桜の舞い散る園で・・・~Sorrow and a feather of courage~

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月姫



ストーリー

ストーリーとしては奈須さん得意の完全なる伝奇モノです。
ヒロインごとに抱えた設定が異なり、それらが少しずつリンクしつつ全体の話を形作っている。
徐々に全体像が明らかになってゆく構成も圧巻。
アルクやシエル先輩のシナリオは悪く言えば普通でひねりがないが、その後はだんだん意外性が増してくる。

伝奇以外の部分、割合は少ないが日常パートも良く出来ている。
ヒロインたちも有彦も個性がはっきりしており、日常会話も面白い。
日常にも奈須きのこさんらしさが込められている。

エンドは基本的に2つ。
大幅に違うわけではない。だが両者ともに納得できるよう描かれていると思う。
本当に同人?と疑いたくなるようなレベルの作品。

ヒロインの方々


アルクェイド・ブリュンスタッド

吸血鬼とは思えない、純粋な女性。戦闘能力の高さとその性格のギャップは面白いものがあった。
志貴と触れ合って今までただ吸血鬼退治をしてただけだったアルクェイドの中に、
新たな感情が生まれてゆく様がうまく書けていたと思う。
エンドは二つあり、簡単に言うとアルクェイドが生き返るかそうでないか。
どっちも好きだが生き返らないほうがどちらかと言うと好きかな。
二人が、悲しみを振り切って前に進んでる気がするので。

余談ですが、メインヒロインのくせに遠野家ルートでは恐ろしく地味だし、出会ってしょっぱなから殺されるヒロインもそういないですよね(爆


シエル

カレー好きで、なんかいろいろ危ない先輩(マテ

なんか本編での扱いが悪いように思える。
とりあえず、過酷な運命を背負ってることと、どんなに痛めつけられても死ねないことは見ていて痛々しかった。
最後、涙を流したときは…ぐっときた。
ただ終わり方が平和的だったため余り印象に残ってない。
その代わり、何かしらのエンド後に出てくる方は印象に残りまくりです。


遠野秋葉

琥珀さんとのやりとり、最後の死闘、さっちん関連のイベント、そしてエンディングと波乱万丈の秋葉シナリオ。
最初はあまり好きではなかったりもしm(ry
このシナリオはやはりさっちんでしょう(マテマテ
最期のシーン、「ありがとう」それを聞いたときは泣けた。
エンドは二つあるのだが、どちらにしても非常に救いのない、悲しいエンド。

余談ですが、性格外見からなにかしらまで、黒桐鮮花にそっくりですよね。基となったらしいですし。
兄貴の四季はダメダメなシスコン男ですね。反転してから秋葉を襲うし。


翡翠

「お部屋をお連れします」

感情を表にあまり出さないだけに、たまに出したときは見ものだったw
ただシナリオ自体は非常に重い。…翡翠と琥珀が入れ替わってるなんて想像してるわけもなく。
そして真犯人が琥珀さんだということもわかり、さらにはあの終わり方…。
またしても救いのない、悲しいエンドだった。だけど最後のあのシーンは好き。

月姫中、屈指のネタキャラになってきた翡翠がちょっぴり可哀想。


琥珀

通称、『割烹着の悪魔』、『腹黒割烹着』(ネコアルク談)

すべての黒幕であると同時に、一番の被害者と言えよう。
だから見てて非常に辛いものがあった。翡翠もそう思ってたに違いない。
どこで誰が間違ってああなったのかはわからないが…最後はスカッとハッピーエンド。
過去は過去で、未来は幸せになって欲しい。
間違いなく一番印象に残ったシナリオ。

彼女の独白シーンは凄く印象に残ります。


グラフィック

シナリオが凄いのでそこまで求めていません。
背景は写真を加工合成した物。立ち絵は結構多い。
さっちんが血を手にぬらして笑っているシーンが一番印象に残りました。


音楽

上に同じ。あまり印象に残る物はないが、雰囲気は出ている。


システム

セーブ可能箇所は少ないけど、バックログ機能あり。
そして、何より凄いのがプレイを重ねるごとに増える選択肢。
全体を一つの話にうまくまとめているように思える。

総評

シナリオを作るのはやはりテキストだなと痛感した作品。
それ以外の部分が多少アレでも作品としては充分なものになる。
伝奇好きな人は是非とも。

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