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”退屈な世界”

暗い、暗い、暗ーい世界。
そう、ここは人間界に住む人間の表現では地獄と呼ばれる場所。
本当は、下界、魔界と言われてる。
楽しい事なんかありはしない。
毎日が退屈で。
810・・・あれ、何歳だっけ?
とにかく800年以上いて楽しいことなんかなかった。
ずっと退屈。
いや、1日あったかな。
それからは別に退屈と呼ばれるほどでもなかった。
ここでは皆が皆単独行動をとっていて、つるむなんてこと絶対にない。
僕は例外。
だって、相手は僕等みたいな魔界の住人の悪魔なんかじゃないんだもん。
堕神 ゼノス。
神の座から堕とされた元神。
僕が丁度、天界と唯一つながりのある間の門の近くで昼寝してたらゼノスが落ちてきた。
赤い血のように赤い髪が印象的だった。
一目でわかった。
堕神だって。
悪魔にも天使にも人間にもない、何の汚れも無い金色の瞳。
それと悪魔にとって最も苦手な天界の気。
それが強かった。
僕はそいつが面白くて、一緒にいた。
何故一緒にいたんだろう。
それだけでも吐き気がするほど気持ち悪いはずなのに。
でも、何日か魔界にいるとその気も弱まり、僕も気分が良くなった。
ゼノスは(元)神のくせに全然神らしくないし、顔も仏頂面ばかりだ。
でも、器は十分に備わっていた。
なんでも、ぬれぎぬをきせられ堕とされたそうだ。
元々、天界に神は1人ではない。
何人もいる。
だから、対立も調和もある。
対立側の奴にいっぱいくわされたそうだ。
ホント今の世の中天界であろうと汚い奴がいるんだな。
魔界はどこみても汚い奴らばっかだけどな。
そして、だから、俺はこうゼノスにもちかけた。
「天界に神の座に戻りたくない?堕神さん。」
ゼノスはビックリしてたけど、即答で「いい。」と答えた。
面白くなかった。
そうすれば、このつまらない魔界でももう少し楽しめるかなと思ったのに。
「血で血を洗え。澄んだ世界に汚れを。我は悪に身をゆだねし者。」
簡単な魔法呪文。
悪魔だけが使えるドロドロ系の。
少しだけゼノスの反応が遅れた。
その瞬間にいばらのつるがゼウスを捕らえる。
「お前は唐突過ぎる。もう、50は攻撃されたぞ。」
「でも、いばらは初めてだったでしょ?」
「あぁ、そうだな。しかし、痛いなこれ。」
「いばらだもん。」
僕がそう言った後、ゼノスが呪文を唱え始めた。
「天の力は何よりも。黒き世界に光を与えん。我は光を導く者。」
これも簡単な呪文。
いばらを消すなんて他愛もないことだ。
消すって言うより浄化かな。
「はぁ。何故お前はそう怒りっぽいかな。」
「ねぇ、神に戻りたくない?」
「だから、いいと言っただろう。今更神の座に興味なんてこれぽっちも無い。」
「やだ。」
「やだじゃない。」
「やだやだやだやだやだやだー!!戻りたいって言えー!!楽しくないじゃんかー!!」
「うるさい、自己中小僧が!!」
そんなこと言ったって、悪魔なんて皆自己中だよ。
「ねぇ、ゼノス~。本当に戻りたくないの~?」
「何度も言っているだろう。戻りたいとは思わんと。」
「ちぇ~。」
僕がふてくされてるとゼノスが口を開いた。
「だが、天界に戻りたいとは思うな。家族、友人大切な者がまだあそこにいる。」
「じゃぁ!!」
「あまり、やりすぎるなよ。」
「やった~ぃ!!大暴れOK!!楽しくなるぞー!!」
「はぁ。」

これから始める僕等のいや、僕の退屈なんかじゃない時間。
楽しくなくなんかない時間。
退屈な日々が終わりを告げる。


――――――――――――――――――――――――――――――――
何ですかこれ!?
意味不明。
ちなみに悪魔の小僧の名前全然出てこなかったですが、 ソウ です。
何か俺の中では、ソウが比乃でゼノスが屑桐さんみたいな感じになっちまってる・・・
屑桐さん赤髪じゃないし金眼でもねぇよ!!
うわぁ、変だ、変だ、変だー!!


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