運命

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労働法






 ここ数年労働災害、いわゆる労災についてマスコミで取り上げられることが多くなったのではないだろうか。労災のなかで一番取り上げられることが多いのが過労死である。過労死で有名な事件といえば、電通事件ではないだろうか。電通事件とは、自殺と仕事の関係が一翼有名になった事件である。新入社員のAという人物が入社してからの1年5カ月間,日曜日も必ず仕事に出掛け,この間に取った有給休暇は半日だけであった特に後半の8カ月は,午前2時以降の退社が3日に1度、午前4時以降が6日に1度で,睡眠時間は30分から2時間30分だった。うつ病の症状が現れ始め,同年8月,自宅で自殺するといった事件であった。裁判は最高裁までいき、会社の非がみとめられ、当時過労死としておおきく紙面をにぎわした。
 さてその労働災害だが、過労死だけでない。字のごとく業務上災害であり、怪我をしたり、事故を起こしたり、業務上死亡したりすることも含まれる。意外と知られていない労災として接待ゴルフや宴会などもはいるのである。そして、持病の再発といった業務上と関係があるかどうかわからないことについても、労働災害という判決がつい先日おりたのである。今回はそれについて述べていくことにしよう。
 この事件は先月7日に最高裁判所で判決がおきた労働災害の訴訟である。被告人は兵庫県の貿易会社に勤める男性(52)で、神戸東労働基準監督署長を相手に療養補償給付の不支給処分取り消しを求めた訴訟の上告審判決が7日、最高裁第三小法廷(浜田邦夫裁判長)であった。同小法廷は、請求を棄却した1、2審判決を破棄し、不支給処分を取り消した。いったいどのような訴訟だったのだろうか。それから見ていくことにしよう。
 男性は1989年11―12月、5日間の国内出張後、休日を1日挟み、韓国、シンガポール、タイなど6か国・地域に12日間、海外出張。帰国直前、香港で腹痛を起こし、持病の十二指腸かいようがストレスで悪化したと診断され、そのまま手術を受けたのである。この間の男性の労働時間は、商談や接待を中心に、国内出張中が計68時間、海外出張中が計144時間に上った。この男性の国内出張中の勤務時間は単純に計算すれば1日約13時間、海外出張中も約12時間にのぼる。男性は、長時間労働に加え、商談の難航や激しい移動による気温の変化で心理的な負担が重なったとして、90年3月、労働者災害補償保険法に基づき、療養補償給付金を同労基署に請求した。しかし1,2審判決では、「出張が強度のストレスを与えたとは認められないうえ、原告は十二指腸かいようの悪化を防ぐ治療を怠っており、ストレスが発症の主要な原因ではない」として、請求を棄却していた。しかし、最高裁では海外出張先で十二指腸かいようになったのは連日の商談や接待によるストレスなどが原因だとして労働災害を認める判決をくだした。この判決で偉大なこととは、労災と認められる過労性疾患の範囲を広げた画期的なことであり、仕事のストレスで会社を休んでも、救済措置を受けることをあきらめていた多くのサラリーマンにとって朗報になるというのである。
昨年、労働災害と認定され4日以上休んだ人は、125750人(死者含)にのぼる。しかし、これは氷山の1角にしかすぎないのではないだろうか。今回の貿易会社の男性のように裁判を14年してやっと労働災害と認定された人もいる。電通事件も裁判に数年かかっているのである。日本の裁判の特徴として長期化が挙げられると思う。貿易会社の男性の裁判は画期的な判決ではあるが、14年はかかりすぎなのではないだろうか。しかし、なぜこんなにかかったのだろうか。この男性の場合は、症状が持病ということだったからではないだろうか。裁判の判例は、これからの裁判の判決におおきく影響する。そのため、今回のように特殊な例は時間がかかったのだろう。
電通事件を契機に日本では労働災害、特に過労死に関する裁判が増えている。今回のレポートで私も過労死について書こうと考えていた。そんなときに今回の、十二指腸かいようの記事が目に飛んできた。過労死で死んでしまってからでは自分ではどうすることもできない。しかし、今回のような持病が悪化して労働災害に認められるようにするのは、今後の自分に深く影響する。そのため、これを題材に今回のレポートを書いていこうと決めたのである。昨今、日本ではさまざまな問題が起きている。犯罪の低年齢化ということが叫ばれている。たしかに、凶悪犯罪を起こす年齢が低くなってきている。その陰に隠れて、大人たちの問題も深刻化してきているのではないだろうか。先日のニュースで、全国の労働基準監督署の是正指導で2003年度のサービス残業代を払った企業は1184社で、支払総額は計約238億7000万円に上ったとのっていた。まだまだ労働に関する問題は数多くのここっていそうである。しかし、最近になってやっと労働問題が明るみにでてきだしたのではないだろうか。これからも、すこしずつではあるが改善していってほしいものである。


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