羊の墓場

羊の墓場

2011.01.02
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「私」は弱かった.私も弱い.
人はそう簡単には強くなれない.
神経を壊すほどの憎しみを消すにも抑えるにも
私は未熟すぎるし頼れるほどの人もいない.
いつのまにか故郷は“小さい人たち”の集まりになっていて
憎悪なくば私は家を忘れるだろう.

……実際よく忘れる。

忘れている間は憎しみも頭から抜け落ちている.
が,何かの知らせで家を思い出すと


死んだあの子に一つ言いたい.
おまえ、愛されたいと願っていたようだけど
私たちからは厭というほど愛されているよ。
つくづく愛情とは一方通行だ.
人は自分の望んだ先からしか受け取ろうとしない.
死ぬ人間は向けられた愛情全てを捨てていく.
まあ、望んだものが愛情ではなく平穏だったのなら
私たちが生まれたことも
あの子には全く意味のないことだったのだろうけど。

大概のものは出逢った頃には既に手遅れだ.
私はあの家には実質1年ちょっとしかいなかったけれど、

治らないだろうとも思ったがね。

生まれた時には全て手遅れだった.
だから今度は私が作り出して私が背中を押す.
私があの子に想う未練も全て詰め込んで.
愛しい人の生まれ変わりを引き当てられたらそれだけで幸せで





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Last updated  2011.02.20 14:15:43
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