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”そんなあの人にゲンコ一発”

「いっまいっでセンセー！！！」
勢いよく、教師の名を呼びながら職員室へ入っていったのは、我が妹でありながら片割れの三崎　結華（みさき　ゆいか）だ。
ちなみに俺は、三崎　翔太（みさき　しょうた）。
しがない中学２年生です。
そして片割れ結華はそのまま今出先生の横っ面をグーで思いっきり・・・！？
「結華ー！！！何してんだお前！！？」
「え？」
失神状態の今出先生を前に何事もなかったかのようにコチラを振り向く結華。
もういいや、何でもいいから今出先生気にしてあげて・・・
「お前何殴ってんだ！？」
「えー、今出　雅義（いまいで　まさよし）　独身３１歳！！」
「いいよ、そんなことどうでもいいから何で殴ってんの！？」
「数学のテストが１００点だったから！！」
「何でソレで殴ってんの？」
「今出先生フォーリンラブってことで。」
「いや、意味わからんし。」
余談だが今は１学期中間テストも終わり、そのテストが全て返ってきたところだ。
俺は、やっと結華の家庭教師が終わると思うと喜ぶしかない。
結華は馬鹿だ。
得意なことは覚えがいいが苦手なこととなると全く覚えようとしない。
教えるのも一苦労だ・・・
むしろ何度やめたくなったことやら・・・
社会、理科に突入すると突然ドラえもんの話をし出して勉強から離れようとするし・・・
恐るべしドラえもん・・・
今、結華はというと・・・
「って何してんだ、結華！！！」
そこには失神状態の今出先生の襟を掴みガックンガックンしてる結華が・・・
「嬉しさのあまりハラショーなんです！！」
「馬鹿！？アナタ馬鹿！？」
「そりゃー、翔太よりは馬鹿だけどさー。」
何この子！？
ホントに俺の片割れ！？
何故先生笑顔で殴って揺さぶって平気でいる！？
そりゃー今出先生は教師の中で１番弱っちそうだけど・・・
何がしたかったんだ、一体！？
「あー、北浪（きたなみ）センセー。北浪センセーもフォーリンラブで愛してるぜ！！」
「結華絶対どっか頭ぶつけてるよ・・・」
「三崎―、また頭変になったかー？」
「元から変でーす。」
「今回のテスト良かったよな。相当頑張ったと見える。」
「うん、頑張ったよ。翔太が。」
ニヤリと笑いながら言った言葉に全く嘘はない。
俺が頑張ったのだ。
結華の勉強を。
「結ちゃん、翔太に教えてもらったのか？」
「あ、新山君だー。」
「あ、ども。」
新山　進太郎（にいやま　しんたろう）、先輩で我がバスケ部現キャプテン。
進太郎と言う名前にあわずの美人顔の持ち主だ。
「で、翔太今回どーだったんだー？」
「そりゃー、もう、勿論良いに決まってるじゃないですか新山君や。」
「あー、そうだろーね。たかだか結ちゃんに教えたぐらいで下がるわけねぇよな。」
「たかだか！？」
「進先輩ちょっと酷い・・・」
「新山は今回ちょっとサボってただろ。」
「北浪先生酷いっ！！俺、あんなに頑張ったのに・・・」
ヨヨヨと泣き始めるが絶対嘘泣きだ。
「北浪センセー素晴らしいよ！！国宝モノだよ！！授業わかりやすいし、美人だし、テスト良かったし、そして何よりお美しい！！」
「同じようなこと２回言ったな。」
「２倍の美しさということで。」
テンション高っ。
職員室だと言うことをスッカリ忘れてそうです、結華さん。
そんなに騒いでると・・・
「お前等うっさい出てけ。」
ほーら、やっぱり、英語教師、峰里（みねざと）が。
そうして渋々出て行く、俺、結華、先輩の３人。
「で、結ちゃん社会と理科どーだったの？」
「えーとねー、な、なんと、夢の８０点台！！」
勝ち誇った顔をして廊下でポーズを決める我が妹。
相変わらずアホだ。
「ほー、よかったなー。じゃぁ、俺、そういうことで今日翔太ンとこ泊まりに行くから。」
「えぇ、新山君来るの！？」
「え、行っちゃダメ？」
「ダメじゃないけど、今日ヒロと鈴っちも来るよ。」
「ん～、いいんでねー？」
「ってか、先輩泊まりに来るなんて一言も言ってませんでしたよ？」
「大丈夫お前らんとこの母上様に言ってある。」
「アンタ何してんの！？」
「心配せずとも、みっちゃん（結・翔の母）とはメル友だ。」
「「何故！？」」
こちらもおかしな人だ。
先輩テスト明けでまた一段と頭おかしくなって。（口に出すとボコられるので決して言わない。
「ん～、じゃぁね、新山君。これだけは絶対言うこと聞いてね。」
さっきまでの馬鹿面とは違い、真剣な顔つきになった結華。
１００％まともなことは言わんでしょう。
「何、結ちゃん？」
「今日は金曜日です。それすなわちドラえもんの日！！」
「あ～、うんうん大体言いたいこと分かった。」
「だから絶対チャンネル権は譲りません。」
「いいよ、別に。ドラえもん見るよ。あと、あたしンちも。」
「新山君話がわかる人だから好きよ。」
「俺も結ちゃん良い感じにおかしくて好きよ。」
変な２人。
変な２人！！
うーわー、泊まりに来るのこの人。　
菊地（ヒロのこと）も広部（鈴っちのこと）も適度におかしいし。
今日の晩餐は俺にとことん困れと！？
俺の周り変な人達ばっかり・・・
北浪先生が職員室から出てきて何かを察したように俺に向かって「負けるな。」と言った。
いいよ、もう、俺負け組みでいいから。
誰か、助けて。

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第２弾です。
翔太君がかわいそうなことに・・・
今回のは簡潔にいかなかったですねぇ。
これまだ続きますよ。お泊り編。
フフフ、まだまだ続く結華ワールド、もといドラえもんワールド。
ドラえもんでこの世界は回ってます。（笑

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