所だが、これだけ騒いだからな。長居するのはそろそろ危険だろう。
「出発するの?」
「だな。目的地は相変わらず無いが…ま、散歩がてら位の気楽な気持ちで探索と行こう。」
「建物にも入る?」
「つもりだ。我々の記憶はこの街のドコにあるかわかったもんじゃないからな。色々確認していこう」
そんな会話を交わすと、私達は歩き出す。
意外とこうして移動してる間に、うっかりロドクの隠れ家を見つけたりしちゃうんじゃないだろうか?
なんて馬鹿な事を考えてみたが、そもそもあのロドクだ。慎重に慎重を重ねてくる様な輩が
何もせずに侵入出来る様な場所に居るとは思えない。
だからこそ逆に気楽だ。仮に見つけてもそこは避ければいいからな。
そんな訳で、二人は並んで進んでいく。
これが、隠れ暮らす最後の夜だと知りもせずに。
あれから少し経って。僕らはアジトの会議室に居た。
って言っても廃墟の一室な訳だから会議室もクソもないけどね。筒抜けだろうし。壁ねーもん砕けて。
「さてお二方。そろそろ本格的に会議と参りましょうか。
…ただ集まってぼーっとしてるのも個人的には楽でいいですけど、話が進みませんからね」
「えー?気分じゃないなぁー」「ぼくはどっちでもー」
「…まぁ進めますね。」
大した意味もない僕の反抗なんか気にならないってか。
かてないさかなは平然と話を進めていこうとする。
しかし、気になるのはやっぱり閃光騨だ。
糊塗霧が死んでからこう、無気力って言うか、何するにも自分の意見が無いっていうか。
今だってどっちでもいい、なんて答えてたし。
頼りにしてた人間が居なくなるってそこまでの事なんかねー。よくわかんないやー。
「…えー、そんな訳で。議題はこちら“これからどうするか”です。」
「この一日ですぐ奴らの発見には至らず…流石にこのままが続くとロドクさん荒れますから。意見ヨロシク。」
そんなかてないさかなの進行を妨害する様に、僕は机に足を乗せ、だらり、と仰け反りながら野次を飛ばす。
「どーするもこーするもないでしょー。こっちが探して出ないんならあっちが出てくるの待てばー」
「見つかんないのなんか僕らのせいじゃねーしー。ねー?せんちゃーん?」
「ぼくはどっちでも」
それしか言えないのかよこのガキ。
なんて思ってるとわざとらしくかてないさかながおやぁー?と声をあげ、不思議そうな表情をする。
相変わらずいちいちのアクションが鬱陶しいなこいつは。
「私、独り言をしてよーって思ってただけなんですが、まさかお答え頂けるなんて光栄ですねぇ。有り難いです!」
「会議に参加、してくださるんですねぇ。いやいや、真面目な事で。助かりますよ!」
ほんと何しても癪に障るわコイツ。
ぎしり、とカマを掴む手に力が入った。けど、やっぱりアイツはお構いなしだ。
「ま、実際貴女が仰る通りなんですよねぇ…。下手に弄って隠れ続けられたらそれはそれで面倒…
最悪、私達が探し出せない様な場所で餓死でもされたら生死の確認も出来ずロドクさんは納得しない…。」
「要は詰みます。だからそう、様子見は大事って意見、それは本当御尤もなんですねぇー。」
…なんか今日、いつにも増してコイツのウザったらしさ、いやらしさ増してんな?なんなの、機嫌いいの?
いつも通りのにこにこ顔になんかイヤーな陰を感じるんだけどコイツ。
「ですが!ここで私の革新的な意見も聞いて頂きたい。 もういっそ全部ぶち壊そうぜい、と」
「「…は?」」
これまでの流れを全部投げ捨てる様な、唐突な物言いに流石に僕も閃光騨も驚き声を上げる。
だが、かてないさかなは調子を変えず、続けて話す。
「もう全力出してここら一体更地にする位で攻撃すればすぐ奴らは殺せますよ。
その方が頭も使わない、労力要らない、ハッピーでしょう?」
「急に何言ってんだお前…いっつも腹黒そうな事言ってたり
無駄にややこしい事言う癖に今度は突然頭空っぽな事言い出して…ついにぶっ壊れた?」
「そうだよ!ほねぐみこわしたらロドクがおこるよ!」
心底分けがわからない僕らを他所に、かてないさかなはわざとらしーく深く溜息を吐き、
やれやれ、と馬鹿にした様なジェスチャーをしながら続ける。うぜぇ。
「そちらこそ何を言ってるんです?もう茶番に付き合うのは十分でしょう?そう思いません?」
「全てを破壊し、理想の国を作る?はっ。幼稚園児でも考えない位に幼稚な発想だ。そもそも実現出来るとは思えない。」
「そしてその理想の国とやらの国民は?我々ロドクの駒とロドクだけ。何が楽しいんです?」
「何もかも自分の思い通りにしたいロドクは寧ろ我々には邪魔でしかないでしょう。なら、やる事は1つ…」
「奴の計画を寧ろ潰す…。その方が、ずっと面白い事になりますよぉ…ねぇ?」
…僕らは無言で席を立ち、会議室を出て行く。
やばいわ、コイツマジで頭ぶっ壊れたらしい。
ロドクの邪魔をする?そんな事して、僕らがただで済むと思ってんの?
そもそも僕らはロドクが産んだコテで、奴の分身でしか無い。そんな自由あるもんか。
それなら今のまま従って、やりたい事やらせた後仕事がなくなった時に開放される方がマシだろう。
それくらい、あいつなら解りそうなもんだけどなぁ…。
「うーん、前提条件が悪かったかな。おかしいですねぇ。賛成頂けると思ったのですが。」
「いや、与える情報が少なすぎたか。でもなー。あんまりネタバレするのも面白くないからなぁー…ま、仕方ない事ですかね」
「どうせ私の計画は狂わないですがからね。…それはさておき。お二人さん!」
何か独り言をブツブツ呟いていると思ったら突如かてないさかなが僕らを呼ぶ。
今更引き留めようとしてももうお前みたいな危ないのと一緒には居ないぞ。
巻き添えで僕らまでロドクに排除されちゃたまったもんじゃないし。
「どうやら件の奴ら、このビルに来ますよー。なんとも運が悪い奴らですよね?」
「え?」
思ってたのと全く違うかてないさかなの発言に慌てて窓側に寄る僕ら。
確かに、下を見るとノコノコと奴らがこのビルに近づいて来ている。
マジかよ!!あれだけ昼間探して見つからなかったのに何してんだあいつら!くっそ腹立つな!!
「私の考えを皆様に話す前に、殺すもん殺す方が先になってしまいそうですね、フフフフフフ。」
不敵な笑みを浮かべながら、かてないさかなはその場から飛び降りる。
やっべぇ、先越されるぞ!!慌てて僕も閃光騨を抱えながら、飛び降りる。
どういう力を持った相手かも分からないままだけども知るか!アイツに先越されるのだけは絶対イヤだ!!!
「ふむ…これで大体一周したな…。収穫はなかったが…。そろそろここらで建物に入るとするか?」
「いや気分落ちる言い方しないでよ…。
収穫あったじゃん。武器が幾つか。でも、入るのは賛成。気分変えるって事でね!」
そんな事を言いながら、彼女はぽーんと先程拾った手榴弾を宙に放ってはキャッチを繰り返す。
「っておい!危ないだろう!爆発したらどうするんだ!」
「ピン抜いてないし。平気でしょー。てかそんなポロッとやらかす様な投げ方してないもーん」
「本当君の思慮深さどこ消えた…」
少し広めの広場の様な場所。ここは、チャットの方では入り口に当たる場所だ。
もしかしたらここから、この世界から脱出、って事も出来ると思ったが封鎖されていた。
そもそも、ここの外の世界に出た所で我々に行き場があるかと言われたら多分無いが…
まあもし、この戦いが終わった後に旅行となると必要になるからな。確認していた。
そう言えば、私が始めこの状態の街で気付いた時もここに居た。
それならやはり、外部から入ってきた物で、出入りできそうなものだが…。
ドンッ!!
大きな音に慌てて私と彼女が振り返る。
最初私はついに彼女が手榴弾を落とした物かと思ったが、実際は違った。
そこに居たのは見覚えのある道化…。かてないさかながムクリと立ち上がり、こちらを見ている所だった。
「いやぁ、どうもお久しぶりですー、お二人さん!…ご用件は分かっていらっしゃいますかねぇ…?」
にっこりと笑ってみせるかてないさかなだが、その笑顔を見て我々は寒気しか感じなかった。
どう見ても友好的な意味合いの笑顔ではない。敵意と殺意を孕んだ、凶悪な笑みだ。
思わず、小さく後ずさりする我々だが、よくよく考えれば相手は一人で現れた。
様子を見ながら戦えば何とか我々二人なら倒せるかも知れない。
「あ、私だけじゃないですよ?」
…考えを見透かしたかの様にかてないさかなが笑う。そして、上空へとすっと目線をずらす。
…?上?
釣られてその目線の先を見ると、見覚えのある黒いコテとクリーム色のコテが上から降ってきていた。
そして、先程と同じ様な音を響かせ、着地する。
こいつら…平然とビルの上から飛び降りて来たというのか?相変わらずめちゃくちゃな身体能力だ…。
「馬鹿じゃねーのお前!何一人でいってんの!?」
「やられたらへっちゃうでしょ!かってにいかない!」
「はてさてー?馬鹿はどちらでしょうかー。協力を断った相手に私がそんな細かい事気遣ってあげるとでも?」
「気遣ってんのはこっちだろ!!」
ギャーギャーと言い合いを続ける3人のコテ。
それにしてもこいつら、何故こんな固まって居るんだ?何かこの辺にあるのか?
そう思ってこいつらの降ってきたビルの方を確認する。
前にここを通った時、扉はシャッターが降りていてビルに入れる様子ではなかったが…
よく見ると、それは空間に描かれた絵で、そこにうっすら四角い横長の箱の様な物が見える。
なんだこれは?…いや、待て、見覚えがある。それこそつい最近にも見た。これは…
パスワード入力画面だ!
「…そうか、お前らの本拠地はここだったのか…。」
盲点だった。まさか街の中心に本拠地を作っているとは。
と言ってもこれまで本拠地を探した事は無かったがな。
そもそも探しても見つからなかっただろう。この妙な空間に浮かぶ絵のカモフラージュ…
バリアとか結界とかと呼ぶのが一番近いか?これのせいでわからなかったのだから。
しかし、パスワード制か…。これはもしこいつらを倒せたとしてもすぐに侵入は叶わそうだな。
「フフ、えぇ。その通り。ここが我々の本拠地です。まぁこれで十分なハンデではないでしょうかね?」
私の問に答えたのはかてないさかなだった。その言葉にびっくりして振り返る他二人のコテ。
バラしたのはどうやらかてないさかなの独断か。余程自信があるらしいが果たしてそれはハンデになるのか。
「おや、このハンデはご不満ですか?最悪、私達を無視してビルに入りさえすればロドクさんを討ち取れます。」
「そうしたら、その時点でこの戦いはおしまい。ね?十分ハンデになるでしょう?勝ち筋が増えるんだからー」
…どうもコイツはわざとその方向に誘導したいらしいな。
と言っても我々は絶対そうはしないがな。既にそれが意味がないと心金柑の日記で分かっている。
…そして、それだけじゃない。
その事は“ロドクさえも知らせて来ているのだから引っかかる事など有り得ないのだ。
「あれ、すぐ出るんじゃなかったの?」
「いや…ちょっとな」
話は少々前に遡る。
二人で隠れ家を出ようとした時、再び私はパソコンの電源を入れた。
と言うのも、すっかり忘れていたが、あのSNSでロドクのページを確認しないまま終えてしまっていたのだ。
まぁ、情報は十分揃ったとも言えるのだが…他にも何らかあったら困る。しっかり確認だけはしておきた。
それに、気になる事もある。
「…ほんとにアク禁されてないね。」
心金柑が日記で言ってた通りだ。
このSNSは特定の人間に自分のページを読ませない様にする設定“アクセス禁止機能”が存在しているらしいが
ロドクは何故か心金柑をそうしなかった。
見られて困る物を出していないという事なのだろうと思っていたが…
いや、寧ろこれは見られたかったのかもしれないな。
ロドクのページのトップ、プロフィール欄には恐らく文字数制限ギリギリまで詰め込まれた呪いの言葉。
プロフィール画像は首を吊った人の絵という徹底した病みっぷり。
どう考えてもわざとらしく病んだ演出をした構って欲しい人間のそれだった。
そう言った所から、日記を読むのは少々躊躇われたが…。
勇気を出してクリックしてみれば何のことはない。普通の日記だった。
…いや普通が麻痺してるかも知れないが。
殆ど毎日、一日二回の投稿がされている日記は
1回目の日記がその日の予定。
2回目の日記が予定の成果やその予定の進行度を書いていた。
…マメに自分の行動をメモして確認する為のメモ帳扱いか?いや、でもそれなら誰でも見れるのはおかしい。
この日記が見れると言う事は“自分の動向を全て他者にわざわざ発信している”と言う事になる。
それでは彼の計画を妨害する人間が現れるのは当然の事になるじゃないか。
また、日記は稀に一日3回になってる日もあり、その3回目の日記には自分がされると困る事のリストアップ。
要するに弱点を敢えて流す事まで行っているのだ。
…そして、その中には心金柑の日記の最後に語られてた、“ロドクだけ倒しても終わらない”事も書いてあった。
あー…調べたって言うか、心さん、あれ大体ココから書き写しただけだったりする?
オイオイオイ…。
とにかく、確かにロドクが何を考えているか分からない、と言うのも頷ける。
寧ろ、既に奴は自分がどうしたいのかわからないのかもしれない。
ロドクの日記には、我々の情報に関してもしっかり記載されており、それによれば
我々の情報で握られているのは“能力と人数のみ”と言う事も分かっていた。
そして、その知られた能力もほぼ詳細の無い大まかな物。
つまり、奴らはそこまで我々との戦闘で全て対応しきれる訳ではないと言う事だ。
不意打ちの目は間違いなくある。後は、上手くそこまで持っていくだけ。
…かてないさかなの様子を見るに、恐らくそんな事は夢にも思っていないだろう。
それもまた、これまでと同じくチャンスだ。油断しきっているなら、型にはめれば勝ち目がある。
当然、私達はもう逃げるつもりなど毛頭ない。こうして対峙してしまったのだ。
今更逃げようにも背後から襲われる。それならば、戦い、勝ってこの場を後にするしか無い。
私達は奴らを睨み構える。 意外な顔をするかてないさかなだが、知った事か。
もう私達はただ追われるだけの弱いコテなんかではない!
つづく
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