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“グレデレラ”

昔々あるところにグレデレラというとてもきれいな娘がおりました。

その娘は、顔こそは町１番の美女なのですが、性格は世界一凶悪なのでした。

ある日、グレデレラのとてもマヌケなお父さんがとても優しいお母さんとその娘を連れてきました。

そして、ある日からお父さんの姿が見えなくなりました。

姉１がお母さんに問いました。

「どうしてお父様は居なくなってしまったの？」

お母さんの口を突いて出てきた言葉は衝撃的なものでした。

「殺されたのよ。」

そして、姉２がしてはいけない質問をしてしまいました。

「誰が殺ったの！？」

「それは・・・グ・・・」

母の後ろには、いつのまにか銃を持ったグレデレラがいました。

そして、グレデレラは､母に言いました。

「死にたいのか？」

その時です。

「こんちわー。郵便でーす。」

とても陽気な郵便屋の声がしました。

「ちっ、いいところだったのに・・・」

グレデレラがとても残念そうに言いました。

命拾いをした母でした。

「おいっ、郵便とってこい､バカ姉！！」

「あっ、ハ、ハイ。」

姉達は、グレデレラに逆らえないのである。

「お母様、お城からの舞踏会の招待状ですわ。」

その時､グレデレラの目つきが変わりました。

「何ぃ、城だと！？私も行くぞ！！」

その時、母の頭の中によぎった映像は、グレデレラが舞踏会をブチ壊し、あまつ王子の胸倉を掴み、「金、出せや、コラー！！」と叫ぶ姿であった。

母は恐ろしく思い、そんな事をせぬようにとある行動にでました。

それは・・・

「あ、グレデレラちゃん。裏の蔵に錠のかかった大きな箱があったわよ。なにか金属のこすれ合うような音がしてたけど。」

母は、ドギマギしながらグレデレラに向かって言いました。

「何っ！そんなもんがあるならさっさと言えよババァ！！」

グレデレラは、早速蔵に向かいました。

グレデレラは、鍵を開けるのが得意なので、錠はなんなく外せました。

いつも何のためにその力を使っているのは、気にしない方向で。

そして、蓋を開けてみると、中身はカラッポでした。

それを見たとたんにグレデレラは、目の色をかえてこう叫びました。

「あの、ババァ！！！ウソこきやがって。ブチ殺す！！」

その時です。

ガチャンと扉の鍵が閉まる音がしました。

「閉めやがったなっ！！あの、クソババァッ！！開けろやっ、オラァ――――！！」

ドンドンと戸をたたくと母が。

「グレデレラちゃん。これもあなたのためなの。」

すると、グレデレラが。

「何がためだ。ババァ！開けろっー！！」

「開けることはできないわ。舞踏会に行ってくるけど、グレデレラちゃんはお留守番をしておいてね。」

すると、今度はグレデレラが扉を壊そうとしました。

ギシッと扉が軋んだのを母は、見ないふりをして姉達と共に舞踏会へと向かいました。

そして、母や姉達が舞踏会を楽しんでいる時、グレデレラはというと。

「疲れたー。あの、クソババァ帰ってきたらブッ殺してやる。」

その時です。

グレデレラの後ろに１人の小太り老魔女が現れました。

「誰だ、お前。」

グレデレラがイラついた口調で魔女に言いました。

「わしは魔女さ。あんた舞踏会へ行きたいかい？」

魔女は、優しい口調でグレデレラに言いました。

「当たり前だっ。城だぞっ、金だぞっ。」

なんという欲にまみれた娘であろうか。

「じゃぁ、あんたを舞踏会へ連れて行ってあげよう。」

「そんなことできるかよ。鍵かかってんだから。そもそもお前どこから入ってきやがったんだ。不法侵入だ。不法侵入。警察呼ぶぞ。」

「鍵がかかってても入れるわい。それと、あんた、童話の主人公なのに夢の無い娘じゃのー。」

「悪かったな。」

「じゃぁ、開けるぞ。」

　　　　　　　ガチャ・・・

「ホーラ。」

「そうやってウチにも入ったんだな。」

「じゃ、じゃぁ、舞踏会へ行く準備をしようかね。」

「準備って何だよ。」

「うーむ・・・あんたの場合、美人だけど、性格が・・・だから、ドレスよりスーツの方が・・・」

「あ゛ぁ゛。」

「いえ、何もない。じゃぁ、ス・・・、ドレスを。」

　　　　　　　ポンッ・・・

「ま、しょうがねぇ、これでがまんしてやる。」

「じゃぁ、カボチャの馬車を。」

「ちょい、待て。何でカボチャなんだよ。もっとちゃんとしたモノねぇのかよ。」

「そういうお話じゃよ。『シンデレラ』は。」

「ちょっと待て。私の名前は、“グレデレラ”だ。」

「え゛。もしかして、わし出るとこ間違えた！？シンデレラのところへ行かないと。」

「ちょい、待て。私の馬車出して城まで行ってからその、シンデレラって奴のとこ行きやがれ。カボチャじゃなくてちゃんとしたのをな。やらなきゃ、この、銃でドンッっと。」

「はいはい、出しますよ。全く親の顔が見たいよ。」

「なんか言ったか。」

「べ、別に。じゃ、じゃぁ、外に。」

「何の馬車がお望みだい？」

「普通のだよ。普通の。」

「しょうがないねぇ。じゃぁ、普通のを。」

　　　　　　　ポンッ・・・

「じゃ、さよならー。」

「やけに素直じゃねぇか。」

「１１：００になったら全部元に戻るからのー。」

「１２：００じゃねェのかー！！？」

「『シンデレラ』じゃないんじゃろ。」

「う゛っ。」

「ま、せいぜいがんばんなさい。」

「ぅおいっ！！」

「ちっ、帰りやがった。しょうがねー。行くか、城へ。」

（あぁ、私は家に帰ればグレデレラちゃんに殺されるのね・・・）

「お母様、元気を出して。」

「グレデレラも人間だから親を殺す事は無いと思うわ。」

「そ、そうね。」

その時。

「おぅ！待たせたな王子ィ！」

母達がよからぬことについて心配している間に、グレデレラが到着してしまいました。

「おぉ、これは美しい。」

王子は、女好きであった。

（しめた。こいつはタラシだ。私の顔があれば、こんな男・・・これで城の金は私のもの。）

グレデレらの心の中には、よからぬことしかありませんでした。

「君、名前は？」

王子が目をハートにしてグレデレラに聞きました。

すると、グレデレラが。

「グレデレラですわｖｖ」

と、急にかわいこぶり始めました。

「そうか、グレデレラか。グレデレラ、僕と結婚してくれないか？」

いくつも大切なステップを飛び越えている王子である。

もちろん、金目当てのグレデレラの答えは。

「もちろん、ＯＫですわ。」

（フッ、これで金は私のもの。ケーっケッケッケッ・・・）

と、いうわけで、２人は結婚し、グレデレラの母＆姉達は、何とか殺されずにすみました。

そして、グレデレラは、城の権力をも握ったのでありました。

めでたし？めでたし？

　　　　終、了――――！！　　　　　　　

―あとがき―

なんか、途中からグレデレラのキャラ壊れてますが、お気になさらず。
ちなみにグレデレラのあだ名は（まめかばなどがつけた）、ぐっさん、グレさんですね。
はっきり言って中途半端に終わらせすぎました。
王子のその後は書きたかったけど、やめました。
皆様のご想像で。
かわいそうなことになるでしょうね。（いい笑顔で/ｵｲ

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