【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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长歌行 The Long Ballad最終話「未来の旅路へ」李淑玉(リシュクギョク)は直ちに蕭(ショウ)皇后と隋(ズイ)王を長安へ護送することになった。ここで李長歌(リチャングァ)ともお別れ、次はいつ会えるか分からないだろう。「長歌、元気で」「あなたも…」すると淑玉は兄として阿詩勒隼(アシラシュン)に長歌を託した。「長歌を頼む、幸せにな」「魏兄、感謝します」その夜、長歌と阿隼は2人で遠乗りに出た。この地に埋葬された弥弥古麗(ミミクリ)、彼女は安住の地を得たのだろうか。すると長歌は照れ臭そうに母の霊廟で阿隼の縁談書を見たと話した。しかし2人の間に堅苦しい段取りなど必要ないという。「…あなたがいれば十分よ」「俺もだ、君がいればそれでいい!」阿隼は喜んで思わず長歌のおでこに口づけした。長歌は定襄(テイジョウ)に捕らわれていた阿隼がどうやって李靖(リセイ)と通じていたのか分からなかった。実は第45話で阿隼は李世民(リセイミン)から長安を去る前に李靖と会うよう命じられたという。洛陽(ラクヨウ)で阿隼を見送った李靖はその後、長安で兵部尚書に就いていた。『平和を望む思いは同じはず、天下の民のため国や部族を越えて共に立ち上がらないか?』『…条件がひとつ、延利(イエンリー)可汗の救出だ』『はお、約束する』すると李靖は定襄に鷹団を集結させるよう頼んだ。長歌は結盟が叶ったら争いから離れて阿隼と悠々自適に暮らし、放浪しようと約束していた。しかし今ここで手を引くのは良心が許さないという。「ごめんなさい…」「長歌、2つ目の約束だ…俺には謝罪も礼も必要ない」「そんな簡単なことでいいの?じゃあ3つ目も言って!」「それは…今度でいい、先は長いしな」長歌と阿隼は再び軍営に戻った。するとすでに婚礼を済ませ、駙馬(フバ)となった皓都(コウト)がいる。長歌は新婚早々で出征したのかと呆れたが、皓都は李楽嫣(リラクエン)の願いでもあると安心させた。そこへ伝令兵が駆けつけ、白道で定襄軍の形跡あると知らせる。李靖は直ちに出陣することにしたが、阿隼には気になることがあった。実は阿隼は斥候(セッコウ)を二手に分けて送っていたが、一方が戻って来ないという。恐らく敵がいなくて戻れないのではなく、敵の襲撃に遭ったのだ。そこで阿隼は鷹団を率いて偵察へ、軍営は長歌と皓都が守ることにする。すると李靖はあのじゃじゃ馬の永寧郡主が今や国のために重責を担うようになったと感慨深かった。「これまでご苦労様でした」雷蒙(レイモン)は小可汗を連れて逃げていたが、山道で追っ手が迫っていると気づいた。そこで小可汗と狼団を先に逃し、雷蒙は定襄軍と敵を迎え撃つことにする。すると阿隼率いる鷹団が現れた。「ここで会ったが百年目…」穆金(ムージン)は弥弥の敵と出会えたことに感謝し、阿隼を先に行かせる。「奴は俺に任せろ」「はお!」阿隼たちは山道を先回りし、阿詩勒渉爾(アシラシャアル)たちの行く手を阻んだ。図魯克(トルカ)は小可汗を守るため刀に手をかけたが、渉爾が狼団に引くよう命じて馬を降りる。一方、穆金は愛する人のため命をかけて戦っていた。腕を突き刺されながらもあきらめず、隙をついて反撃、穆金はついに雷蒙を仕留める。「弥弥が何のために死んだと思う?…自由になるためあの矢を受けたんだ! お前のように命令に従うだけで命を大切にしない奴には分かりっこない…」「ググググ…命令ではない…託されたのだ…あのお方を…」実は雷蒙も愛する人の願いを叶えるため、命をかけて戦っていた。しかしついに倒れ、事切れてしまう。渉爾は阿隼に決闘を申し込んだ。「手加減なしだ」同時に飛び出した阿隼と渉爾、2人はまさに刺し違える勢いだったが、渉爾が直前で刀を捨て、目を閉じてしまう。驚いた阿隼はギリギリのところで回避、渉爾は無事だった。「なぜだ?!」「…お前の刀なら斬られてもいい、母の罪は俺が償う、その代わり狼師を見逃してくれ」「狼師は定襄軍ではない、小可汗のお前が自分で率いろ…西に行くんだ、遠いほどいい」すると鷹団と狼団は一斉に馬を降りて互いに礼を尽くし、再会を願って別れた。一方、李靖率いる唐軍はアニメ化して疾風のごとく定襄軍を追撃していた。しかし各部族の首領が奕承の馬車を連れて西から逃走、軍営に援軍を要請する。知らせを受けた皓都は騎兵を率いて先回り、見事な連携で奕承たちの一行を包囲した。奕承に脅されていた首領たちは早々に刀を捨て戦いを放棄したが、実は馬車の中が空だと判明する。戦場にも馬車にもいない奕承、一体、どこへ消えたのか。「…逃げなかったのかも」長歌は奕承が定襄の王宮にいると気づいた。長歌は阿隼の帰りを待たず、定襄に乗り込んだ。大殿の前には李靖と皓都の率いる大軍が集結、状況を見守っている。すると長歌は殿内でひとりうずくまっている奕承を見つけた。復讐のため策を練り尽くし、無数の命を奪った奕承、長歌は自分も同じ道を歩むところだったという。しかし奕承は長歌に自分の気持ちなど一生、分からないと反発した。「隋は私の故郷、必ず助けてみせる!」「故郷は消えたわけじゃない、土地や民はまだ健在よ?その民を苦しめてもいいの? たかが皇室の栄光のために…栄光がそんなに大事?」「皇室?…私が皇室の者だと?」奕承は本来、ただの宗室の女子でしかなかった。参内したこともなければ豪華な礼服を着たこともなかったが、ある日、突然、公主という身分が与えられる。和親のため草原に嫁がせる娘が必要だったからだ。奕承は公主となり万人に称えられ、百官に迎えられた。その時、衛兵として挨拶に来たのが雷蒙だったという。奕承は隋の公主となり草原に嫁ぐことが自分の運命だと受け入れ、隋のために全て捧げると決心した。しかし隋は没落、しかも国を守るべき皇女たちは生き延びるため、国を捨てて命乞いしたのだ。「私だけが、草原に30年も捕らわれていた私だけが、隋を見捨てなかった!」そこで長歌は長安に戻って帰順するよう説得した。李世民なら奕承を殺したりしないだろう。「ぶははは〜!私が膝を折って命乞いするような人間なら、初めからこの道を選ばない …李長歌だったら長安に戻るかしら?」「そうね、私が間違っていた」すると奕承は最後に李長歌という道連れができたことを感謝し、燭台を倒した。大殿が出火、激しい黒煙が噴き出した。驚いた李靖と皓都が駆け出そうとしたその時、2人の横をすり抜けて阿隼が石段を駆け上がって行く。阿隼は激しく燃え盛る大殿に飛び込んだが…。淑玉は無事、蕭皇后と隋王を長安へ送り届けた。それからしばらくして皓都が杜府に帰ってくる。すると定襄を平定したと聞いた杜如晦(トジョカイ)は安堵し、皓都と楽嫣に見守れながら息を引き取った。李世民は李靖から長歌の訃報を聞き、涙した。「ウッ…最期に言い残したことはあるか?」「ぁ~感謝していました」「…他には?」「他?え~と読書が好きなので、寒食節では書を焼いて欲しいと…」「ん?…永寧が読書好きとは初めて聞いたぞ?」李世民は李靖の嘘を見抜き、激怒した。「いやそれが…あの小娘と来たら…私も仕方なく…」すると笑いをこらえていた李世民は思わず噴き出し、長歌らしいと言った。火の中に飛び込んだ阿隼は倒れていた長歌を発見、危ないところで助け出していた。李靖は一緒に長安へ戻るよう説得したが、長歌はこの火事で全てが消えたという。「陛下に尋ねられたらこう言って、史書から私の名前を消して欲しいと… この世にもう李長歌はいなくなったの、ご苦労様でした」「何の話です?」皓都だけは全て李世民の計画だったと知らずにいた。「ではこれからどこへ?」「聞かないで、どうせこの世からは逃げられない、陛下にはこう伝えてくれる? ″縁に任せる″と…」李世民は長歌を連れ戻すつもりだったが、結局、自分の手を離れて行った。そして戦はなくなり、天下が安寧となる。…長歌、今の唐こそお前の望む国の姿だ…長歌は遊歴しながら、国が安泰なら民の生活も安穏なのだと実感していた。″国が強ければ民も憂いはない、過去の栄辱も国の大義には勝らず″なのだと…。目下、政は行き渡り、民を潤して才を発揮させていた。天下は盛世を迎えつつある。…二叔、ありがとう、唐と民に報いてくれて…これからも長歌の旅は続くだろう。そんな長歌の姿を阿隼の鷹が空から見ていた。終わりエンディング@インコ入りw( ๑≧ꇴ≦)終わった〜!最終回にもイールンの出番があって良かった!ってそこ?w後半の失速は残念でしたが、エンディングを見ると名シーンが蘇って胸熱ですやっぱり草原とウマーっていいですねではまたお会いできる日まで〜♪〓追記〓最後のシーンですが、管理人は長歌が一人で遊歴をしていると想像しましたしかし本国の方のコメントで『誤解している人が多いが、長歌と阿隼は結婚して二人で旅をしている』とありました恐らくこれが正解なのかもしれませんただ原作の漫画は完結しておらず、ドラマのストーリーもオリジナルのため、個人的には視聴者の想像で構わないと思っています(^ꇴ^)<現場からは以上で〜す
2022.06.17
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长歌行 The Long Ballad第48話「決死の逃走」四方館で李長歌(リチャングァ)の正体を暴き、裏切り者と思われていた弥弥古麗(ミミクリ)。しかしあの時、弥弥は事前に奕承(エキショウ)公主に脅されていると長歌へ打ち明けていた…『どうしたらいいの?』『そのまま指示に従って…私の正体が暴かれても唐皇は私事に過ぎないと一笑するわ そうすれば穆金(ムージン)と歩真(ブジェン)を救えるし、あなたは奕承から信頼を得られる もちろん無理にやる必要はないの』弥弥は自分を信用してくれる長歌のため間者になると決意、定襄(テイジョウ)へ向かった…すると誰かが長歌たちの客室の戸を叩く。羅十八(ラジュウハチ)が戸を開けると、幼い少年がいた。「月餅を届けてくれって…」阿詩勒隼(アシラシュン)は処刑台に連行された。「草原に埋葬してくれ、草原の平和を見届けたい」奕承は阿隼の最後の望みを了承し、雷蒙(レイモン)に執行するよう命じる。一方、長歌と緒風は弥弥の指示通り、王宮の裏門にいた。すると弥弥ではなく阿詩勒渉爾(アシラシャアル)がやって来る。渉爾が信用できるかどうか判断に迷う長歌、しかし渉爾は自分を信じる他ないと言った。「阿隼は大殿だ…方法はひとつしかない」「緒風、計画変更よ、師父たちに伝えて来て」阿隼はひざまずき、天を仰いだ。固唾をのんで見守る奕承、しかし処刑人が曲刀を振り下げようとしたまさにその時、渉爾を人質にした長歌が現れる。「待った!」「長歌…」長歌は渉爾と引き換えに阿隼を解放しろと迫った。しかし奕承は阿隼を解放したところで逃げられないと指摘する。その時、雷蒙の足元に矢が飛んできた。「私が独りで来るとでも?今度、動けば誰の首が飛ぶかしら?」緒風と羅十八は屋根の上に身を隠し、伏兵がいると見せかける。実はこの機に乗じ、魏淑玉(ギシュクギョク)と司徒郎郎(シトロウロウ)が雁行(ガンコウ)門の仲間たちと潜入、蕭(ショウ)皇后・隋王・歩真を救出していた。長歌は渉爾の首に短剣を突きつけた。しかし実際は渉爾に直接、刃は当たっていない。渉爾は心配そうに見つめる阿隼に自分なら平気だと言った。動揺した奕承は息子の命には変えられず阿隼を解放、すると長歌も渉爾を手放す。「…悪いな」阿隼は渉爾が自ら人質になってくれたと知り、すれ違いざまに礼を言った。長歌と阿隼は緒風たちの援護でその場を逃げ出した。激怒した奕承は追撃を命じたが、渉爾に短剣を突きつけられてしまう。「阿娜、逃してやって!」「まさか…阿娜に刃を向けるとは…」衝撃を受ける奕承だったが、息子に実母を殺す勇気などないと分かっていた。「雷蒙!追って!」すると渉爾が自分の胸を刺してしまう。「阿娜は殺せない…でも息子なら奪える、全て私のためでしょう?ならもう必要ない」奕承はようやく渉爾が李長歌と示し合わせ、自分を騙したと気づいた。深く失望した奕承は渉爾の胸から剣を抜き、その手で自分を殺せと迫る。しかし揉み合っているうちに短剣が落下、奕承は心がひとつでなければ立ち去れと言い放った。「雷蒙…2人を追うのよ…やっておしまいっ!」一方、弥弥は逃げて来た長歌たちと合流し、脱出できる門へ案内することにした。しかし衛兵が立ちふさがり、長歌と阿隼は弥弥を避難させて応戦する。すると追跡していた雷蒙が回廊で戦う2人を見つけ、弓を構えた。唯一、雷蒙に気づいた弥弥は咄嗟に長歌を突き飛ばし、身代わりになって胸を刺されてしまう。長歌は倒れた弥弥を抱き留めた。激高した阿隼は迫り来る雷蒙たちに立ち向かう。「弥弥…」「長歌、無事でよかった…」すると緒風と十八が駆けつけ、阿隼を援護した。緒風はひとまず長歌の元へ急ぎ、歩真たちが無事に脱出したと伝えて戦いに戻る。ちょうど同じ頃、阿隼を救うため引き返した鷹団が正門を破ろうと体当たりしていた。鷹団が王宮になだれ込んだ。阿隼は穆金たちの姿に驚いたが、これで形勢が逆転する。しかし穆金は戦いの最中、回廊で倒れている弥弥の姿を見つけ、愕然となった。弥弥は弟の無事を知って安心した。「長歌…どうしても…最後に彼に会いたい…」すると穆金が駆けつけ、長歌の腕から弥弥を預かる。「弥弥…俺だ」「穆金…本当にあなたなのね…約束して…私の代わりに歩真の世話をすると… 私…私、あなたが…好き…」「弥弥、俺も君が好きだ、初めて見た時から君が好きだった」弥弥はやっと素直な気持ちを伝えて安堵すると、最後まで弟の身を案じながら愛する人の腕の中で息を引き取った。雷蒙は劣勢となるや否や逃げ出した。阿隼たちは深追いせず、弥弥を連れて王宮を脱出することにする。すると宮道で独りさまよう渉爾と出くわした。渉爾は穆金が抱きかかえている弥弥の姿を見て驚愕、しかし穆金の激しい憎悪を前に触れることも叶わない。「どうして守ってやらなかった?弥弥は全てを捧げたのに…なぜ守らなかったんだ!」やり場のない怒りをぶつける渉爾、そこで阿隼は弥弥を殺したのは雷蒙だと教えた。「李靖(リセイ)の軍が来る、奕承は終わりだ、一緒に来い!」「俺は唐に投降したわけじゃないぞ?!干渉はしないから俺にも干渉するな」渉爾は愛する弥弥の敵を撃つべく、走って行ってしまう。鷹団に逃げられた奕承、すると伝令兵が駆けつけ、李靖が定襄に迫っていると報告した。雷蒙は10万の大軍が一夜で到着するはずないと疑ったが、実は李靖が自ら率いている騎兵3000だという。大殿に集まっていた各部族は騒然、しかし雷蒙は妄言だと一蹴し、伝令兵を処刑した。恐れおののいた首領たちは逃げようとしたが、衛兵に阻まれ、一歩でも離れたら即刻、斬り捨てると脅されてしまう。その時、渉爾が駆けつけ、いきなり雷蒙に斬りかかった。↓ママずっとこんな顔( ̄▽ ̄;)渉爾は雷蒙に襲い掛かるも取り押さえられ、引きずり出された。すると奕承は雷蒙に全軍を承啓門外で待機させ、渉爾の狼師は雷蒙が率いるよう命じる。「各首領を護衛し定襄を離れる!」奕承はある決意を胸に、捕縛された渉爾の元へ向かった。まさか最後の最後で息子の裏切りにより敗れるとは、何と滑稽だろうか。そこで奕承は母子の縁を切ると言い放ち、渉爾を連れて行くよう命じた。奕承はわざと渉爾を突き放し、雷蒙に渉爾を託した。「各部首領と民を盾にすれば私も逃げられるから心配ない」しかし雷蒙は公主が自分に敵を惹きつけて小可汗を逃すつもりだと気づく。「こたびは命令には従えません…私が隋からはるか遠くの草原へと公主を護送しました あれから30年~♪どうかずっとお守りさせてください!」奕承は雷蒙の気持ちに応えることはできなかったが、渉爾を命懸けで守って欲しいと哀願した。「すぐ発って…遠ければ遠いいほどいい」「分かりました」渉爾は母の気持ちも知らず脱出を拒んだ。しかし雷蒙から公主の願いだと聞いてようやく母が自分を逃すために突き放したのだと気づく。一方、長歌と阿隼は李靖の軍営に到着していた。真っ先に可汗の様子を見に行った阿隼は、戦は無理でも養生すれば生き長らえると知って安堵する。「…わしの…わしの…息子よ…」可汗は何とか阿隼の手を握りしめた。「阿塔…定襄を倒すには唐軍と組むしかありませんでした 草原は争いが絶えず、多くの血が流れ、みんな疲れています ゆっくり休ませて太平を取り戻さねば…阿塔、戦をやめましょう」長歌たちは弥弥と別れの儀式を行った。弥弥は美しい顔のまま、今にも目を覚ましそうに見える。すると穆金が2人だけにして欲しいと頼み、最後にそっと口づけした。李靖は蕭皇后と瑞王の護送を李淑玉に頼んだ。そこで長歌は念のため緒風と十八にも護衛を頼み、これを最後に十八を自由するという。「私に一生、従うのは無理よ、これからどうしたいの?十八?」「…友と一緒に自由に暮らしたい」その友とは緒風だった。すると任務を終えた司徒も退散すると告げ、実は二番弟子を迎えたと報告する。「小師妹?いつの間に?!」何も聞いていなかった長歌は驚いた。緒風の話では長歌たちが紫草を探していた頃、媛娘(エンジョウ)の面倒を見ていた司徒は武芸の奇才だと気づき、弟子入りさせたという。「大弟子のお前は剣を修練する暇などないだろう? 祖師から越女剣の伝承を途絶えさせてはならないと言われているゆえ、媛娘に託すのだ では各位、また会おう」そして図伽郡主も漠南に帰ることになった。つづく( ๑≧ꇴ≦)司徒、越女剣なのか?!
2022.06.11
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长歌行 The Long Ballad第47話「鷹の反撃」捕らわれの身となった阿詩勒隼(アシラシュン)は延利(イエンリー)可汗と穆金(ムージン)の治療を引き換えに鷹団の招集を約束した。「やはり父汗(フーハン)の病もお前の仕業か?!」「今さらそれを聞いて何の意味が?」奕承(エキショウ)公主は息子が聞いているとも知らず、延利の自業自得だと悪びれる様子もない。「私がこの手を血に染めたから、あの男は王位の座に就けたのに…」阿隼は渉爾(シャアル)の実父である舒勒(シューラー)可汗が奕承による暗殺だったと知り驚愕した。その時、物陰から渉爾が現れる。「阿娜(アーナー)っ!」「…なぜここに?!」渉爾は母から父が急病だと聞かされていた。父は男である自分たちがか弱い母を守らねばならないと教え、母が望むなら天の星でも取れと息子に言っていたという。しかし奕承は隋(ズイ)の復興のためにはやむを得ないと正当化した。渉爾はようやく母の本性を知って激しく動揺し、その場にへたり込んでしまう。「正気じゃない…どうかしています!ずっと私を騙していたのですね?ずっと…」すると奕承は衛兵を呼んで小可汗を部屋へ送るよう命じ、地下牢をあとにした。魏淑玉(ギシュクギョク)は李長歌(リチャングァ)から預かった結婚祝いを携え、李楽嫣(リラクエン)を訪ねた。「長歌が寝る間も惜しんで刺繍したそうだ…君との別れが辛いからと私に託してね 君は永遠に自分の可愛いウサギだから必ず幸せになるようにと…」扇には赤い目をした真っ白なウサギが刺繍されていた。李世民(リセイミン)は兵部尚書の李靖(リセイ)を定襄(テイジョウ)道行軍総管に任命、すでに10万以上の大軍が悪陽(アクヨウ)嶺に到着していた。雷蒙(レイモン)から報告を聞いた奕承は各部から徴兵すれば対抗できると考えたが、砂漠に侵攻した阿詩勒部の4隊は連携する漠北と漠南に破れ、将は生捕りにされたという。他の部族も出兵に応じていたが静観中、恐らく寝返ったのだろう。追い込まれた奕承はすぐにでも鷹団を集めるため、阿隼を可汗と穆金に会わせることにした。「阿詩勒隼に知らしめなくては、父汗が私の手中にあるということを…」阿隼は手枷と足枷をつけて可汗と面会した。「父汗…ぃぇ阿塔(アーター)、遅くなって申し訳ありません」すでに動くことも話すこともできず、必死に何かを訴える可汗、すると阿隼は必ず迎えに来ると約束した。そこで奕承は5日のうちに鷹団が王宮の前に集結するよう軍令を出せと迫る。「そうすれば父汗を治療してあげましょう」↓顔の迫力だけは衰えない可汗( ̄▽ ̄;)阿隼は軍令をしたため、ついに穆金と再会を果たした。2人は固く抱き合って無事を喜んだが、穆金は手枷と足枷に気づいて呆然となる。「弥弥古麗(ミミクリ)は?」「定襄に来ているが見ていない」そこで穆金は歩真(ブジェン)には会ったと教えた。雷蒙はヒソヒソ話をしている2人を怪しみ、本題を忘れるなと声をかける。すると阿隼は軍令を渡した。「鷹師を集結させてくれ」その夜、渉爾は泥酔して弥弥の部屋に押しかけた。渉爾は今頃になって全てを知った自分を愚か者だと嘆き、真実を明かす。実は母が父を殺し、叔汗が自分の狼を殺して阿隼と離間させ、しかも母が叔汗に毒を盛っていたというのだ。「みんな嘘ばかりだ…」渉爾は涙を流しながら酔い潰れ、そのまま寝てしまう。一方、阿隼は雷蒙の監視のもと、門まで穆金を見送りに出ていた。約束の5日目の夜、奕承は阿隼の牢を訪ねた。すると外が騒がしくなり、鷹団が到着したと分かる。奕承は阿隼の代わりに傀儡となった可汗に号令をかけさせることにしたが、阿隼はすでにそれを見越して手を打っていた。承啓(ショウケイ)門が開き、車椅子に乗った可汗が鷹団の前に姿を現した。穆金は蘇伊舎(スーイーシャー)に計画通りにと合図し、馬を降りて可汗から出征前の杯を受ける。実は阿隼は別れ際、穆金に耳元で″火であぶれ″と囁いていた。そこで野宿の際、焚き火で軍令をあぶってみたところ、最後の一文が浮かび上がる。…可汗を救い、李靖に投降しろ…雷蒙が地下牢へ駆けつけた。鷹団が可汗の身柄を奪って逃走、城外へ出てしまったという。奕承は阿隼に一杯食わされたと気づき激怒、直ちに阿詩勒部麾下(キカ)の各部を集結させるよう命じた。見せしめに各部の前で阿隼を公開処刑にするという。処刑は覚悟の上だった。しかし阿隼には唯一、心残りがある。「チャングァ…一生を共にしたかったが、約束は守れそうにない」翌朝、物陰から承啓門の様子をうかがう長歌の姿があった。そこへ思いがけず図伽(トジャ)郡主が緒風(ショフウ)と一緒に現れる。「私が知らせたのよ、だって何も言わずに消えちゃうから」緒風はすでに雁行(ガンコウ)門の仲間を招集し、司徒郎郎(シトロウロウ)と羅十八(ラジュウハチ)も呼んだという。すると驚いたことに淑玉までやって来た。淑玉は李靖の許可を得て軍に合流したところ、穆金たちに遭遇して居場所が分かったという。こうして阿詩勒隼を救うため再び集まった盟友たち、しかし城内に入るのは至難の業だった。「それなら私に任せて!…これ、阿詩勒部の麾下だった部族が持ってる令牌なの」図伽はこんなこともあろうかと、こっそり父の令牌を盗んでいた。↓( ๑≧ꇴ≦)イールン!一方、楽嫣と皓都(コウト)は余命いくばくもない杜如晦(トジョカイ)のため、急ぎ簡素ながら婚礼を挙げることにした。すると杜如晦は皓都に婚礼が済んだら定襄へ行くよう命じる。「李長歌が死んだら公主に顔向けできんぞ」そして婚礼当日、楽嫣は長歌からもらった扇で顔を隠し、皓都に嫁いで行った。拝礼の儀を済ませ、床入れの儀を迎える2人、そこで互いの髪を切って固く結び、錦袋に入れて一生を共にすると誓う。しかし皓都は申し訳なさそうに明日から定襄へ行くと教えた。楽嫣は当然だと受け入れ、必ず自身と長歌を守り、李靖に協力して奕承を倒して欲しいと伝える。「私と阿耶(アーイェ)はここで待ってる」長歌たちは定襄へ入ることに成功した。そこで図伽に月餅を作る材料と孔明灯(コウメイトウ)を買って来て欲しいと頼む。一方、弥弥は阿隼が処刑されると知り、急いで渉爾に伝えた。「阿隼を死なせるものか!」驚いた渉爾は母の元へ行こうとしたが、その時、夜空に上がる孔明灯を見つける。「こんな時に誰が孔明灯を?!」「孔明灯?!(はっ!)渉爾、月餅が食べたい?」弥弥はそれが長歌の合図だと知っていた。李靖は可汗を保護、阿隼との約束通り必ず守ると安心させた。そこで穆金は独りで阿隼を助けに戻ると決めたが、蘇伊舎と努爾(ヌアル)が先回りして待っている。「兄弟を呼ばないとは水くさいぞ」翌朝、弥弥は門衛に小可汗の所望で月餅を買いに行くと告げた。しかし門衛は誰も出られないと止め、そもそも中秋節でもないのに売っていないと怪しむ。そこで弥弥は代わりに買って来て欲しいと銭袋ごと渡し、残りで酒でも買うよう伝えた。長歌が開いた月餅の露店に衛兵がやって来た。計画通り月餅が弥弥に渡ることを願う長歌、そこへ司徒が現れる。「師父…」「予想以上に早いだろう?十八と連日連夜、馬を駆けて来たんだ、で、俺にやって欲しいことは?」そこで長歌は魏淑玉と合流するよう頼んだ。弥弥は無事に月餅を手に入れた。そこで渉爾と手当たり次第、月餅を割り始めると、やがてある月餅から小さな紙が出て来る。…定襄王宮の地図と処刑台の位置、隋王と蕭(ショウ)皇后、歩真の居場所、逃走経路、守りの薄い宮門…すると渉爾は母の罪滅ぼしに協力を申し出た。「俺に任せろ」翌朝、緒風たちは一向に動こうとしない長歌に困惑していた。しかし長歌は詳細な王宮の地図を待っているという。緒風は内通者がいると気づいたが、それが裏切り者の弥弥だと知った。つづく( ๑≧ꇴ≦)まさかのイールン登場!←そこ?w
2022.06.11
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长歌行 The Long Ballad第46話「託した願い」地下牢に阿詩勒隼(アシラシュン)が戻ってきた。すると阿隼が独房だったはずの阿詩勒渉爾(アシラシャアル)の牢に入ってくる。「お前は釈放だ…ただ戻る前にこれだけは伝えておく」阿隼は渉爾の大切な狼を殺したのは可汗(カガン)だったと暴露した。当時、可汗は阿隼と渉爾をけん制し合わせて自分の王位を盤石にするため、配下に渉爾の狼を殺させ、その皮で作った矢筒を阿隼に持たせたという。「渉爾、草原のためにどちらかが立ち上がる必要がある、その役目は俺だ」「何をするつもりだ?!」その頃、定襄(テイジョウ)では穆金(ムージン)が見せしめに兵士たちの前で拷問を受けていた。解放された渉爾は母が待つ四方館へ戻った。「牢で幼い頃を思い出していました 阿娜のそばで眠り、憂いや恐怖もないあの頃を…あの頃が一番、満ち足りていた」すると奕承(エキショウ)は母子が真に強くなってこそ、初めて安泰となると言って息子の手を握りしめた。阿詩勒隼の身柄は捕虜の解放と引き換えに奕承へ引き渡された。こうして奕承たちは帰国の途に、また裏切り者となった弥弥古麗(ミミクリ)も定襄へ行ってしまう。一方、正体が発覚した李長歌(リチャングァ)は各部の使者たちに釈明していた。長安に戻らなかったのは個人的な恩怨であり、漠北王の意向で使者になったことに変わりないという。すると李世民(リセイミン)が阿詩勒部から各部の捕虜を奪い返したと知らせた。もしこのまま結盟を望まなくても捕虜たちを各部に護送し、後顧の憂いはないという。使者たちは小可汗を解放した理由を知って唐の誠意に敬服、次々と盟約書に署名した。李世民は長歌を連れて宮中へ戻った。「お前を皇后の娘にして公主の称号を与えることもできる、このまま長安で好きに生きれば良い」「だから阿隼を1人で定襄に行かせたのね、私の人生と引き換えに…」「彼が自ら選んだのだ…彼の想いはお前が一番、良く分かるだろう?」「…阿隼がいるところへ私も行きます」長歌は母への償いのつもりかと暗に叔父を非難した。しかし李世民は阿瑾(アキン)の最後の望みが長歌の安寧だったと教える。長歌は母が玄武門の変で李世民に殺されたと思い込んでいたが、実は母は李世民の目の前で自害していた。あの時、瑾夫人は皇太子の計画を知り、愛する李世民に謀反を知らせていた。おかげで先手を打った李世民は皇太子一派を粛清、その後、東宮へ阿瑾を迎えに行ったという。しかし瑾夫人は頑なだった自分を決して虐げなかった皇太子に感謝し、妻として裏切ったことを深く悔いていた。『かつてあなたに命を救われた… 長歌のことも我が子のように教え導き、長歌もあなたを父のように慕っている こうして恩を返すことができたわ、でも太子は?太子にはどうやって償えばいいの?』李世民は泣き崩れる夫人をなだめようと近づいたが、その時、瑾夫人は李世民の帯刀を抜いて自分の首に突き立てた。『長歌を一生守ると約束して!好きなように生きさせて!望まぬ相手には決して嫁がせないで!』『約束する!だからやめてくれ!』『これで誰にも借りはなくなる…』『阿瑾!』(∩゚д゚∩<しゃおふぉん!(違うw長歌は母が父も叔父も選べず、どちらにしても生きることができなかったと分かった。今でも阿瑾を思うと心が張り裂けんばかりだという李世民、動乱の中で流浪に流浪を重ねながら長歌が唐のために多くの犠牲を払ったと知ったのも後になってからだという。「長安に残り、私に面倒を見させてくれ」しかし誤解が解けても長歌は愛する人を守るため定襄へ行くと譲らなかった。李世民はもはや説得も無駄だとあきらめ、涙をのんで送り出すと決める。「帰りを待っている、ここはお前の家だ」「二叔…あなたは阿耶を殺したけれど、やはり私の二叔…もし民を苦しめたら片をつけに戻るわ」「はお」李世民は長歌が二叔と呼んでくれたことに驚きと感激をにじませながら、やはり阿瑾の娘らしいと笑った。すると出ていった長歌からあの短剣だけが戻ってくる。それはかつて長歌が二叔に贈った阿詩勒部の宝刀だった。長歌は長安を立つ前に栄恩(エイオン)寺を訪ねた。すると祭壇に阿隼が置いていった婚約書がある。感激した長歌は嫁ぐ娘として母に献杯し、阿隼の無事を祈った。一方、奕承一行は定襄に到着、すると渉爾が早々に可汗の寝殿へ向かった。衛兵は雷蒙(レイモン)統領の命で通せないと訴えたが、小可汗を強引に阻止することもできない。すると寝殿の中は香で真っ白になっていた。渉爾は急いで香を消して窓を開けると、薬で眠らされていた可汗の意識が戻る。しかし渉爾に気づいた可汗は興奮し、全身で怒りをあらわにして渉爾を追い出した。弥弥は再び奕承に忠誠を近い、今回の手柄で弟との面会を許された。真っ先に弟の指を確認する弥弥、すると歩真(ブジェン)は危ないところを隋王が助けてくれたと教える。「よかった無事で…」しかし感動の再会も束の間、姉と弟は再び引き離されてしまう。渉爾は阿隼の牢に駆けつけ、可汗の様子を伝えた。確かに母の言う通り病だったとごまかしたが、阿隼から信じているならここへ来ないと見透かされてしまう。その時、可敦(カトゥン)が来ると知らせが届き、渉爾は急いで牢を出た。奕承は阿詩勒隼と交渉したいと切り出した。鷹団を草原のために戦わせれば死を免じてもいいという。阿隼は鼻であしらったが、奕承が人質の穆金を呼んだ。すると拷問でボロボロになった穆金が連行される。「奕承おぉぉぉぉぉ!」地下牢に阿隼の怒号が響き渡った。「殺さずにいるのはあなたの顔を立てているからよ?」阿隼は苦渋の決断を迫られたが、穆金の命は何物にも代え難い。「いいだろう、その代わり条件がある、1つ、穆金を治療する、2つ、父汗を治療する」「穆金は治療するわ、可汗については鷹師が勝利すればおのずと会える」「やはり父汗の病もお前の仕業か?!」その話を牢に残っていた渉爾が聞いていた。つづく( ๑≧ꇴ≦)シャR!頑張って!…って、主旨が変わっるw
2022.06.06
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长歌行 The Long Ballad第45話「郡主の正体」毒殺されたはずの鉄勒(ティエラ)部の稚西(ジーシー)が生きていた。実は阿詩勒(アシラ)部が西へ侵攻したという知らせも偽物で、裏で画策していたのは奕承(エキショウ)公主だという。一方、阿詩勒隼(シュン)と阿詩勒渉爾(シャアル)は独房で夜を明かした。ふと隣の牢から聞こえる渉爾の指笛…。阿隼は懐かしい調べを聞きながら、渉爾が母と引き離されて孤独だった自分に手を差し伸べてくれたことを思い出す。すると渉爾が弥弥古麗(ミミクリ)を利用して自分から情報を聞き出した阿隼を非難した。「これも李長歌(リチャングァ)のためだ」「一体、李長歌とはどんな女なんだ?お前も弥弥も命まで捧げるとは…」長歌は李楽嫣(リラクエン)と皓都(コウト)の協力で奕承の陰謀を暴き、使者たちを納得させた。しかし奕承が家族を人質にして脅す手口を使う以上、まだ油断は禁物だと警戒する。「別の計画を講じていて、長安で他にも勢力を擁しているかも…」そこで長歌は赤合(チーハー)から赤鯢(セキゲイ)の所在を聞き出し、皓都が兵を動員して隋(ズイ)の残党を捕らえた。長歌は残党の中に肝心の楊成(ヨウセイ)がないと気づいた。しかしすでに夜も更けてきたことから、先に楽嫣を宮中へ帰そうと決める。四方館に戻った長歌と皓都、すると楊成が楽嫣を人質にして待ち構えていた。長歌は仕方なく残党を解放すると決め、要求された魚符をわざと高く放り投げる。その時、楽嫣が一瞬の隙をついて逃げ出し、皓都は見事に楊成を生捕りにした。楽嫣は楊成の短刀で首を切っていたが軽傷だった。心配そうに手当てする皓都、すると長歌は気を使って部屋を出る。空を見上げると美しい月が出ていた。…阿隼、牢でどうしているかしら?…皓都が屋敷に戻ると杜如晦(トジョカイ)が待っていた。無断で兵を動かしたことを叱責されると覚悟する皓都、しかし杜如晦は果敢な決断だったと称賛する。そこで皓都を連れて霊廟に向かい、祖先の位牌の前で叩頭させた。「今日からお前は我ら杜家の人間だ、族譜にもお前の名前が加わる」杜如晦は皓都を正式に息子として迎え入れ、駙馬になれるよう道を敷いてやった。杜如晦は皓都を連れて参内し、皇帝に暗躍していた隋の残党を捕らえたと報告した。しかし黒幕が奕承だと証言できるのは接触していた楊成だけ、その楊成が黙秘を続けており、今回、奕承を罪に問うことは難しいと落胆する。「まあ焦るな…翼をもがれては抵抗も時間の問題だ」李世民(リセイミン)は赤鯢を掃討した手柄を認め、皓都を駙馬にすると命じた。「皓都、いや杜郎君、楽嫣をそちに託したぞ、大切にするのだ」その頃、長歌は楊成を使者たちの前に引っぱり出し、奕承から直接、命令を受ける数少ない独りだと暴露していた。すると何食わぬ顔で奕承が現れる。「それだけの説明で私に疑念を向けるとは…和議のために嫁いだか弱い女が黒幕であるわけがない」証拠がないと分かっている奕承は強気だった。(´゚艸゚)∴ブッ<か弱いって笑うトコ?…安心してください、楊成は黙ってますよ~長歌は奕承のしらじらしい態度に呆れたが、そこへ礼部特使として魏淑玉(ギシュクギョク)がやってきた。淑玉は皇帝の盟約書を携えていた。唐皇の条件を聞いた使者たちは公平だと喜んだが、突然、弥弥が李長歌は漠北郡主ではないと暴露してしまう。長歌や使者たちは騒然、すると弥弥は李長歌の本当の正体は唐の元皇太子の娘だと明かした。その時、楊成が急に長歌の計画を壊すなと叫び、衛兵の剣で自害してしまう。これではまるで楊成が長歌の配下だと認めたようなもの、そこで奕承は弥弥に目配せし、さらに長歌を追い詰めた。「赤鯢は李長歌に従っていたの! 結盟は各部を戦に巻き込む口実で、狙いは唐皇が親征に向かうことよ! それなら唐軍を消耗させられる、そして唐皇を殺し、復讐を果たす…結盟は李長歌の陰謀よ!」…実は弥弥は直前に奕承に呼び出されていた『断れば穆金(ムージン)と歩真(ブジェン)がどうなると思う?』『穆金?!』弥弥は弟だけでなく愛する人まで人質になったと知り、奕承に忠誠を誓ってしまう…こうして淑玉の懸念は現実のものとなった。「李長歌を拘束せよ、陛下の判断を仰ぐ」李世民は淑玉が盟約書を持ち帰ったら娘の婚儀の日取りを決めるつもりだった。しかし淑玉から思わぬ報告が届く。李世民は奕承が小可汗を解放させるために講じた策だと気づき、再び淑玉を遣わせることにした。「何を要求されてもこう答えよ、朕は阿詩勒部の手中にある各部捕虜の解放を求めると」翌朝、奕承の予想通り唐の使者が現れた。皇帝からの過分な要求に難色を示す奕承、しかし淑玉は人心が不穏となった今、各部の使者をなだめるためには小可汗を懲らしめ、唐の威厳を示すのが最善の策だと脅しをかける。すると奕承はその代わりある条件を出した。淑玉は長歌を解放、しかし結盟は事実上、決裂した。阿隼の身が心配で仕方がない長歌だったが、特別な身分ゆえ面会は許されず、淑玉でも様子は分からないという。それにしても長歌を守るため、阿隼が自分の身分を明かしてまで奕承を引きずり込むとは驚きだった。「一度や二度じゃないの、彼がいなければ崖から落ちた時に死んでいたわ」「君を救ったのは彼だったのか…」すると淑玉は兄として長歌を阿隼に託すと言った。阿隼と渉爾が投獄されて4日、思いがけず2人はわだかまりのない時間を過ごしていた。そこで渉爾はここを出たら許してやってもいいと笑う。しかし可汗の養子と奕承の息子、阿隼は和解できるのは来世だと言った。すると突然、李承乾(リショウケン)が現れ、配下に阿詩勒隼を拘束させる。「ついに盟友の敵を討てるぞ」承乾は短剣を出して阿隼に襲い掛かろうとしたが、淑玉が駆けつけ阻止した。「阿詩勒隼、陛下がお呼びだ」阿隼は唐の皇帝を目の前にしても礼を尽くさなかった。「李長歌の男としても二叔に頭を下げるわけにはいきません」「ふっ、では姪のためにお前はどこまでできる?」そこで李世民は長歌と阿隼のために新しい戸籍を差し出した。今後は名前を変えて長安に残り、阿詩勒部と往来を絶てば一生、憂慮なく暮らせるという。しかし阿隼はすでに長歌が拒んでいると訴え、阿詩勒部を捨てることもできないと固辞した。李世民は2つ目の道は容易くないと警告したが、阿隼は長歌のため命をかけることも厭わないという。「…では長安を離れる前にある者に会え」淑玉は傷心の皇太子を東宮まで送り届けた。晟辛(セイシン)の正体を知って自分の愚かさを実感する承乾、初めて誰かのために立ち上がったが、そんな自分が滑稽だという。「殿下、では今後は誰かに全幅の信頼を置けなくなりますか?」「置くだろうな…ただ盲目的ではならぬ」「なら良かった、成長した証しかと…殿下、人は往時にこだわらず、前を向かねばなりません」つづく( ๑≧ꇴ≦)イールンがようやく良いこと言ってめでたしめでたし…ってまだ続いてた〜w
2022.06.05
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长歌行 The Long Ballad第44話「揺さぶりの応酬」可敦(カトゥン)の駒だった弥弥古麗(ミミクリ)が思いがけず阿詩勒渉爾(アシラシャアル)の弱みになった。しかし奕承(エキショウ)公主は今回も弥弥を見逃してしまう。そこで楊成(ヨウセイ)は念のため計画を邪魔しないよう弥弥を脅し、意味ありげな言葉を残して帰った。「…これは郡主にくれてやる菓子か?丹精込めて作ったのにもったいないな」晟辛(セイシン)は皇太子の使いだと嘘をついて李長歌(リチャングァ)を連れ出した。宮殿では人目につくため、郊外の小屋まで呼ぶよう命じられたという。しかし長歌は小屋に入るのを躊躇した。「いつから従者に?…見覚えがないわ、誰の回し者?」すると暗がりから刺客たちが現れ、長歌は腕を切られてしまう。「さすが郡主、主(アルジ)が警戒するだけあるな」夜も更けたというのに長歌は四方館に戻って来なかった。心配する阿詩勒隼(アシラシュン)や図伽(トジャ)郡主、すると弥弥が奕承の仕業だという。「渉爾に相談してみるわ」しかし阿隼は疑り深い可敦たちを警戒した。「俺を襲って奕承の信頼を得てから渉爾に近づけ」阿隼は阿詩勒部の居所に乗り込み、立ちはだかる渉爾を蹴り飛ばした。そこへ弥弥が駆けつけ、慌てて渉爾を支える。すると騒ぎに気づいた奕承が寝殿から姿を現した。「長歌はどこだ?!…長安で長歌が邪魔なのはお前だけだ!」「ふん、各部の前で正体を暴かなかっただけでも感謝すべきでしょう? 唐の郡主のために私を侮辱するとは…外に知られたら草原の面目は丸潰れね!」その時、弥弥が短剣でいきなり阿隼の胸を刺した。「阿詩勒隼、無礼はやめて!可敦は恩人なの、傷つけたら許さない!」阿隼は計画通り本当に刺され、流血した胸を押さえながら引き上げた。可敦は弥弥を信用したのか黙って寝殿に消えた。弥弥が母の配下だと知った渉爾は寝所へ連れて行くと、共寝するよう迫る。しかしどんなに怖くても逃げない弥弥を見た渉爾は手を止めた。「そんなに李長歌が大事なのか?!…芝居だろう?俺が見抜けないとでも思ったのか?!」すると弥弥は長歌が可敦に捕まったと訴え、実は稚西(ジーシー)の毒は可敦から渡されたと教えた。何も知らなかった渉爾は呆然、これまで事実から目を背けて来たが、いよいよ母の裏の顔を知る時が来たらしい。一方、奕承は楊成からの報告で晟辛が長歌の捕縛に成功したと知った。「長歌は殺さないで、李世民(リセイミン)を脅す道具であり、結盟を決裂させる鍵よ それから…晟辛は李承乾(リショウケン)に返さずとも良い ぁ…そうね、李承乾へお別れをさせてから始末してもいいわ、何かと面倒だしね」その密談を渉爾が盗み聞きしていた。長歌が西の郊外にいると分かった。阿隼は図伽に魏淑玉(ギシュクギョク)への連絡を頼み、弓矢をつかんで飛び出して行く。その頃、怪我を負った長歌は捕縛され、連行されようとしていた。しかし阿隼が駆けつけ救出、足を射られた晟辛は魚符を示し、皇太子の従者だと脅す。「李長歌の身分をバラしてもいいのか?!」長歌は確かに東宮の人間を殺せば結盟も失敗すると気づき、阿隼に見逃すよう訴えた。その時、知らせを受けた淑玉が官兵を連れて向かってくる。晟辛は足を引きずりながら助けを求め、漠北の使者が皇太子暗殺を企てたと嘘をついた。長歌を連れて逃げようとしていた阿隼だったが咄嗟に足を止め、結局、晟辛を殺してしまう。翌朝、東宮に晟辛の亡骸が運ばれた。承乾は寵愛していた晟辛の死に衝撃を受け、必ず下手人を捕らえろと命じる。一方、楊成も可敦に晟辛が死んだと報告していた。「誰が漏らしたの?!」「私です」実は計画をばらしたのは渉爾だった。ついに息子の知るところとなった奕承、しかし草原の王でも隋帝でも利用する理由は同じ、全ては息子を支配者にするためだという。「阿娜…あなたはか弱い方だったのに…今は見知らぬ人のようだ」渉爾はゆっくり後ずさりし、母の手から離れた。四方館に官兵が乗り込んだ。淑玉は阿詩勒隼を招喚、すると阿隼は堂々と部屋から姿を現す。「俺が昨夜、凶行に出た阿詩勒部の鷹(ヨウ)師特勤(テギン)・阿詩勒隼だ! 阿詩勒部の可敦と小可汗の命で郡主のそばに仕えていた、機をうかがい東宮を暗殺するために!」阿隼は奕承の計画を逆手に取り、道連れにした。阿詩勒部の居所に官兵が現れた。阿詩勒隼の自白により小可汗を拘束するという。奕承は阿詩勒部を敵に回すつもりかと反発したが、渉爾は素直に従った。( ๑≧ꇴ≦)あすぁん!その頃、眠り薬を飲まされた長歌はようやく目を覚ました。事情を知って慌てて追いかける長歌、しかし一足間に合わず、阿隼と渉爾は官兵に連れて行かれてしまう。「阿隼は渉爾を人質として唐に引き渡した…己の命をかけてまで結盟を勝ち取る気だわ」長歌は李世民に頼んでも無理だと分かっていた。唐のためなら己の命も辞さない李世民が阿詩勒部を助けるはずがない。長歌はたとえ険しい道でも進み続けるしかないと覚悟し、必ず何か方法があるとあきらめなかった。李世民は私心で阿詩勒部を収監し、結盟に水を差した皇太子に激怒した。すると杜如晦(トジョカイ)がこれを利用して阿詩勒部を追い詰めれば砂漠の各部と結盟できると進言する。政敵だった魏徴(ギチョウ)もこれに賛同、しかし房玄齢(ボウゲンレイ)は息子が捕まっても何の反応も示さない可敦を怪しんだ。そこへ方義(ホウギ)が駆けつけ、阿詩勒部が砂漠に向けて兵を進めたと報告する。実は四方館でも各部から使者あてに阿詩勒部が西へ攻め込むらしいと急報が届いていた。使者たちは長安へ来たことを後悔し、このままでは結盟どころか先に家を失ってしまうと焦る。「だから言わんこっちゃない!相手は阿詩勒部だぞ?敵に回すからこんなことに…」阿詩勒部寄りだった鉄勒(ティエラ)部に煽られた使者たちは明日にも長安を去ろうと決めた。李楽嫣(リラクエン)は長歌が怪我をしたと知り、皓都(コウト)に頼んで長歌を門まで呼び出した。そこで長歌は阿詩勒部の出兵に対する太極宮の反応を聞いてみる。楽嫣は突然のことで父も軍報を受け取っていないと困惑、皓都もなぜこんなに早く流言が広まったのかと首を傾げた。「混乱させる気ね…楽嫣、私と危険を冒せる?」実は鉄勒部の赤合(チーハー)は奕承の回し者だった。各部から届いた文も全て偽造、赤合はこれで結盟も決裂だと安堵したが、そこへ突然、死んだと思っていた稚西が乗り込んでくる。立ち聞きしていた稚西は裏切り者の赤合に激怒、ボコボコにしてから連行した。長歌と皓都は部屋に残された証拠を確認し、全て奕承の仕業だったと判明する。しかし部屋を出た2人の姿を楊成が見ていた。( ̄▽ ̄;)<よっ容赦ないわね…(゚ェ゚(。_。*)コク楊成は可敦に赤合の身に何かあったようだと報告した。何でも長歌と唐の侍衛が赤合の部屋から出て来たという。そこで部屋に落ちていた装飾を渡した。「赤合の物ではないわね、これをつける資格があるのは…(はっ!)稚西?!」奕承はまたしても弥弥古麗に騙されたと気づき、激怒した。「歩真(ブジェン)と穆金(ムージン)を殺してやる!」…あの夜、弥弥は長歌に全て告白していた実は弟の命と引き換えに稚西を殺して長歌に罪を着せるよう脅されているという長歌は弥弥を守るため言われた通りにするよう指示、そこで密かに稚西を訪ねた『阿詩勒部があなたに毒を盛って私に罪を着せるつもりよ これを飲めば口と鼻から流血して毒殺を装うことができるわ 信じるか信じないかはあなた次第…』稚西は到底、信じられなかったが、翌朝、弥弥が運んできた食事を調べて毒入りだと分かったすると鏡に部屋の中をこっそりのぞいている赤合の姿が映っていること気づく稚西は漠北郡主の情報を信じ、咄嗟に薬を飲んで死んだふりをした…翌朝、稚西は正殿に姿を現し、各部の使者たちに全て明かした。「俺もこの目で見なければ信じられなかった だからずっと姿を隠して阿詩勒部の魂胆を確かめることにしたんだ」つづく(  ̄꒳ ̄)残りもわずかというのにこの体たらく…w
2022.05.28
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长歌行 The Long Ballad第43話「一生、君のそばに…」久しぶりに姉妹水入らずの時間を過ごした李長歌(リチャングァ)と李楽嫣(リラクエン)。しかし喜びも束の間、唐との結盟を渋っていた鉄勒(ティエラ)部の稚西(ジーシー)が毒殺されてしまう。その朝、稚西の部屋に朝食を運ぶ弥弥古麗(ミミクリ)の姿が目撃されていたことから、使者たちは主である漠北郡主の長歌が邪魔者を殺したと疑った。そこへ騒ぎを聞きつけた魏淑玉(ギシュクギョク)が官兵を連れて駆けつける。「唐の領内で起きた以上、官府が調べる」すると館内を捜索した官兵が弥弥の部屋から毒薬の瓶を見つけた。阿詩勒渉爾(アシラシャアル)は証拠の毒瓶が弥弥の持っていた瓶だと思い出した。そこでその毒瓶の所有者は自分だと名乗り出る。「中原の部屋は木で作られていて虫が湧く、だから毒瓶を準備して稚西にも与えた …まさか私が漠北の侍女に殺害を命じたと?」小可汗の証言では使者たちも追及できず、おとなしく唐側の真相究明を待つしかなくなった。渉爾は取り調べのため唐軍の監視下に置かれた。「渉爾は私の手を離れ過ぎたようね…」息子が弥弥をかばって罪を被ったと知った奕承(エキショウ)公主は動揺を隠せず、計画を早めることにする。そこで皇太子の従者として息を潜めている晟辛(セイシン)を呼ぶよう命じた。「状況が変わる前に早く動いたほうがいい」弥弥は自分のために犠牲になった渉爾を心配し、長歌に泣きついた。「渉爾に会いたいの、魏郎君に頼んでくれない? …まさか私をかばうとは思わなかった、彼の遊び相手で奴隷だった私を友だちと見なしてくれた 彼も気の毒な人なの」そこで長歌は淑玉から魚符を借りてやった。その夜、弥弥は監禁された渉爾に差し入れを届けた。弥弥は自分をかばったせいで可敦(カトゥン)の不興を買ってしまうと心配したが、渉爾は涼しい顔で羊肉麺を平らげる。「…幼い頃からみんな俺に恭しかった、小可汗だからな、でも君だけは友と見なしてくれただろう? 君が去ってからは真心も失った、今日は守りたい人を守っただけだ」弥弥は渉爾に感謝したが、自分への想いには応えられないという。しかし渉爾は自分の問題だと言って強要しなかった。「渉爾…私はそれほど善良じゃない、今後は何が起きても自分の心で判断してね… あなたは他の草原の人とは違うもの」一方、定襄(テイジョウ)に潜入した穆金(ムージン)は使用人として働きながら、可汗と接触できる機会をうかがっていた。そんなある日、可汗の世話をする使用人に帯同して寝殿に入ることが叶う。想像以上に状態が悪い可汗に驚く穆金、そこでわざとたらいを落として湯をこぼした。「何をしてる?!早く拭け!」「はい…」すると他の使用人たちは穆金に始末を任せ、慌てて寝殿を出て行った。独り残された穆金は必死に可汗に呼びかけた。すると可汗は何かを訴えるように反応する。「可汗…質問するので正しければ瞬きしてください…」やはり可汗を害して阿詩勒部を掌握したのは奕承だった。穆金は阿詩勒隼(アシラシュン)が生きていると伝え、必ず助けに来ると励ます。その時、寝殿に向かって来る足音が聞こえた。穆金は慌てて窓から脱出、雷蒙(レイモン)が可汗の様子を見に来た時には誰もいなかった。↓(´-ω-。` )ハーンが哀れすぎる…でも顔は怖い(´゚艸゚)抜野古(バイルク)部が稚西の殺害を認めた。小可汗の毒瓶を盗んで弥弥の部屋に置いたという。長歌はどう考えても不自然な結末に困惑、徹底的に真実を追求すべきだと訴えた。しかし使者はすでに自害、淑玉は優先すべきは結盟であり、これが最善の結果だと説得する。ただどちらにしても弥弥は何かしら関与しているだろう。「彼女は遠ざけた方が良い…最も傷つくのは身近な者の裏切りだ」長歌は淑玉が暗に阿隼のことを言いたいのだと気づき、阿隼も弥弥も生死を共にして来た友だと反発した。「天下には白黒つかぬことや苦渋だってあるの、信頼した代償が裏切りなら仕方がない…」李承乾(リショウケン)は四方館を訪ねることにした。すると偶然にも晟辛とかち合う。「太子殿下…私を尾行していたのですか?」「私は親戚がいるから会いに来た(はっ)つまり結盟すれば各部は家族だからな」適当にごまかした承乾、そこで晟辛は厠へ行って来ると嘘をつき、その間に奕承を訪ねることにした。承乾はちょうど回廊を歩いている長歌を捕まえた。姉の結婚相手は最高の男でなければならず、杜如晦(トジョカイ)の養子では気に入らないという。長歌は姉の婚姻を気にかける承乾に珍しく関心、すると承乾は長歌が男なら釣り合うと言った。「どちらにしても無理よ、私も李姓だから」「あ…確かにな」その話を晟辛が聞いていた。晟辛は奕承に長歌が皇族だと報告した。驚いた奕承は楊成(ヨウセイ)にすぐ系譜を調べるよう指示し、結果を晟辛に知らせるよう命じる。「計画通りに進めて…隋(ズイ)が復興すれば最大の功労者はお前よ」息子の情のせいで漠北郡主の李長歌を陥れるはずが失敗に終わった奕承、しかし天から思わぬ贈り物を得た。楊成はこれを機に弥弥を始末するよう提案したが、奕承はせっかく育てた駒を捨て難いという。無罪放免となった渉爾は母を訪ね、迷惑をかけたことを謝罪した。真犯人の自供も母の苦肉の策だったのだろう。「で、誰が毒を盛ったのですか?」しかし奕承は重要なことは真犯人ではなく、母子の心が離れてしまったことだという。「理解は求めない、でも一つだけ分かって欲しい、私が何をしようとあなたのためなのよ」一方、穆金は隋王の寝殿に食事を届けにやって来た。すると予想通り隋王の世話係として少年がいる。「君が歩真(ブジェン)か?」「僕を知っているの?」「俺は姉さんの友だちだ」しかし突然、雷蒙がやって来た。穆金は咄嗟に物陰に隠れると、雷蒙は歩真に薬瓶を渡す。「殿下の世話をしていれば無事でいられるぞ」穆金は歩真に自分のことを秘密にするよう念を押して帰った。しかしついに雷蒙に見つかってしまう。穆金は仕方なく戦いを挑んだが、使い手の雷蒙の一撃であっけなく倒れた。…偽の報告を流して定襄に潜入したか、さすがの阿詩勒隼でも助けられまい…阿隼が長歌の部屋を訪ねると、珍しく長歌が苦手な刺繍に没頭していた。実は今の身分では楽嫣の婚儀に参加できないため、せめて花嫁が顔を隠す扇を贈りたいという。(* ゚ェ゚)_◉<でも見て…阿隼は悲惨なウサギの刺繍を見て失笑したが、すごく綺麗だと褒めた。「…俺はいつ花嫁の扇を取れるんだ?」「だっ、誰があなたに嫁ぐって?唐では三書六礼を経て両親の…(はっ!) そうよね、私は両親がいない…阿娘が生きていたらあなたを気に入ったかしら?」「もちろんだ、娘に真心を尽くす婿を認めない親がいるかい?」すると阿隼は一生、長歌に尽くすと天狼神に誓った。感傷的になった長歌は急に席を立ち、やはり刺繍を織子に頼んでくると言って出かけてしまう。阿隼は独りで瑾(キン)夫人が眠る栄恩(エイオン)寺を訪ねた。「今日は結婚の申し込みに来ました」母を失って心残りがなくなった長歌、確かに身軽にはなったが、その代わり孤独がつきまとうという。そこで阿隼は自分が長歌の心残りとなり、添い遂げると約束した。そしてこの結盟が叶って長歌の願う平穏が実現したら、2人で隠遁し、悠々自適に生きるという。「今は誓いの品もありませんが、長歌に全てを捧げると誓います」阿隼は霊牌に叩頭すると、祭壇に縁談書を置いて帰った。長歌が店を出ると、見知らぬ少年が声をかけて来た。「探しましたよ、私は太子付きの晟辛です、殿下が郡主にお会いになりたいと…」すると晟辛は魚符を示し、承乾の令牌まで持っていた。「お疑いなら信頼できる人間を同行して構いません」「…そこまでは」長歌は晟辛が自分の本当の身分を知っていることに困惑したが、結局、ついて行くことにした。つづく(´・_・`)また余計なことを言うイールンとあくまでカッコいい阿スァンの越えられない壁w追記:永安公主と皓都は仲良くやっていますw
2022.05.27
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长歌行 The Long Ballad第42話「比武招親」李長歌(リチャングァ)の提案で永安公主・李楽嫣(リラクエン)の駙馬の座は比武招親(ヒブショウシン)で決めることになった。しかし長歌の思惑はあっさり外れてしまう。「だが断る!」長歌は阿詩勒隼(アシラシュン)に出場を頼んだが、実直な阿隼はかたくなに拒んだ。「どうして?!渉爾(シャアル)に勝って魏淑玉(ギシュクギョク)に負ければいいだけよ?」「君の前であいつに負けられるか?!」 「はあ?」阿隼から協力を拒否され長歌は苛立ちを隠せなかった。すると楽嫣は誰にも強要しないで欲しいと訴える。「…だったら渉爾の体力を削ぐまでよ(๑•̀ㅂ•́)و✧」その夜、長歌は酒房へ出かけたが、偶然にも皇太子・李承乾(リショウケン)が遊びに来ていた。李承乾が取り巻きたちと遊んでいると、突然、男装の長歌が乗り込んで来た。「李長歌?!…ギギギ、洛陽ではよくもやってくれたな!誰か?!」承乾は長歌に仕返ししようとしたが、現れたのは侍衛ではなく姉だった。姉を恐れる承乾は借りて来た猫のようになった。相撲部屋のしごきも無駄だったのか遊び放題の皇太子、しかし思いがけず取り巻きの一人が使い手だという。「長孫浄(チョウソンジョウ)は善人だ、阿姐にお勧めだよ!」一方、皓都(コウト)は病床の義父に付き添っていた。すると自分の死期を悟った杜如晦は明日の比武に参加するよう勧める。「最終的にどうするかは自分で考えよ 自分が公主に値しないと思うなら、小可汗に勝利して他の貴族に負けるという選択もある だが最後まで勝ち抜くという選択もあるぞ? ″矩(ノリ)を超えぬ中で己の心の望むまま生きて行く″…それも身を立てる道と言えよう」そしていよいよ比武招親の当日を迎えた。楽嫣は侍女になりすまして李承乾と一緒に会場入りした。しかし肝心の長孫浄はあっけなく渉爾に敗れてしまう。すると楽嫣はちょうど会場に現れた淑玉を見つけ、急いで迎えに行った。「淑玉哥哥…」「楽嫣、舞台に上がる前に話がある 妹のような君を当然、草原に嫁がせることはできない…だが勝ったとしても娶るわけではない」「…分かっています、ただ駙馬になるつもりがないなら戦う必要はないわ 私が望むのは勝利できる人ではなく、真に私を愛する人だから」楽嫣は自分を心から愛してくれる人に舞台へ上がって欲しいと訴え、淑玉の参加を拒んだ。楽嫣が観覧席に戻って来た。長歌は楽嫣の泣き腫らした目を見て淑玉のせいだと気づき憤慨する。しかし楽嫣は誰にも無理強いしたくないと訴えた。するとふらりと阿隼が現れる。やはり渉爾に敵う相手は阿隼だけ、長歌は強引に阿隼を参加させようとしたが、その時、皓都が舞台に現れた。「俺が相手だ!」皓都は果敢にも渉爾に戦いを挑んだ。しかし公主の戸惑う表情に気後れし、隙を突かれて殴り飛ばされてしまう。居たたまれなくなった楽嫣は舞台へ駆け寄り、涙ながらに負けを認めた。「皓都!もういいの…もういいから…」「まだ負けてはいない…だから諦めるな…」皓都は楽嫣のために再び立ち上がり、満身創痍で渉爾に立ち向かった。すると愛する人のために命をかけた皓都の気迫が勝り、ついに渉爾を封じ込めることに成功する。息子の危機を悟った奕承は思わず試合を中止、こうして皓都が見事に勝利を収めた。↓私はシャR派…え?聞いてない?w長歌は淑玉を見送りながら、今回の決断に理解を示した。楽嫣を傷つけたくはないが、確かに愛を偽るべきではない。「いつか楽嫣も分かってくれるわ…」「昔の3人には戻れないが、君と楽嫣には幸せでいて欲しい…私は君たちの哥哥だからな」「ありがとう、淑玉」すると長歌は別れ際、奕承公主に警戒するよう助言しておいた。楽嫣は深手を負った皓都を介抱した。「どうして参加したの?」本音を知りたい楽嫣だったが、皓都は照れ隠しに阿詩勒部を増長させないためだと答えてしまう。「じゃあ、あなたも淑玉哥哥と同じように唐の名誉を守るためだったのね…」楽嫣は落胆して帰ることにしたが、焦った皓都が引き止めた。「違うんだ…望まない相手に嫁いで欲しくなかったから…」皓都は自分では公主に不相応だと卑下した。身分の違いから素直な想いを告白できない皓都、すると楽嫣が自分の気持ちの変化を話し始める。かつては皓都を冷たい人だと思っていたが、流浪の末、洛陽で皓都に救われた時、恐怖が消え、心から安心できたという。「皓都、あなたは良い人よ、でも感情を押し殺して他人を満足させてばかり… 今日あなたが何度も倒されるのを見て本当に怖かった あなたに会えなくなるんじゃないかと…そう思っただけで私… 最後に聞くわ、なぜ舞台に上がったの?」「公主を悲しませたくなかった…これまでは侍衛として守ってきたが、これからは…これからは… これからは夫として守りたい!」楽嫣と皓都は互いの想いが通じ合った。話を聞いた長歌は幼なじみの楽嫣が嫁ぐと思うと感慨深いと笑う。「長歌、私はもう泣き虫のウサギじゃないの…今回のことで初めて気づいたわ 私のそばにはいつも皓都がいてくれた、淑玉哥哥は…哥哥でいいの」「皓都が好きなのね?」「じゃあ…長歌は阿隼がなぜ好きなの?ふふふ♪」楽嫣は分かっていた。長歌も阿隼にはどんな感情もぶつけることできるのだろう。阿隼には自分の欠点を隠さなくてもいい、自分のままでいられるのだ。楽嫣は自分も皓都の前では自然でいられるが、淑玉の前では自分が滑稽に感じるという。「もっと早くお互いを解放すれば良かったわ…」久しぶりに姉妹で楽しい時間を過ごした2人、しかし急に正殿の方が騒がしくなった。長歌と楽嫣が正殿に駆けつけると各部の使者たちが集まっていた。どうやら阿詩勒部寄りで結盟を渋っていた鉄勒(ティエラ)部の稚西(ジーシー)が他の使者たちを煽っているらしい。「みんな!署名すれば公然と阿詩勒部を敵に回すことになるぞ!」阿詩勒部、恐ぇぇ…>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ…しかし楽嫣は唐と結盟すれば阿詩勒部も簡単に刀を抜くことはできないと説得した。それもそうだな…>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ…すると稚西は憤慨し、漠北の結盟に鉄勒部を巻き込むなと言い捨て、出て行ってしまう。つづく(´・_・`)イールン…英雄から脱落
2022.05.21
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长歌行 The Long Ballad第41話「矜持を示す時」再び持ち上がった阿詩勒(アシラ)部と唐の和親。李長歌(リチャングァ)はひとまず李楽嫣(リラクエン)を宮殿に帰したが、楽嫣は今度こそ逃げられないと怯えていた。心配した皓都(コウト)は勇気を振り絞り、救いの手を差し伸べようとする。しかし宮中に戻った楽嫣は迷わず愛する魏淑玉(ギシュクギョク)に泣きついた。追い詰められた楽嫣は死を装えば逃げ出せると言い出した。しかし淑玉は困惑し、他に何か方法があるはずだという。楽嫣は自分を連れて逃げると言ってくれない淑玉に苛立ちを隠せず、自分の縁談などどうでもいいのかと迫った。「当然、違う!僕にとって君は幼なじみであり、実の妹のように…」「実の妹…って」楽嫣は深く傷つき、寝殿から淑玉を追い返してしまう。↓自分の首を絞めるイールン皓都は回廊に出て来た淑玉を引き止め、和親をどうするつもりか尋ねた。煮え切らない態度の淑玉、憤慨した皓都は公主が一途に淑玉を想い続けて来たと詰め寄る。すると突然、寝殿の戸が開いて楽嫣が顔を出した。「やめて!…もう戻って、独りで考えたいの」一方、長歌は弥弥古麗(ミミクリ)に牙張が来たと知らせていた。弥弥はいずれ自分が生きていることも気づかれると腹をくくり、逃げも隠れもしないという。すると阿詩勒隼(アシラシュン)が戻って来た。穆金(ムージン)は無事に牙張へ潜入、今頃は定襄(テイジョウ)の旧宮殿にいるはずだろう。実は穆金はかつて牙張の兵を助けたことがあった。阿隼はおそらくその兵士を頼ったのだと安心させる。気が気でない弥弥だったが、今は天狼(テンロウ)神に穆金の無事を祈るしかなかった。その夜、楽嫣は涼亭で独り物思いにふけっていた。すると背後から誰かがそっと外套をかけてくれる。楽嫣は淑玉かと期待したが、皓都だった。「私があいつを捕まえてくるので2人でお逃げください、私が責任を取ります!」「…逃げないわ、私は永安公主よ、唐の公主に恥じない人間になると誓った」楽嫣は小五(ショウゴ)との約束を守るため、誰にも頼らずこの難局に立ち向かうと決めた。「皓都…私を支えてくれる?」皓都は公主の言葉に笑みを浮かべ、力強くうなずいた。奕承(エキショウ)公主は阿詩勒部の居所に阿隼を呼んだ。阿隼が鷹団を引き連れて草原に貢献すれば、可汗が改めて牙張に迎え入れるという。しかし阿隼は可敦の裏切りを見抜き、決して可敦の思い通りにはさせないと宣戦布告した。そこで奕承は阿隼の弱点である長歌の名を出して脅す。阿隼は憤慨、もし長歌に指一本でも触れたら葬り去ると言い放ち帰って行った。阿隼と入れ違いに配下が駆けつけた。「可敦、弥弥古麗が生きていました、北漠の使節団に紛れています!」すると奕承は定襄の雷蒙(レイモン)に伝言を命じた。「…1人も始末できていなかったとね」一方、可汗の薬材を手に入れた穆金は味方の兵士に調査を頼んでいた。兵士の話では致命傷にならないが徐々に五臓六腑を侵し、いずれ死に至らしめる薬だったという。「あともう一つだけ…歩真(ブジェン)という子供の捕虜を知っているか?」「牢に子供はいない、考えられるのは隋(ズイ)の寝宮だろうな、それ以上は知らない」阿詩勒渉爾(アシラシャアル)は中庭で阿隼を引き止めた。阿隼に騙されて怒り心頭の渉爾、しかし牙張の変化に何の疑いも持っていないらしい。「相変わらず愚かだな、強靭な父汗が急に病に倒れると思うか? 父汗が倒れて拠点が定襄に移った、これが自然な成り行きだとでも?」渉爾は自分たちへの中傷だと言い返したが、阿隼は呆れて帰ってしまう。阿詩勒部はすでに奕承が掌握していた。長歌まで標的となり責任を感じる阿隼、しかし長歌はそのおかげで阿隼が守ってくれるといたずらっぽく笑う。「唐の反逆者が特勤に見初められるとはね~」その頃、奕承は弥弥を呼びつけていた。すると配下が弥弥に切り落とした指を見せる。弥弥はまだ幼い弟への残虐な仕打ちに激怒したが、奕承は裏切り者への報復だと容赦なかった。翌朝、淑玉は朝議へ向かう父を引き止め、和親の反対を訴えた。すると魏徴(ギチョウ)は公主を助けられる身分は駙馬(フバ)しかないという。↓またしても墓穴を掘るイールン一方、弥弥は泣きながら中庭に弟の指を埋めていた。「私と再会するまで生きていてね…ごめん」「…弟に会いたければおとなしく従うんだな」その声は可敦の配下だった。配下は毒を渡し、指示通りにしなければ指だけでは済まないと脅して帰ってしまう。そこへ偶然、渉爾がやって来た。「弥弥?…弥弥!やっぱり生きていた!阿詩勒隼も生きていたしな!」喜んだ渉爾は公主を娶っても気持ちはないと言い訳し、自分のところへ戻れという。「君が好きだ!…君さえいれば俺は楽しい!」しかし弥弥の態度は冷たかった。「楽しいって…(このお花畑め!)それが私の務めだったからよ! あなたの機嫌を損ねれば私と弟は罰を受ける、だからあなたに会うのが怖かった!」弥弥は人の気も知らず浮かれる小可汗に激しい憤りを覚え、狼団には戻らないと断って部屋に帰ってしまう。その際、うっかり薬瓶を落としたが、弥弥は慌てて拾っていた。長歌は回廊で弥弥を見つけた。「どこにいたの?探したのよ?」長歌は弥弥が牙張に怯えていると誤解し、自分たちがついているとなだめる。そこへ突然、淑玉が訪ねて来た。淑玉は父から和議を止めるには駙馬になるしかないと言われたと話した。「実は…告白された」「何を迷うの?縁談を阻止する一番の方法だわ?(はっ!)」長歌は淑玉の心が楽嫣にないことに気づき、思わず押し黙ってしまう。すると淑玉は自分が相手では楽嫣を別の地獄に追いやることになると吐露した。「私にとって楽嫣は妹でしかない」さすがに長歌も愛情を強要することなどできず、今は静観するよう勧めた。悲観せずとも楽嫣には娘の幸せを一番に考えてくれる李世民(リセイミン)がいる。「あとはきっかけね…状況を見ましょう」↓結局、長歌頼みのイールン朝廷は公主を嫁がせるかどうかで紛糾した。すると公主自ら朝議に現れ、皇帝の臣下の1人として進言したいと訴える。大臣は政への干渉に眉をひそめたが、李世民は娘の上奏を認めた。「…この世に生を受け、父と君主そして大義のために生きる、 ただそれだけではなく、国ある所に家あり、民を守れてこそ豊かな唐がある… もし唐の繁栄が妥協の結果なら国とは何でしょう?家とは何だと?」しかし陳(チン)侍郎は隋から嫁いだ奕承公主を持ち出し、その壮挙に万人が感服したと言った。楽嫣は唐の男を貶めるものだと反発、隋は阿詩勒部を恐れてか弱き女子を犠牲にしたに過ぎないと指摘する。「唐が自分の娘さえ守れないなら、砂漠各部も安心して唐を頼れるでしょうか?」そこへ皓都に付き添われ、療養中の杜如晦(トジョカイ)が現れた。杜如晦は草原の強者に屈しないとする公主の確固たる意志に感銘したという。「はお、阿詩勒部のひと言で唐が公主を献上しようものなら投降したも同じだ」李世民は片時の安定のために女子を犠牲にしないと宣言し、3日後に楽嫣を連れて四方館へ行くと決めた。四方館に唐の皇帝と永安公主がやって来た。正殿では砂漠の各部族が揃っていたが、早々に奕承が渉爾と公主の縁談を申し出る。しかし楽嫣はきっぱり辞退すると答えた。「まさか唐皇は砂漠各部と結盟するゆえ、我が部との約束を反故にすると? …今後、情勢が変われば同じくように砂漠各部への態度を翻すやも…」ザワザワ…>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ…奕承の言葉に動揺が広がる各部族、するとふいに長歌が立ち上がった。「婚姻は友好の証しでしょう?ここにいる皆様も友好を望むのでは? ならば腕比べで婿の座を競ってはどうでしょう?我らにとっても公平です …どうしました小可汗?怖いのかしら?」焦った奕承は渉爾に目配せしたが、煽られた渉爾はうっかり比武招親に同意してしまう。「はお!では明日ここに舞台を設けよう! 参加者の身分は問わぬ、戦いを勝ち抜いた者こそ朕の永安に値する!」李世民は長歌の妙策に賛成した。つづく(  ̄꒳ ̄)春のイールン祭り♪
2022.05.21
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长歌行 The Long Ballad第40話「母の真実」漠北の使節団として故郷に舞い戻った李長歌(リチャングァ)。一行は長安の四方館に滞在することになったが、長歌は早々に会いたい人がいるという。「俺も行く」阿詩勒隼(アシラシュン)はそれが誰かを察し、思わず微笑んだ。李楽嫣(リラクエン)は魏(ギ)府の前でちょうど帰京した淑玉(シュクギョク)を見かけた。しかし淑玉は家に入る間も無く馬を引き返し、楽嫣にも気づかず走り去ってしまう。楽嫣は従者に声をかけ、淑玉が急いでどこへ行ったのか聞いた。従者の話では漠北の使者が滞在する四方館から戻り、すぐ参内したという。「何でも漠北で旧友に会ったとか…」楽嫣は漠北郡主が長歌ではないかと期待し、四方館を訪ねた。すると部屋から見覚えのある娘が出て来る。それは雲州で自分のウサギの袋を取り上げた娘だった。弥弥古麗(ミミクリ)は楽嫣との再会を喜んだが、実は唐の公主だと知り困惑する。…この人が長歌の旧友?でも長歌は皇宮を恨んでいるのよね…「あなたが漠北郡主だったのね?」楽嫣は鎌をかけ、雲州での件が誤解だったようだと言った。そこであの時、なぜ″兎″という文字が刺繍されていると分かったのか聞いてみる。弥弥は自分の銭袋にも刺繍があったとごまかし、楽嫣を警戒して長歌のことは教えなかった。楽嫣は四方館をあとにした。咄嗟に嘘をついてしまった弥弥は後ろめたさから公主を追いかけたが、ちょうど馬車が走り出してしまう。門前で馬車を見送りながらため息をつく弥弥、その姿を偶然、牙張の男が見かけた。…まだ生きていたのか、公主がさぞお喜びになるだろう…一方、長歌は阿隼を連れて母が眠る栄恩(エイオン)寺を訪ねた。今でも瑾(キン)夫人の霊堂は掃除が行き届き、供物も新鮮な物が置かれている。長歌は楽嫣か淑玉のおかげだと考え、こうして母を覚えてくれている人がいることに感激した。そして2人は霊前に拝礼、長歌は母に阿隼を紹介する。阿隼は夫人に挨拶して献杯すると、これからは自分が長歌を守り愛しむと誓った。「草原の男は見染めた女を一生、愛し守り続けます」「阿隼…ありがとう」「俺たちの間に感謝は不要だ」しかしそこへ運悪く李世民(リセイミン)たちがやって来た。( ๑≧ꇴ≦)あすぁん!母を弔っていたのは李世民だった。長歌は叔父の偽善に怒り心頭、いつか必ず殺すと脅してしまう。しかし李世民は長歌が本当に自分を殺すつもりなら渭水(イスイ)で射抜いていたはずだと指摘した。「助けたかったのは唐の民よ」「唐に重きを置き、民に重きを置ける、私怨で国を害しはしない… それでいい、幼い永寧(エイネイ)も成長したな」すると李世民は今や長歌のそばにも守ってくれる男がいると気づき、安堵して先に帰って行った。「ふっ、あの人が供養していたなんて…どうしたら阿娘の無念を晴らせるの」長歌と阿隼が霊堂を出ると、魏徴(ギチョウ)が待っていた。魏徴は長歌に新しい戸籍を渡し、新たな身分で唐で暮らせるという。しかし長歌はまだ使命が残っていると言った。魏徴はやはり密書が長歌の仕業だと気づき、砂漠の使者になる覚悟だと気づく。「各部が心から平和を求めるのではなく、危機を恐れて結盟を決めたならどうなる? その結盟は机上の空論に過ぎない」「試す価値はあるわ!…先生こそ、更なる強者に仕えることにしたのは危機を恐れてでしょう?」「長歌、君の阿爺と斉(セイ)王は陛下を排除しようとした、それは極秘だったはず なぜ陛下が知り得たと思う?」「東宮の内偵が報告したのでは?」「…陛下が書房の中まで探れると思うか?」そこで魏徴はある物語として真実を明かすことにした。…ある年、隋(ズイ)の煬帝(ヨウダイ)が北巡に向かったしかし雁門(ガンモン)関を通る際に阿詩勒部に包囲されてしまう1人の若き将軍が救援に向かう中、偶然にも若く美しい娘を救った程なくして若き将軍は出征することになり、娘を家族に託して留守をさせたという…長歌は母の命の恩人が叔父だったと知った。てっきり父が母を助けて見染めたとばかり、ではなぜ母は父に嫁いだのだろうか。実は魏徴の物語にはまだ続きがあった。…若将軍は初めての出征で大手柄を上げ、重任を託されたその後も事あるごとに出征したが、ある時、酒に酔った兄が娘を手込めにしてしまう将軍が出征から戻ると娘は兄の子を身ごもっていた…長歌はその子供が自分だと分かった。魏徴の話では将軍は誕生した姪をいたく可愛がり、父親には笑わない赤子もなぜか将軍を見ると笑みが絶えなかったという。「長歌、この世で誠にお前たち母娘を案じたのはその方だけだ」「阿娘が阿爺を避けていた理由はそれだったのね? 阿爺はいつも不満そうで、てっきり私が悪いのだとばかり… 阿娘の気持ちも知らないで…なんて娘なの…」阿隼は深く傷ついた長歌を優しく慰めた。「長歌、阿娘は幸せだった、君がいたから寂しくなかったんだ」それならなぜ李世民は危機を知らせた母を殺したのだろうか。すると魏徴は時に目で見た事柄が全ての真相とは限らないと諭して帰って行った。長歌は阿隼と国境へやって来た。あの時、唐を裏切った郡主として命からがら長安を脱出した長歌、次に戻るときは兵馬を率いて父の名誉を取り戻すと誓ったが、今や何が正しいのか分からない。「仇敵を前にしても一方で良い皇帝だと認めている… 恨むべきなのに、あの人は阿爺より近しい存在だった」「分かるよ、俺も阿娜を殺された時、渉爾(シャアル)に復讐しようとした でも手をかけようとした時、躊躇したんだ」阿隼は復讐と大義が相反すればうろたえて当然だとなだめた。ましてや相手は皇帝、その背後にいる大勢の民の幸せを考えて戸惑うのも無理はない。長歌はふと第2話で母が仏前に自分をひざまずかせたことを思い出し、ようやく母の想いに気づいた。…誓いを立てなさい、今から何が起きてもどんな目に遭っても決して恨みを抱いてはならない…「予想していたのね」「君の阿娘は立派な女子であり、素晴らしい母親だ だから君も強い心を持ち、しっかり生きなくては…」「阿隼…結盟がまとまれば太平を迎えられるはず、その時は静かに暮らしましょう?」「君が行くところへ俺も行くよ」見つめ合う2人、やがて阿隼は長歌に腕を伸ばして抱き寄せた。すると手前の木に留まっていたつがいのカナリアがクチバシを重ね合わせ…って何で?!( ̄▽ ̄;)翌朝、朝食を届けに来た弥弥は元気のない長歌を見て心配した。長歌は自分の執念深さから危うく大切な人を殺めるところだったと反省、正誤を判断できないこともあるという。「なら伝えれば良かった、昨日、唐の公主が来たの、例の銭袋を持っていた公主よ 私を郡主だと勘違いしていろいろ聞いてきたけれど、本当のことを話せなかった」実は楽嫣は弥弥の装いから郡主ではなく侍女だと気づいていた。弥弥があえて身分を否定しなかったのはやはり長歌を知っているのかもしれない。そこで楽嫣は今日も四方館を訪ねることにした。すると大街で突然、皓都(コウト)が現れる。「馬車も使わず、お忍びでお出かけですか」しかし皓都は心配せずとも遠くから見守るだけだと言った。長歌は自分から楽嫣に会いに行こうと決めたが、偶然にも楽嫣が訪ねて来た。再会を喜ぶ長歌と楽嫣、その様子を見ていた皓都は思わず笑みがこぼれる。長歌は楽嫣に阿隼と弥弥を紹介し、大切な盟友たちに囲まれる喜びをかみしめた。その時、外から饗食(キョウショク)の曲が聞こえて来る。唐では饗食の礼で賓客をもてなすのが慣例で、この曲は使者の到着時に奏でることになっていた。「各部の使者はもう集まっているわ、誰が来たのかしら?」弥弥が首を傾げると、長歌は楽嫣と様子を見に行くことにした。正殿に集まった使者たちは騒然としていた。何でも阿詩勒部の使者が来たという。「結盟のことが阿詩勒部に知られた、とにかく我らはすぐここを去る!」楽嫣は公主として唐が砂漠を守ると宣言したが、使者たちは戦になれば見捨てられると信じなかった。そこで長歌は阿詩勒部が四方館に迎えられたのは正式に関所を通り、使者として来たからだと訴える。するとそこへ阿詩勒渉爾がやって来た。小可汗?!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ざわざわ…一方、弥弥も偶然、回廊での立ち話を耳にした。阿詩勒部の小可汗が自ら可敦(カトゥン)を護送して長安に乗り込んで来たという。「可敦が?!…どうやっても逃げられないのね」渉爾は漠北公主になりすました長歌に歩み寄り、身分をバラすと脅した。しかしそこへ死んだと思っていた阿隼がやって来る。( ತ _ತ) <渉爾( ゚ロ゚)ハッ!!<生きていたのか?!…なぜ騙した?!てっきり死んだとばかり…渉爾は思わず阿隼の胸ぐらをつかみ、勇士碑に名前を刻もうとまで思ったことを後悔した。すると阿隼は渉爾の手を振り払い、背後から自分を襲っておきながら被害者ぶるなと言い返す。( ー̀ωー́ )<今後はもう兄弟ではないその時、ついに奕承が姿を現した。「久しぶりね、李長歌」一方、穆金(ムージン)は使用人になりすまして定襄を探っていた。すると侍女たちが噂話をしながら歩いてくる。(* ゚ェ゚)<可汗、今日はやけに静かね~ここに移った頃とは随分と違うわ(^ꇴ^)<薬が効いておとなしくなったのよ~あれほど恐い顔なのに…「何を話している?!」その声は雷蒙(レイモン)だった。雷蒙はかんこう令を破った侍女たちに激怒、その場で舌を切ってしまう。穆金は可汗の病には何か裏があると疑った。そこで可汗の部屋から出て来た侍女を尾行、すると侍女は可汗の薬材を全て焼却している。穆金は侍女が出て行くと慌ててかまどに駆けつけ、薬材の残りかすを手に入れた。正殿に各部の使者が揃い、ひとまず席についた。阿詩勒部の参加に動揺を隠せない砂漠の部族、すると奕承は可汗が病となり、自分と息子を遣わしたと嘘をつく。「唐と各部に善意を示すよう仰せになったわ、もちろん目的は以前、唐と交わした縁談についてよ」楽嫣は急に昔の縁談話を持ち出され動揺を隠せなかった。そこで長歌は皓都に楽嫣を連れて先に帰るよう勧める。奕承は思わず立ち上がり引き止めようとしたが、長歌が邪魔をした。「可敦と小可汗のお越しよ、漠北を代表して一献、捧げます!」「待って…あなたの侍衛に飲んでもらいましょう」すると阿隼が立ち上がり、長歌の杯を代わりに空けた。「可敦が阿詩勒部の代表だとは…牙張をしっかり管理しているようだな」「…漠北の侍衛が口を出すことではない!」奕承は阿隼の嫌味に憤慨して座った。つづく(´-ω-`)うむ…公主ねえ…
2022.05.15
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长歌行 The Long Ballad第39話「再び故郷へ」奕承(エキショウ)公主は延利(イエンリー)可汗の枕元に阿詩勒隼(アシラシュン)の血まみれの冠を置いた。鷹団と熊団は反逆した漠北の討伐に向かったが、潜んでいた伏兵の襲撃に遭って全滅したという。しかし奕承は雷蒙(レイモン)に阿詩勒隼の死体を必ず確認するよう命じた。紫草も燃やせなかった弥弥古麗(ミミクリ)が阿詩勒隼を仕留めたとは到底、信じられない。どちらにしても弟の身柄を押さえている限り、まだ駒として使えるだろう。一方、好敵手を失った阿詩勒渉爾(アシラシャアル)は泥酔していた。そこへ奕承が現れ、息子を寝台に寝かせて介抱してやる。「渉爾、飲み過ぎよ?」「阿隼が死ぬはずない…叔汗だ、きっと叔汗が…」まさか母の企みだとは知らず、渉爾は土喀設(トカシャー)が可汗の指示で阿隼を殺したと疑っていた。奕承は不用意な発言は可汗を怒らせてしまうとなだめたが、渉爾は鷹団が滅んだ今、狼団が草原の王になったところで何の意味もないと落胆する。「意味はあるわ!あなたこそ阿詩勒部の王なのよ!…母を失望させないで!」しかし渉爾は酔い潰れて寝てしまう。…阿詩勒隼、私の息子まで惑わすとは、侮っていたわ…その頃、何者かの弓矢に倒れた阿隼は生死の淵をさまよっていた。漠北王・菩颯(ブーサー)の話では刺客が自害、恐らく阿詩勒部の者だという。「牙張ね…」すると李長歌(リチャングァ)は密偵が阿隼の死を確認に来ると気づき、戦場の死体を焼いて痕跡を消して欲しいと頼んだ。医者は阿隼が明日をも知れない命だと告知した。その夜、長歌はそばで阿隼を見守りながら共に生死を乗り越えて来たことを思い出し、これからも2人一緒に歩みたいと吐露する。「私は一生かけてあなたに借りを返すのよね?この長歌、あなたから一生、離れないと約束するわ… だから目を覚まして、阿隼、私がそばにいるわ…私を置いて逝かないで…」阿隼の手を握りしめながら泣き崩れる長歌、その時、阿隼がわずかに反応を示したが、長歌は見逃していた。同じ頃、穆金(ムージン)は草原で秦(シン)老たちと合流、牙張の異変を報告し、このまま定襄(テイジョウ)へ向かうと伝えた。秦老は乗りかかった船だと協力を持ちかけたが、穆金は独りの方が動きやすいと断る。そして愛しい弥弥への伝言を託した。「しっかり生きて欲しいと…」秦老は穆金の覚悟を知って驚き、自分で弥弥に伝えるよう励ました。翌朝、阿隼が目を覚ました。「…本当に俺から離れないか?」長歌は昨夜の自分の声が阿隼に届いていたと知って照れ臭くなる。「君の本音を聞けるなら射抜かれても本望だ…」「バカなこと言わないで」「長歌、矢を受けた時に思ったんだ、″君と家に帰りたい″と…」一方、二日酔いで目が覚めた渉爾は牙張が定襄に移ると知った。「阿娜か…」叔汗の病、鷹団と熊団の滅亡、偶然にしてはでき過ぎている。その頃、奕承は雷蒙から漠北の密偵が死んだと聞いていた。しかも漠北が戦場を焼き打ちにし、阿詩勒隼と土喀設の死体は確認できなかったという。阿隼は自分を狙ったのが定襄だと気づいていた。漠北王は鷹団を連れて投降するよう勧めたが阿隼は断る。「感謝するが全滅を装ったのは兄弟を売るためではない…鷹師は誰の″刀″にもならない」すると長歌が太平の世のために唐(トウ)と結盟するよう提案した。唐という第三者を引き入れれば奕承も戦を起こすのに躊躇するはず、三者が拮抗することで戦は防げるという。阿隼はそう簡単ではないと懐疑的だったが、その時、長歌が秦老から届いた文を渡した。まさか亜羅(ヤールオ)が殺され、父汗が重篤となり、牙張が定襄に移るとは…。長歌は奕承が完全に牙張を掌握すれば次の矛先を唐に向けるはずだと指摘、無辜の民を犠牲にしないよう結盟を強く勧めた。「李世民(リセイミン)なら唐を第二の阿詩勒部にはしない 唐に阿詩勒部を牽制させれば砂漠も危険から脱するわ」しかしそもそも唐が結盟に応じるのだろうか。首を傾げる漠南王・夷男(イネル)だったが、長歌は数日後に知らせが来ると教えた。阿隼は亜羅に献杯しながら悶々としていた。本当ならすぐにでも鷹団を率いて牙張に乗り込み、亜羅の敵を討って可汗を助け出したい。長歌は阿隼の気持ちが痛いほど分かったが、今はただ待つことしかできないとなだめた。「大丈夫、私がいるわ、私も一緒に可汗を救出する」漠北に唐から使者がやって来た。どうやら長歌がすでに手を回していたらしい。「使者の魏淑玉(ギシュクギョク)です 陛下は阿詩勒部が砂漠で徴兵を行っていると聞き、各部首領を長安へ招き、結盟を協議したいと…」漠北王は了承したが、淑玉は思いがけず回廊で長歌と再会を果たす。( ゚д゚)<長歌? 魏淑玉?>(´・o・`)長歌は淑玉を連れて中庭に移動し、旧友との再会を喜んだ。李楽嫣(リラクエン)も元気で民との交流を深めているという。すると淑玉は皇帝が匿名の密書を見て自分を結盟の使者として送り出したと教えた。「差出人は″朔(サク)州″、長歌、君なんだろう?今も唐を気にかけていたんだな」「だって唐は私の故郷だもの…阿隼~っ!唐の友だちを紹介するわ!魏淑玉よ!」長歌が思わず淑玉の腕をつかむと、回廊にいた阿隼は親の敵を見るような目で淑玉を睨みつけた。|ー̀ωー́ )ジー…(; ̄▽ ̄)<どうやら歓迎されていないな…(  ̄꒳ ̄)<あんな性格なの、気にしないで( ̄▽ ̄)<阿隼兄弟は…″阿隼″?…はっ!まさかあの阿詩勒隼か?!淑玉も鷹団と熊団が漠北に出征して全滅したと聞いていた。事情があるなら内密にしておくが、やはり友人として阿詩勒隼と距離を置くよう忠告してしまう。「私にも考えがあるの、安心して」「…だったらお節介も無駄だな、長歌、公務があるので失礼するよ」長歌は鷹団の軍師であり、唐の使者とも懇意だった。漠北王と漠南王は長歌に疑念が湧いたが、長歌は正直にこれまでの経緯を説明する。「私は唐の東宮の者で今の皇帝に家族を殺された、そして逃亡中に阿詩勒隼と知り合ったの」しかしもはや唐のお尋ね者ではないという。漠北王は強力な味方を失うわけにもいかず長歌の話を信じることにしたが、問題は誰を長安に送り込むかだ。そこで長歌は漠北王の妹という身分で自分が交渉に行きたいと嘆願する。すると盗み聞きしていた漠南王の娘・図伽(トジャ)郡主が現れた。「私も長安へ行きたい!ずっと行ってみたかったの~」こうして長歌はお転婆な郡主を連れて故郷へ戻ることになった。一方、穆金は下働きに紛れ、定襄に移った牙帳に潜入していた。すると偶然、厨房で可汗用の食事を取りに来た雷蒙の姿を見かける。雷蒙は可汗の食事が終わると、奕承に漠北と漠南の使者が長安へ向かったと報告した。統率者は李長歌だという。「砂漠が唐と結盟するなら、私も誠意をもって後押ししないとね…ふっ」そこで奕承は留守の間、定襄を雷蒙に託すことにした。雷蒙と言えば公主の大興(ダイコウ)宮の護衛となり、その翌年、草原に嫁ぐ公主に帯同している。「私は4人の夫に嫁いだが、お前だけはずっと私のそばにいた つまり私のそばにずっといたのはお前だけ…この広大な草原で私が信頼できるのはお前だけよ」渉爾はなかなか定襄に馴染めずにいた。息子の戸惑いを察した奕承は手作りの点心を差し入れる。「疑問に思うことも多いでしょうね?でも叔汗の足枷から逃れたいと思ったことはない? 毎日、母とも会えるわ」「はい、幼い頃、負傷したり罰を受けるたび、阿娜に慰めて欲しかった…」奕承は思わず息子の頭に手を伸ばしたが、渉爾は無意識に避けてしまう。「阿娜…まだ慣れなくて…」「分かっているわ」もはや母親のいない日々が当然になっていた渉爾、奕承は一抹の寂しさがよぎったが、ようやく母子の団欒が叶うと喜ぶ。「故郷である定襄で、これまでに失った物をできるだけ取り戻したい… 阿娜のそばにいてくれる?…阿娜のやることは全てあなたのためなのよ」「分かっています」そこで奕承はわざと長安にも行かねばならないと教えた。すると予想通り渉爾は一緒に行くという。↓シャR、またチョイチョイ良い人感、出してきてますw長歌は傷心の地である長安に入った。自分の故郷でありながら全く違う時代に戻って来たような不思議な感覚…。母は安らかに眠っているだろうか。長歌は逃げ出しておきながら舞い戻って来た自分に困惑した。しかし阿隼は生きるために逃げて大勢の民のために戻ったと長歌を励ます。(๑•̀ㅂ•́)و✧<心配ない、君は俺が守る!(´⊙ω⊙)<あら、私は漠北郡主よ?誰が手出しできると?(  ̄꒳ ̄)<確かに、俺が護衛だしなつづく( ̄▽ ̄;)また余計なことを言ってしまうイールンw
2022.05.14
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长歌行 The Long Ballad第38話「第三の道」奕承(エキショウ)公主が牙帳を掌握したとも知らず、漠北へ出征した熊団と鷹団。すると北漠の使者が和議のため手土産を持って陣営にやって来た。実は首領が軽率だったと後悔しており、可汗への口添えを頼みたいという。そこで使者は鷹団特勤(テギン)に直接、小箱を渡した。「貴重な品です、どうか大切に…」小箱には美しい石が入っていた。しかし天幕に戻った阿詩勒隼(シュン)は石を放り出し、小箱の底を調べる。すると李長歌(リチャングァ)からの手紙が入っていた。…子(ネ)の時、野狼(ヤロウ)坂の下で…阿隼は早速、返事を書いて箱に入れることにしたが、穆金(ムージン)に取り上げられてしまう。「(承知した、必ず行く)って、これが返事か?!文には相手への想いを綴るもんだろう?」「必要ない、心は通じている」「それでも少しは書けよ~」阿隼は照れ臭そうに書き直すと、盗み見するなと釘を刺して穆金に箱を託した。使者は軍師に小箱を返し、その足で早速、漠北王に報告した。阿詩勒隼からの返事を聞いた菩颯(ブーサー)は目を丸くし、かの有名な阿詩勒隼にも思わぬ一面があると知る。一方、長歌は小箱の底から阿隼の返事を見つけた。…君が恋しい…その夜、長歌は阿隼と再会した。真っ先に愛しい長歌を抱きしめる阿隼、しかし長歌はどう応えたら良いのか分からず、ぎこちない。(  ̄꒳ ̄)<ん?…今日はおしろいを?(〃ω〃)<あ…きっと珍珠(ジェンジュー)ね、付着したのよ…どう?良い香り?(  ̄꒳ ̄)<その小娘の趣味は普通だな~(´・ω・`)、<…もう使わせないわすると長歌は疫病に続き鷹団が出征を命じられたと知り、牙張はあきらかに鷹団を潰すつもりだと言った。阿隼はあくまで憶測だと否定し、やはり恩人である阿詩勒部と可汗を裏切ることはできないという。そこで長歌は裏切りと忍耐以外に第三の道があると助言した。↓もうね、あすぁんが好き過ぎる!w翌朝、弥弥古麗(ミミクリ)が鷹団の陣営に駆けつけた。門衛は中に入れてくれなかったが、ちょうど特勤と穆金(ムージン)が通りかかり助けられる。すると弥弥は熊団の本当の狙いは鷹団だと暴露した。穆金は早速、密かに熊団を探り事実だと判断、土喀設(トカシャー)の背後に可汗がいると疑う。にわかに信じられない阿隼だったが、その時、長歌が提案した″第三の道″が頭をよぎった。…鷹師を失えば彼らも打つ手はない…「独りにしてくれ、考えたい」穆金はなぜ弥弥が熊団の狙いを知っていたのか不思議だった。すると弥弥は自分が牙張の内偵だと白状する。実は鷹団に疫病を持ち込んだ少年は自分の弟にそっくりで、恐らく自分が必ず救うと踏んで牙張が送り込んできたという。「歩真(ブジェン)はずっと人質に取られているの、紫草を燃やさないと弟を殺すって…」穆金は思わず弥弥を抱きしめ、必ず弟を救うと約束した。しかし弥弥は弟の生死ももはや分からないと涙する。穆金は必ず突き止めると安心させ、今の弥弥は鷹団の家族であり自分の弥弥だと言った。土喀設は予定通り明日、漠北を攻めると伝えた。しかし阿隼が敵の不意をついて今夜、襲撃しようと提案する。土喀設はニヤリとして阿隼に従うと言ったが…。奕承は狼団を呼び戻した。帰還した阿詩勒渉爾(アシラシャアル)は真っ先に可汗へ報告に向かったが、雷蒙が療養中のため可汗には会えないと制止する。すると天幕から奕承が現れた。母の姿を見た渉爾は慌てて引き返そうとしたが、奕承は可汗が母子の面会を許してくれたと教える。突然のことに戸惑いを隠せない渉爾、ともかく可汗を見舞いたいと食い下がったが、奕承は可汗なら薬を飲んで寝ているとごまかした。渉爾は仕方なく母に鷹団と熊団の出征について尋ねた。狼団にとっても挽回の機会、遅れを取った渉爾は狼団も出征したいと訴える。「叔汗は突然、私に辺境の巡察を命じ、今度は牙張を移して砂漠を攻めるとは…叔汗らしくない」「…これを見て」すると奕承は可汗のラクダ印を示し、牙張は事実上、自分が統括することになったと教えた。「いずれ牙張も草原もあなたが支配することになる…心の準備をしておくのよ」しかし渉爾は喜ぶどころか、かえって混乱したようだった。漠北に阿詩勒部の使者として弥弥がやって来た。「特勤から両首領に伝言があるの」弥弥は今夜、襲撃があるが、鷹団は全滅を装うので呼応して欲しいという。そしてその夜、鷹団と熊団が集結、北と南に分かれて襲撃することになった。阿隼は鷹団を率いて北から出撃したが、土喀設は鷹団が消耗するまで静観している。やがて暗闇に戦火が広がり、頃合いを見計らっていた土喀設がついに出撃の号令をかけた。しかし駆けつけてみると鷹団の姿はなく、待ち構えていた漠北と漠南の連合軍に包囲されてしまう。「罠か…退けっ!」鷹師は計画通り戦場で怒号を上げただけで無事に引き返していた。一方、騙された熊団は壊滅してしまう。遠目から阿隼と戦況を見ていた穆金は長歌の見事な兵法に度肝を抜かれた。「恐ろしくなるね~怖い女だ、手玉に取られてしまう」すると伝令兵が駆けつけ、土喀設が配下を盾に包囲を抜けてしまったと報告する。「逃すとまずい!」阿隼たちは土喀設を追跡、独りさまよっていた土喀設を見つけ、止めを刺した。鷹団の全滅を装う計画は成功した。安堵する弥弥だったが、長歌からなぜ熊団が鷹団を狙うことを知っていたのかと突っ込まれてしまう。「…困ったことがあるなら教えて」「前に言ったわね、私には弟がいると…」実は弥弥の弟は定襄(テイジョウ)にいた。奕承は弟の命を盾に弥弥を脅し、鷹団に忍び込ませたという。しかし長歌は鷹団を救った弥弥を責めることなく、過去を忘れてやり直すよう説得した。「そんなことができるかしら…」「みんなが戻ったら弟さんの救出を考えましょう」一方、穆金は鷹団と熊団の全滅を伝えるため、独り牙張へ戻ることにした。そこで物証として特勤の冠を受け取り、阿隼と途中で別れる。穆金は惨劇を装うため途中で冠と自分の顔に血糊をつけていたが、そこに弥弥が駆けつけた。「戻ってはだめよ、殺されてしまう」「信じてくれ、必ず戻る」穆金は牙張に潜入し、弥弥の弟を探すつもりだった。すると弥弥は自ら穆金に口づけし、ようやく素直な自分の想いを伝える。「生きて戻って…待ってるわ」長歌が中庭で待っていると阿隼が現れた。阿隼の元気な姿を見た長歌は自然と阿隼に抱きつき、幸せを実感する。「これからはもう鷹師はない…後悔している?」「最良の結果だ、野心の争いに巻き込まれず、殺戮の刀にならずに済む だが以前の貸しは消えてはいないぞ?」「貸し?」「軍師になる時、3つの願いを叶えると言ったな?約束を反故にするなよ? …ずっと考えていた、1つ目の願いは女らしくして欲しい 胸が痛むんだ、生死を顧みず戦い、策謀を巡らせるなんて…軍師、俺に機会をくれ 男の責任を果たし、俺が君を守る、だが君は手綱の利かない野生の馬だ 意思は尊重するし何をしても止めない ただどんな状況でも1人で危険を冒したり急に消えるな…一緒に乗り越えよう」「…そうねえ~考えておく」長歌はいたずらっぽく笑った。その時、突然、阿隼めがけて弓矢が飛んで来る。阿隼は不意を突かれ胸に弓矢が命中、後ろにばったり倒れ、激しく血を吐いた。「阿隼…阿隼!誰か!」一方、穆金は牙張に到着した。するとなぜか天幕の解体が始まっている。…移設するのか?一体どういう状況だ?…その時、知らせを聞いた渉爾が駆けつけ、主力が全滅するはずないと食ってかかった。草原の戦神である阿隼の死を受け入れられない渉爾、しかし穆金は阿隼が死に際に可汗へ報告するよう命じたと嘘をつく。「砂漠は結盟した、阿詩勒部は気をつけろと…」「…砂漠か、よく分かった、阿詩勒隼の道連れにしてやる!」穆金は可敦(カトゥン)に鷹団と熊団の全滅を伝えた。すると可汗が重病で話もできないと知り驚愕する。「裏切り者のせいで鷹師はこんな末路を…俺が惑わされ、あんな女を帯同したから隼は不意打ちに…」「女とは?」「分かりません…捕らえるも剣で自害しました」←意味不明な会話w( ̄▽ ̄;)穆金は最後に血まみれの冠を渡し、鷹団の家族に知らせに戻った。奕承は病床の可汗に報告した。漠北が反逆し、鷹団と熊団を討伐に向かわせるも、潜んでいた伏兵に襲撃され全滅したという。「可汗、これに見覚えは?」奕承は阿詩勒隼の冠を枕元に置いた。つづく( ๑≧ꇴ≦)あすぁん!倒れても素敵!wそしてもはやネタでしかない可汗…( ̄▽ ̄;)
2022.05.08
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长歌行 The Long Ballad第37話「全権掌握」李長歌(リチャングァ)は漠北王と漠南王に令牌を示し、実は鷹団の軍師で阿詩勒隼(アシラシュン)の側近だと明かした。牙張の使者が自分に気づいて逃げ帰ったが、それは砂漠と鷹団が結託したと判断したからだという。「このまま帰せば砂漠の災いとなるわ」すると牙張から妻や娘を差し出すよう強要された漠南王が立ち上がった。しかし漠北王が止める。「ここは漠北、漠南王が判断するには及ばん」漠北王はついに決断し、牙張の使者を始末した。長歌は牙張と対抗するには鷹団と結盟するしかないと両首領を説得した。そこで自分が残って策を講じる代わりに仲間に紫草を持ち帰らせて欲しいと頼む。漠北王は取り引きに応じ、弥弥古麗(ミミクリ)たちは無事に解放された。すると図伽(トジャ)郡主が人質となった長歌の代わりに見送りにやって来る。経緯を聞いた秦(シン)老は若主公に判断に従うと決め、直ちに出発した。長歌は砂漠で最大の部族である漠北と漠南のわだかまりを解くことにした。「漠北が祖先の領土を返すと言ったらどう?…旧怨は捨てて共に戦わなくては」もはや避けられなくなった牙張との衝突、すると頑なだった漠北王が譲歩し、領土を返すと決める。こうして漠北と漠南が手を組むと、次に長歌は砂漠中を団結させて大軍を集めると決めた。牙張に長歌が漠北と漠南を懐柔、すでに仲間が紫草を手に入れて帰還中だと報告が届いた。奕承(エキショウ)公主はやはり李長歌を殺しておくべきだったと後悔したが、そろそろ弥弥古麗が使えると思い出す。すると雷蒙(レイモン)が辺境へ遠ざけていた熊団と狼団をそろそろ帰しても良い頃だと進言した。奕承はひとまず熊団を先に呼び戻すよう命じたが、息子はまだ待機させておくという。「土喀設(トカシャー)が戻ってくる前に延利(イエンリー)を黙らせておかないと…」奕承が可汗の天幕にやって来た。薬湯と香の毒で起き上がることもできなくなった可汗、しかも側近はおろか寵姫の錦瑟(キンシツ)も死んでしまったと知る。すると奕承はついに恐ろしい企みを教えた。「以前、こう仰いましたね?私と隋(ズイ)室のために裁きを下すと…約束を覚えていますか?」当時、奕承は隋のため阿詩勒綽必(アシラチュオビー)と取り引きし、自ら危険を冒して舒勒(シューラー)可汗を暗殺していた。「わしを殺すつもりだな?あの時、兄長を殺したように…」「あなたは殺しません、あたには号令を発してもらわなくては…」例え鷹団と熊団を排除しても、まだ若い息子の推戴を各部族が承伏するはずがない。奕承はそのために延利を生かしておく必要があった。「支配される屈辱とままならぬ苦しみが身に沁みるでしょう?」一方、鷹団では穆金(ムージン)の容体が悪化していた。神医の孫思邈(ソンシバク)でもお手上げ、高熱が引かなければ今夜は乗り越えられないという。そこで阿隼は一か八か穆金を水風呂に入れた。穆金は寒さで意識が戻ったが、今回ばかりは持ちこたえられそうにないと弱音を吐く。その頃、弥弥たちは馬を休ませるため休憩することになった。弥弥は薪を集めてくると言って独りで草むらに入ったが、そこに矢文が飛んでくる。…紫草を燃やせば歩真(ブジェン)は死なない…弥弥たちは食事を取りながら暖を取っていた。すると暗闇から刺客が現れ、襲撃されてしまう。秦老は緒風(ショフウ)と羅十八(ラジュウハチ)に弥弥と紫草を守るよう頼んで先に逃した。しかし追っ手が現れ、緒風と羅十八も馬車から飛び降り、弥弥に紫草を託して応戦する。弥弥は無我夢中で馬を走らせていたが、やがて荒野で馬を止めた。ここで紫草を燃やせば弟が助かる…。弥弥は発火筒を手にしたが、ふと穆金の顔が浮かんで思い留まった。「穆金まで失うわけにいかないわ…そうよ!」弥弥がついに紫草を持って鷹団に帰還した。そこで急いで紫草を煎じて飲ませることにしたが、もはや虫の息となった穆金は薬を飲み込む力さえない。すると弥弥は人目もはばからず、口移しで穆金に薬湯を飲ませた。一方、奕承は抵抗できなくなった可汗に無理やり薬を飲ませていた。「いい知らせですよ?牙張を別の地に移します、可汗の命として発令しました」口が利けなくなった可汗は必死に奕承の袂をつかんだが、簡単に振り払われてしまう。すると雷蒙がやって来た。実は紫草が鷹団に渡ってしまったという。奕承は弥弥も当てにならないと落胆したが、弟はまだ生かしておくことにした。「で漠北へ送る軍は?」「熊ちゃんが外で待機しています…」↓( ;∀;)この対比がもうねえ~w土喀設は可汗と可敦(カトゥン)に謁見した。可汗は助けを求めて土喀設を見つめるが、土喀設は何の疑いもなく可敦から偽の命令書を受け取ってしまう。「可汗、挽回の時を待っていました!期待通り漠北を平定してみせます!ではお身体をおいたわりに」可汗は必死に手を伸ばそうとするも奕承に遮られ、土喀設を引き止めることができなかった。弥弥の帰還から遅れて秦老たちが鷹団へ到着した。阿隼はようやく詳しい事情を知り、長歌が人質として漠北に残ったと知る。その頃、穆金は弥弥のおかげで一命を取り留めていた。2人は互いの想いが通じ合い急接近、一方、共に戦った緒風と羅十八も互いに意識し合うようになる。そんな中、牙張から鷹団にも漠北への出征命令が届いた。熊団と一緒だと知った穆金は阿隼を監視させるつもりだと警戒する。「…長歌の提案も考える余地はあるな」阿隼は牙張が今やすっかり変わってしまったと肩を落とした。奕承は自分の天幕に土喀設を呼んだ。「可汗の密命よ、可汗が重篤なのは見ての通り…今の牙張は平穏そうに見えて内憂外患だわ」「外患は分かりますが内憂とは?」そこで奕承は最強の鷹団では可汗ではなく阿詩勒隼に人心が向いていると指摘する。可汗の病が重く、舵取りがいなくなった牙張、もし鷹団が野心を持てば大変なことになるだろう。「可汗が私に命じたの、漠北を平定する時、鷹師の手を借りて漁夫の利を得よと…」雷蒙は公主の妙策に敬服した。しかし奕承は軽率な土喀設だけでは心配が残る。そこで死士を遣わし、土喀設がし損じた時は代わりに阿詩勒隼を殺すよう命じた。長歌は次々と砂漠の部族と結盟、漠北と漠南を合わせて総勢8万以上の大軍となった。しかしこれだけ多くの部族を統率するのは難しく、一歩間違えれば烏合の衆になりかねない。するとついに阿詩勒部が攻めて来たと報告が来た。「鷹師と熊師の戦旗が見えます!」「鷹師?!」長歌は阿隼が来たと聞いて好都合だと喜んだ。つづく(  ̄꒳ ̄)ちゅおびー…残念すぎるw
2022.05.08
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长歌行 The Long Ballad第36話「砂漠の王たち」紫草を探して僻地の漠北(バクホク)へやって来た李長歌(リチャングァ)。ひとまず腹ごしらえしながら秦(シン)老を待っていたが、食坊で思いがけず店主と客の少女の揉め事に巻き込まれることになる。どうやら少女は持ち合わせがなく、代わりに高価な手巾で払うと言っていた。しかし店主は手巾の価値が判断できず、長歌たちに声を掛ける。「中原から来たお客様ですよね?…この手巾を見てください、中原皇室の品でしょうか?」長歌は小さく首を横に振って否定、すると少女がいい加減な返事をするなと抗議した。呆れた弥弥古麗(ミミクリ)は店主から手巾を受け取って良く見てみたが、皇室はもちろん、自分でもこんな粗末な物は使わないという。すると怒った店主は少女を首領に突き出すと言って連れて行った。緒風(ショフウ)は若主公が珍しく少女を助けないことにいささか戸惑った。すると長歌は少女の服装や言動から見て富貴な家の子だと指摘する。「誰かが助けるわ」そこへ秦老が戻ってきた。実はすでに闇市で扱っている紫草まで没収されていたという。「…とにかく残って探しましょう、必ず持ち帰らなくては」長歌たちの証言で逃げそこなった珍珠(チンジュ)、するとちょうど侍衛が現れ難を逃れた。しかしまだ遊び足りない珍珠は侍衛たちの隙をついて再び逃げ出し、偶然にも裏道で長歌たちと出くわす。長歌たちが自分の侍衛を官兵と誤解して警戒したことから、珍珠は仕返しに侍衛たちに助けを求めた。驚いた長歌は咄嗟に少女の気を失わせ、一緒に連れて逃げてしまう。長歌は珍珠を縛り上げ、宿の部屋に監禁して見張ることにした。しかし珍珠は茶碗を割って縄を切り、窓からこっそり脱出してしまう。するとちょうど中庭にいる長歌と弥弥の話が聞こえて来た。弥弥は子供の頃、一家で漠北に暮らしていたという。「裕福じゃなかったけれど幸せだった、阿詩勒(アシラ)部が来るまでは… 侵略されて家族は離散した、部族の人たちも同じよ …でも急に何が正しくて何が正しくないのか分からなくなった 本来なら阿詩勒部を憎むべきなのに、鷹師の人たちがみんな好き」長歌は阿詩勒部と鷹団では違うとなだめたが、そこへふらりと少女がやって来た。2人の話を聞いた珍珠は直感で長歌たちが悪い人間ではないと分かった。そこで自分が漠南人で乞寒(キツカン)節を見に来たと教える。実は自分を追っていたのは官兵ではなく父の配下で、父に反抗した珍珠を連れ戻しに来ただけだった。長歌は単なる家出だと知って解放することにしたが、珍珠はまだ帰りたくないと拒否する。今は面倒に巻き込まれている暇などない長歌、しかしこの少女が思いがけず紫草の手がかりを教えてくれた。長歌たちが紫草を探していると知った珍珠は、確かに市場で買うことはできないが、お祓いは禁じられていないという。弥弥の話では乞寒節の最大の祭りが″お祓い″だった。「城内に舞台を作って歌や踊りを披露するの、その時、みんなが疫病神に紫草を全部、投げ…(はっ!)その手があったわ!」一方、牙張では薬で眠らされていた延利(イエンリー)可汗が目を覚ましていた。しかし天幕に側近の姿はなく、なぜか身体も思うように動かない。今さらながら誰よりも誠実だった阿隼(シュン)に思いを馳せる可汗、まさかあの従順な可敦(カトゥン)が鷹団に疫病を蔓延させ、阿隼を追い詰めていることなど知る由もなかった。城内の舞台でお祓いの歌と踊りが始まった。楽しみにしていた民たちは大いに盛り上がっていたが、その時、反対側の高台で別のお祓いが始まる。長歌の美しい疫病神の踊りは民たちを惹きつけ、気がつけば大量の紫草が投げ込まれた。長歌たちは鷹団に十分な紫草を手に入れ、すぐ帰ることにした。協力した珍珠は別れを惜しんだが、その時、官兵が現れ、包囲されてしまう。「首領がお呼びだ」長歌は漠北と衝突すれば紫草を持ち出せないと考え、仕方なく従うと決めた。すると一緒にいた珍珠まで連れて行かれてしまう。その様子を侍衛たちが見ていた。「ひとまず退くぞ…首領に報告だ」漠北王・薬羅葛菩颯(ヤグラカルブーサー)は長歌が仮面をつけて踊っていた疫病神だと分かった。「この漠北王を負かすとは…」長歌は舞台の疫病神が漠北王だったと知り、怒りを買ってしまったと気づく。「どうかお許しを…我らは行商人で漠北の掟を知りません、紫草を仕入れられずに下策に走りました 売買が禁じられているため、利益を求めて危険を犯したのです …でも気になります、舞台では見逃したのになぜ今になって動いたのです?何をお待ちに?」「ふん、知る必要はない」すると漠北王は有無を言わせず一行を投獄してしまう。珍珠は父が言う通り漠北は悪党だと呆れた。「昔は友好的だったのに100年前、漠南の祖先の地を占領してね 戦が起きて阿詩勒人まで乗り込んできたの 暮らしは大変になって私も外へ出してもらえないし~」どうやら漠北と漠南は宿敵、漠北王は首領だが阿詩勒部の制約を受けているらしい。長歌は何か思いついて首領と交渉したいと訴えたが、守衛は全く相手にしてくれなかった。刻々と迫ってくる期限、長歌と弥弥が必死に叫び続ける中、なぜか珍珠は余裕を見せる。「焦らないで、父上が迎えに来るから~」「焦るわよ!命が懸かってるんだから!」弥弥は思わず声を荒げ、何とか穆金(ムージン)が持ち堪えてくれることを祈った。一方、鷹団は孫思邈(ソンシバク)の治療のお陰で感染を抑え込むことに成功していた。病人たちも落ち着いて来たが、その夜、穆金の容体が急変する。孫真人は手を尽くしたが熱が下がらす、もはや運次第だと言った。雷蒙(レイモン)は漠北に赴いたのが阿詩勒隼ではなく李長歌だったと報告した。「阿詩勒隼が鷹師の命を李長歌に託すとは…ただならぬ関係のようね」奕承(エキショウ)は非凡な長歌を警戒して見張るよう命じたが、雷蒙は漠北王に捕らわれたと安心させる。「漠北は牙張に背けません」「でも安心できないわ…密かに弥弥古麗に釘を刺しておいて それから漠北、漠南から1万ずつ徴兵し、急いで訓練させて」すると奕承は漠北王と漠南王の家族から女の奴隷を用意させ、人質にすることにした。漠北王の待ち人は翌朝、早々にやって来た。一方、追い詰められた長歌たちは牢を破るしかないと決断、秦老は勝算が6割と予想する。「試す価値はあります」「いいわ」その時、突然、牢に兵士がやって来た。「首領が図伽(トジャ)郡主をお呼びだ」長歌と一緒に投獄された珍珠の正体は漠南王の娘だった。漠北王は珍珠が郡主だと知っていた。「早くても午後だと思っていたが、朝っぱらとはな~焦っているのか?」「娘はどこだ?!」苛立ちを隠せない漠南王・夷男(イネル)、すると漠北王は郡主が侍衛を従え、怪しげな連中と紫草を奪って密輸しようとしたと言った。当初は漠南王の差し金かと疑っていたが、紫草の売買禁止は漠南にも伝わっているはず、漠南王が牙張に歯向かうはずがない。そこへ図伽が現れた。漠北王は娘と引き換えに牙張に要求された兵馬を肩代わりするよう迫った。仕方なく漠南王は要求を飲み、図伽は無事に解放される。そこで図伽は一緒に捕まった友人も助けて欲しいと訴えた。「みんな善い人よ、長歌に会えば分かるわ、紫草は人助けのためなの」図伽の懇願で漠北王はひとまず長歌の謁見を認めた。しかしその時、ちょうど牙張からの使者が到着、長歌は回廊で待つよう止められる。…牙張の使者だわ…使者は運良く漠北で漠南王にも会えた。「手間が省けたな…可汗からの命だ、漠北と漠南は1万ずつ歩兵を徴集せよ、10日後に出発だ 定襄(テイジョウ)の守衛軍に編入する それから牙張に尽力した労をねぎらうため、各部の婦女を牙張に呼べとの御達しだ」漠北王は自分には妻も娘もいないと答えたが、使者は母親がいると言い返して帰って行った。使者は帰り際、回廊にいた長歌に気づいた。雷蒙から見せられた人相画で長歌だと分かった使者は急に走って帰って行く。…見たことのない顔だわ、でも私を知っているようだった(はっ!)…長歌は慌てて殿内に入った。「さっきの男を止めて!正直に言うわ、私は鷹師の軍師、阿詩勒隼の側近よ」長歌の令牌を見た漠南王は驚いた。「早く捕まえて!手遅れになる!疫病が広がり鷹師は紫草が必要なの! でも牙張は売買を禁止したわ、それはなぜか?牙張は鷹師を捨てたの、今、必要なのは結盟よ!」つづく( ̄▽ ̄;)何だか急に…あれだわ(←何?wそれにしても奕承の「私、老いたかしら~」って場面、必要?!www
2022.05.02
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长歌行 The Long Ballad第35話「走り出す野心」李世民(リセイミン)は長安へ戻った娘のために好物の点心を振る舞った。「で、洛陽で長歌(チャングァ)に会えたのか?」思わず身構える李楽嫣(リラクエン)、しかし李世民は長歌を追及するつもりはないという。楽嫣はホッと胸を撫で下ろし、長歌のわだかまりもいつか解けるはずだと話した。楽嫣は目の前に並んだ贅沢な点心に戸惑い、なかなか手をつけられなかった。放浪生活で初めて知った民たちの苦境、実は自分もわずかな食糧を自身の手で稼いだという。「二度と唐の民が飢えに苦しまぬよう願います…」「約束しよう、阿耶(アーイェ)が必ず成し遂げてみせる」すると楽嫣はようやく菓子を口にした。その時、李世民は娘がずい分と使い古した手巾を持っていることに気づく。確かに以前ならすぐ新しい手巾に取り替えていたが、楽嫣は皇族が享受する全てが民の心血の結晶であり、大切にすべきだと言った。李世民は娘の成長に目を細めながらも、放浪生活がいかに過酷だったかを察し、胸が熱くなる。そこで楽嫣は雲州にある西郊織坊(セイコウショクボウ)の柴(サイ)女将にお礼をしたいと頼んだ。「私を留め置き、生きる術を教えてくれました、その教えがなければ戻れなかったでしょう もう一つお願いが…外で農桑を考察し、民と接したいのです」「よかろう、ただし腕の立つ護衛を選ばなくてはな」一方、亜羅(ヤールォ)は紫草を求め牙張に到着した。すると雷蒙(レイモン)が現れ、可汗(カガン)なら可敦(カトゥン)の天幕にいると騙され、殺されてしまう。奕承(エキショウ)公主は亜羅が可汗に届けるはずだった密書を確認し、阿詩勒隼(アシラシュン)が定襄(テイジョウ)に目をつけたと知った。雷蒙の調べでは洛陽で工作していた赤鯢(セキゲイ)は全滅、錦瑟(キンシツ)も自害したという。「…どうやら李世民の側近はしぶといわね」奕承は鷹団に知られるのも時間の問題だと気づき、ついに動き出すことにした。(* ̄◇ ̄)<あ〜あああああああ〜(←さだ◯さしではないw奕承は頭痛に悩まされる可汗のため薬湯を差し入れた。実は近しき者の血を使う処方が役立つと知り、自分の血を使ったという。可汗は手首を切った可敦の献身に感心して薬湯を飲んで横になったが、すぐに昏睡した。奕承は可汗の印形を盗み、雷蒙に渡した。「鷹師に伝えて、亜羅は牙張と可汗を蔑ろにした、戒めとして投獄すると…」亜羅の死を知れば阿詩勒隼は牙張に乗り込むはず、奕承は自分たちの計画のため時間を稼ぐ必要があった。全ては渉爾(シャアル)を草原の王にするため、失敗は許されない。すると天幕を出たところで炻辛思力(シーシンスーリー)と出くわした。可汗が薬湯を飲んで寝ついたと聞いた炻辛思力は安堵し、誰も近づかないよう自分が天幕を見張ると申し出る。奕承は炻辛思力に任せて帰ったが、道すがら雷蒙に炻辛思力がいずれ妨げになると警告した。「今日より守兵は息のかかった者を…」李世民は視察に出かける楽嫣のため皓都(コウト)を護衛に選んだ。気まずい皓都だったが勅命のため辞退できず、公主の目障りにならないよう距離を取って見守る。すっかり卑屈になってしまった皓都、そこで楽嫣は皓都を呼びつけ、流雲観で長歌を見逃してくれたのかと聞いた。「知りません、ただ逆徒は制圧しました」楽嫣は皓都が長歌への偏見を捨てたと知り、側で仕えるよう命じた。一方、紫草の到着を首を長くして待つ鷹団になぜか亜羅ではなく雷蒙がやって来た。何やら嫌な予感がする阿隼、すると雷蒙は可汗からの返事だと偽って書簡を渡す。「可汗からの命だ、鷹師への呪いを牙張に持ち込むな」雷蒙は紫草なら自分たちで何とかしろと言い放ち、帰って行った。蘇伊舎(スーイーシャー)は亜羅を助けに行くべきだと訴えた。しかし阿隼と長歌は罠だと警戒し、牙張に乗り込めば首根っこをつかまれるという。今はまず紫草を探すことが先決、そこで長歌は幕営を離れられない阿隼に代わり、雁行(ガンコウ)門の仲間と漠北(バクホク)へ探しに行くと決めた。「しかし…穆金(ムージン)も倒れた、君にまで何かあったら…」「鷹師は私の家でもある、喜んで危険を冒すわ」すると弥弥古麗(ミミクリ)が駆けつけ、長歌と一緒に行きたいと訴えた。弥弥は漠北人、道にも詳しく、紫草も知っている。「特勤(テギン)、罪滅ぼしをさせてください!」「いいだろう」皓都は楽嫣からの誤解が解け、再び護衛として信頼を取り戻した。すると思いがけず楽嫣が片思いで悩んでいると知る。「ずっと好きだった人には想い人がいたの…直接、聞くべきかしら?」「私は知りたいです…拒まれても関係ない、自分の心は明白ですから、聞かずに諦められません」皓都は思い切って告白しようとしたが、楽嫣が遮った。「その通りね…でもあの人を連れ出す勇気なんてないわ、あ、皓都?今、何を言おうとしたの?」「いいえ…帰りましょう」一方、長歌は弥弥たちと幕営を出発した。再び離ればなれになる阿隼と長歌、すると阿隼は笛を吹きながら、長歌が無事に戻ることを祈った。(* ̄0 ̄)θ~♪<シャナディェ ディェシォンイェン ディェチォンラヨンユェン イェ~コン~リ~ディジィェ~ン ( ๑≧ꇴ≦)あすぁんの鼻の穴が微妙にハート型という…w皓都は自分の恋心を封じ込め、公主のために魏淑玉(ギシュクギョク)を呼んだ。「淑玉哥哥、どうしてここへ?」「皓都に聞いたよ、公主が農桑の考察で大変だって…私が何か力になれることは?」「では同行してくれる?」「よし、行こう」すると楽嫣は淑玉と郊外に出かけた機会に思い切って尋ねることにした。「淑玉哥哥?…淑玉哥哥はまだ長歌が好きなの?」「…もう私と長歌は道をたがえた、共には生きられない」「私はあなたが好き…淑玉哥哥、私では共に生きられない?」「ぁ…」淑玉はふと楽嫣の髪に何か付いていることに気づき、返事をする前に花びらを取った。そのせいで楽嫣は拒まれなかったと喜び、それが答えだと早合点してしまう。( ๑≧ꇴ≦)イールン!阿隼は媛娘(エンジョウ)を預かり長歌たちを送り出したが、心配で眠れなかった。すると特勤の天幕に孫思邈(ソンシバク)がやって来る。「真人…」「夜ふかしは身体に悪いぞ?」「この道のりだと…長歌は明日には漠北に着きますね」( ゚ロ゚)アイヤー!!<どうやら郎君は病を患ったようじゃ!ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ<何の病です?!(  ̄꒳ ̄)<恋煩いじゃよ…(๑´ω`๑)ジジィ…長歌たちは目立たぬように数人ずつに分かれて漠北に入った。長歌と弥弥は早速、薬舗へ向かうことにしたが、その時、阿詩勒部の兵士に徴兵される民を見かける。今の漠北の首領はやり手で10年で漠北を砂漠の交易地にしていた。弥弥は横暴な阿詩勒部に憤りを覚えながら、ともかく紫草を買いに向かう。するとちょうど店の前で秦(シン)老たちと合流できた。秦老の話ではこの数日のうちに紫草の売買が禁じられ、どこにも売っていないという。「(はっ)牙張…牙張の意向ね」長歌は一足遅かったと落胆した。しかし秦老は一か八か闇市を探ってみるという。そこで長歌は阿詩勒部が徴兵していたと教え、唐にも情報を伝えるよう頼んだ。長歌は羅十八(ラジュウハチ)に宿探しを頼み、弥弥と緒風(ショフウ)の3人で酒楼に入った。するとしばらくして独りで食事していた娘が店主に勘定を頼むも、持ち合わせがないと気づく。「ツケにしてくれない?2倍にして払うから」店主は小さな店ゆえツケは断わり、払えないなら首領に突き出すと言った。そこで少女は大道芸人からもらった手巾を出し、実は中原皇室の手巾だと嘘をつく。「これが?本物なのか?」店主は判断できず、偶然、店にいた中原人の客に確かめることにした。つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょっとハーン…怖いのに弱いw
2022.04.30
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长歌行 The Long Ballad第34話「草原の異変」朝廷は放棄された農地を流民に分けて税と労役を免除、治水を進め、義倉(ギソウ)を広く設置させると決めた。李長歌(リチャングァ)は今の唐にとって確かに李世民(リセイミン)は最良の皇帝だと受け入れ、復讐への執着を捨てる。しかし自分の存在を知られた以上、洛陽(ラクヨウ)に残るのは得策ではなかった。すると阿詩勒隼(アシラシュン)が一緒に草原へ行こうと提案、実は秦(シン)老が今日にも出発すると言っていたという。秦老は阿隼と長歌に北の士族という身分で通行証を手に入れていた。2人は兄妹という設定だという。するとちょうど司徒郎郎(シトロウロウ)と孫思邈(ソンシバク)が客桟の前を通りかかった。実は宮殿からお呼びがかかり、早く逃げないと面倒なことになるという。一方、李楽嫣(リラクエン)と李承乾(リショウケン)姉弟も洛陽府衙(ガ)をあとにした。今回の体験で多くを学んだ楽嫣、皇帝として民を思う父の娘として早く成長したいと願わずにはいられない。…長歌、どうかこれからも無事でいてね…洛陽を出た長歌たち一行、すると郊外で突然、李靖(リセイ)が現れた。阿隼は警戒しながら馬を降りたが、李靖はただ見送りに来ただけだという。「…意中の君とは郡主だったのか、お目が高い」すると馬車から長歌が出てきた。「衛公…」「郡主、お元気そうで何よりです」李靖は数日後に杜如晦(トジョカイ)と長安へ行くと教え、長歌たちが北へ行くことも知っていた。「安心せよ、私1人で来た、実は君に伝えたいことがあってな」実はこの世に″衛公兵法″などなく、阿隼が初心を曲げるかどうか試しただけだったという。「真の兵家に試されるのは武ではなく心だ、仁者の心こそ無敵である」李靖は種族などにとらわれず、阿隼に自分の才を余すことなく授けて去って行った。( ̄▽ ̄;)って…いや良く分からんけどwその頃、鷹団の幕営では病人が増え続けていた。巫医(フイ)は原因が分からず、天が鷹団に呪いをかけたという。弥弥古麗(ミミクリ)は自分が助けた少年のせいだと気づいたが、弟の姿が重なってどうしても見捨てることができなかった。一足先に長安へ到着した杜如晦は皇帝に謁見、李長歌と遭遇したと報告した。李長歌は流雲観で隋(ズイ)の残党を殺し、阿詩勒部の男と逃げたという。「李長歌は逃げる前、流雲観で私の命を助け、道観内の民も救いました」李世民は長歌が決して信条を曲げない性分であり、誰と友になろうと意志が揺らぐことはないと分かっていた。「生きていて良かった…」すると杜如晦は李長歌ならすこぶる元気で、相変わらず剣を振り回していたと笑う。「何事も周到なそなたが、なぜこたびは目の前で長歌を取り逃がしたのだ?」「李長歌があまりに狡猾なもので…」李世民と杜如晦は顔を見合わせ、思わず失笑した。帰京の途についた皇太子一行、今夜は南安(ナンアン)駅館で一夜を過ごすことになった。晟辛(セイシン)は梓微(シビ)宮の乱から逃れ、今も皇太子の侍従として涼しい顔で仕えている。一方、楽嫣はまだ皓都(コウト)を許せずにいた。魏淑玉(ギシュクギョク)は黙って耐えている皓都に同情し、楽嫣に実は流雲観で李長歌を助けたのが皓都だったと教える。「探らせたところ、死体が動いているのをある兵士が見つけたらしい しかし確認に来た皓都が見間違いだと叱責したそうだ、その死体が長歌だろう …今でも彼を嫌いだが、君は事実を知るべきだ、皓都の警護を拒まないでやって欲しい」( ๑≧ꇴ≦)このまま挽回できるかイールン!wその夜、長歌たちは野宿となった。長歌は朔(サク)州での悲劇を思い出し、やはり秦老たちは草原に行かない方がいいという。しかし秦老は明主に仕えること以外、重要ではないと笑顔を見せた。すると驚いたことに亜羅(ヤールォ)がやって来る。「特勤(テギン)!…はっ!本当に軍師を見つけたんですね! 実は穆金(ムージン)の使いで探しに来ました、幕営が大変です!」亜羅の話では鷹団で次々と人が倒れ、身体に斑点が出ているという。驚いた長歌は秦老に孫真人を連れ戻すよう頼んだ。驢馬(ロバ)車ならまだ遠くへ行っていないだろう。弥弥は少年を必死に看病したが、もはや虫の息となった。「歩真(ブジェン)!歩真!」思わず弟の名前で呼んでしまう弥弥、すると少年もついに息を引き取った。弥弥はせめて身体を清めてやろうと水を汲みに行ったが、留守の間に訪ねてきた努爾(ヌアル)に少年をかくまっていたとばれてしまう。鷹団の幕営に疫病を持ち込んだのは弥弥だった。部族の怒りを買った弥弥は厄難を祓うため火あぶりの刑が決まり、広場ではりつけにされてしまう。穆金は弥弥の前に立ちはだかって反対したが、子供が感染した母親が激怒し、いきなり松明を投げ込んだ。その時、弓矢が松明に命中、弥弥は九死に一生を得る。「やめないかっ!」鷹団に特勤が帰って来た。阿隼は必ず納得の行く説明をすると約束し、ひとまず皆を解散させる。すると遅れて長歌が到着した。「長歌!やっと戻って来たのね…」解放された弥弥は長歌に抱きつき、安堵したのかひとしきり泣いた。長歌は弥弥から子供の話を聞いたが、どこか様子がおかしかった。そこで特勤の天幕に阿隼を訪ね、弥弥が少年を″歩真″と呼んでいたと話し、何かありそうだと疑う。穆金は自分が話を聞いてくると言ったが、長歌は止めた。弥弥が隠したいなら聞いても無駄だろう。すると阿隼は感染を食い止めるため、幕営の外に新しい天幕を設け、病人を隔離することにした。それにしても少年と一緒にいた弥弥はなぜ感染しなかったのだろうか。穆金は新しい天幕の準備を終え、弥弥の様子を見に行くことにした。しかしなぜか身体がだるく、頭が重い。その時、天幕で襲われている弥弥の姿を目撃した。「この妖女め!息子の敵!…お前を殺せばみんなも息子も助かるわ!」母親は刀を振り回して弥弥を追いかけ回したが、そこへ突然、穆金が飛び込んで来た。すると穆金が弥弥を抱きしめてかばい、背中を斬られてしまう。弥弥は穆金の斬り傷を手当てした。するとすでに身体に斑点が現れている。「死んだあの子と同じだわ…」責任を感じた弥弥は自分が看病すると申し出た。するとその朝、ついに秦老が孫真人を連れて幕営に到着する。長歌は安堵し、感染しないよう秦老たちには幕営の外で待ってもらうことにした。皇太子一行が無事に長安へ戻った。李世民は楽嫣を抱きしめ再会を喜んだが、父に無視された承乾は面白くない。「阿耶(アーイェ)!私も痩せました!…本当に大変だったんです」「だた朕が聞くに、お前は洛陽を大いに満喫し、杜尚書さえ手を焼いたとか?」驚いた承乾はひざまずいて後悔していると訴え、何より楽嫣に叩かれたと告げ口した。楽嫣は儲君へ無礼を働いたと認めて父に罰を請うたが、李世民は思わず長歌に似て来たと笑う。「長歌になれずとも、今回の件で私も成長しました」孫真人は流行病だと診断し、早速、薬箋を書いた。しかし長歌は鷹団の幕営に紫草がないと気づく。実はこの疫病は砂漠を根源としており、砂漠では紫草を日常的に食べているため蔓延しないという。「だから私は無事だったのね…」弥弥は確かに幼い頃、熱が出て紫草で治していた。恐らく一度、この病にかかっているため抗体があり、感染しなかったのだろう。孫真人は10日以内に紫草を服用させれば治ると教えた。紫草なら漠北に生息しているため牙張にある。阿隼は亜羅に使いを頼み、定襄(テイジョウ)の隋室の動きも一緒に報告させることにした。つづく(  ̄꒳ ̄)さてさて…うむ
2022.04.24
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长歌行 The Long Ballad第33話「秘められた関係」李長歌(リチャングァ)と阿詩勒隼(アシラシュン)は錦瑟(キンシツ)夫人一味に包囲された。一方、山門では杜如晦(トジョカイ)が招集した弓隊が到着する。「それなら私に任せてください」その声は杜如晦から逃げ回っていた李靖(リセイ)だった。杜如晦は思いがけず李靖が現れたことにいささか戸惑ったが、李靖は弟子を殺されては困るという。すると杜如晦は黙って令牌を渡した。李靖は中庭に向かって兵法を叫んだ。長歌や錦瑟は何事かと驚いたが、李靖と碁を打っていた阿隼だけがあの布石だと悟る。「…長歌、大丈夫、ここは俺に任せろ」その時、中庭に弓矢が降り注いだ。阿隼は長歌と矢が落ちない地点で立ち止まり回避、すると周りの賊たちに次々と矢が命中する。運良く木陰にいた錦瑟は独り逃げ出したが、阿隼と長歌に捕まった。「阿詩勒隼、見逃してくれるなら可汗(カガン)には伏せてやってもいい」しかし裏門の戸が開き、誰かが入ってる。阿隼は唐兵だと気づき、ひとまず錦瑟の首を突いて気絶させたが…。弓隊の攻撃が終わり、中庭は静かになった。司徒郎郎(シトロウロウ)は静澹(セイタン)真人を連れて外へ出ると、ちょうど皓都たちが雪崩れ込んで来る。すると杜如晦が倒れている錦瑟を発見、取り押さえた。「奴は?…私と呼応した者だ」李靖は阿詩勒隼を探したが見つからない。「それは私だ…」司徒は杜如晦の手前、出任せを言って目配せすると、事情を察した李靖は話を合わせた。杜如晦は長歌の捜索を諦めて流雲観を後にした。しかし李靖は執念深い杜如晦があっさり引き下がったことを訝しみ、誰を探していたのか尋ねる。杜如晦は李靖に朝廷の件は関係ないと断り、追及したいなら朝堂へ戻れと挑発した。「今はそれより太子の捜索が肝心だ」すると皓都が早速、城門を封鎖して捜索するという。しかし李靖は大々的に動けばやぶ蛇になると警告、城門の検問を強化すべきだと助言した。皓都は往来する民を逐一、調べられないと言ったが、李楽嫣(リラクエン)が杜如晦の兵符を貸して欲しいと頼む。「私に方法があります、流民に扮した賊を見分けましょう」楽嫣は城門を出る流民に配給を施した。するとある兵士がわざと杓子を落とし、泥がついたまま粥をよそう。楽嫣は飢えていれば土が混ざっていようが気にしないと身を以て体験していた。案の定、流民のふりをしていた賊は粥を吐き出し、一網打尽となる。皓都は公主の妙策に感心したが、楽嫣からの信頼が再び戻ることはなかった。一方、魏淑玉(ギシュクギョク)はこつ然と消えた長歌を心配し、流雲観を調べさせていた。すると死体が動いていたとの報告があったことが判明、しかし皓都が自ら確認し、見間違いだと激怒したという。「今の話は他言無用だ」淑玉はその動いた遺体が長歌たちだと気づいた。…長歌、無事に逃げ切ってくれ、君の連れはさすが頼りになる…杜如晦は錦瑟夫人の牢獄を訪ね、正体を明かすよう迫った。すでに一味は捕縛され、全てを白状すれば命だけは助けるという。実は錦瑟は隋(ズイ)の弘農楊(コウノウヨウ)氏、景武(ケイブ)公・楊素(ヨウソ)の孫だった。「命が惜しくばここにはいないわ…」「ならばここで生き地獄を味わえ」翌朝、長歌は客桟で目を覚ました。付き添っていた阿隼は安堵し、皓都が見逃してくれたと教える。すると長歌は何か忘れていると気づいた。(*´・д・)<李承乾(リショウケン)!>(・д・`*)そこで長歌は洛陽府衙の楽嫣に文を送った。…太子は東市の相撲館にいる…淑玉は念のため皓都も誘って相撲館へ出かけた。すると散々、鍛えられた承乾がようやく解放される。「皓都!ここを封鎖して全員、捕らえろ!…鬱憤を晴らすのだ! それに李長歌め、必ず捕らえて命乞いさせてやる! …余の楽しみを邪魔し、こんなところに捨ておって! 杜如晦に命じてやるっ!あの毒婦を捕らえろとな!」その時、激怒した楽嫣が弟の頬を引っ叩いた。「李承乾?!太子の任務も全うせず、洛陽を不安に陥れ、やりたい放題ね! 誰が毒婦ですって?!長歌はあなたの従姉よ!」「姐姐!李長歌なんかのために私を叩くなんて…胸が痛まないのか?!」思わず地団駄踏んで抗議する承乾、しかし楽嫣はまだ懲りないのかと呆れ、ちょうど庭にあった薪をつかんだ。驚いた承乾は淑玉の背後に隠れ、ようやく姉を本気で怒らせてしまったと気づく。「私が悪かったよ~」「…少しは自重するのね!李長歌のことを漏らしたら脚をへし折ってやるから!」「分かってるっ!会ってもいないよ〜!」すると楽嫣は皓都に皇太子の護衛を頼み、先に淑玉と帰って行った。一方、草原では弥弥古麗(ミミクリ)がヤギの放牧に出掛けていた。すると幕営近くで倒れている少年を発見、自分の天幕に連れ帰る。弥弥は巫医(フイ)に診てもらうことにしたが、その時、少年が目を覚ました。「…主がお前に忠告している、自分の任務を忘れてはならない 主がお前に命令する、僕を手元に置くようにと…」驚いた弥弥は少年を追い出すことにしたが、少年が弟の姿と重なってしまう。「姐姐…助けて…僕を助けて…姐姐… 主が言ってた…従わなければどうなるか分かるはずだって…」その時、外から穆金(ムージン)の声が聞こえた。弥弥が天幕を出ると穆金が見せたい物があると言った。驚いた弥弥は話なら外で聞くと言ったが、穆金はならば気晴らしに出かけようという。「幕営の外は花が満開だ!色鮮やかで綺麗だぞ?」弥弥は少年のことが気がかりだったが、穆金は半ば強引に弥弥を連れて行った。穆金は弥弥と一緒に吊り橋から一面の花景色を眺めた。そこで商隊から手に入れた飴を贈る。弥弥は一口だけなめて袋へ戻し、大切に味わうと笑った。「弥弥…君が好きだ、実は好きな人とこの橋を渡ると永遠に一緒にいられるという伝説がある 君と一緒になりたい!」しかし秘密を抱える弥弥は穆金に好かれる資格がないと分かっていた。「私では釣り合わない」すると穆金は釣り合わないのは自分の方だと落胆し、先に帰ってしまう。牙帳では延利(イエンリー)可汗が阿隼を手放したことを後悔していた。「親子なのだ、あれほど警戒する必要はなかった…もし戻ってくれたら、厚く賞してやるのに…」可敦(カトゥン)・奕承(エキショウ)公主は酒の量が増えた可汗に薬湯を差し入れたが、相変わらず可汗の態度は冷たい。その頃、捕らわれの身となった錦瑟は毒薬を口に入れていた。すると朦朧とした意識の中で主の幻覚を見る。『錦瑟…』「公主…」錦瑟は奕承公主の懐刀だった。奕承は錦瑟を可汗の寵姫として送り込んだ。庫里台(クリタイ)大会で錦瑟が公主に酒を浴びせかけたのも、虐げられる公主を演じて草原の者たちに同情させるためだ。『誰も警戒していない時こそ打って出る好機、分かったわね?』すると錦瑟は公主に自分の非力を詫びながら絶命した。奕承は可汗が阿詩勒隼をあそこまで大切に思っているとは予想外だった。李長歌や阿伊児(アーイアル)を使って阿詩勒隼を消そうとしたが失敗し、洛陽の錦瑟からも音沙汰がない。「…錦瑟は仕損じたやも、計画を早めるわ、阿詩勒隼が戻って来る前に」すると雷蒙(レイモン)はこの2ヶ月のうちに配下を可汗のそばへ送り込んだと報告した。可汗も長くはもたないだろう。つづく( ๑≧ꇴ≦)可汗、顔の割に脇が甘すぎた~
2022.04.23
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长歌行 The Long Ballad第32話「流雲観の乱」皓都(コウト)は杜如晦(トジョカイ)の命で李長歌(リチャングァ)を捕らえようと画策するも失敗。すると自分が利用されたと気づいた永安公主・李楽嫣(リラクエン)から頬を引っ叩かれてしまう。「長歌を梓微(シビ)宮に引き入れたのは私よ!…長歌が責任を問われるなら私も同罪だわ」楽嫣は冷血漢だと恐れていた皓都が実は良い人だと見直していたが、どうやら間違いだったらしい。長安を追われてもなお長歌が命をかけて唐を守って来たことは皓都が誰より知っているはずだ。「やはりあなたは血も涙もないただの操り人形なのね…命令がそれほど大事?」楽嫣は皓都に深く失望し、出て行ってしまう。すると魏淑玉(ギシュクギョク)も呆然と立ちすくむ皓都に苦言を呈した。「皓都…大切なのは命令や手柄じゃない、自分の信念に生きることだ 私も早く気がつけば長歌を失わずに済んだ」( ๑≧ꇴ≦)決まった!一方、阿詩勒隼(アシラシュン)に救われた長歌は大普客桟(ダイフキャクサン)で秦(シン)老や羅十八(ラジュウハチ)たちと合流していた。しかし再会の喜びも束の間、秦老は長安の人間が洛陽に来ているため、すぐ離れようと提案する。そこで阿隼は草原なら安心だと勧めた。「…考えさせて」「長歌、3つ願いを叶える約束だろう?」「私は一度、死んだ身、死んだら貸し借りはないはずよ?」「何?…俺とは貸し借りがないと?」すると長歌は自分たちの話なら後回しにしようと打ち切り、ともかく城門を出てから行き先を決めることにした。皓都は師であり義父である杜如晦(トジョカイ)に初めて口答えした。これまでの李長歌の行動を見る限り、唐を害するとは思えないという。しかし杜如晦は激怒し、心が揺らいだ以上はこの件に関われないと皓都を任務から外した。その夜、謹慎を命じられた皓都は房間で悶々としていた。机には公主からもらった飴細工が飾ってある。皓都は飴細工を眺めながら、ようやく築いた公主との信頼関係が一瞬で壊れたことを思い出し、独り涙に暮れた。翌朝、長歌が部屋を出るとすでに阿隼が起きて待っていた。「昨日の件を改めて話すんだろう?…貸し借りは帳消しなんて俺は認めない」「あなたって強引ね」「悪いか?…とにかく君は俺に借りがある、絶対に忘れないからな」すると長歌は指切りで約束を交わした。はお、破ったら負けよ?>( ゚д゚)db(゚д゚ ) <破ったら負けだ ←何の戦い?w2人の話が何となくまとまり、長歌はお世話になった流雲観に別れを告げに行くと伝えた。心配した阿隼は送って行くと言ったが、長歌はまるで金魚の糞みたいだとからかう。ヨシヨシ(*´・ω・)ノ”(´・ω・`)、長歌はふざけて阿隼の頭を撫でると、阿隼が急に長歌の手を握りしめた。「もう君を失いたくない…あんな気持ちは…」しかし男女の情に疎い長歌は困惑して手を引っ込めてしまう。「…夕方、入り口まで迎えに行く」「子供かっ(プイッ」「とにかく迎えに行く」「…はお」( ๑≧ꇴ≦)何この子供だまし~でも好きwwwその頃、流雲観には参拝を装った錦瑟(キンシツ)夫人の一行がいた。静澹(セイタン)真人は流民の救済に尽力する流雲観に奉納したいと申し出てくれた錦瑟夫人に感謝し、暖かくもてなす。すると出かけていた荃娘(センジョウ)が慌てて駆けつけた。「観主!あの人たちが来ました!例の杜尚書です!でも治療に来たとは思えません!」杜如晦は李長歌を捕まえるため流雲観にやって来た。騒ぎにならないよう診察を頼みたいと口実をつけたが、あいにく孫思邈(ソンシバク)は司徒郎郎(シトロウロウ)と往診に出かけているという。そこで杜如晦は静澹真人に脈診を頼んだ。杜如晦は観主や孫真人が長歌をかくまっていると考え、流雲観も皇太子失踪に関わっていると脅した。しかし静澹真人は俗世を離れたこの場所で行っているのは救済だけだと答え、証拠を示すよう迫る。すると診察室に突然、錦瑟が乗り込んで来た。「証拠?…杜尚書の言う通り、火を放った者はこの観内にいるわ」錦瑟はてっきり杜如晦が自分を捕らえに来たと誤解していた。長歌は何も知らず流雲観へやって来た。しかしまだ朝だというのに門は固く閉ざされ、いつも賑やかな門前に誰もいない。嫌な予感がした長歌は塀を乗り越え、中の様子を探った。梓微宮に火をつけ、皇太子をさらった犯人は李長歌ではなかった。杜如晦は思いがけず真犯人を知ったが、中庭に出るとすでに自分の配下と観主の弟子たちが流民になりすまして紛れ込んでいた死士たちに捕まっている。その様子を長歌が密かに見ていた。流雲観を制圧した錦瑟は皇太子なら死んだと言った。杜如晦は激高したが、静澹真人が惑わされないよう助言する。冷静になった杜如晦は確かに皇太子を本当に殺したなら、すでに洛陽中に触れ回って混乱を起こしているはずだと気づいた。錦瑟は余計な口を挟んだ観主に憤慨、そこで弟子の1人に危害を加えさせる。「それ以上、関われば今度は心の臓を刺すわよ?」←悪役だけど親切wそこで杜如晦は自分が狙いなら無辜の者を傷つけるなと腹をくくった。錦瑟は杜如晦をひざまずかせ、首に剣を突きつけた。まさかここで李世民(リセイミン)の片腕を奪えるとは運が良い。すると突然、ひとりの道姑が現れた。٩(╹⌓╹ )ว=͟͟͞͞ <ちょっと待った!「お前は…渉爾(シャアル)の奴隷?」「さすが錦瑟夫人」長歌を見た錦瑟は阿詩勒渉爾が庫里台(クリタイ)大会の宴に連れて来た美しい奴隷だと分かった。長歌は自分に杜如晦を始末させて欲しいと頼んだ。どうやら長歌が草原に逃げて来たのは杜如晦が原因だったらしい。錦瑟は合点が行き、何やら面白くなって来たと喜んで剣を渡した。驚いた静澹真人はまだ執念を捨てられないのかと叱ったが、長歌は剣を振り上げてしまう。「阿離ぃぃぃぃっ!」すると長歌は杜如晦を拘束していた逆賊に斬りかかった。杜如晦が解放され、それを合図に配下たちが反撃した。そこへちょうど薬を取りに戻った司徒郎郎が現れる。「師父!手を貸して!」「…お、確かに聞いたぞ?俺を師父だと!」喜んだ司徒が加勢すると、静澹真人は阿離に杜如晦たちを連れて逃げるよう叫んだ。「私と司徒で食い止める!早く行きなさい!」長歌は杜如晦や仲間たちを守りながら裏門へ誘導した。しかし門の鍵がなかなか開かず、死士に追い詰められてしまう。その時、長歌が杜如晦をかばって背中から刺された。「李長歌?!…一体どういう魂胆だ?!」「うぬぼれないで…今の唐に杜如晦が必要だからよ」するとようやく裏門が開き、長歌は杜如晦たちを逃がして再び中へ戻った。その頃、皓都は涼亭で独り物思いにふけっていた。…どうかお許しを…皓都はまだ幼い頃、秦王と義父に忠誠を誓った時のことを思い出す。すると山の方から照明弾が上がった。…義父の信号?!…皓都は洛陽府衙を飛び出すと、淑玉と楽嫣も後を追った。一方、阿隼も別れの挨拶がわりに李靖(リセイ)と一局、手合わせしていた。すると李靖が次の一手に悩む阿隼にある書物を見せる。「去るんだろう?はなむけだ」阿隼は表題に″衛(エイ)公兵法″とあることに気づき、思わず姿勢を正した。「そんな貴重なものをどこで?」「うちの家の品だ」「李兄…まさかあなたが李衛公・李靖?!」「最後まで碁に付き合ってくれたら君にあげよう」その時、矢倉から急を知らせる太鼓の音が鳴り響く。李靖は城内に救援を呼ぶ信号だと教え、南西の方角だと分かった。「流雲観か…」「(はっ!)長歌が!」阿隼は慌てて席を立ったが、李靖は兵書をあきらめるのかと引き止めた。しかし阿隼は自分には貴重すぎると断り、出て行ってしまう。李靖は白紙の書物で阿隼を試したが、期待通りの郎君だった。長歌が中庭に戻ると、深手を追った静澹真人と司徒郎郎が錦瑟たちと対峙していた。「…なぜ戻って来たの?」「私が発端ですから…師父、観主を中へ」長歌は司徒から剣を受け取ると、たった独りで死士たちに立ち向かう。ちょうどその頃、皓都が山門に到着、杜如晦に薬を届けていた。「急げ…李長歌を救うのだ、裏から入れ…阿詩勒部の猛者がいるが誰ひとり生かしてはならん」すると遅れて淑玉と楽嫣も到着する。驚いた杜如晦は淑玉にすぐ公主を連れて離れるよう命じたが、楽嫣は長歌がまだ中にいると聞いて留まった。長歌は果敢に応戦するも多勢に無勢、やがて死士たちに取り押さえられた。するとその時、阿隼が鷹のような素早さで屋根を駆け下り、落ちていた剣を投げて長歌を解放、錦瑟を蹴り飛ばして長歌を取り戻す。≡≡≡≡≡≡ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ズサーッ!「阿詩勒隼!…1人の女のために可汗を裏切るつもり?!」(」゚ロ゚)」<死士の皆さん!やっちまってください!キィーッ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<キィーッ!まだ動けるか?>( ・`ω・´) ತ _ತ)<多分キタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ !!! つづく( ๑≧ꇴ≦)あ~ん、いいところで続く~w
2022.04.16
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长歌行 The Long Ballad第31話「その手を離さない」偶然、一緒に曲者を捕まえて友となった阿詩勒隼(アシラシュン)と李靖(リセイ)。するとその夜、洛陽(ラクヨウ)で広まった流言の通り梓微(シビ)宮から火の手が上がった。李靖は救助に向かうことにしたが、阿隼も友を探すため同行したいという。こうして梓微宮に駆けつけた阿隼と李靖、その時、怪しい一行を逃している衛兵を見つけた。阿隼は何食わぬ顔で戻ろうとした衛兵を捕らえたが、この男もまた死士だと知って驚く。やがて宮殿も鎮火、李靖は男が口を割らないと分かり、ひとまず李符に連行すると決めた。「…君の友だが、今、探すのは時機が悪い」一方、李府では今夜も杜如晦(トジョカイ)と皓都(コウト)が居座り、夫人が頭を悩ませていた。しかし梓微宮が火事になったと知らせが舞い込み、2人は一目散に帰ってしまう。皇太子・李承乾(リショウケン)がこつ然と姿を消し、寝殿に身代わりの藁人形が残されていた。李楽嫣(リラクエン)は梓微宮に李長歌(リチャングァ)が来たことがばれないよう祈ったが、侍従がふと見慣れない顔がいたと思い出してしまう。「道姑が寝殿から飛び出して来ました、刺客の仲間やも…美しい顔立ちで目元にほくろが…」杜如晦は李長歌だと気づいて呆然、あまりの衝撃に喀血した。皓都は流雲観に義父を運び込んだ。すると急病人と聞いて駆けつけた長歌と回廊でばったり出会う。長歌は踵を返すと、皓都は義父の診察を任せて慌ててあとを追った。しかし司徒郎郎(シトロウロウ)に足止めされ、見失ってしまう。その頃、楽嫣は長歌を心配して流雲観に駆けつけた。するとちょうど逃げ出して来た長歌を見つける。楽嫣は長歌が皓都に追われていると知り、自分が引き止めると申し出た。こうして司徒郎郎と楽嫣の協力でことなきを得た長歌、しばらくして観内へ戻ると司徒に呼び止められる。「師父に尻拭いばかりさせるなよ~」司徒の話では長歌に逃げられたと聞いた杜如晦がまた吐血し、孫(ソン)真人が大慌てだったという。「官兵がまた来たらどうする?」「まさか私が戻って来るとは思わないでしょう」長歌は杜如晦たちが帰ったと聞いて安堵し、足早に居所へ戻った。「…俺の弟子はなかなか面白いな」梓微宮で捕まえた偽物の侍衛を白状させたのは李靖の夫人だった。夫人の話では男は隋(ズイ)の侍衛、唐建国の混乱に乗じて戸籍を消し、梓微宮に潜り込んだという。「あれは駒よ、親玉すら知らない、だけど隋朝とは何らかの関係があるわ」「つまり…定襄(テイジョウ)の者か…さすがは我が妻だ!」そこで阿隼は自分も男に会いたいと頼んだが、李靖は意味ありげに妻の後に会うのはやめた方がいいと断った。杜如晦は洛陽府衙に戻って静養していたが、未だ長歌が生きていたことに驚きを隠せなかった。何より流雲観にいたことに戸惑い、もし観主と孫真人が長歌を徹底的に守るつもりなら強くは出られない。「太子殿下は李長歌の手に落ちたのだろうか…」しかし皓都は今も長歌と公主が強い絆で結ばれており、長歌が皇太子を害することは考えられないと安心させた。杜如晦はそれでも早く李長歌を捕らえて皇太子を見つけなければならないと焦る。「永安公主が手を回し、何かにつけ助け舟を出しているのだな?」そこで杜如晦は皓都に公主を利用して長歌を誘き出す策を授けた。李靖は阿隼を朝食に連れ出した。しかし食事が終わっても李靖は火事を調べに行こうともせず、今度は碁を打とうと誘う。「一局、打てばほぼ君を理解できる、興味が湧けば調査に連れて行こう」阿隼は碁ができないと言ったが、李靖は阿隼の手のまめが戦場で長年、戦って来た証しだと気づいていた。「…駒は兵の如し、碁の決まりは教えたぞ」皓都はわざと公主に長歌の捜索に行くと伝え、外出しないよう釘を刺した。すると杜如晦の予想通り楽嫣が動き出す。楽嫣は侍女・安柔(アンジュウ)を身代わりにして窓から脱出し、急いで流雲観へ駆けつけた。しかし運悪く阿離(アリ)は外出中、そこで仕方なく書き置きを残しておく。…皓都が兵を動員した、すぐ洛陽を離れて、茶楼で相談を…楽嫣は荃娘(センジョウ)に文を託し、必ず阿離に渡して欲しいと頼んで帰った。一方、阿隼は自分の素性がばれないよう、公孫恒(コウソンコウ)の布陣を用いて碁石を置いていた。しかし李靖に見抜かれ、早々に負けてしまう。「私が知る限り、このような布陣を敷くのはたった1人…朔(サク)州刺史・公孫恒だ 確か公孫恒の麾下(キカ)には秦(シン)という参謀がいたな…もしや秦郎君と関係が?」李靖は阿隼がどこまで公孫恒の布陣を使うつもりか泳がせていたと暴露し、もし阿隼が慣れた戦略を使えば負けていたという。「君は正直ではなかった…」「表向き俺は秦老の甥だ」すると李靖は阿隼が詭道(キドウ)を暴かれないようあえて碁石を置かなかった場所を指摘した。「君は本当はここに打ちたかったはず…それは草原人の手だ」「…いいや、俺は中原人だ」阿隼は要らぬ憶測を嫌い、ただ友を探すため洛陽へ来ただけだと訴える。「李兄も恐妻家と見せかけて夫人と共に戦い、敬っている 夫人が失踪すればどこまでも探しに行くのでは?」(´゚艸゚)∴ブッ!<あはは~!友とは女子だったのか!気に入った!一緒に意中の君を探してやろう(* ・Д・)<いっ、意中の君とは?( ̄꒳ ̄)<きっと整った顔立ちで魅力的な娘であろう?(゚ェ゚(。_。*)コク<まさしく( ̄꒳ ̄)<とにかく気がかりで常に手放したくない?(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク( ̄꒳ ̄)<他の女に関心は?フル((・_・ )( ・_・))フル( ̄꒳ ̄)<もし誰かと死ぬまで一緒にいるならその人であって欲しい?(゚ェ゚(。_。*)コクリ( ̄꒳ ̄)<どれほど美しく優しい女子がいても、気が強く横暴なお嬢さんがいいんだろう?( ー̀ωー́ )<いいや…お嬢さんではないΣ(°∀°ノ)ノ<え!何と老婦人か?!ストライクゾーンの広さに敬服するよ(๑•̀ㅂ•́)و✧<いいや、威風堂々とした女子だこうして意気投合した阿隼と李靖、すると阿隼は偶然、大街を歩いている皓都に気づいた。…あいつだ!…皓都の身分を知っている李靖は関わらない方が良いと警告したが、阿隼は急用を思い出したと断って帰ってしまう。その頃、楽嫣は茶楼で魏淑玉(ギシュクギョク)と合流していた。淑玉は長歌のため荷物を持って来たが、それにしても順調すぎると訝しむ。すると不安が的中、楽嫣を見張っていた皓都たちが突然、個室に乗り込んできた。何も知らず約束の茶楼へ到着した長歌、上階の個室では皓都たちが公主と淑玉を拘束し、口をふさいでその時を待つ。やがて誰かが部屋の戸を叩いた。楽嫣は皓都の手を外そうと必死にもがくがどうにもならない。しかし戸を開けた配下が剣を突きつけたのは料理を運んできた給仕だった。「しまった!追え!」皓都たちは慌てて駆け出して行くと、楽嫣と皓都は窓から外を見た。すると長歌が誰かに手を引かれ、逃げて行く様子を目撃する。「あ…あの人、幽州で私を盾にして皓都から長歌を助けた人だわ!誰か分からないけれど信用できる」実は阿隼は皓都を尾行して茶楼にいた。そこで偶然、長歌を見つけ、友だちが捕らわれていると教える。『朝廷の者だ、友だちは無事だろう、早く逃げよう』『私を恨んでいないの?』『黙って消えたら恨む…』(* ̄0 ̄)θ~♪<シャナディェ ディェシォンイェン ディェチォンラヨンユェン イェ~コ〜ン~リ~ ディジィェ~ン阿隼は長歌の手を握りしめ、洛陽の街を懸命に走った。そこであえて人の多い場所に逃げ込もうと、李靖と碁を打った洛陽一の酒坊の一室に逃げ込む。すると阿隼は急に長歌を抱きしめた。「長歌…探し回ってやっと見つけた…」長歌は阿隼の自分への気持ちを知り、阿隼の背中に手を回した。「すまなかった…君を責めたりして」「負い目があるわ」「なら俺のそばで償えばいい」阿隼は長歌と想いが通じ合い、部屋にあった酒で契りを結ぼうと決めた。長歌と腕を絡ませ杯を交わそうとする阿隼、しかし長歌に止められてしまう。「ちょっと、生涯を共にするとは言ってないわ」「ふっ…いいのか?後悔するぞ?」その時、誰かが立ち聞きしていると気づいた。( ๑≧ꇴ≦)あすぁん〜!阿隼は静かに戸に近づいていきなり鍵を外した。すると驚いたことに行方不明になっていた李承乾が倒れ込んでくる。「堂姐?!…声が聞こえて…まさかと思ってたけど…幽霊だぁぁ!」「黙れ!なぜここに?おかげで外は大騒ぎなのよ?」呆然としていた承乾は長歌の手を握り、ようやく本物だと分かって安堵した。「この酒房はとても面白くて、金髪で青い目の舞姫がいると…それでつい…」舞姫って…( ・`ω・´)キッ! フルフル((・_・ 三 ・_・)) 何も知りません承乾の話ではそのまま遊び疲れて眠ってしまい、翌朝になって火事のことを聞いたという。そこで長歌は鬱憤を晴らすため承乾を縛り上げ、相撲館に預けた。「一応、加減してくださいね」「はい、しっかりしつけます」阿隼は秦老と羅十八(ラジュウハチ)も長歌を探していると教えた。懐かしい名前を聞いて長歌は嬉しそうだったが、急にうつむいてしまう。「合わせる顔がない…」「心配ない、戻れば分かる」一方、皓都は長歌を取り逃し、洛陽府衙に戻った。すると怒り心頭で待ち構えていた楽嫣に頬を叩かれてしまう。バシッ!⊂彡☆))Д´)つづく( ;∀;)イールン…それにしても李夫人、何者?!w
2022.04.10
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长歌行 The Long Ballad第30話「予言の夜」李長歌(リチョウカ)を探して流雲観に乗り込んだ阿詩勒隼(アシラシュン)。偶然にも″無為″という書に惹かれ、静室に足を踏み入れた。しかし荃娘(センジョウ)から知らせを聞いた司徒郎郎(シトロウロウ)が現れ、追い出されてしまう。まさか足元に落ちていたいたずら書きに自分の名前が書いてあるとも知らず…。一方、司徒は郎君が長歌を探していたと知った。「俺の弟子は李長歌であり李十四…?一体いくつ名前があるんだ? …旧友の登場とは面白くなって来たな」その頃、薬の買い出しで街へ出た長歌は阿碧(アヘキ)と露店で茶を飲んでいた。すると後ろの席にいた男が洛陽で大火事が起こると吹聴している。男は意味ありげに天が洛陽の災難の原因が誰かを教えてくれると話し、席を立った。そこで長歌は阿碧を残し、噂を流している怪しい男のあとを追う。しかし男は長歌がつけていると気づき、途中でこつ然と姿を消した。長歌と阿碧が流雲観に戻った。荃娘は2人の留守にある郎君が押し入り、司徒郎郎に追い払ってもらったと報告する。「そうだ、阿離、あなたの部屋に入ってた、何か盗まれてるかも」しかし長歌は街で聞いた噂話が気になって上の空だった。大火事の流言が広まり杜如晦(トジョカイ)も看過できなくなった。そこで梓微(シビ)宮に皇太子を訪ね、皓都(コウト)が酒楼で耳にした噂を伝える。「太子が姿を現さないのは道楽に興じているため、梓微宮の火を絶やさず、それが火元になると…」李承乾(リショウケン)は激怒し、噂の出どころを罰しろと命じた。しかしここまで広まっては噂を抑えることは難しい。杜如晦はともかくろうそくを消して吉日を選び、祭服で天に祈祷するよう助言した。また質素な装いで視察に出かけ、民へ誠意を見せるべきだという。李楽嫣(リラクエン)も弟をかばいようがなかったが、その噂が故意に皇太子と結びつけられていると怪しんだ。長安では皇帝・李世民(リセイミン)と李淳風(リジュンプウ)が碁を打っていた。天象の異常により洛陽で火の難が発生するのは3日後、淳風は洛陽に皇太子がいるため、杜如晦だけに伝えておいたという。すると李世民は皇太子が遊興三昧だという報告を思い出し、急に苛立った。楽嫣が皇太子の代わりに民に善処していることが救いだが、娘の成長が嬉しい反面、その裏で味わった苦難を思うと居た堪れなくなってしまう。そこで淳風は碁石をすべて端に寄せ、適当に石をつかんで転がした。「これは″師の卦″、″災厄 転じて順″…洛陽が面白くなって来ました」流雲観は今日も孫真人の治療を求めて多くの流民が列を作っていた。長歌も手伝いに追われていたが、そこへ魏淑玉(ギシュクギョク)が現れる。「心配で…洛陽を出て身を隠すんだ、杜尚書と皓都が洛陽にいる」皇帝はとっくに長歌を許していたが、杜如晦が頑なに長歌を狙っていた。しかし長歌はここを離れるつもりはないという。杜如晦は長安を発つ前、李淳風から1年の命だと宣告されていた。そこで洛陽へ行ったら7日に流雲観を訪ねるよう助言され、何があるのか確かめに来る。すると思いがけずかの孫思邈(ソンシバク)が治療していると聞いて喜んだ。皓都は早速、兵部尚書が面会したいと申し出たが、孫真人から流民たちと同様に並んで待つようたしなめられてしまう。長歌は孫真人に頼まれ、薬材を取りに行った。仕方なくあとを追うことにした淑玉だったが、その時、列に並ぶ杜如晦と皓都に気づく。そこで薬房に駆けつけ、ちょうど戻ろうとしていた長歌を止めた。しかし淑玉が慌てて誰かを隠す様子を運悪く皓都に見られてしまう。皓都は長歌かもしれないと疑って薬房へ向かったが、静澹(セイタン)真人に行手を阻まれた。「流雲観の薬房にご興味が?」すると杜如晦は騒ぎにならないよう、せっかく並んでいた列を離れて観主に挨拶した。「流民が多いため皓都も悪意ある者が修行を乱すと案じただけ、他意はありません」「流雲観はもとより質素な場所、賊も狙いようがありません、恐らく気のせいでしょう」皓都は仕方なく諦めたが、杜如晦の診察は結局、一番最後になった。淑玉は今のうち自分と一緒に逃げようと言った。「心から君を守りたい、私を信じてくれ」←まだ言ってるwしかし長歌は答えが出るまで離れられないという。「あなたは洛陽府衙でやるべき務めに戻って、身は隠すから心配いらない」すると長歌は取り付く島もなく出て行った。孫真人は杜如晦が淳風の紹介で来たと知り、はっきり宣告した。もはや先は短く、少しでも引き伸ばしたいなら山に隠居するしかないという。それでもまだやり残したことがあると言うなら、自分の薬で3年ほど延命は可能だと教えた。「ただしこの施術は尚書がこと切れる時には苦痛をもたらすかも…」すると杜如晦は3年もあれば十分だと笑う。民のため盛世を築く覚悟の皇帝に心血を尽したいという杜如晦、立ち会った静澹真人は尚書の志に深く感銘を受けた。長歌は観主がわざと皓都を遮ってくれたことに驚いていた。そこで助けてくれたお礼を伝えたが、静澹真人は2人が袂を別つのは惜しいことだという。「私の正体を知っていると?」「…話したくなければ尋ねません」静澹真人は杜如晦の話を教え、やり方が違うだけで恐らく2人の信念は同じだと言った。「教えに耳を貸さず、独断で進めればどうなりますか?」「川にとってみれば水を飲むのが鹿だろうが虎狼だろうが同じこと 虎狼が跋扈(バッコ)しても阻む猟師がいます、つまり川の流れは関係ない」「天道に抗わず流れに身を任せる…洛陽の流民と同じ、田畑を与えれば自分で自分の家を築ける 彼らが求めるのは殺戮ではなく平穏な暮らしです…天道とはどこへつながるのでしょう?」「心を見つけたのなら天道とて見つかるはずです」「なるほど…」長歌はようやく答えを導き出した。「取り戻せると思っていました、でも今なら何に抗いたいのか分かります 屈したくないし待ちたくもない、生あるうちに唐の盛世を見届けないと… この手で乱世を断ち切り、返り討ちにします!」≡≡≡ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ズコーッ! (๑•̀ㅂ•́)و✧「まったく、私としたことが…あなたが平穏な日々に満足するはずがないわね」皇太子は杜如晦の勧めで明日、白馬寺で祈祷を行うことになった。そのため梓微宮の警護が手薄になる。報告を聞いた錦瑟(キンシツ)夫人は計画の成功を確信し、もう1人、見張って欲しいと頼んだ。「梁(リョウ)を消滅させた李靖(リセイ)よ」李靖は屋敷に寄り付かず、今日も大街で人の囲碁に口出ししていた。すると夫人に見つかってしまう。「まだ例の賓客は帰らないのか?」「杜公よ、あなたに兵部を引き継いでくれと…追い払ったわ」李靖は安堵して夫人と帰ることにしたが、その途中、皇太子の不徳で洛陽が大火事になると噂している流民たちを見かける。「俺たちが貧しいのは誰のせいだ?…太子が堕落しているからだろう? だから天が怒って太子に罰を与えるんだ!」その様子を偶然、阿隼も見ていた。李靖は夫人に酒を預け、流民になりすまして皇太子の悪評を流していた男を尾行した。やがて男が逃げ込んだ草屋に踏み込んだが、誰もいない。その時、突然、飛び込んできた男が襲い掛かった。すると阿隼が現れ、男に剣を突きつける。「動くな!…命じたのは誰だ?どこにいる?!」阿隼と李靖は同時に同じ質問をした。2人は驚いて顔を見合わせると、その隙に曲者が逃げ出してしまう。阿隼は瞬時に剣を投げて男の足に突き刺したが、曲者は毒を飲んで自害した。大火事が起こるという予言の当日、楽嫣は日が暮れてから流雲観に長歌を訪ねた。皇太子が明日、祈祷へ行くことに同意したという。そこで長歌は今夜、宮殿に自分を入れられるか聞いた。その頃、承乾は胡楽(コガク)を聞きに行きたいと駄々をこねていた。晟辛は今夜だけの我慢だとなだめて下がり、計画通り崔同(サイドウ)たちを宮殿に引き入れる。すると崔同たちは手分けして宮殿に油をまき、火を放った。李靖は恩人の郎君を誘って茶楼にいた。実は阿隼は長歌が復讐のため皇太子の悪い噂を流したと疑っていたが、死士を使うとは考えられず、無関係だと気づく。李靖は郎君の友が何者なのか気になった。しかし阿隼は少なくとも自分の友は唐を陥れたりしないと伝え、追求するなら付き合えないと席を立とうとする。李靖は咄嗟に郎君を引き留め、梓微宮に皇太子がいると教えた。「友が太子と知り合いなら、そこで友と会えるかもな」その時、梓微宮が火事だと叫ぶ声が聞こえた。その頃、流言に裏があると怪しんだ長歌は楽嫣の馬車で一緒に梓微宮へ向かっていた。しかし急に馬車が止まり、梓微宮が火事だと知る。驚いた楽嫣は皇太子を救うため慌てて戻ったが、すでに乾陽(ケンヨウ)殿は火の海だった。長歌は騒ぎのどさくさに紛れて宮殿に潜入、しかし皇太子の姿はなかった。そこで楽嫣に寝殿にいたのは皇太子の代わりに祭服を着せられた藁人形だったと教える。「陰謀の可能性もあるわ…さっき人に見られた、先に戻るけど何かあったら流雲観へ」「はお、気をつけて」つづく( ;∀;)イールン、居たたまれないわ〜もうやめたげてそして長歌の悟りが意味不明だったw
2022.04.04
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长歌行 The Long Ballad第29話「洛陽の風聞」李長歌(リチャングァ)を探すという共通の目的がありながら阿詩勒隼(アシラシュン)に敵対心を剥き出しにする緒風(ショフウ)。その夜、洛陽の客桟に到着した秦(シン)老は2人のわだかまりを解くため、腕比べで決着を付けるよう勧めた。「宿を壊さんでくれよ」しかし緒風たちが束になってかかっても阿詩勒隼に敵わない。「負けを認めるよ…」「予想以上に強いな?」阿隼は緒風たちに酒を勧めた。「本当に強ければ刺史が首を献上するはめにならなかった…」「公孫恒(コウソンコウ)は英雄だ、そこまで仕えたいと思える者がいるなんて羨ましいよ」緒風たちは阿詩勒隼と酒を交わし、ようやく仲間になった。一方、皇太子・李承乾(リショウケン)は視察もせず、遊び回っていた。その夜も外出禁止の令を無視して梓微(シビ)宮へ出かけ、煌々とろうそくを灯してしまう。「夜を徹して民のために祈って何が悪い?!ふふ、ここは洛陽の不夜城になるぞ~」魏淑玉(ギシュクギョク)は再三に渡って諌めたが、承乾は一向に皇太子としての立場を自覚できなかった。翌朝、李楽嫣(リラクエン)は長歌に会うため市場へ出かけることにした。侍女・安柔(アンジュウ)は公主が独りで外出することを心配していたが、そこへ偶然にも皓都(コウト)がやって来る。そこで安柔は公主が街へ出かけると教え、皓都に護衛を頼んだ。コイツッ!キッ!(。ÒㅅÓ) (・∀・ )<行ってらっしゃいませ~!その頃、阿隼は秦老たちと街を散策していた。ちょうど同じ頃、長歌も楽嫣との約束で街に来たが、運悪く行き違ってしまう。一方、楽嫣は道すがら客でごった返す″張家酥酪(チーズケーキ)″に目を留めた。そこで皓都に買って来て欲しいと頼み、その隙に急いで長歌と合流する。長歌はいつも怯えていた従妹が独りで自分に会いに来る度胸があることに驚いた。「楽嫣、変わったのね…いつも人影に怯え、誰かに守ってもらっていたけれど今は違う」「志が見つかったから、唐の正真正銘の公主になりたいの 飢えた民を見たくない、米の食べられない子もね…あなたのような堂々とした女子になる」「互いに成長したのね」2人はしばし旧情を温めたが、楽嫣はふと皓都のことを思い出した。皓都は買い物を終えて店を出たが公主の姿が消えていた。動揺のあまり菓子を放り出して公主を探し回る皓都、その時、目の前にウサギの飴細工を持った楽嫣が現れる。「あ…飴が食べたくなって…わざと離れたわけじゃないのよ」すると皓都は思わず楽嫣を抱きしめた。「(ぐっ苦しい…)怒っていない?…皓都って見た目ほど怖い人じゃないのね?」皓都は急に気恥ずかしくなり、飴細工をもらって歩き出した。( ˙꒳˙ )<あれ?私のケーキは? 食べました>( ー̀ωー́ )杜如晦(トジョカイ)が洛陽府衙に到着した。皓都は義父の身体が急激に悪化していると気づいたが、杜如晦は年を取れば仕方がないという。それより公主をすぐにでも長安へ護送するよう命じた。しかし皓都は事実上、公主が民を慰撫していると報告し、このまま公主が望むようにさせて欲しいと訴える。杜如晦は皓都の淡い恋心に気づいたが、皓都は慌てて誤解だと否定した。皇太子は大人たちの心配をよそに梓微宮に入り浸っていた。すると暇つぶしに呼び寄せた大道芸人が暴動の際に自分を助けてくれた子供だと知る。恩人との再会を喜ぶ承乾、しかし魏淑玉が来たと知ると晟辛(セイシン)は逃げるように帰って行った。その頃、錦瑟(キンシツ)夫人は晟辛が皇太子に取り入ることに成功したと知った。「どうやら晟辛という駒を潜り込ませたのは正解だったようね …洛陽は空気が乾燥しているわ、火が回りやすいから怖いわね?」楽嫣は長歌に会うため、毎日のように南山を訪ねた。さすがに長歌は怪しまれると笑ったが、楽嫣は杜如晦が洛陽へ来たため気が気でない。「やっぱり流雲観にいた方がいいわ」すると楽嫣を迎えにきた淑玉が思いがけず長歌と再会を果たす。喜んだ淑玉は自分たちと一緒に長安へ帰ろうと言ったが、長歌はもう李長歌はいないと冷たかった。「私は阿離(アリ)よ」しかし紆余曲折を経ても変わりなく助け合っている楽嫣と淑玉の姿を見られたことは素直に嬉しいという。そこで淑玉は阿離と2人で話したいと頼んだが、長歌は流民の世話があるので無理だと断った。「しばらくは私も洛陽に留まるわ、今日はもう帰って」そんな中、洛陽で3日以内に大火事が起きるという噂が広まった。阿離は流民に紛れ込んだ逆賊が何か企んでいると心配したが、静澹(セイタン)真人は全て天命だという。例え魚であろうとその動きや考えを把握できぬもの、人ならなおさら、綻びのない完璧な策だとしても謀とは術に過ぎない。「道こそが根幹である」「道とは?」「目の前の救える者を救わずしてどうする?たとえその後に救えないとしても…」静澹真人は心に従い結果は己が負うのみだと説いた。承乾は恩人である晟辛を探し出した。そこで梓微宮に残るよう命じたが、晟辛は仲間たちも一緒に置いて欲しいと頼む。退屈だった承乾は快諾、しかしすでに遊興に明け暮れる皇太子の悪評は流民にまで広まっていた。杜如晦は李靖(リセイ)の住所を手に入れた。しかしいつも不在で西坊の茶楼か南市の酒坊に入り浸っているという。「何でも凶暴な嫁をもらって逃げ回っているとか…」すると皇太子に手を焼く魏淑玉がやって来た。洛陽の状況は好転しているが、実は皇太子が梓微宮に移ったきり姿を見せないという。承乾は梓微宮で晟辛から大道芸を教わっていた。すると突然、杜如晦が現れ、驚きのあまり転んでしまう。晟辛が身を挺して助けたおかげで事なきを得た承乾、しかしさすがに父の側近には頭が上がらず、大道芸人を帰すと約束した。しかし承乾が素直にお気に入りの晟辛を手放すはずもない。「元の場所に帰すとは言った、確かもとは太常寺の楽童だろう?一緒に長安に戻ればいい」「ありがとうございます!太子殿下!」阿隼は日の出前には独り客桟を出て洛陽中をしらみつぶしに探していた。今日は流雲観を訪ねることにしたが、阿離はちょうど阿碧と街へ出かけてしまう。一方、緒風は長歌の捜索を終えて一足先に客桟へ戻った。羅十八(ラジュウハチ)のことが気になる緒風は何かとちょっかいを出すが、十八の態度はつれない。すると阿隼が戻って来た。そこで緒風は長歌を連れて洛陽に来たのが孫思邈(ソンシバク)という真人で、流民の治療をしながら遊歴していると報告する。行き先は不明だが、洛陽なら流民は南山や流雲観に集まっていた。「流雲観?!」実は阿隼は流雲観で長歌に似た娘を見かけていた。しかし馬車に乗った時、その娘が″阿離″と呼ばれていたため、そのまま見逃してしまう。阿隼は客桟を飛び出し、再び流雲観に駆けつけた。すでに閉門していたが、門を叩くと弟子が顔を出す。「人を探しています!李長歌、もしくは李十四郎という者は?」「そんな人はいませんが…」「ならば孫思邈は?!」「孫真人を呼び捨てにするとは…」すると業を煮やした阿隼は強引に観内に入り、長歌を探し始めてしまう。(」゚ロ゚)」<チャングァ~!つづく(  ̄꒳ ̄)イールンよ…それにしても観主の説教が意味不明だわw
2022.04.04
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长歌行 The Long Ballad第28話「あの頃のように」永安(エイアン)公主・李楽嫣(リラクエン)は弟の代わりに南山の視察へ向かった。すると道すがら弟の亡骸にすがりつく少女・五娘(ゴジョウ)と出会い、自分の姿を重ねて胸を痛める。一方、流雲観(リュウウンカン)では阿碧(アヘキ)が阿離(アリ)と名を変えた李長歌(リチョウカ)に食事を届けていた。「あすぁん!」長歌は阿詩勒隼(アシラシュン)の夢を見て飛び起きると、阿碧が心配そうにやって来る。「阿離、悪い夢でも見たの?…″あすゎん(阿孫)″って誰?飼っていたサルの名前?」「…阿隼よ」「すぁん?じゃあ鳥を飼っていたのね?」「…昔の連れだった、でも私がひどいことをしたの、恨んで会いに来ない方が私も気が楽だわ」その頃、阿隼は中原人の衣に着替え、秦(シン)老たちと行動を共にしていた。偵察から戻った緒風(ショフウ)は長歌らしき女子が確かに医者と若い男と一緒にロバで洛陽(ラクヨウ)に向かったと秦老に報告したが、阿詩勒隼が幼い媛娘(エンジョウ)をあやしている姿を見て激高する。媛娘を親の敵から引き離そうとする緒風、しかし秦老が咄嗟に間に入った。秦老は阿詩勒隼に媛娘を寝かせつけて欲しいと頼むと、興奮する緒風を叱る。「媛娘を第二の小公主のように憎しみの中で生きて行かせるつもりかっ?!」洛陽府衙に戻った楽嫣は皇太子・李承乾(リショウケン)が街へ出かけたと聞いた。視察をさぼって遊んでいる弟に呆れる楽嫣、しかし民の惨状を見るのも勉強になると思い、騒ぎを起こしさえしなければ構わないという。しかしその頃、流民を煽っていた逆賊が街をかっぽする皇太子を狙っていた。「晟辛(セイシン)?夫人がお前を選んだのだ、この先はお前の腕次第だぞ」承乾は大道で見た雑技を気に入り、腕比べが終わると喜んで褒美を撒き散らした。すると群衆が銀子に群がり大混乱、承乾はもみくちゃにされてしまう。護衛たちは皇太子を見失い、騒ぎに乗じた逆賊が皇太子を押し倒してわざと手を踏みつけた。その時、年の頃も近い少年が現れ、承乾を助け出してくれる。承乾はわざわざ薬まで塗ってくれた少年に感謝したが、護衛たちが現れると少年は名前も告げずに逃げて行った。イケメン好きの媛娘はすっかり阿準(アジュン)哥哥に懐いた。しかし阿隼はやはり緒風の言う通りだと気づき、自分に近づいては駄目だと言い聞かせる。「…これは狼笛だ、草原だけにある 償いはできないが困ったらこれを吹け、ご両親に代わって見守る」( ˙³˙♟༄ ピィ~プゥ〜皇太子の評判は人里離れた流雲観にも届いた。慰問に来た皇太子が雑技を見て金をばら撒き、街は大混乱になったという。そのせいで大勢の怪我人を出し、流雲観も手当てに大忙しだった。長歌は相変わらずの皇太子に呆れたが、そこへ司徒郎郎(シトロウロウ)が現れ、これから南山へ行くという。承乾は府衙に帰るなり長安に戻りたいとわめいた。そこで皓都は公主に太子の世話を任せ、騒ぎ立てた物乞いを捕まえに向かう。今までならすぐ切り捨てていた皓都、しかしふと公主の言葉を思い出し、明府に処置を任せた。その夜、野宿していた秦老たちは媛娘がいないと気づいた。緒風たちは手分けして探すことになったが、その時、どこからともなく笛の音が聞こえる。狼笛だと分かった阿隼は慌てて駆け出すと、花を摘んで高台に上がれなくなった媛娘を発見した。安堵した秦老だったが、なぜこんな所まで来たのかと尋ねる。すると媛娘は明日が母の誕生日だと言った。( ˙꒳˙ )<木にちゃいているはにゃには手が届かにゃくて…穴に落ちちったの楽嫣は自ら皇太子の手当てをした。すると魏淑玉(ギシュクギョク)が負傷者の数と戸籍を調べ、一軒ごと慰問に行こうと提案する。しかし承乾はせっかく金をまいたのに仇で返されたと憤慨した。「そうだ、阿姐が代わりに行ってよ!怪我をしたんだ、数日、休ませて」「はあ~今回だけよ」楽嫣は仕方なく弟を許し、部屋を出た。承乾は怪我を理由に流民の慰撫を姉に押し付けた。しかしまた街に出る勇気はなく、淑玉に隋(ズイ)の梓微(シビ)宮に行ってみたいと頼む。梓微宮とは煬帝(ヨウダイ)が民からの搾取で建てた宮殿、淑玉は民の反感を恐れ、それより視察すべきだと諌めた。すると承乾はいかに贅を尽くした宮殿かを見て己を戒めると屁理屈を並べ、強引に出かけてしまう。長歌は今日も南山へ出かけた。すると流民の五娘が静澹(セイタン)真人に頼まれて付近を案内してくれる。五娘は元気がない阿離を心配し、自分の飴をあげた。「阿離姐姐?家族は?」「…いないわ」「私の家族ももういないの… 家は雲州にあって、冬が近くなると草原の人たちが強奪に来たわ その後、災害が重なって生きて行けなくなって、両親は私たちを連れて逃げたの 南へ行くと助かるって…でも父さんは病にかかって死に、母さんも病で… 私たち民は天にすがるしかない、天が命を奪う気なら従うしかないの」五娘は結局、弟と2人で流雲観に流れ着いたが、先日ついに弟まで病で失っていた。「みんなこれで弟はもう辛くないって言うの…阿離姐姐、本当にそうなの?」「…そうよ、もう辛くない、きっと両親と一緒にいるわ」「でも私はちっとも嬉しくない…やっぱり辛い…」長歌は五娘の涙を見て心が締めつけられる思いだった。かつては農民の家に生まれて平穏に暮らしたいと願うこともあったが、どうやら大きな間違いだったらしい。「今頃、気がつくなんて…」長歌はやはり飴を五娘に返し、一緒に観主の元へ戻った。その頃、秦老たちは無事に洛陽へ到着、大普客桟(ダイフキャクサン)に落ち着いた。一方、長歌は五娘のおかげで迷いが消え、観主に自分も流民を救いたいと申し出る。そこへ偶然にも楽嫣が慰問にやって来た。五娘は公主が来たと聞いて喜んで出迎えた。すると楽嫣は民を救済している弟子たちの中に懐かしい従姉の顔を見つける。ついに再会を果たした長歌と楽嫣、2人は互いの無事を喜び、旧情を温めた。「チャングァ…私を恨んでいる?」「過去の私は執着し過ぎるあまり拒み続けた、楽嫣、許してくれる?」「許すも何も…」2人は手を取り合い、再び姉妹の絆を取り戻した。長歌はウサギの刺繍の袋を思い出し、雲州に楽嫣を探しに行ったと話した。しかし皓都に先を越されてしまったという。楽嫣はあの娘が勘違いしたのも仕方がなかったと合点がいったが、その時、雲柔が駆けつけた。「公主!皓郎君が来ました!」驚いた楽嫣は明日あらためて市場で会おうと約束し、長歌を逃がす。長歌は不自然にならないよう早歩きで山荘に向かうと、楽嫣が皓都を引き止めてくれた。「皓都!ちょうどもう行くところよ」「お待ちを…」皓都は長歌に似た後ろ姿が気になって追いかけようとしたが、楽嫣は咄嗟に腹痛を訴える。「月のものが…って、ぁ…( ̄▽ ̄;)」すると皓都は安柔に剣を預け、公主を抱き上げて引き返して行った。|ω・`).oO(あの2人、どうなってるん?!阿隼と緒風はなかなかわだかまりが解けなかった。しかし洛陽にはちょうど視察で皇太子が来訪、しかも城内で暴動も起きているという。その夜、秦老はこんな時こそ力を合わせるべきだと訴え、思い切って阿詩勒隼と緒風に決着を付けるよう勧めた。「宿を壊さんでくれよ」つづく( ;∀;) ユェンニャン…可愛すぎる…
2022.03.27
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长歌行 The Long Ballad第27話「無為」皓都(コウト)は無事に永安(エイアン)公主・李楽嫣(リラクエン)を保護し、洛陽(ラクヨウ)府衙(ガ)で休ませた。うなされる公主を心配し、思わず肩を揺すって声を掛けてしまう皓都、すると楽嫣が飛び起きる。「(はっ)公主、失礼しました」「小五(ショウゴ)は?…小五はどこ?!」「手厚く埋葬させました」楽嫣は自分と一緒にいたせいで小五が死んだと泣き崩れたが、皓都は小五の死に顔が笑っていたと安心させた。そこで楽嫣は小五を送り出すため、皓都に明日、付き添って欲しいと頼む。皓都は自分が怖くないのかと驚いたが、楽嫣にはもはや怖いものなどなかった。安堵した皓都はふと思い出し、以前、弘義(コウギ)宮で落とした平安符を懐から出す。「これが私を導いてくれた…今後も公主を守ってくれるようお返しします」しかし楽嫣は少しでも役に立つならと改めて皓都に贈った。その頃、李長歌(リチャングァ)は司徒郎郎(シトロウロウ)たちと流雲観(リュウウンカン)にいた。ここでは流民たちを保護し、面倒を見ている。流雲観には3つの敷地があり、右は薬房、向かいが孫(ソン)真人の診察室、正面が観主の居所だった。長歌はその裏にある弟子たちの居所に案内され、部屋なら有り余っているので自由に選んで構わないという。付近を見回しながら歩く長歌、その時、″無為″という掛け軸が目に止まった。その部屋は静室と呼ばれ、観主が静修する部屋だという。「この部屋にします」李楽嫣は皓都を連れて小五の供養に出かけた。墓石には″義弟小五の墓″と彫られ、墓前には約束通り食べきれないほどの白米が並んでいる。すると皓都は小五の形見となる腕輪を渡した。楽嫣は小五のような悲劇が2度と起こらないよう、唐の民が戦火に巻き込まれず、飢えや寒さに苦しまない太平の世が来ることを願う。「小五…阿姐(アージェ)が代わりに食べるわね?こんなにあるから飢えも心配ないわ」楽嫣は白米をひとつかみ口に入れ、小五との日々を思い出して涙した。皓都は長安から到着した侍女・安柔(アンジュウ)に公主の世話を任せ、巡回していた。すると夜更けというのに衙門に早馬が到着する。皇帝の親書を受け取った皓都は急いで公主の部屋に駆けつけたが、人の気配はなかった。そこで親書だけ置いて帰ろうと部屋に入った時、ちょうど湯あみを終えたばかりの公主とかち合ってしまう。「お許しを…まさか公主が…その~出直します!」「待って、緊急なのでしょう?」楽嫣は弟が父の代理で洛陽諸県を慰撫に来ると知り、自分がお目つけ役になると決めた。これまでのか弱い公主から一転、皓都は公主がすっかり変わったと目を丸くする。どうやら放浪の旅で禍福を経た楽嫣は立派な公主に成長していた。「以前の私は表面ばかり見ていた、でも人を理解するには心を知らないと… 冷たそうに見えても善人もいるのね」長歌は司徒郎郎から言われた通り、なかなか剣法を習得できずにいた。「…何が違うの?」行き詰まった長歌はふと公孫恒(コウソンコウ)の言葉を思い出し、自分の信念とは何かと思い悩む。一方、羅十八(ラジュウハチ)は長歌を探す道すがら、偶然、阿詩勒隼(アシラシュン)と再会していた。そこで秦(シン)老たちに暗号で連絡し、阿詩勒隼を連れて合流する。緒風(ショフウ)は思いがけず刺史の敵と遭遇し激高、しかし秦老がひとまずなだめた。「李都尉(トイ)の殉死を告知したのはお前か?」「そうだ」秦老は長歌を守るには最上の策だったと感心し、なぜ今になって探し回っているのかと訝しむ。すると阿隼は言葉を選び、″友″だからだと答えた。緒風は敵同士が友とは呆れたが、秦老は合点がいく。わざわざ李都尉の殉死を告知して民の怒りを収めたり、弓の名手である特勤がなぜか李都尉に狙いを付けながら外していた。「…変だと思っていたがようやく分かった、李都尉とは昔からの友ゆえ手を差し伸べたのだな」秦老は感情的にならないよう緒風を諭し、今の目的は若主公を探すことだと言った。「共に関所に入ろう」皇太子・李承乾(リショウケン)が洛陽に到着した。しかし衙門に流民が押し寄せ、全く出入りができないと知らせが来る。魏淑玉(ギシュクギョク)は安全のため道を変えると決めたが、皇太子が止めた。「父上が余を遣わしたのは民の苦難を理解させるため、天下の民のために余が解決せねば 世に知らしめるのだ、後継者はこの世の一級品であるとな」洛陽府衙の前は飢えに苦しむ流民たちが集まり騒然としていた。「余は唐の太子である!反抗するでない!」通りで仁王立ちになった承乾は皇太子としての威厳を見せつけようとした。すると流民を煽っていた黒幕の男たちが目をつけ、流民の怒りの矛先を皇太子に向ける。慌てた淑玉は護衛たちと共に皇太子を守ったが、丸腰の民を傷つけることもできず、剣を抜くわけにいかなかった。その時、黒幕の男が額に血糊を付け、官兵に襲われたと嘘をつく。流民たちはさらに興奮し騒ぎが拡大、収拾がつかなくなった。楽嫣は皇太子が洛陽に到着するも府衙に入ることができないと知った。そこで自ら衙門に立ち、流民たちに食事や寝床も用意すると伝えて協力を訴える。流民は公主の言葉で落ち着いたが、その時、楽嫣は額から血を流している男に気づいた。「止血しないと傷が化膿するわ」楽嫣は薬を塗ってやろうとしたが、なぜか男は怒って逃げ出そうとする。すると皓都は咄嗟に男を捕まえ、血を拭った。「…負傷を装い民を煽ったな?目的はなんだ?」楽嫣は飢えているだけだとなだめて解放させると、皓都はこんな男まで気遣う公主が流民を見捨てるはずないという。こうして立派に騒ぎを収めた楽嫣、実はその黒幕が官兵を襲って食糧を奪っていた男たちだとは気づかなかった。淑玉は公主の元気な姿を見て心から喜んだ。「ずっと探していたんだぞ?国境中、探しても見つけられなかった…私が悪いのだ、すまなかった」「淑玉哥哥のせいじゃないわ、それに私なら無事でしょう?」楽嫣は多くのことを経験したと話し、放浪しなければ生涯、風雪も知らぬままの金糸雀(カナリア)だったという。「これからは2度と苦労はさせないよ」淑玉の言葉に胸を躍らせる楽嫣、そこへ侍女がやって来た。「公主殿下、そろそろ太子のところへ…」楽嫣は淑玉の手を借りて階段を降りると、その様子を皓都が寂しそうに見ていた。承乾は視察に出かけるのが嫌で高熱が出たと嘘をついた。しかし姉にあっけなく見破られ、皇太子が仮病で隠れることなど許されないと叱られてしまう。楽嫣はいつか独り立ちしなければならないと諭し、自分がはぐれている間の経験を話して聞かせた。「…皇族は民に養われている以上、民の人生に責任を持つべきよ、阿弟?儲君(チョクン)の意味が分かる? ″儲″とは蓄えておくという意味、″君″は尊い天下の首…」すると承乾はいつの間にか姉の腕の中で眠っていた。淑玉は公主を見つけてくれた皓都に感謝した。しかし皓都が長歌に執着していなければ公主を見失うことはなかったと釘を刺す。「執念に駆られると己を見失うぞ」皓都は内心穏やかでなかったが、言い返す言葉がなかった。一方、長歌は飲まず食わずで部屋に閉じこもり、壁の書を眺めていた。話を聞いた司徒は様子を見に行くことにしたが、そこへ観主・静澹(セイタン)真人が現れる。「私が話してみましょう」観主は静室を訪ね、微動だにせず掛け軸を見ている長歌に声を掛けた。「何か悟りましたか?」「…幼い頃から師に学び諸子百家に触れるも、道家の教えは嫌いでした 身を守るために戦い、天命と争っても道を切り開く…長年そう信じて来たのです しかし間違いだと気づきました 戦わなければ弟のような大切な人は死なずに済んだのでは? 父のように優しかった人は首を献上しなくても良かったのでは? 私に娘を託した老将軍は危険に身をさらす必要などなかったのでは? そして友の家族まで私のせいで死んでしまった ある先達が亡くなる前に語ったのです、自分の信念を探せと…」長歌はようやく″無為″の意味が分かったと言った。すると観主は悟りを開くことができたのなら、この部屋も役目を果たしたという。長歌は今さら悟ったところで死者は生き返らないと涙したが、観主は悟りこそ貴重だとなだめた。今の洛陽は流民が増え続け、この流雲観も救済で忙しい。「私と孫真人を手伝ってもらえる?…信念とは結局、人に帰するもの、世の美しさを見るべきね 過去にとらわれても煩悩が増すだけです」観主が静室を出ると回廊に司徒がいた。中庭では孫真人がお茶を用意して観主を待っている。「あの所作からただ者ではないと察したはず…正体を尋ねようとは思わんのか?」「…流雲観は″来る者拒まず去る者追わず″です 懐かしいですね、私もあの頃は自分が天下一賢いと思っていました」孫真人は長歌と観主には縁があるようだと笑ったが、観主は孫真人こそ縁が深いようだとやり返した。「ところで明日はここより流民が集まる南山へ行ってみませんか?」悟りを得た長歌はようやく食事に手をつけ、初めて窓から景色を眺めた。阿碧(アヘキ)は安堵し、観主がここを故郷と思って留まればいいと言っていたと伝える。「…そうね、お世話になるわ」「良かった!私とあなたの他に田静(デンセイ)と柳児(リュウジ)も年が近いのよ?これでにぎやかになるわ! 私は王氏阿碧、あなたは?」「私は姓がないの…阿離(アリ)よ」つづく( ๑≧ꇴ≦)ここでまさかの阿離!太子の登場で急激に視聴意欲が落ちている…wまあ〜他にも理由はあるのですが…ゴニョゴニョ
2022.03.26
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长歌行 The Long Ballad第26話「それぞれの後悔」阿詩勒隼(アシラシュン)は養母の死を目の当たりにし、草原での勝利や栄光など無意味だと悟った。そこで可汗に草原を出たいと願い出る。延利(イエンリー)可汗は阿隼の他に鷹団特勤(テギン)は務まらないと引き留めたが、阿隼の失望は大きかった。「自分が強くなればみんなを守れると…でも阿娜さえ守れなかった 草原の英雄にはなれない、草原を去ります、争いたくない、もう十分だ」阿隼の覚悟を知った可汗は認めることにしたが、どこにいても息子を思っていると伝えた。一方、李長歌(リチャングァ)は危機一髪のところで遊歴中の侠客・司徒郎郎(シトロウロウ)と孫(ソン)真人に救われていた。しかし意識を取り戻すと阿隼を深く傷つけてしまったことを思い出し、独りにして欲しいと頼む。…私を許さないで~♪それで二度とあなたを巻き込まず、苦しませなくて済むのなら…司徒郎郎と孫真人は娘に馬車を占領され、仕方なく離れた場所で待っていた。「老爺子、次の村でロバを馬に換えよう、もうすぐ子を産みそうだ、ちっとも動かない」「いいや、ロバはいいぞ~」可汗は鷹団をあとにした。しかし阿伊児(アーイアル)を死に至らしめた阿詩勒渉爾(アシラシャアル)への怒りは収まらない。阿隼を草原につなぎとめる唯一の存在だった阿伊児、これで阿詩勒部最強の鷹団を制御することが難しくなった。「この役立たずめ!」孫真人は娘が心の病だと分かった。手当てしてやっても本人に生きる気力がなければ神仙でも治せまい。そこへ長歌がやって来た。「恩返しが不要でしたらここで失礼します」すると司徒郎郎が急に襲いかかって来る。長歌は瞬時に反応して手合わせしたが、背中を木に打ちつけて激しく血を吐き出した。驚いた司徒郎郎は娘を抱き起こすと、孫真人が脈を診て失笑する。「あれ?どうやらお前の一手が娘の生きる意欲を呼び覚まし、心の憂いを解いたようだ」長歌は瘀血を吐き出していた。渉爾が林の中で合図の口笛を吹いていると阿隼がやって来た。「俺を殺せる絶好の機会だったはず、なぜ助けた?」「阿詩勒隼、お前を本当に殺したいと思ったことはない…」渉爾にとって阿隼は最大の敵だったが、共に育った兄弟でもあった。しかしどんなに努力しても常に阿隼が立ちはだかり、自分を超えてしまう。渉爾は阿隼を逆恨みし、何かにつけて争うようになった。「でも本当に恨んでいたのはお前じゃない…お前に及ばぬ自分だ 過ちは認める、それにお前がいないとつまらん…残って俺に復讐しろよ?」「復讐して解決するなら殺してる!」すると渉爾は阿隼が李長歌のために去るのだと気づいた。阿隼は李長歌こそ命をかけて守りたい相手だと認め、鷹団がひと段落したら血の果てまでも探しに行くという。すると弥弥古麗(ミミクリ)と穆金(ムージン)が駆けつけた。弥弥は恨みがあるなら自分にぶつければ良いと訴え、長歌の居場所を教えて欲しいと泣きつく。弥弥に誤解されていると知った渉爾は長歌なら南で中原人らしき男に助けられたと教えた。「生死までは知らない…その時に落としたものだ」渉爾は阿隼に長歌のかんざしを渡すと、帰って行った。(๑•̀ㅂ•́)و✧<チャングァ…待っていてくれ奕承(エキショウ)公主は中原の風景画を眺めながら昔を懐かしんでいた。しかし突然、可汗が現れ、愚かな渉爾のせいで阿隼が自分から離れてしまったと激怒する。奕承公主は渉爾にもう一度だけ機会を与えるよう懇願したが、可汗は無能な者など草原の王に値しないと一蹴した。「今日よりひと月、禁足だ!能無しの息子と反省せよ!」すると可汗は机に広げてあった中原の画を破いてしまう。一方、鷹団では長歌を捜索していた蘇伊舎(スーイーシャー)が特勤の天幕に駆けつけた。国境で確かに中原人が目撃されており、ロバが引く車に乗った老人と若い男が娘を連れていたという。「治療のため南に向かうと…」長歌の無事を知った阿隼は安堵し、鷹団を穆金に託して出かけることにした。実は阿伊児を運んだ羅十八(ラジュウハチ)も長歌の生存を信じてとっくに去ったという。(^ꇴ^)<隼?…長歌が好きなのか?(  ̄꒳ ̄)<…そうだ、認めるよ、彼女が好きだ(^ꇴ^)<もう伝えたのか?( ̄◇ ̄)<伝えるのか?(; ̄▽ ̄)
2022.03.19
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长歌行 The Long Ballad第25話「失えないもの」阿詩勒渉爾(アシラシャアル)は阿伊児(アーイアル)の首に剣を突きつけ、阿詩勒隼(アシラシュン)に平伏するよう強要した。驚いた阿伊児は自分のために屈しないよう訴えたが、阿隼は自分を育ててくれた大切な養母のために叩頭しようとする。その時、阿伊児は剣先をつかみ、自ら首を切った。「あなぁぁぁぁっ!」渉爾は思わぬ展開に呆然と立ちすくんでいたが、急に恐ろしくなり逃げ出してしまう。義母を腕に抱き取り乱す阿隼、すると阿伊児は最期に愛しい阿隼の頬に触れて息絶えた。阿隼の深い悲しみは激しい復讐心に変わった。しかし狼団に囲まれ、背後から腹を突き刺されてしまう。阿隼は深手を負いながらも狼団を容赦なく斬りつけ、渉爾の姿を探した。阿隼は必死に逃げている渉爾を発見し、咄嗟に弩(ド)を構えた。いきなり足に矢を受けた渉爾は転倒、そこへ阿隼がやって来る。「よくも殺したな…」「俺じゃない…向こうが勝手に…」しかし阿隼は矢をつがえて渉爾に狙いを定めた。一方、李長歌(リチャングァ)は阿隼の身に危険が迫っていると気づき、穆金(ムージン)たちと牙張へ急いだ。すると広場で倒れている狼団たちの中に阿伊児を発見する。「遅かった…」長歌は羅十八(ラジュウハチ)に阿伊児を頼み、阿隼を探しに向かった。阿隼はついに渉爾に矢を放った。「やめて~!」その時、突然、可敦(カトゥン)が現れ、息子をかばって背中に矢を受けてしまう。怒りが収まらない阿隼は再び矢をつがえて構えたが、渉爾と可敦は抱き合って互いに自分を殺せと訴えた。目の前で身を挺し相手を守る母子、阿隼はどうしても次の矢を放つことができず、絶叫して弩を投げ捨ててしまう。雷蒙(レイモン)が狼団を連れて駆けつけた。「阿詩勒隼を捕らえろ!」その時、鷹団が現れ、矢を放って狼団を牽制する。雷蒙はひとまず可敦と小可汗を連れ帰るよう命じたが、興奮した阿隼は渉爾を置いていけと怒鳴った。すると長歌が必死に阿隼を制する。「阿隼!冷静になって!」「冷静だと?…なぜこんなことになった?お前が無茶をしたせいだ!だから阿娜は死んだ!」長歌は返す言葉もなかったが、仕方なく阿隼の首を突いて眠らせた。穆金は阿隼を背負い、十八は阿伊児の亡骸を馬に乗せ、長歌たちは撤退した。しかし渉爾が見逃すと言っても雷蒙は配下を連れ、鷹団を追いかけてしまう。長歌はこのままでは追いつかれると判断、穆金に阿隼を連れて隠れるよう指示し、十八にも阿伊児の亡骸を運ぶよう命じた。「私は鷹師を率いて右に行く、早く阿隼の手当てをして」「おとりになるつもりか?!後で俺が怒られる!」「彼の養母と鷹師を巻き込んだのは私、恨むなら私を…」長歌は鷹団を率いて馬を駆けた。やがて分かれ道に差し掛かると、ここで二手に別れることにする。「阿詩勒部は同族の捕虜を殺さない、狼師に追いつめられたらすぐ降伏して!」「しかし…」蘇伊舎(スーイーシャー)は李軍師の提案に困惑したが、その時、狼団の馬のいななきが聞こえて来た。「分かったわね、必ず自分の命を守って!私に関わってはダメよ!」長歌は独り別の道を行った。しかし追いかけて来た雷蒙が弓矢を放ち、長歌は背中を射抜かれ落馬してしまう。鷹団の幕営に戻った阿隼は意識が戻り、養母の亡骸と対面した。「守れなかった…」阿隼は可汗が渉爾と自分を競わせるため、阿伊児を人質に取ったと分かっていた。あえて養母を突き放すことで守れると思っていたが、まさかこんな結末になろうとは…。「俺はバカだ…父汗に逆らってでも取り戻すべきだった…家族も守れず、勝利や栄光に何の意味が? 心配しないで、隼はもう二度と衝動的にはならない…二度とあんな殺戮はしない 守りたい人たちを必ず守ってみせるよ…」すると阿隼は来世で必ず恩返しすると誓い、叩頭した。穆金は手当てが終わった阿隼に薬湯を持って来た。蘇伊舎たちは狼団に捕まったが、全員、無事だという。しかし長歌はおとりとなって散り散りになり、行方が分からなかった。驚いた阿隼は長歌を探しに行くと言ったが、穆金は傷口が開くと止める。「長歌が助けた命を粗末にするな!」「…阿娜を亡くし、彼女まで失うことなどできない!不慣れな草原で生きて行けると?!」穆金はすでに捜索しているとなだめ、何か分かり次第、伝えると安心させた。「お前は生きて待て!」渉爾は母を心配し、日が暮れるまで可敦の天幕の前で待った。すると天幕から巫医(フイ)が現れ、無事に矢も抜けたと安心させる。しかし小可汗が可敦の天幕に近づくのは良くないと諌め、早く帰ったほうが良いという。実の息子でありながら母の看病もできない渉爾、仕方なく負傷した足を引きずりながら歩き始めたが、ふと月を見上げた。…阿詩勒隼、一体、何の因果なのか、長年、反目して来たが何のためだ?…お互い小可汗と鷹師特勤でなければ良い兄弟になれただろうか?渉爾が天幕に戻ると雷蒙と図魯克(トルカ)が待っていた。牙張に乗り込んだ鷹団は投獄したが、阿詩勒隼は追撃できず幕営に戻ったという。「阿詩勒隼を殺す絶好の機会を逃しました、今後、仕留めるのは至難の業かと…」雷蒙は渉爾の阿詩勒隼への複雑な情に気づいていた。「阿詩勒隼に勝てなければ可汗は可敦との面会すら許さないでしょう …敵を思いやれば己に跳ね返るだけ、今日は母親を失うところだったんですよ?!」「ごうら!お前の忠告などいらぬ!…で李長歌はどうした?」実は雷蒙は李長歌を包囲したが、突然、凄腕の侠客が現れ、李長歌を連れ去っていた。その侠客は身なりからして中原人、鷹師の幕営には向かわず南に向かったという。すると雷蒙はその時に拾ったかんざしを渡した。長歌の行方は一向に分からなかった。弥弥古麗(ミミクリ)は居ても立っても居られず穆金と一緒に捜索に加わったが、手がかりもない。阿隼はやはり狼団に捕まったと考え、渉爾を呼び出した。渉爾が川岸に向かうと阿隼が待っていた。「やはりお前か…あれは昔の暗号だな」渉爾は阿伊児の件なら手違いだったと釈明し、いつも勝者である阿隼への妬みだと認める。「渉爾、いつになれば分かるんだ!」呆れた阿隼は渉爾の胸ぐらをつかみ、小可汗も特勤もただの尊称ではなく、草原の未来を担う存在だと諭した。「幼稚な奴め!昔からずっと幼稚だった!」阿隼は今でも渉爾を八つ裂きにしたい気持ちだったが、例え殺しても養母は戻ってこない。復讐も殺戮も終わりなき争いを招くだけ、阿隼はこれで幕引きすると決め、鷹団と李長歌を解放するよう頼んだ。しかし渉爾は李長歌のことは知らないという。長歌がふと目を覚ますと見知らぬ老夫と侠客がいた。侠客は使徒郎郎(シトロウロウ)と名乗り、孫(ソン)真人と遊歴中に阿詩勒部から長歌を救った恩人だという。「…離れてくれない?」長歌は阿隼を傷つけてしまったことを思い出し、急に悲しくなった。…阿隼、ごめんなさい、私のせいであなたの阿娜が…延利(イエンリー)可汗が狩りから戻った。すでに騒ぎが叔父の耳に入っていると知った渉爾は動揺し、今さらながら阿伊児を利用したことを後悔する。雷蒙はこの機会に阿詩勒隼を排除しようと手を回していたが、渉爾は阿隼に借りがあると訴えた。しかし雷蒙は可敦の侍女とは言え死んだのはただの奴隷に過ぎず、権力を握ってこそ息子として可敦を幸せにできると説得する。「奴への情けは可敦への裏切りです」渉爾は可汗の天幕を訪ね、脱獄した羅義(ラギ)を始末したと報告した。すると可汗は狼団の全精鋭を招集するよう命じ、すぐ出かけるという。「阿詩勒隼はワシが不在の間に唐将を助け、可敦を負傷させた、そんな不届き者を許しておけぬ」「叔汗!…渉爾からご報告があります」穆金は不眠不休で飲まず食わずの阿隼を心配し、天幕に差し入れを届けた。すると阿隼は地図を広げ、以前、調べておいた草場と水源を記している。「もしも牙張が鷹師を捨てたら、全員を率いて移動しろ」穆金は阿隼が鷹団から去るつもりだと気づき、何もかも独りで決めるなと声を荒げた。そこへ亜羅(ヤールォ)が駆けつける。「斥候から可汗と狼師の旗が見えると…すぐ到着します!」穆金は全騎兵を招集するか聞いたが、阿隼は犠牲者を出したくないと止めた。「穆金…このあと何を見聞きしようとも、みだりに動くな、俺の指示に従え それから新特勤を迎える準備を…」「鷹師を率いるのは阿詩勒隼のみ、鷹師の総意だ」しかし阿隼は命令だと言った。阿隼は独りで可汗を出迎えに向かった。そこで阿隼は可汗の前でひざまずき、鷹団の命は見逃してほしいと嘆願する。しかし可汗はひとまず天幕で話そうと言った。可汗は狩り場で第一報を聞いていた。その時は自分の手で阿隼を殺すつもりだったが、牙張で渉爾から事の顛末を聞いたという。渉爾は阿隼への借りを返すため、狼団と鷹団で羅義を追いかけたが、功を焦るあまり阿隼が誤って可敦を傷つけ、誤解した渉爾が阿伊児を人質に取り、悲劇が起きたと説明していた。可汗は養母を失った阿隼に同情し、望みを全て叶えると約束した。すると阿隼は養母が生前、広い世界を見たいと望むも叶わなかったと話し、自分が代わりに世界を見て回りたいという。「もし鷹師を任せられる候補がいれば、その者を私の後継に…」つづく(´-ω-。` )シャRったら…本当はあすぁんと仲良くしたかったのね…って、いよいよ草原編が終わってしまうん?
2022.03.18
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长歌行 The Long Ballad第24話「独り善がりの代償」庫里台(クリタイ)大会、阿詩勒隼(アシラシュン)は決闘に勝利し、堂々と李長歌(リチャングァ)を取り返した。しかし長歌は捕虜となった羅義(ラギ)将軍を見捨てることができず、鷹団に戻ることを拒否する。阿隼は仕方なく延利(イエンリー)可汗に褒美を辞退したが、身勝手な長歌の行動に憤った。阿詩勒渉爾(アシラシャアル)は長歌を連れて天幕を出た。しかし自ら狼団に残ると言い出した長歌に不信感を抱き、阿隼に何か企みがあると疑う。長歌は何も知らないとあしらい、どちらにしても弥弥古麗(ミミクリ)が戻ることはないと釘を刺して居所へ戻った。その夜、長歌は幕営が寝静まった頃を見計らい居所を出た。すると天幕の外で独り酒をあおっている阿隼を見つける。「阿隼、ごめんなさい」「ふん…で、どうやって羅義を救うんだ?」「気づいていたのね、でも約束だから言えない」「誰と?奕承(エイキショウ)公主か?…羅義は救えない、お前でも奕承でもだ」「…とにかく私の邪魔はしないで欲しい、阿隼…感謝はしている」「感謝しているなら今回は俺に従ってくれ」「…もう帰って、関わらないで」長歌は阿隼と別れて独りになると、密かに合図の草笛を吹いた。阿隼は怪我を理由に狩りを辞退、夜のうちに鷹団へ帰ることにした。そこで蘇伊舎(スーイーシャー)に牙張(ガチョウ)の見張りを頼み、特に羅義に関して動きがあったら知らせるよう命じる。「俺が戻ったことは渉爾の耳に入れろ」一方、李楽嫣(リラクエン)は小五(ショウゴ)と2人で洛陽(ラクヨウ)を目指していた。小五は熱が下がったものの咳が治まらず、この数日で痩せ衰えている。しかし小五は楽嫣を心配させまいと、自分を奮い立たせた。翌朝、可汗は慣例通り各部首領たちと狩猟へ出かけた。阿詩勒渉爾は阿隼が昨夜、鷹団へ戻ったきり動きはないと聞いたが、見張を続けるよう命じる。すると可汗の愛馬が逃げ出したと知らせが来た。「偶然すぎる…李長歌がいるか確かめに行くぞ」しかし奴隷の居所に長歌の姿はなかった。可汗の不在中に一体、何を企んでいるのだろうか。「そうだ、今、最も警備が厳重なのは…(はっ!)」その頃、長歌は阿伊児(アーイアル)と一緒に水汲みに出かけていた。あやうく守衛に見破られそうになったが、可敦(カトゥン)が現れ、事なきを得る。やがて人目のない場所まで出ると、長歌と阿伊児は樽に隠れていた羅義を出した。阿隼の予想通り牙張で動きがあった。長歌と羅義が姿を消し守衛が捜索中、小可汗も追跡しているという。穆金(ムージン)は羅義に関われば巻き込まれると警告したが、阿隼は穆金の手を振り払って飛び出して行った。阿詩勒渉爾が牙張に戻って来た。すると配下が駆けつけ、水汲みから戻った阿伊児の荷車に血痕があり、捕らえたと報告する。…阿伊児だったとは、まさか母上が?…渉爾は阿伊児を密かに自分の天幕に移すよう命じ、続報を聞いた。脱獄した羅義は樹林添いに東へ移動中と分かり、雷蒙(レイモン)が追っているという。「南から回り込むぞ!」燕雲(エンウン)十八騎の唯一の生き残り・羅十八(ラジュウハチ)は昨夜の長歌の草笛に呼応し、駿馬を用意して待っていた。しかし主と合流できたのも束の間、雷蒙たちに追いつかれてしまう。「追っ手が多い…」足を負傷している羅義は永寧郡主の足手まといになると考え、これも天命だと覚悟を決めた。「羅十八よ、命令だ、お前の新しい主は李長歌、叩頭せよ! …郡主、十八は私にとって娘も同然、今日、我が娘を郡主に託します」すると羅義は十八に最後の命を告げた。「長歌を連れて逃げよ!」こうして羅義は長歌と十八を逃がし、雷蒙の剣で絶命した。十八は絶望の中、長歌を連れて必死に馬を駆けた。しかし前から阿詩勒渉爾たちが現れ、行手を阻まれてしまう。長歌は十八に逃げるようささやいて自ら馬を降りたが、十八は決して動こうとしなかった。その時、突然、弓矢が飛んでくる。渉爾は咄嗟に避けたが、落馬した。キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!阿詩勒渉爾の前に阿隼が現れた。「俺のものだ、連れて行く!」長歌を巡って対峙する鷹団と狼団、そこへ雷蒙が追いついた。すると雷蒙は隼特勤(テギン)をなだめ、独断で李長歌を手放してしまう。阿隼は長歌を自分の馬に乗せ引き返した。怒りが収まらない阿詩勒渉爾は追いかけようとしたが、雷蒙に止められてしまう。「あの奴隷が羅義を逃したことで、可汗は渭水(イスイ)の矢も故意だったと怪しむでしょう その奴隷を阿詩勒隼が救ったのです、これで小可汗は無関係となり鷹師が疑われます」雷蒙は公主の命で小可汗を守っていた。小可汗を後継者にするため鷹師を消すのが責務、しかし渉爾にとって策略など関係ない。「阿詩勒隼は俺の獲物!あいつに勝って草原中に知らしめてやるんだ!」長歌は阿隼に馬を止めるよう頼んだ。しかし阿隼は無視して疾走する。長歌は仕方なく後ろから強引に手綱を引っ張り、馬を止めた。「今度は何だ?!」「これで鷹師も巻き込まれてしまう」「俺が考えることだ、お前は関係ない」そこへ穆金が駆けつけ、阿隼に文を届けた。阿隼は穆金から文を受け取ると顔色が一変した。そこで長歌を連行して先に戻るよう命じたが、長歌は自分で蒔いた種は自分で刈るという。するとこれまでになく阿隼が感情を爆発させた。「黙れっ!…ならなぜ強行した?!羅義を救えたか?!羅義は死に、お前も鷹師も巻き込まれた! 李長歌、お前が招いた結果だ!…もうお前は鷹師とは無関係、中原へ帰れっ!…うせろっ!」(; ̄◇ ̄)<ぁ… ガーン…(꒪ꇴ꒪〣)長歌はひたすら馬を走らせた。するとしばらくして十八がついて来ると気づき、馬を止める。「十八、もう行って、羅将軍の話は忘れていいの」「…死ぬまで主に背かぬのが掟です」( ゚д゚)<え?話せるの?…ずっと黙っていたから( °_°)<話す必要がないので…十八は自由だと言われても、どうしていいのか分からなかった。そこへ穆金がやって来る。「何?私が草原に居座るとでも?」「阿隼はそれを案じてる…」長歌は穆金に文の内容を聞いた。しかし穆金は中身を見ていないという。長歌は阿隼が文と一緒に入っていた耳飾りを見て怒り出したことを思い出し、牙張に阿隼と関係がある女性がいるか聞いた。「(はっ!)母親か…」「母親?身寄りはいないはずじゃ…」「養母だよ、阿伊児だ!」幼い阿隼を拾って育ててくれたのは阿伊児だった。可汗が阿伊児を牙張に置いているのは阿隼を従わせるため、すると長歌は罠だと気づく。「阿隼の身が危ない!早くしないと!」阿隼は独り牙張に戻った。すると渉爾が阿伊児を人質にして待ち構えている。「ふっ、ひざまずいて非を認めれば命は助けてやろう、生死はお前次第だ」阿隼は天を仰ぎ、養母のために剣を捨て、ついに膝をついた。愛しい阿隼の惨めな姿に阿伊児は必死に首を横に振って泣き叫んだが、渉爾はさらに叩頭しろと迫る。つづく( ;∀;)あすぁん!カッコいい!
2022.03.13
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长歌行 The Long Ballad第23話「中原から来た女」阿詩勒(アシラ)部の捕虜となった羅義(ラギ)と密かに接触した李長歌(リチャングァ)。しかし独房を出たところで運悪く警戒中の兵士に見つかってしまう。「新しい奴隷です、通りかかっただけで…」「通りかかっただと?ではあの倒れている見張りは何だ?!」そこへ可敦(カトゥン)の侍女・阿伊児(アーイアル)が駆けつけた。口が利けない阿伊児は身振り手振りで長歌が可敦の天幕の奴隷だと説明、兵士を納得させる。長歌はなぜ阿伊児が自分を助けてくれるのか分からなかったが、そのまま話を合わせて可敦の天幕を訪ねた。可敦は滅亡した隋(ズイ)の奕承(エキショウ)公主だった。若かりし頃には自身も男装していた経験からか、可敦はひと目で長歌が女子だと見抜く。そこでなぜ羅将軍を助けようとしたのか聞いた。長歌は仕方なく独房に潜入したことを認めたが、亡き父が羅将軍の配下だったと嘘をつく。実は羅義は隋王朝時代に涿(タク)郡に駐留しており、可敦も忠義ある勇敢な英雄だと知っていた。「あなたはあまりに私と似ている…渭水(イスイ)でのことなら私も耳にしたわ 私の予想ではあなたは唐皇を救ったのね?」すると可敦は中原を戦火から守ってくれた長歌に感謝した。長歌は公主の協力があれば羅義を逃がせると期待したが、可敦は誰も牙張から逃げ出すことはできないという。何より正妃とは言っても延利(イエンリー)可汗にとっては所詮、中原からやって来た信用できない女、可敦には何の力もなかった。一方、隊伍とはぐれた李楽嫣(リラクエン)は小五(ショウゴ)と2人で旅を続けていた。小五はいつの間にか楽嫣を本当の姉のように慕い、楽嫣も小五の面倒を見ているうち、皇帝としての父の苦労を理解するようになる。「長安に帰ったらあなたを父上に会わせるわ、長安に着けば食べ物を奪い合わなくていい あなたには礼儀や学問、音楽や詩を教える、武術が学びたいなら達人を招いて師事させるわ…」楽嫣は洛陽(ラクヨウ)にさえ到着すれば全て良くなると安心させたが、小五はいつの間にか眠っていた。阿伊児は長歌に差し入れを持たせて見送った。なぜか長歌を愛おしそうに見つめる阿伊児、すると居所へ戻る長歌の前に阿詩勒隼(アシラシュン)が現れる。「可汗の天幕に滞在できることになった、こっそり様子を見に来たんだ(はっ!)…誰が手当てをした?!」「奕承公主よ、食べ物と薬をもらったの」「牙帳では俺以外は誰も信じるな、中原人でもな」阿隼は庫里台(クリタイ)大会までに救出する方法を考えておくと安心させたが、すでに長歌は羅義が捕虜になったと知っていた。「見捨てることはできないわ」「救出は不可能だ!」「命を懸けるまでよ…その時は私を止めないで」すると阿隼は思わず長歌を抱きしめ、生きて欲しいと伝えて戻って行った。庫里台大会の日、可汗が最も寵愛する錦瑟(キンシツ)夫人が牙張に現れた。可汗と3ヶ月ぶりに顔を合わせた錦瑟は可敦などお構いなし、ろくに挨拶もせず可汗の膝に乗る。「定㐮(テイジョウ)にいる隋室の寡婦や童たちはどうしておる?」「ご安心ください、蕭(ショウ)皇后と幼い隋王なら私に頭も上がりません、ふふふ~」すると可敦は定㐮に残る隋の民たちを思い、舒勒(シューラー)可汗は蕭皇后と皇孫を厚遇すると約束してくれたと口を挟んでしまう。これに可汗は憤慨、舒勒の息子・阿詩勒渉爾(アシラシャアル)が今回の南征で失態したことを持ち出した。可敦は息子を守るため慌てて退席することにしたが、錦瑟はわざと可汗に喉が乾いたと訴える。そこで可汗は奕承に酒を注ぐよう強要した。可敦は屈辱に耐えながら錦瑟に酒を注ぎ始めたが、うっかりこぼし、激怒した可汗に酒を浴びせかけられてしまう。可敦の我慢も限界に来ていた。そこで長歌を天幕に呼び、これまでの鬱憤をぶちまける。30年前、啓民(チーミン)可汗に嫁いだ奕承公主、しかし逆縁婚の慣習により始畢(シービー)可汗、舒勒可汗、そして延利と婚姻を繰り返して来た。「自尊心をずたずたにされたわ…実の息子にも会わせてもらえない」「息子が?」長歌は渉爾が舒勒可汗と公主の息子だと知った。しかし公主が延利の可敦になったため、表向き母子として認められないという。実は可汗は渉爾にも母親に密かに会えば天狼神の呪いで病となり、母親が死んでしまうと吹き込んでいた。すると可敦は庫里台大会が終わると可汗が慣例通り各部首領たちと狩猟へ行くと教え、長歌にある計画を耳打ちする。「だからその時…」ヒソヒソ…(ノ°д°(・ω・)ハッ!阿詩勒渉爾は偶然、母の天幕から出てくる長歌を見かけた。そこで長歌を引っ捕まえ、どんな企みがあって可敦に近づいたのかと迫る。長歌は無視して帰ろうとしたが、憤慨した渉爾は長歌の首をつかんで脅した。すると長歌の首にのどぼとけがないと気づき、実は女だったとばれてしまう。「ふっ、そういうことか…」渉爾は長歌と弥弥古麗(ミミクリ)が親密な理由を知って安堵し、思いがけず阿詩勒隼の弱みを握った。阿詩勒渉爾は庫里台大会の酒宴に美しい奴隷を連れてやって来た。奴隷は面紗(メンシャ)で顔を隠していたが、阿隼はすぐ長歌だと気づいて呆然となる。すると可汗は狼団にこれほど美しい奴隷がいたのかと驚き、どこか見覚えがあると言った。しかし嫉妬した錦瑟に諌められ、長歌は正体を暴かれずに済む。渉爾の挑発に怒り心頭の阿隼、そこで可汗に庫里台大会のしきたりに従い渉爾との決闘を申し出た。「俺が勝ったら隣の奴隷は俺がもらう!」「叔汗、隼特勤(テギン)の挑戦なら渉爾も断れません」そこで渉爾は自分が勝ったら鷹団の奴隷になった弥弥をもらうと言った。大切な人を守るため戦うことになった阿詩勒隼と阿詩勒渉爾。2人は激しい攻防を繰り広げ、やがて阿隼が渉爾の剣を弾き飛ばすことに成功する。しかし渉爾は柄(ツカ)に隠していた小刀を抜き出し、阿隼の一瞬の隙をついて襲い掛かった。阿隼は咄嗟に剣で止めようとしたが胸を刺され、さらに小刀に仕込んであった鉄鎖で首を絞められてしまう。劣勢となった阿隼の姿に動揺を隠せない長歌、その時、阿隼が渾身の力で鉄鎖を引きちぎり、渉爾を蹴り飛ばした。渉爾は勢い余って剣の上に倒れそうになったが、阿隼は情けをかけて助けてくれる。「渉爾、お前の負けだ!」阿隼は勝利をおさめ、堂々と長歌を連れて帰れることになった。しかし長歌はこのまま羅義を見捨てることができない。一方、渉爾は可汗から天幕に呼ばれ、叱責されていた。「首領らの前で阿隼に破れるとは…草原を中原人に渡すつもりか?!」するとそこへ戦利品の奴隷が駆け込んでくる。「大可汗!私を牙張に置いてください!私は牙張の奴隷、主は1人だけです」可汗は仕方なく縛り付けて鷹団へ送ると約束したが、阿隼は長歌の願いを叶えることにした。「結構です、渉爾に仕えさせます…2人ともお似合いだ」つづく(  ̄꒳ ̄)やはりラバちゃんはこうでないとね〜
2022.03.12
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长歌行 The Long Ballad第22話「牙帳の掟」自分を救った弓矢のことが頭から離れない李世民(リセイミン)。すると魏徴(ギチョウ)は息子の話として李長歌(リチャングァ)が談判の前夜、阿詩勒部へ向かったと伝えた。長歌が放った弓矢だと断定はできないが、もし皇帝暗殺を知れば全力で阻止するだろう。「はあ~もし長歌だとしたら…余計に申し訳なく思う」一方、皓都(コウト)はついに雲州を発った隊伍に追いついた。李楽嫣(リラクエン)と小五(ショウゴ)を襲撃した男は官吏が探しているのがあの娘だと気づき、まずいことになったと焦る。そこで長い道中、いつの間にかいなくなる者もいると説明し、先を急いだ。魏淑玉(リシュクギョク)は皇帝に謁見した。斥候からの情報によるとあの弓矢を射たのは小可汗が率いる狼団の精鋭で、小可汗は延利(イエンリー)可汗に叱責され、狼団も草原に戻ったという。もしあの弓矢を放ったのが本当に長歌だったら、ただでは済むまい。李世民と淑玉は共に長歌ではなかったという報告に胸を撫で下ろした。牙帳に可汗が戻った。可汗の正妃・可敦(カトゥン)はすぐ挨拶に向かったが、何も収穫がなかった可汗の表情は硬い。「その辛気臭い顔を見ると気が滅入る!」可敦は息子の阿詩勒渉爾(アシラシャアル)が何か仕出かしたと知り、おずおずと天幕を出た。鷹団の領地に戻った阿詩勒隼(アシラシュン)は長歌を助けるため、礼品を持って牙張を訪ねると決めた。3日後は庫里台(クリタイ)大会、隼は可汗に渉爾との決闘を申し込んで長歌を取り戻すという。穆金(ムージン)は渉爾にかえって隼を殺す正当な理由を与えてしまうと訴え、危険だと反対した。しかし隼は危険だからこそ長歌を救いに行くという。すると弥弥古麗(ミミクリ)が長歌への差し入れを持って駆けつけ、一緒に行きたいと懇願した。「特勤(テギン)、私も連れて行って!必ず役に立つわ」阿詩勒渉爾は可汗との謁見も許されず、狼団で腐っていた。すると図魯克(トルカ)が駆けつけ、例の中原の奴隷を見たことがあるという。「幽(ユウ)州で阿詩勒隼の味方を…」「ふっ、やはりな…奴を連れて来い」一方、隼と弥弥は狼団の陣営に到着、早速、奴隷の居所を訪ねた。しかし少し前に小可汗の配下が新しい奴隷を連れて射的場に連れて行ったという。阿詩勒渉爾は長歌を縛り付けて標的にした。「可汗に会いに行き、鷹師の内偵だと白状するか?!」「知らない、内偵じゃない!」すると憤慨した渉爾はついに弓を引いた。しかし矢を放った瞬間、駆けつけた阿詩勒隼が咄嗟に矢を掴んで阻止する。「正気なのか?!」隼は思わず声を荒らげ、渉爾を突き飛ばした。あの冷静沈着な隼の慌てように渉爾はやはり2人がただの関係ではないと気づく。「阿詩勒隼、ここは鷹師の幕営とは違う、お前の配下でもないなら奴隷をどうしようと勝手だろう? だがせっかくだ、腕比べをしないか?あいつが戦利品だ、3本勝負、お前が勝ったら連れていけ」「…はお」図魯克は長歌の頭に林檎を乗せた。幼い頃は共に技を競い合い、いつも戦利品の林檎をかけて腕比べした阿詩勒渉爾と阿詩勒隼、すると2人は見事に長歌の頭の林檎を射抜く。「昔はお前が負けた」「昔は昔、今回はどうかな?」「負けただけでなく、悪あがきしたな」あの時、可汗は腕比べに勝った隼に林檎を差し出した。しかし面白くない渉爾が横取りし、2人はつかみ合いの喧嘩になってしまう。最後の勝負になった。渉爾はわざとひと回り小さな林檎に替えて隼を牽制する。慎重に狙いを定める隼、すると渉爾が直前で目標を林檎ではなく長歌の頭に変えて矢を放った。驚いた隼は咄嗟に渉爾の矢を射て阻止したが、激高のあまり渉爾を殴ってしまう。阿詩勒隼は急いで長歌を解放した。「怖かっただろう?」長歌の額にはわずかに傷ができている。そこへ炻辛思力(シーシンスーリー)が現れ、可汗が隼を呼んでいると知らせた。すると渉爾は隼の最後の矢が外れたので、奴隷は引き渡せないという。「行って…私は平気よ、阿隼」「数日、耐えてくれ、必ず助ける」↓( ゚д゚)今、阿隼って言ったか?言ったか?長歌が奴隷の居所に戻ると弥弥が待っていた。弥弥は長歌の傷を見て驚き、鷹団から持って来た薬で手当を始める。その時、阿詩勒渉爾が居所に向かっていた。渉爾は弥弥の姿を見つけて笑顔になったが、長歌と仲睦まじい様子に憤慨、足を止める。一方、可汗は鷹団の被害が最小限であることを高く評価し、褒美を出すと決めた。そこで隼は褒美の代わりに庫里台大会への参加を認めて欲しいと願い出る。可汗は喜んで許したが、ただし焦って和を乱さないよう釘を刺した。こうしてこのまま牙張へ止まることが認められた隼、すると兵士が駆けつけ、羅義(ラギ)を捕縛したと報告する。「わははは~天狼神よ!ようやくワシに味方してくれた!これは天意だ!」涇(ケイ)州で反乱を起こした天偈(テンゲ)軍総帥・羅義は李世民に敗れ、数名の警護だけで草原へ逃げていた。唐の駅站(エキタン)や軍の配置を知り尽くしている羅義、可汗は羅義を阿詩勒部に投降させれば鬼に金棒だという。牙張を出た阿詩勒隼はふと可敦の天幕を見た。すると可敦の侍女・阿伊児(アーイアル)が隼の姿を見て嬉しそうに微笑んでいる。隼は挨拶もできず、ただ黙って長歌の居所へ向かった。長歌は狼団に見つかる前に弥弥を帰すことにした。しかし外で阿詩勒涉爾が待ち構えている。実は弥弥はかつて渉爾の奴隷だった。渉爾は初恋の相手である弥弥との再会を喜んだが、そこへ阿詩勒隼が現れる。「弥弥に何のようだ?鷹師の人間だぞ?」「何?!…阿詩勒隼の配下だと?!」「弥弥、戻れ」「はい」渉爾は思わず弥弥の腕をつかんで引き止め、自分に何か言うことはないかと迫る。そこで弥弥は友である長歌を殺さないでほしいと頼み、帰って行った。阿詩勒渉爾は長歌に殺しはしないが優遇もしないと言い放ち戻った。すると阿詩勒隼はしばらく様子を見に来られないが、庫里台大会が終われば迎えに来ると約束する。そんな隼の様子を物陰から阿伊児が見ていた。天幕に戻った阿詩勒渉爾は雷蒙(レイモン)を呼んだ。弥弥古麗のことを聞かれた雷蒙は漠北の出身の奴隷だと思い出し、当時は可汗が甥の気が散ると別の場所に移し、その後、可汗が鷹師に与えたという。「俺だけ知らなかったわけか…」翌日から長歌は重労働を科せられた。すると偶然、幕営に連行される罪人を見かけ、驚愕する。長歌は打ち損じた釘を拾うふりをしてこっそり隠し持ったが、その様子をまた阿伊児が見ていた。可汗は羅義が到着したと知り、すぐに面会した。しかし羅義は死んでも阿詩勒部に下るつもりはないと一蹴する。一方、阿詩勒渉爾は苦々しい表情で長歌を眺めていた。働く姿はまるでひ弱な女のよう、なぜ弥弥はあの男に惹かれたのだろうか。「雷叔、奴をこき使え、休ませるな」その夜、長歌は父と懇意だった羅義と接触するため、密かに天幕に向かった。するとなぜか見張りが倒れ、門が少し開いている。長歌は静かに中へ入り、将軍の独房の掃除に来たと言った。その時、梁に隠れていた刺客が現れ、長歌に襲いかかる。「十八!待て!…今、私を将軍と?お前は誰だ?!」「…10年前、東宮の花園で角弓を頂きました、私を″さすが虎の娘だ″とおっしゃった」羅義はすぐに永寧郡主だと分かった。長歌は詳しい話を後回しにして羅義を逃すことにした。しかし羅義は脚を折られており、鎖を解いても逃げられないという。「郡主が生きているなら希望はある…」羅義は阿詩勒部と共に長安に攻め入れば、郡主の名で太子派を集めて李世民を倒せると期待した。驚いた長歌は再起のために無垢の民を巻き込んではならないと反対する。「土は国に殉ず、どうかお考え直しを…」すると羅義は高笑いし、実は郡主の本音を探っただけだと暴露した。←いや聞こえるから( ̄▽ ̄;)永寧郡主は国を思い、唐を救うために捕虜になっていた。敬服した羅義は延利に屈することはないと安心させ、郡主の無事を願う。そこで長歌は十八にすぐ逃げるよう勧め、将軍を解放したら合流しようと言った。十八は主を見捨てて逃げることができず、黙ってひざまずく。「燕雲(エンウン)十八騎の生き残りはお前だけ、遠くへ逃げろと命じたのに助けに来るとは… 早く行け!」長歌は十八を逃し、羅義に傷薬を渡して天幕を出た。しかし運悪く警戒中の兵士に見つかってしまう。つづく
2022.03.06
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长歌行 The Long Ballad第21話「勇士の矢」渭水(イスイ)の両岸に集結した唐軍と阿詩勒(アシラ)軍。唐の皇帝・李世民(リセイミン)は″空城の計″で延利(イエンリー)可(カガン)を牽制しながら、戦を回避しようとしていた。「どうしても戦うのなら今夜、渭水から一歩も引かん! 退路を残しておきたければ、明日の正午、この橋の上で再度、機会を与えよう! 大唐と改めて友好を築くのだ!」李世民はそこで一旦、退いたが、阿詩勒軍は攻めて来なかった。魏淑玉(リシュクギョク)は皇帝が陣営に戻るとすぐ、李長歌(リチャングァ)に逃げられたと報告した。しかし李世民は生きていれば良いという。「残りたくないのなら誰にも止められぬ…」一方、阿詩勒軍の偵察のため北岸へ渡った長歌は再び阿詩勒隼(アシラシュン)に捕まった。隼は長歌を連れて急いで自分の天幕に戻り、出征は本意ではないと釈明する。そこへ運悪く可汗と小可汗・阿詩勒渉爾(アシラシャアル)がやって来た。長歌は物陰に身を潜め、可汗の話に耳をそばだてた。すると可汗は唐と盟約を結ぶことに同意したが、それは表向きだという。「お前たちは最も弓に長ける精鋭を出せ、北岸に射手を潜伏させ、杯を交わす際、射殺する」どうやら李世民の作戦が功を奏し、可汗は今回の南征で唐軍を破るのは無理だと判断していた。しかしせめて一矢報いようと李世民を殺すという。長歌は戦に反対と言いながら可汗に加担する阿詩勒隼を非難した。しかし隼は自分が行かなくても誰かが暗殺を決行するという。「私は出て行く!」「どこにも行かせないぞ!…誰か!」隼は長歌を拘束し、天幕から出さないよう命じた。その頃、長歌にまた絶縁された淑玉はひとり物思いにふけっていた。…長歌、君は執着し過ぎる、なぜ分からないんだ ←いやお前もなw( ̄▽ ̄;)…まあ良い、夜が明ければ盟約だ、君が去った後で良かった淑玉は明日、生き延びることができたら今度こそ李楽嫣(リラクエン)を探し出すと誓った。一方、隊伍と一緒に南下していた楽嫣は物乞いの少年と打ち解けていた。少年は乱暴で生意気だったが、実は両親を知らず、名前さえないという。物心ついた時から辺境でひとりだったが、物乞いの仲間たちと楽しく暮らしていたと強がった。「俺は上から5番目、子分だっていた!」しかし仲間たちは飢えや寒さで病になったり、盗みがばれて殺されたり、気がつけば皆、死んでしまったという。そこで楽嫣は少年を小五(ショウゴ)と呼ぶことにした。楽嫣と小五は隊伍から少し離れて暖をとった。そこへ楽嫣の焼餅(シャオピン)を盗んで小五に頭を殴られた男が現れ、2人を襲撃する。楽嫣は咄嗟に小五をかばい、棒で打たれた。驚いた小五は土下座し、姉を許してほしいと懇願する。男はさらに小五を何度か棒で殴りつけたが、やがて気が済んだのか戻って行った。その夜、本当の姉弟のように肩を寄せ合い眠った楽嫣と小五、すると翌朝、目を覚ましてみると隊伍がいない。「小五、早く起きて、皆を追いかけなくては…」しかし小五は高熱を出して動けなかった。渭水では唐軍と阿詩勒軍が見守る中、李世民と可汗は橋のちょうど中間に設けられた席に着席した。北岸の草むらから李世民を狙う狼団の弓兵たち、その中に狼団に成り済ました長歌が紛れ込んでいる。一方、阿詩勒隼たちは別の場所から李世民を狙っていた。すると蘇伊舎(スーイーシャー)が駆けつけ、軍師がまた消えたと報告する。驚いた隼は弓を降ろし、恐らく長歌は現場に来ていると踏んで探しに向かった。李世民はまず人質だった炻辛思力(シーシンスーリー)を引き渡した。すると可汗は皇帝の度量の広さに敬服し、杯を交わすことにする。一斉に弓を引く狼団と鷹団の弓兵、その時、長歌が先走って矢を放ち、李世民の杯を吹き飛ばした。唐軍は阿詩勒軍より早く飛び出し、皇帝を救出して可汗と炻辛思力を包囲した。思いがけず窮地に追い込まれた可汗は動揺を隠せず、何者かが自分を陥れようとしたと苦しい言い訳に終始する。「今回は大目に見てもらいたい、真相を調べて必ずや説明しよう!」そこで軍営を北上させるよう伝令し、誠意を見せた。炻辛思力は対岸で待つ阿詩勒軍へ戻り、直ちに軍を撤退させた。しかし帰路で細苾咄(シビド)が軍を止め、撤退したと見せかけて襲撃すれば大勝利できると訴える。兵士たちも確かにその通りだとにわかに騒がしくなった。阿詩勒渉爾は反対しようとしたが、咄嗟に雷蒙(レイモン)が止める。「可汗が死んだから何です?あなたの責任ではない、阿詩勒隼も静観しています…」すると細苾咄は邪魔をする炻辛思力を捕らえるよう命じ、渭水に戻ると声を上げた。その時、隼が放った弓矢が細苾咄を射抜く。「鷹師よ!可汗は撤退を命じた!刃向かうものはその場で殺せ!」( ๑≧ꇴ≦)またSunに持っていかれてしまうシャRw阿詩勒軍は約束通り90里、後退した。李世民は見事な絶技で自分の杯を射た者の正体が気になり、斥候に阿詩勒軍を探るよう命じる。「唐を思う勇士ならば必ず助け出さねばならぬ…」一方、長歌は李世民暗殺を仕損じたとして可汗の前に引っ立てられた。阿詩勒渉爾は思わず長歌を引っ叩き、狼団の兵士ではないと訴える。しかし長歌は無名の兵まで知っているのかと反論した。「大可汗!李世民は家族の敵、奴が突然、杯を上げなければ復讐を遂げていました もう一度、私に機会を下さい!」焦った渉爾は全て虚言だと否定、自分を陥れる罠だと阿詩勒隼を睨みつける。するとそこへ炻辛思力が駆けつけ、取り急ぎ帰路での一件を可汗に耳打ちした。可汗は造反した細苾咄を処刑した阿詩勒隼を褒め、望みを聞いた。そこで隼は長歌を助けるよう進言、尽力した兵士を殺しては軍の士気が下がるという。「忠誠に免じて命を助けてやれば、各部の勇士らも心に刻むはず 今後も阿詩勒部のために勇敢に戦うでしょう」可汗は大局を重んじる隼を称え、渉爾を役立たずだと罵って追い返した。「さっさと配下を連れて帰れ!しばらく姿を見せるな!」楽嫣は風邪をこじらせた小五を腕に抱いて目が覚めるのを待った。すると楽嫣の歌声に気づいたのか、小五の意識がようやく戻る。小五は楽嫣が自分のために隊伍とはぐれてしまったと気づき、ほとほとお人好しだと呆れた。「これじゃ洛陽(ラクヨウ)どころか、数里も行かずに狼に食われるぞ?」しかし楽嫣は小五と2人で生き抜くと誓った。阿詩勒隼は鷹団へ戻り、李軍師が狼団を騙って連行されたと教えた。驚いた亜羅(ヤールォ)はすぐ助けに行こうと言ったが、努爾(ヌアル)が止める。李軍師と鷹団の関係が明らかになれば救うどころか、かえって李軍師の苦心が無駄になるからだ。「でも狼師も領土へ帰る、小可汗が軍師を放っておくはずない!」「俺が助ける!…むざむざ死なせるものか」「助ける?誰のことだ?」その声は阿詩勒渉爾だった。珍しく阿詩勒隼が動揺する姿を見た阿詩勒渉爾は、やはりあの兵士が鷹師の回し者だと確信する。「お前と関係があるんだな、認めずともあいつの口を割る方法はある」「シャアル…許さぬ」「楽しみにしていろ」李世民は長安に戻っても自分の杯を射た弓矢のことが頭から離れなかった。何者が放った矢なのか、果たして自分を救うためだったのか、ただ仕損じただけなのか。すると魏徴(ギチョウ)は息子の淑玉から永寧郡主が談判の前夜に阿詩勒部へ行ったと聞きたという。つづく( ̄▽ ̄;)ってかもうさ、チャンガを捕まえるなってw
2022.03.06
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长歌行 The Long Ballad第20話「渭水の賭け」皓都(コウト)は李楽嫣(リラクエン)の刺繍を持っていた商人から有力な手がかりを得た。早速、雲州へ引き返し西郊織坊(セイコウショクボウ)へ駆けつけた皓都、しかし楽嫣は洛陽(ラクヨウ)を目指し、すでに隊伍と一緒に南下したと知る。一方、李長歌(リチャングァ)も楽嫣を探すため雲州に入った。しかし偶然、皓都の姿を見かけ、慌てて物陰に身を隠す。…皓都だわ、なぜ雲州に?…長歌は露店の店主から織物工場があると聞き、西郊織坊を訪ねた。一足違いで楽嫣は雲州を発っていたが、女将の話から皓都も楽嫣を探していると分かる。すると柴(サイ)女将は長歌が握りしめている銭袋に気づいて驚いた。「それは…公主が親友の贈り物なのに失くしたとずっと泣いていたわ」長歌は楽嫣に天の加護があると信じ、草原へ戻った。しかし鷹団の幕営に人影はなく、厩舎に馬もいない。驚いた長歌は特勤(テギン)の天幕に駆けつけると、穆金(ムージン)が独りで片付け物をしていた。穆金は阿詩勒隼(アシラシュン)なら牙帳に行ったとごまかしたが、長歌はちょうど穆金が整理していた地図を取り上げる。「涇(ケイ)州?…涇州には天偈(テンゲ)軍がいる、この印の意味は何?!」慌てた穆金は何でもないとごまかしたが、聡明な長歌をあざむくことはできなかった。「もし天偈軍が負ければ北の門戸が開き、阿詩勒部の大軍がなだれ込む…はっ!長安!」弥弥古麗(ミミクリ)は長歌が雲州から戻ったと聞いて天幕へ駆けつけた。しかし長歌の姿はなく、箱にしまっていた短剣も消えている。弥弥は天幕を飛び出し長歌を探したが、そこへ穆金が現れた。「何があったの?!隼特勤がいない、長歌もこっそり出て行ったわ…」すると穆金は可汗(カガン)から南下するよう指示があり、それに気づいて長歌が後を追ったという。実は涇州で反乱を起こした天偈軍総帥・羅義(ラギ)が排除され、可汗がその隙を突いて涇州に侵攻していた。「可汗はこの機に長安へ斬り込むつもりだ」長安では皇帝・李世民(リセイミン)が側近を集めて協議を始めた。阿詩勒部はすでに涇州・武功を下し、高陵へ進軍している。将軍・尉遅敬徳(ウッチケイトク)は延利(イエンリー)可汗の目的が長安だと気づき、自分が高陵で食い止めると嘆願した。しかし李世民は涇陽を決戦の地と決める。異民族は騎兵に絶対の自信を持っていた。そこで山に囲まれた天然の要塞である涇陽なら地の利で敵の勢いを阻止できるという。「尉遅敬徳、涇州道行軍総管に任ずる 5万の兵を率いて涇陽へ向かい、阿詩勒部を防いで引き延ばしにかかれ」すると李世民は虎符を渡した。再び辺境は戦火に見舞われた。しかし希望者には隊伍と共に南下するよう通達しており、数日以内に百以上の隊伍が避難して来るだろう。李世民は戦に勝利すること以上に、戦そのものを避けたいと願っていた。その頃、楽嫣が同行する隊伍はちょうど休憩を取っていた。楽嫣は女将が持たせてくれた焼餅を食べようとしたが、突然、子供に奪われてしまう。驚いた楽嫣は子供を追いかけ、ちょうど転んだところを捕まえることに成功、すると雲州で銭袋を盗んだあの物乞いの少年だと分かる。少年は叩かれると思ったが、楽嫣は少年に水を飲ませ、もっと食べるかと聞いた。一方、長歌は出征した阿詩勒隼に追いつき、鷹団を尾行していた。しかし隼に気づかれ、引っ張り出されてしまう。長歌は隼が約束を破ったと反発、鷹団の行軍を探って唐に知らせるつもりだったと認めた。「いっそ殺して」「お前の命は私のものだ」隼は蘇伊舎(スーイーシャー)に李軍師を連れて帰るよう命じたが、長歌は唐に危害を加えれば絶対に許さないと釘を刺した。「あしらすぁん!いつかあなたに刃を向けたくはない」「…縛って幕営に連れて行け!」隼は行軍を早めた。長歌の護送を任された蘇伊舎は丸め込まれないよう気をつけたが、半日も経たず逃げられてしまう。物乞いの少年はお人好しな楽嫣をむしろ怖がり、逃げて行った。仕方なく隊伍に戻った楽嫣、しかし今度は男に焼餅を奪われてしまう。楽嫣はおどおどするばかりだったが、その時、少年が背後から男の頭を殴りつけ、焼餅を取り上げた。「俺は恩知らずじゃないぞ」すると少年は焼餅を半分ほど返し、自分の食べ物くらい自分で守れと威張った。鷹団が合流した阿詩勒部は尉遅将軍の分隊をそれぞれ退け、主力が涇陽を越えた。日没には渭水(イスイ)に到着してしまう。動揺を隠せない李世民だったが、そんな中、阿詩勒部の使者・炻辛思力(シーシンスーリー)がやって来た。房玄齢(ボウゲンレイ) は書状を受け取り、殿外で待たせていると報告する。すると杜如晦(トジョカイ)が何と回答すれば良いか尋ねた。「…捕らえよ」阿詩勒部の大軍はいよいよ渭水に迫っていた。しかし長安からわずか40里というのに唐軍の姿がない。狼団の小可汗・阿詩勒(アシラシャアル)は敵が守りを固める前に急いで川を渡れば長安城下で駐留できると言った。すると延利可汗は阿詩勒隼に意見を求める。「…慎重を期すべきです」面白くない捗爾だったが、そこへ伝令兵が駆けつけ小可汗に書状を渡した。「…叔汗、炻辛思力が捕えられました」可汗は渭水の守りが緩いのは罠だと判断、進軍を止めてこのまま宿営すると命じた。↓隼の鎧だけ派手なのが気に入らないんじゃ…( ̄▽ ̄;)一方、道なき道を進んでいた長歌は偶然、山道を行く唐軍の隊列を見かけた。すると先導しているのが頭領の方義(ホウギ)だと気づき、皇帝の馬車だと分かる。「なぜここに?」延利可汗は唐軍の力を見極めるため、狼団と鷹団に夜襲を命じた。可汗の命は絶対、阿詩勒隼は拝命して天幕を出ると、ふと夜空を見上げる。…長歌は幕営に戻った頃か…しかしそこへ蘇伊舎が慌てて戻ってきた。「失敗しました…逃げられました」「もういい、ひとまず支度しろ」長歌は皇帝の一行を尾行、宿営に忍び込んだ。そこでちょうど皇帝に菓子を差し入れに行く侍従を襲い、衣を取り替えて潜入を試みる。しかしもう少しで皇帝の幕舎というところで方義に見つかった。騒ぎに気づいた李世民が外へ出ると、驚いたことに死んだと聞いていた長歌の姿がある。「チャングァ…本当にお前なのか…」すると李世民は長歌を自分の幕舎へ呼んだ。李世民は純粋に姪との再会を喜んだが、どれほど案じていたか訴えても長歌には伝わらなかった。すると長歌は朔(サク)州を見捨てた叔父を激しく非難する。李世民は唐の地と民を見捨てたことなどないと否定、当時の事情を伝えた。あの時、すでに并(ヘイ)州と代(ダイ)州が陥落し、長安に朔州の状況は伝わっていなかった。しかし例え知らせが届いたとしても、辺境に大軍を遣わすことはできなかっただろう。唐は建国わずかで兵力が薄く、及ばぬ時はこもって力を蓄えるしかなかった。そこに来て涇州で天偈軍が反乱を起こし、阿詩勒軍にその隙を突かれたという。実は長安から駆り出せた兵馬はわずか4万ほどだった。これを渭水に点在させて大軍と見せかけたが、背後の軍営は空だという。長歌は李世民が″空城の計″を使ったと知り呆然、今のところ阿詩勒部に脅しは効いているが、あまりに無謀だ。すると李世民はだからこそ自分がここにいると言った。「長歌、教えたはずだ、″成せぬと知りても成す、敵千万人でも我、前進する″と…」その時、夜襲を知らせる声が響き渡った。方義と魏淑玉(ギシュクギョク)が皇帝の幕舎に駆けつけた。淑玉は思いがけず長歌と再会を果たしたが、旧情を温めている暇はない。すると李世民は淑玉に長歌を安全な場所まで送るよう命じ、自ら出陣すると決めた。「今が存亡の鍵となる、弱さを見せれば事実が知れ渡る だから朕が姿を見せて敵に示すのだ、唐は勝つ自信があると…」長歌は帳の隙間から馬にまたがった叔父の背中を見ていた。杜如晦と房玄齢は考え直すよう引き止めたが、李世民は万死しようと国を守る責任があると譲らない。するとついに2人を押し退け、馬を駆けて行った。淑玉は嫌がる長歌を無理やり引っ張って行った。「陛下は君を殺す気なんてない、分かっただろう?一緒に長安へ帰るんだ」しかし長歌は東宮が襲われた日から過去には戻れないと拒絶、馬を盗んで逃げてしまう。唐軍と阿詩勒軍は河を挟んで対峙した。すると前線に唐の皇帝・李世民が姿を現す。李世民はたった独りで橋の真ん中まで進み、可汗を挑発した。「朕が参上したのは可汗に伝えるためだ!朕は戦に固執せんが恐れもしない! 渭水が勇士たちの血で染まることも、草原の男が異郷で死ぬのも望まぬ! しかしどうしても戦うのなら今夜、渭水から一歩も引かん!」つづく( ;∀;)ぁぁ~イールン…情けない(←そこ?w
2022.02.27
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长歌行 The Long Ballad第19話「2つの刺繍」鷹団特勤(テギン)の軍師・穆金(ムージン)と李長歌(リチャングァ)の側仕え・弥弥古麗(ミミクリ)は顔を合わせれば喧嘩になった。しかし穆金は次第に気の強い弥弥に惹かれて行く。そんなある日、穆金は川で洗濯している弥弥を見つけ、水汲みを手伝った。すると川岸に落ちていた釘を踏んでしまう。( ;∀;)<誰だ~釘なんか捨てたのは…( ゚ロ゚)!!<血が出てるわ!穆金は弥弥の手前、何でもないと強がったが、弥弥は自分の肩を貸して送ることにした。その夜、弥弥は怪我をした穆金を心配し、差し入れを持って天幕を訪ねた。すると穆金がばったり倒れている。恐らく錆びた釘を踏んだせいで毒に侵されたのだろう。弥弥はかつて母が同じような症状で亡くなったことから、一晩中、穆金に付き添った。そして翌朝、穆金は熱が下がり目を覚ます。穆金は弥弥が献身的に介抱してくれたと知り、これをきっかけに2人は急接近した。穆金はそろそろ物資が底をつくため、弥弥を連れて調達に行きたいと報告した。どこか照れ臭そうな穆金、その様子を見た阿詩勒隼(アシラシュン)は穆金の気持ちを察して許可する。一方、弥弥が雲州へ出かけると聞いた長歌は銭袋を手作り、自分の俸禄を入れて持たせた。弥弥はあまりに不恰好な刺繍に驚きながらも、長歌の優しい心遣いに感激する。すると長歌はふと李楽嫣(リラクエン)に贈った時も同じ反応だったと思い出し、失笑した。「雲州に着く頃にはちょうど中秋節ね…この日は月餅を食べて、家族と一緒に天灯を飛ばすの 雲州なら月餅が食べられるな」「家族が恋しい?…大丈夫!たくさん月餅を買って来る!」皓都(コウト)は魏淑玉(ギシュクギョク)と別れ、単独で公主を探していた。しかし偶然にも2人は滄(ソウ)洲へ向かう途中、都亭客桟で再び合流する。すると淑玉は雨に降られたせいで風邪をこじらせ、ひどく咳き込んでいた。皓都は皇帝から監察御史に封じるため帰京するよう勅命があったと伝え、このまま憔悴すれば公主との再会も叶わないと諭す。口は悪いが淑玉を心配する皓都、そこで淑玉はくれぐれも楽嫣の捜索を頼み、長安へ向かった。淑玉を見送った皓都は部屋に戻ることにした。すると中庭にいた商人が見覚えのある手巾を持っている。それは7話で公主が皓都に見せた手巾と同じウサギの刺繍だった。…私のうさぎは目が緑色なの、うさぎは草原を見ているからよ…皓都は思わず手巾を取り上げ、この刺繍をどこで手に入れたのか聞いた。国境が戦続きのため、朝廷は隊伍と一緒に南下して中原に戻れると通達を出した。雲州の西郊織坊(セイコウショクボウ)でも織子たちが家に帰れると大喜び、楽嫣もようやく洛陽(ラクヨウ)へ帰れる方法が見つかる。そこで最後の奉公とばかりに楽嫣たちは布を売りに市場へ出かけた。ちょうど同じ頃、穆金と弥弥が買い出しのため幽州に到着した。弥弥は中秋節で賑わう市場に大興奮、しかし家族団欒の節句だと聞いて切なくなってしまう。すると偶然にも穆金が楽嫣の露店で足を止めた。弥弥は楽嫣が勧めた美しい布を気に入ったが、中秋節なので家族にも選んではどうかと勧められ顔色が一変する。「…いらない、買う気が失せたわ」弥弥は気を取り直し、穆金と買い物を楽しむことにした。そこで不機嫌になったお詫びに月餅をおごることにしたが、その時、長歌からもらった銭袋を落としたことに気づく。「長歌の贈り物なの、失くすわけにいかないわ」そこで2人は手分けして探すことになった。店じまいした楽嫣は売り上げを数えて銭袋に入れていた。すると先ほど怒らせてしまった娘が現れ、自分の銭袋を返せという。「私が落とした銭袋と全く同じだわ!その下手なうさぎの刺繍もね!」「勘違いです、これは本当に私のものです」しかし気性の激しい弥弥はいきなり楽嫣から奪い取ろうとして騒ぎになってしまう。楽嫣は自分の銭袋だと証明するため、この中には布を売って稼いだ163文が入っていると訴えた。一方、弥弥は白と緑の糸の下手くそな刺繍に何度も縫い直した痕があると証言、ふたの裏にはゆがんだ″兎″の文字もあるという。「…なぜ知っているの?」「私の物だからよ!」弥弥は唖然としている楽嫣から銭袋を奪い取り、中のお金だけ返して人混みに消えた。楽嫣が肩を落として帰って来た。柴(サイ)女将は客引きに失敗したのだと思ったが、楽嫣は稼いだ売り上げを渡す。「こんなに…楽嫣!凄いじゃないの!」そこで女将はその中から餞別を渡した。「みんなには内緒、秘密のご褒美ね、何かのご縁だもの…」楽嫣は女将の真心に触れ、この工房で多くを学び、布を売れるまでになったと感謝した。今まで独りで出かけたことなどなかったが、これで家への道を探せる自信がついたという。すると楽嫣は思わず女将に抱きついて涙し、別れを惜しんだ。一方、銭袋を取り戻した弥弥は穆金と合流した。「弥弥~あったぞ!ほら?中身は減ってないか?!」実は弥弥の銭袋はさっきの店の前に落ちていたという。( ๑≧ꇴ≦)<アイヤー!誤解だった!弥弥は慌てて布売りの娘に銭袋を返しに戻ったが、すでに露店はなかった。柴女将は織子たちを送り出し、すっかり情が移った楽嫣を城門まで見送った。楽嫣は感謝の気持ちを込めて手作りの袋を贈り、丁重に拝礼して別れを告げる。その横をあの物乞いの少年が通り過ぎて行った。弥弥は穆金に2つの銭袋を見せた。一見すると全く同じ銭袋だが、よく見れば作った時期が違うと分かる。ただどちらも確かに長歌の手作りだった。まさかこんな偶然があるとは…。弥弥は長歌に事情を聞くため急いで帰ることにしたが、閉門時間に間に合わず、足止めされてしまう。その夜、阿詩勒隼は長歌に帳簿を見せていた。しかし″8月15日″という日付を見た長歌は急に寂しそうな表情をする。「…中秋節か?中元では月を見ながら月餅を食べると聞いた」隼は月餅を作れるかどうか聞いてみると言ったが、長歌は必要ないと断った。中秋節は月餅を食べることが目的ではなく、家と家族があってこそ意味がある。「他に何もなければこれで…」長歌は自分の天幕に戻ることにしたが、その時、隼が引き止めた。すると隼は長歌に夜明珠を贈る。「あー知ってる!十里桃花で見たやつだ!」←とは言ってないw「あの夜に見た蛍の光に似ていないか? 伝えたかったんだ、大切なものは手元に留めておけると… たとえば家族のいる所は家、心が休まる所も家だ、草原でも団欒はできる」「中原でも草原でも同じように太平と幸せが続くことを誰もが祈る、戦が起きないようにと…」( ・∇・)え? ・・・・・ え?(・ω・ )「贈り物をありがとう、戻るわ」一方、弥弥は宿を出て灯籠が美しい市場を眺めていた。そこへ穆金がやって来る。穆金は銭袋を探している時にひとつだけ月餅を買っておいた。喜んだ弥弥は2つに割ろうとしたが、穆金が慌てて止める。「割ったらダメだ!割ると団欒ができなくなる、この地域の習わしなんだ」そこで2人は仲良く交互に月餅をかじった。「家が恋しいか?」「…いいえ」弥弥は幼い頃、草原の奴隷としてさらわれ、故郷のことは何も覚えていないという。すると穆金は自分も牙帳(ガチョウ)で生まれた奴隷で故郷を知らないと教えた。幼い頃、殺されかけたところを阿詩勒隼に救われ、その後、勇士に封じられた隼が自分を引き連れ鷹団に移ったという。「そこが俺の家になった…弥弥、鷹師の幕営は良い所だ、いつか君も家だと思って欲しい」弥弥は穆金の言葉に幸せを感じたが、ハッとして急につれなくした。「もう遅いわ…先に戻って休んで」「君も…明日は戻らないとな」草原に戻った弥弥は長歌にうさぎの銭袋を2つ渡し、事情を説明した。「なぜあの人も同じものを?」「…以前、友だちにも作ったんだ」長歌は楽嫣がなぜ雲州にいたのか分からず困惑した。深窓の令嬢が市場で布を売っていたとは一体、何があったのか。…絶対に楽嫣を探し出さなくては…その頃、阿詩勒隼は涇(ケイ)州を落とした可汗からすぐ合流するよう命じられた。穆金はあまりに突然だと驚いたが、そこへ李軍師が急用で雲州へ出かけたと報告が届く。これは好都合だ。そこで隼は穆金に出征の件を長歌には教えないよう釘を刺した。つづく(  ̄꒳ ̄)イールン、風邪ひくとか…もぉー
2022.02.26
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长歌行 The Long Ballad第18話「新しい家族」阿詩勒隼(アシラシュン)の幕僚に迎えられた李長歌(リチャングァ)。その夜、娘の叫び声を聞いて天幕を出てみると、酔った兵士が女の奴隷を無理やり連れて行くところだった。長歌は横暴な兵士から娘を救出、弥弥古麗(ミミクリ)は眉目秀麗な十四郎にすっかり心を奪われてしまう。長歌は弥弥に食事や着替えを与え、寝台で寝るよう勧めて天幕を出た。やがて夜が明ける頃に戻ってみると、弥弥は机にうつ伏したまま熟睡している。長歌はそのうち出て行くだろうと思い床についたが、目が覚めると弥弥は追い出さないで欲しいと懇願した。そこへ昨夜の兵士から報告を聞いた穆金(ムージン)がやって来る。穆金は弥弥を鷹団の幕営から追い出すと伝え、無理やり腕を引っ張った。すると驚いた弥弥は穆金の手に噛みつき、十四郎の後ろに隠れてしまう。騒ぎに気づいた阿詩勒隼が長歌の天幕にやって来た。長歌は弥弥をそばに置きたいと頼んだが、隼は間者となり得る者を留め置くことはできないという。しかし長歌は弥弥を自分が管理すると断言した。隼は確かに長歌の世話係には女が適任だと気づき、結局、黙って見逃してくれる。驚いた穆金は慌てて隼を追いかけ、十四郎を少しは疑うべきだと諌めた。「中原人は腹黒い!…あ、隼、別に他意はないんだ」穆金はうっかり口を滑らせたが、隼は笑顔で天幕の中へ消えて行った。長歌は昨夜、外で時間を潰したせいか風邪を引いた。今夜は早めに床に入ったが、やがて長歌は激しく咳き込み、うわごとのように寒いと訴え震え始める。責任を感じた弥弥は寝台に入って十四郎を温めたが、そのうち一緒に眠っていた。翌朝、長歌が目を覚すと弥弥が横で寝ていた。「…歩真(ブジェン)、動かないで」「ぶじぇん?…歩真って誰だ?!」寝ぼけていた弥弥は驚いて起き上がると、そこへちょうど穆金が入って来た。穆金は2人が共寝していたと誤解、慌てて出て行ってしまう。弥弥は天幕を飛び出し、穆金に李軍師の天幕に食べ物が足りないと訴えた。しかし穆金は天幕ごとに割り当てが決まっていると冷たい。弥弥は仕方なく勝手に食べ物を見繕って持ち帰ろうとしたが、穆金が立ちはだかった。すると弥弥は穆金を蹴飛ばし、天幕へ戻ってしまう。長歌は″歩真″が弥弥の家族だと分かった。しかし弥弥は阿詩勒部の侵略で大勢が亡くなり、家族はいないという。長歌は自分も家族がいないと話し、仇敵に殺されたと教えた。「これからは私を家族だと思って」「うん!」一方、雲州の西郊織坊(セイコウショクボウ)では明日の納品に向け、織子たちが夜を徹して布を織っていた。織り機どころか糸を巻き取ることさえできない李楽嫣(リラクエン)は少しでも手伝おうとするが、かえって迷惑をかけてしまう。柴(サイ)女将は邪魔ばかりする楽嫣に激怒して工房から追い出し、陽が昇る頃にはようやく商品が完成した。女将たちが工房を出ると楽嫣が待っていた。楽嫣は謝罪してもう一度だけ機会が欲しいと訴えたが、女将もただ飯を食わせる余裕はない。「早く出て行って…こんな人が生きていても食糧の無駄よっ」すると楽嫣は泣きながらどこかへ行ってしまう。織子たちはさすがに言い過ぎだと心配したが、女将はどうせ死ぬ勇気などないと言い放った。弥弥が穆金の股間を蹴り飛ばした武勇伝はあっという間に広まった。面目を潰された穆金は怒り心頭だったが、弥弥はこれを機に一目置かれるようになる。鷹団で十四郎という家族と出会い、自信まで取り戻した弥弥、すると川で洗濯しているところへ穆金が現れた。弥弥は穆金の恨み節など何処吹く風だったが、十四郎の悪口を言われた途端に食ってかかる。「彼の悪口は許さないから!」激怒した弥弥は穆金に殴りかかったが相手にならず、急にへそを曲げて帰って行った。穆金は呆然と弥弥の背中を見送りながら、ふと自分の激しい鼓動に気づく。「(はっ!)俺はバカか!李十四郎の女だぞ?!」織物工場を追い出された楽嫣は死ぬしかないと思い詰め、林の中で縄を枝に引っ掛けていた。「長歌…私が枕元に立ったら怖がるかしら?」するとそこへ柴女将が現れた。女将は死ねと言われてすぐ死ぬほど軽い命なのかと呆れ、死ぬも生きるも本人次第だと諭す。「さっきは言い過ぎたわ、ごめんなさいね」女将は楽嫣に笑顔が戻ると安心し、帰って行った。楽嫣はもう一度、雇ってもらえるよう女将を追いかけ西郊織坊に戻った。すると楽嫣に気づいた織子が胡(コ)商人に手巾の刺繍をしたのはこの娘だと紹介する。商人が見ていたのは偶然、布の間に紛れ込んでいたうさぎの刺繍だった。「これは素晴らしい!もっとたくさん売ってもらえるかい?」驚いた女将は咄嗟に楽嫣を工房の織子だと紹介、思いがけず大量注文をもらうことに成功した。その夜、阿詩勒隼は長歌だけに羊肉を振る舞った。穆金と弥弥が食糧で揉めていたと耳にし、軍師に相応の待遇をする必要があるという。「…穆金たちに肉を焼いたことがある?」「ない、これが初めてだ…幼い頃、義父と羊肉を焼いたことがあった 自分でやりたいと言い張った結果、焦がしてしまい、義父が焦げた部分を食べてくれた それで義父のために焼き方を学んだんだ」幼い頃は義父も隼を可愛がってくれたが、頭角を表してくると徐々に態度も変わって行った。「お前の父親は?」「話すことなんて何もない、そばにいなかったから…」「だろうな、太子ともなれば忙しくて当然だ」「(はっ!)いつ知った?」「幽州で都督府に自由に出入りしていただろう?それに…永寧郡主と呼ばれているのを聞いた」驚いた長歌は身分を知りながらバラさなかったのは利用するためだと誤解した。これまで長歌を助けるために奔走してきた隼は感謝されるどころか疑われ、思わず肩を落とす。「確かにこうして草原でお前のために肉を焼いている…必死で利用しているよな?」( ̄▽ ̄;)ぁ…@チャングァ阿詩勒隼は倒木に座っている長歌に羊肉を渡し、隣に腰掛けた。「私の本当の名前は李長歌よ、長歌という名前が好き」「チャングァか…チャングァ」隼は長歌を見つめながら初めて名前を呼んだが、急にこそばゆくなって顔を背けてしまう。すると長歌が隼の肩に頭を乗せて身を委ねた。(๑°⌓°๑)ハッ!.oO(何の真似だ?まさか俺に身を捧げると?!「オイッ!暗闇の中だぞ?俺はこれでも男だ…さすがに良くない」その時、長歌の手から羊肉が落ち、腹部を押さえて苦しんでいると分かった。「長歌?!」阿詩勒隼は長歌を抱きかかえ、急いで天幕へ連れて帰った。その様子をちょうど穆金に見られてしまう。弥弥は具合が悪くなった十四郎をひとまず寝かせたが、その時、出血に気づいた。顔を見合わせる隼と弥弥…。弥弥は十四郎が女だと気づき、慌ててお腹を温めることにした。そこへ何も知らずに穆金がやって来る。「(はっ!)どうした?十四郎は負傷したのか?!」焦った隼は穆金を外へ引っ張り出し、怪我ではないと安心させた。「怪我じゃないって…え?…まさか?」穆金はこれでようやく隼がなぜ十四郎を特別扱いして来たのか分かった。弥弥は淡い恋心を抱いていた相手が女だと知った。しかし長歌がただ男装しているのとは違い、女である自覚がないと呆れる。「どういうつもりなの?」「私にもわからない…今まで考えたこともなかった」思えば師匠たちは皆、天下を支える男たち、一方で妻妾は美しい身体に豪華な衣装をまとい、各自が思惑を抱いていた。「私とは無縁だわ…」「とにかく数日はおとなしくして、男たちと野ざらしになっちゃだめ」すると弥弥は特勤がこの秘密を知りながら隠していたと知り、長歌に気があるという。長歌は特勤が自分を利用しているだけだと否定し、だからこそ気にかけているのだと認めなかった。楽嫣は刺繍の腕を見込まれ、ようやく織物工場で自分の居場所を見つけた。これまで世間知らずだった楽嫣だったが、自分で働き、生きることの大切さを身をもって知る。そして皇族が国や民を守る代わりに、民たちは懸命に働いて皇族を支えているのだと実感した。長歌は体調が戻り、気分転換に外へ出た。すると阿詩勒隼が現れ、赤い外套を贈る。長歌はいらないと言ったが、隼は寒い時に着るよう勧めた。「何もしないうちに倒れては困るからな…世話係は?」「衣を洗いに行った」「お前のような主に仕えられて幸運だな」「主従じゃない、大切な友だちだ、人の人生は別れの連続でもある …幸運なのは私の方、大切にしたい人に出会えたんだもの」「俺もだ…」長歌は隼の言葉を聞いて気恥ずかしくなり、暗くなる前に巡回に戻るよう促した。しかし隼は長歌を連れて行きたい場所があるという。阿詩勒隼は赤い外套をまとった長歌を連れて蛍を見に行った。「なんて美しいの~蛍を見るのはきっとこれが今年、最後ね」「来年もあるさ」「来年なんて自分がどこにいるのかさえ分からない、もうこんな機会はないかも…」「来年も見たくなったら俺を呼べばいい、どこにいても駆けつける」「…たぶん無理よ、蛍のように美しいものは儚いのが常、期待してどうするの?ふっ」(´・_・`)、しゅんとする隼…wつづく(๑´ω`๑)すぁんったら~にしても長歌の設定が無理くり過ぎるwまあ~チャンツィが15歳だからねwww
2022.02.20
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长歌行 The Long Ballad第17話「幕僚の条件」長安に皓都(コウト)から永寧(エイネイ)郡主の訃報が届いた。李長歌(リチャングァ)は李十四郎と名を変えて朔(サク)州の守りに尽くすも、陥落後に阿詩勒(アシラ)部の捕虜となり、その後、殺されたという。皇太子・李世民(リセイミン)は奏状を前に呆然、姪との突然の別れに涙がこぼれ落ちた。一方、永安(エイアン)公主・李楽嫣(リラクエン)は雲(ウン)州の織物工場で目を覚ました。柴(サイ)女将は1日だけの約束で泊めたが、楽嫣は刺繍ならできると売り込み、このまま置いて欲しいと頼む。(´゚艸゚)∴ブッ<あんな下手な刺繍で?( ゚ロ゚)!!<違います、あのウサギは親友の刺繍で、私は得意ですするとひ弱な娘を見かねたのか、女将は仕方なく楽嫣を雇うことにした。しかし宮中育ちの楽嫣は失敗ばかり、女将はとんだお荷物を抱えることになってしまう。草原では阿詩勒隼(アシラシュン)に鼓舞された長歌が生きる気力を取り戻していた。そこで自ら特勤(テギン)の天幕を訪ね、軍師になりたいと嘆願する。すると隼はよそ者をあえて幕僚にする理由は何かと聞いた。「可汗(カガン)は城攻めの部隊ではなく、唐と戦った経験もない鷹師を朔州攻めの先鋒にした つまり可汗は結果ではなく、特勤(テギン)の敗北を望んだのでは?」穆金(ムージン)は寝言だと憤慨したが、隼は続きが聴きたいと言った。「朔州の状況を思い返せば熊師は明らかに鷹師を出し抜こうとしていた しかし何の後ろ盾もないのに可汗の養子である特勤相手にそんな度胸はないはず…」長歌は隼の顔色が変わるのを見て図星だと分かった。恐らく可汗は阿詩勒部でも屈指の猛者が揃う鷹団を牽制したいに違いない。長歌は隼も安泰ではないと気づき、特勤がいくら忠誠を誓っても大可汗や小可汗が信じるとは思えないと揺さぶった。穆金は十四郎の洞察力に驚きを隠せなかった。すると長歌は軍師にしてくれるなら3つの願いを叶えると約束、ただし唐を害したり、人道にもとることはできないという。「願いを叶えたら草原を離れる」「はお、今日からお前は奴隷ではない、だが鷹師の中で自力で生き抜くんだ」穆金は十四郎を優遇する隼に不満を募らせたが、そんな鷹団の幕営に突如、延利(イエンリー)可汗が阿詩勒捗爾(アシラシャアル)を連れてやって来た。長歌は天幕から出てきた穆金を捕まえ、真相が知りたいと迫った。すると穆金は阿詩勒隼が独断で朔州を赦免したと教え、戦でも早々に十四郎に気づいて弓矢をわざと外したという。「お前が無事か何度、俺に確認させたことか…朔州にも触れ書きを出したんだぞ お前が阿詩勒部の首領をし損じて国に殉じたとな!」可汗がこうしてわざわざ訪ねてきたのも隼が命令に背いたせいだった。可汗の甥である小可汗は隼の宿敵、もし罠にはまれば隼は終わるという。天幕に可汗、渉爾、隼が揃った。そこで渉爾は叔父でも攻略できずにいた朔州が隼に開城したのは奇妙だと訝しむ。「可汗は陥落後、城内の兵力を一掃しろと… だがお前は公孫恒(コウソンコウ)を手厚く葬り、民を赦免したとか?」しかし隼は臆することなく、その通りだと認めた。長歌は隼が情義に厚く、実は自分を助けてくれたと知った。それにしても可汗たちはなぜ急に鷹団にやって来たのか。特勤が可汗の命に従わなかったと言っても、最小限の損失で勝利を得たのは事実、罪にはならないはずだ。…可汗が自らやって来たのは別に狙いがある?目的は何かしら?…すると長歌は天幕から出てきた小可汗の配下を見かけた。どうやら連行して来た中原人に腹を立てているらしい。長歌は裏に回って天幕を少し切り裂くと、驚いたことに中には罪人となった王君廓(オウクンカク)がいた。「まずい…」阿詩勒隼は可汗に公孫恒(コウソンコウ)の文を渡し、民を守るため首を差し出して来たと報告した。これにより被害を最小限に抑えて勝利することができたと説明、これまで朔州を陥落できなかった可汗の面目も潰さずに済む。可汗は隼の決断を許したが、本題はこれからだった。阿詩勒捗爾は隼が幽州で唐と結託し、狼団を妨害したと訴えた。隼は天に誓って偽りだと否定したが、捗爾は証人がいるという。「唐の投降将が長安へ護送中に逃げ出したので捕らえました、盧江(ロコウ)王の配下・王君廓です! 潔白かどうかは奴の言い分を聞けば分かる」すると可汗はすぐ王君廓を呼ぶよう命じた。長歌は自分の監視役・努爾(ヌアル)に協力を求めた。「力を貸してくれ、でないと特勤と鷹師が大変なことになる…」長歌は王君廓と面識があるため、代わりに努爾に接触させることにした。「どうするか教える…頼んだぞ!」すると長歌は馬を放し、小可汗の馬が逃げたと叫んで配下たちをおびき出す。その隙に努爾はこっそり王君廓の天幕へ忍び込んだ。王君廓が証人として天幕に連行された。すると王君廓は何を思ったのか急に庫銀を着服したのは自分ではないと訴え、全て仕切っていた小可汗が鍵を持っているという。「小可汗はずっと隼特勤を尾行しており…」その時、慌てた渉爾が剣を抜き、王君廓を処刑してしまう。可汗は全て察した。そこで短期で朔州を陥落させた功績を認め、隼に戦利品の半分を贈り、自分の幕営にいる奴隷を届けると約束する。( ー̀谷ー́ )<渉爾…よくもやってくれたな@大ハン長歌の機転で阿詩勒隼は難を逃れた。庫銀の件は長歌のでっちあげだったが、努爾から話を聞いた王君廓は着服を疑われることを恐れて弁明したのだろう。すると努爾は特勤と鷹団を助けてくれた十四郎に感服し、これを機に友となった。その夜、阿詩勒隼はひとり川辺にいた。すると穆金が現れ、自分を助けてくれたのが長歌だと知る。「草原で戦利品をかすめるのは禁忌だとなぜ分かったんだろう?(はっ!)これも俺のお手柄だな、お前が朔州でやったことを全部、教えてやったからだ」Σ(・□・ ;)<おまっ…( ゚ェ゚)?<あ?阿詩勒隼は動揺を隠せず、幕営へ帰った。すると穆金が努爾では十四郎の監視役が務まらないという。「同じ天幕に住まわせたが、今日の件ですっかり十四郎に陶酔してるんだ」驚いた隼は今すぐ十四郎を単独の天幕に移せと命じたが、穆金はなぜ明日ではだめなのか分からなかった。一方、幽州で楽嫣を見失った魏叔玉(リシュクギョク)は酒で憂さを晴らしていた。皓都は任務を忘れるなと諌めたが、泥酔した淑玉にからまれてしまう。「感情を押し殺して疲れないか?酔ったことはあるか?傷ついたことなどないだろう? ふっ…皓都よ、哀れな奴だな、お前はただの操り人形、義父に操られている人形だ」激怒した皓都は酒を取り上げたが、淑玉は自暴自棄になって殺して欲しいと訴えた。「楽嫣が見つからなければどの面下げて長安に戻れと?父に合わせる顔もない…」すると淑玉は酔い潰れてしまう。皓都は無視して部屋に戻ろうとしたが、結局、淑玉を送ってやった。翌朝、淑玉が二日酔いで目を覚すと、すでに皓都は県衙を出発していた。このまま淑玉と一緒に探しても無駄だと朝一番で出かけたという。「どこへ向かったかは分かりません」こうして楽嫣が見つからないまま、李世民は新帝に即位した。即位後には大赦を出したが、李建成(リケンセイ)と近しい羅義(ラギ)は皇帝の恩を顧みず造反する。李世民は頑固な魏徴(ギチョウ)のこと、朝廷が功臣に手を下すのを見るのは辛いはずだと気遣った。しかし涇(ケイ)州は阿詩勒部の侵入を防ぐ要地、魏徴は直ちに事態を収束させるため、羅義と天偈(テンゲ)軍を一網打尽にすべきと理解を示す。李世民は安堵したが、ただ天偈軍が壊滅すれば阿詩勒部に隙を突かれると懸念した。「陛下…強攻に出ようと出まいと阿詩勒部は中原への野心を捨てぬでしょう ご安心ください、結果がどう出ようと我らは陛下と進退を共にいたします」すると李世民は李淑玉を一度、長安に戻すよう勧めた。必死に娘を探して心身共に疲労困憊しているだろう。李世民はちょうど監察御史の位が足りないため、淑玉が適任だと言った。鷹団の幕営に牙張から女の奴隷たちが到着した。穆金は特勤が女をそばに置かないため管理を任せたが、美しい娘・弥弥古麗(ミミクリ)に目を奪われる。そしてその夜、母の夢を見てうなされていた長歌は娘の叫び声で目を覚ました。何事かと天幕の外へ出たみたが…。つづく(  ̄꒳ ̄)皓都は何だかんだ言いながら淑玉にシンパシーを感じ始めたのか?それにしてもすぐそこに楽嫣がいるのにすれ違い~
2022.02.19
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长歌行 The Long Ballad第16話「生きる意味」李長歌(リチャングァ)は阿詩勒隼(アシラシュン)がなぜ自分を奴隷にしたのか、その真意が分からなかった。自分をそばに置いても禍根を残すだけ、しかし隼はまずは弱肉強食の草原で生き抜くことができてからの話だという。一方、皓都(コウト)は配下に阿詩勒部を追うよう命じていた。「李長歌の最期が見たい、もし敵と結託したら殺せ」位牌の前で長歌は使命があると訴え、この難の決着後に自分を殺せと言っていた。…李長歌、その使命に殉じることができるかな?…皇太子・李世民(リセイミン)は未だ行方知れずとなった娘の永安(エイアン)公主・李楽嫣(リラクエン)を見つけられずにいた。それでも便りがないの無事な証拠、天が守ってくれると祈るしかない。すると杜如晦(トジョカイ)が急報を知らせにやって来た。実は阿詩勒部が国境を襲い、行軍総管・司馬図(シバズ)と朔(サク)州刺史・公孫恒(コウソンコウ)が殉職したという。どうやら阿詩勒軍に包囲されて戦報を出せず、皓都に命じられた配下がやっとの思いで長安へ伝達していた。故郷を追われ草原へ向かう李長歌だったが、すっかり生きる気力を失っていた。穆金(ボクキン)は十四郎が女だとは知らず、あのひ弱さで草原は耐え切れないという。しかし阿詩勒隼はなぜか大丈夫だと言った。「生への執着が強い、これしきでは負けないさ」「…奴のことを理解しているんだな」こうして鷹団の幕営に到着した阿詩勒隼たち、実は朔州から斥候が尾行していることに気づいていた。どうやら十四郎の様子を探っているらしい。そこでその夜、十四郎を天幕の裏へ連行し、斥候が見ていると知りながら処刑した。朔州から逃れた秦老(シンロウ)と緒風(ショフウ)は外地の客桟にいた。偵察に出ていた緒風は朝廷が阿詩勒軍を追い出し、今は唐軍が駐屯して民を守っていると報告する。「それから…若主公が…ゥッ…暗殺が失敗に終わり殺されたと…」しかし秦老は長歌なら生きていると安心させた。刺史の約束に応じた阿詩勒隼は長歌を殺せないはず、恐らく草原に連れて行ったのだろう。そこでまず媛娘(エンジョウ)の落ち着き先を決め、かつての情報網を使って行方を探すことにした。皓都は伝書鳩で李長歌が処刑されたと知った。…李長歌、それがお前には最善かもしれないな…すると偶然にも同じ宿舎に魏淑玉(ギシュクギョク)が現れる。淑玉は皓都が長安に戻っていないことから、まだ長歌を探していると気づいた。しかし皓都は李長歌なら死んだと教える。淑玉は皓都が殺したと早合点、思わず剣を抜いて皓都の首に突きつけた。「お前を殺し、自害する!」「じゃあやれよ、李長歌が死んで勇敢になったのか?」皓都あっさり淑玉から剣を奪い取ると、李長歌を殺したのは阿詩勒部だと教えた。「結局、俺は誰も守れなかった…」楽嫣からもらった平安符を握りしめながら目を潤ませるイールン…って、また情けない役(´-ω-。` )皓都は公主探しに専念するよう釘を刺し、淑玉だけでは心もとないのか、義父から公主を探すよう命じられたと言った。(๑•̀ㅂ•́)و✧<私が先に見つける! ←やる気はあるイールンwそこで皓都は少なくとも朔州にはいないと教えた。「李長歌は朔州で都尉だった、公主がいたのなら接触を試みる、つまり朔州はハズレだ」長歌が目を覚ますと天幕に穆金がいた。「なぜ気絶させた?殺すはずだろう?」すると穆金は十四郎の代わりに別の奴隷が死んだと教える。なぜ阿詩勒隼が自分を助けたのか訝しむ長歌、しかし穆金こそ奴隷に目をかける隼が理解できないと苛立った。「どれほどのタマなんだか、こんなヤワな奴を連れ帰って何になるんだよ!…ふん!」一方、陥落した代州から逃げ延びた楽嫣は雲州に流れ着いた。そこで県衙(ケンガ)に助けを求めたが、装飾品を全て奪われ身分を示せる物が何もない。確かに朝廷は秘密裏に公主を捜索していたが、長官はまさか目の前の薄汚れた難民の娘が公主とは思えなかった。すると楽嫣は公主を装う罪人だと責められ、捕縛されそうになって慌てて逃げ出してしまう。しかし行く当てなどなく、市場の石段に腰掛けて悲しみに暮れた。阿詩勒隼は十四郎を放っておいた。ますます隼のことが分からなくなる穆金、すると隼は自分が気にかけるほど苦しめてしまうという。「自分を恨むくらいなら俺を恨めばいい…」( ゚д゚)<はあ?どっどうした?!呪いでもかけられたのか?!(  ̄꒳ ̄)<奴は自力で立ち上がり身を守るしかない…俺がいない時もあるんだ( ゚д゚)<なぜ気にかけるんだ?あいつ、感謝もしてないぞ?(  ̄꒳ ̄)<いいんだ…生きてくれるなら( ゚д゚)<はい?そこへ十四郎を監視している衛兵が駆けつけた。「例の奴隷が倒れました」飲まず食わずの長歌がついに倒れた。やがて気がついた長歌は付き添っている阿詩勒隼の姿に驚き、慌てて身体を起こす。「何かされるとでも思ったか?こんな女、興味はない」隼は長歌の正体を知っていた。実は川で助けた時から長歌が女だと分かっていたという。「忘れるな、その命は俺のものだ」隼は薬を飲むよう迫ったが、長歌は咄嗟に隼の帯刀を抜いて斬りかかった。しかし隼は瞬時に回避、そこで長歌はそのまま自分の喉元を刺そうとする。隼はぎりぎりのところで長歌の腕をつかんで止めると、短刀を捨てた。「死ねば全て解決するのか?!」「惨めに生きるよりマシよ…」すると隼は強くなって自分を倒すために生きたらどうかという。「俺がお前なら鷹師の中でのし上がり、いつか必ず相手の息の根を止める(๑•̀ㅂ•́)و✧ 公孫恒に報いるため歯を食いしばって生きろ!」長歌は敵討ちと聞いて急に身体の力が抜けた。…そうだ、刺史や阿竇(アトウ)の敵討ちだけじゃない、このまま死んではダメよ…隼は死ぬのは簡単だが生きるのは難しいと諭し、短刀を拾って出て行った。その頃、楽嫣の捜索に戻った皓都と魏叔玉が雲州へ入った。2人は真っ先に県衙へ乗り込み公主の肖像画を見せると、雲州長官は追い払った難民の娘だと気づいて真っ青になる。一方、楽嫣は空腹に耐えかね、露店で胡麻餅(フーマービン)を買おうとしていた。店先で偶然、出くわした柴(サイ)女将は難民の娘を怪訝そうな顔で見たが、楽嫣が衣の下から銭袋を取り出すと安堵する。「それで女の刺繍と言えるのかい?」女将は娘の下手くそな刺繍を揶揄したが、楽嫣にとって長歌のうさぎの刺繍ほど価値のあるものはなかった。「私には天下一、素敵な小袋だわ」しかしその様子を物乞いの少年が眺めていた。少年はわざと娘に体当たりして銭袋を奪った。何も気づかない楽嫣だったが、女将から指摘されて銭袋をすられたと気づく。「返して!」楽嫣は必死に少年を追いかけ、やがて裏道で追い詰めた。「袋は返して、お金はあげるから!」すると少年は中身を取り出して袋を投げ捨て、塀をよじ登り逃げてしまう。楽嫣は袋の埃をはたきながら、急に涙が込み上げてきた。「チャングァ…どこにいるの?」官兵は市場で肖像画を見せながら公主を探していた。すると偶然、市場に戻ってきた楽嫣を見つける。楽嫣は自分が公主を偽った罪人として追われていると誤解、慌てて坂道を登って逃げた。楽嫣は高台にある織物工場に逃げ込んだ。勝手に正門を閉じて呼吸を整える楽嫣、すると市場で出会った柴女将が現れる。「お金をなくしたからって私を尾行したの?」「追われているんです、公主を装ったと言われて…」すると運悪く官兵が門を叩いた。「開門!」官兵は織物工場に乗り込み、公主を探した。しかし公主の姿はなく、あきらめて帰って行く。すると水瓶の中で息を止めていた楽嫣が飛び出した。ザッパーン!彡( ๑≧ꇴ≦)プハーッ!楽嫣は公主を偽ったのではなく、本当に公主だと話した。当然、女将は信用しなかったが、娘が悪人とは思えず見逃してくれる。「忙しいの、出て行ってくれる?」「今、出て行ったら殺されてしまう、もう少しここにいさせて、お願い」女将は乗り掛かった船だと1日だけ泊めることにしたが、楽嫣はこれからどうすればいいのか分からず途方に暮れた。長歌は生きる気力を取り戻し、久しぶりに外へ出た。…これが草原なのね、なんて広いの…その時、ちょうど子供たちに土産を渡す阿詩勒隼たちの姿を見かける。長歌は幼い頃、楽嫣と2人で叔父の土産を楽しみにしていたことを思い出し、ふいに感傷的になった。すると高台にいる長歌に気づいた隼が鞠を投げ渡す。「蹴鞠(シュウキク)が得意だろう?それをやるよ!」その様子を見ていた子供が長歌に鞠で遊びたいと声をかけた。長歌は黙って鞠を譲ると、嬉しそうに走りまわる子供たちを見て思わず笑顔になる。草原で初めて見せる長歌の笑顔、隼は安堵して戻ったが、長歌の両足は鎖でつながれていた。県衙は総出で公主を探した。しかし市場でせっかく見つけた公主を見失ってしまったという。「なぜ逃した!」「こっ公主にも足がありますから…もう雲州にはいないやも…アワアワ…」皓都と淑玉は雲州長官に激怒、もはや官府を信用できず自分たちで探すと決めた。つづく( ̄▽ ̄;)よく見るとウーレイのかつらもリーゼント型だわ…もうこの型で行くと決まったの?w
2022.02.12
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长歌行 The Long Ballad第15話「信念に殉じて」公孫恒(コウソンコウ)は朔(サク)州の民を守るため阿詩勒(アシラ)部に自分の首を差し出すと決意した。驚いた李長歌(リチャングァ)は止めようとしたが、秦(シン)老が制止する。「秦老!刺史が犠牲になるのを見ているつもり?!」「それは…主公、私に送り出せと言うのはあんまりでは?」しかし主が自分の決断を覆さないことは秦老が一番良く分かっていた。すると公孫恒は剣を手つかみ、背を向ける。「秦老、今後は長歌に仕えよ、お前の信念につながるやも…」この危機の中、朔州の数万の民は誰一人として逃げようとしなかった。公孫恒は自分を信じてくれる民を裏切ることはできないと覚悟を決めたが、妻と娘を残して行くことが悔やまれる。「妻よ…来世でまた会おう」「刺史ぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」公孫恒は長歌と秦老の目の前で自害した。悲しみに打ちひしがれる長歌、そこへ夫の決意に気づいていた夫人が現れる。「…これは犠牲ではない、民を守れたことは最大の栄誉よ」すると夫人は夫のそばにいたいので少し時間が欲しいと頼んだ。秦老は泣き崩れる長歌を引っ張り出して外へ出たが、やがて殿内から刃物が落下する音が聞こえる。驚いた長歌と秦老が扉を開けると、夫人は公孫恒の後を追って自害していた。命を絶った二人の姿に悲しみと怒りが込み上げる長歌、しかし秦老は刺史夫婦が命をもって信念に殉じたという。「これで郡主もやっと分かったはず、家とは何か、国とは何か、民とは天下とは何たるか …郡主が執着する信念は?あなたの信念は何ですか?」「信念?私の信念は…」穆金(ムージン)は公孫恒があっさり降参したことに戸惑いを隠せなかった。すると阿詩勒隼(シュン)は公孫恒を英雄だと称え、献杯する。しかし条件を聞いた穆金は驚いた。民を傷つけず捕虜にもしないという取引など、延利(イエンリー)可汗にどう説明するつもりなのか。「お前らしくないぞ?いつから軟弱になった?」「…それからもう一つ、伊布坎(イフカン)が死んで熊ちゃんには痛手だ 明日の開城時、熊ちゃんの暴走を防がねばならない」( ๑≧ꇴ≦)<熊ちゃんって…やっぱり軟弱だ!w阿詩勒隼は穆金を先に帰し、高台でひとり酒を飲みながら朔州を眺めていた。あの灯のどこかに十四郎がいるのだろう。その頃、長歌は城楼に立っていた。そばには公孫恒の首を収めた木箱がある。…″身は死しても霊は眠らず、豪胆たる魂魄(コンパク)は死者の英雄″…刺史には及ばなくても朔州の民とこの辺境の要塞は守ってみせます…虎穴や火水であろうとこの長歌、決して恐れませんそしてついに約束の朝を迎えた。朔州のどさくさに紛れて皓都(コウト)は刺史府に潜入、公孫恒と夫人の位牌の前で座っていた長歌に剣を突きつけた。「公孫恒は死に朔州は開城、もはやその命に意味はない」「まだ終わっていない、唐の郡主として唐の民を守るために戦う それを阻むというならお前は唐の敵も同じ!」すると皓都は何も言い返せず、剣を降ろした。「私の家族は虫けらのように殺された、生まれた地から追放され、毎日が生き地獄だった… この難の決着後に私を殺せばいい」皓都は長歌が位牌に礼を尽くす姿を不思議そうに見ていた。「投降将にそれほどの礼を?」「それほどの方よ、私は公孫恒と出会って自分の忠義に気づいた… 民のために首を差し出した方は誰より尊敬できる」長歌の思わぬ言葉に皓都はそれ以上、何も言えなかった。秦老と緒風(ショフウ)が城門で待っていると、長歌が公孫恒の首級を持ってやって来た。「帳簿は二重に作った?」「はい、7割はごまかせました」「阿詩勒部が入城した隙に媛娘(エンジョウ)を城外へ逃がし、蓄えも運び出して 連絡するまで戻ってはだめよ」国境の都城が敵に奪われても長安から援軍が来る様子もなく、長歌は投降後に何が起きるか予測がつかなかった。公孫恒夫妻の忘れ形見を預けられるのは秦老たちだけ、長歌は朔州なら自分が守ると安心させる。「この秦老、一介の侠客で耳順(ジジュン/60)の年も越えました 謀士として補佐した主公は5人、皆が運気と帝王の相に恵まれながら李氏に勝てず身を滅ぼした そんな私を郡主は傘下に従えるというのか?」「自分の信念が何か今は分からない、でも一つだけはっきりしている 私は家を失ったけれど唐は失いたくない、私に力を貸して欲しいの」すると秦老と緒風は永寧郡主に仕えると誓った。阿詩勒隼が率いる鷹団は静かに開城を待った。やがて雪が舞い始めると、長歌がたった一人で門から出て来る。長歌は鷹団首領のもとへ到着、投降すると宣言して首級を差し出した。そこで穆金は箱の中を確認し、確かに公孫恒の首だと特勤(テギン)に報告する。しかし長歌は聞き覚えのある声にハッとなった。鷹団の首領が仮面を外した。長歌は特勤の正体が阿準(アジュン)だと知って呆然、しかし涙をのんで朔州の民を助けて欲しいと嘆願する。「どうしても血祭りにあげるというなら朔州ともども果てるまで!」鷹団から怒号を浴びせられながら必死に民を守ろうとする長歌、すると阿詩勒隼が馬を降りて来た。「いいだろう、約束する」その時、急に空が明るくなって雪が止んだ。「しかし1つ条件がある、俺に服従せよ…俺を主とし、俺の意に従え」隼は今や朔州中が李都尉を反徒とみなしていると指摘し、どちらにしても戻れないという。「…特勤に従います」その時、隼は長歌の大きな瞳からこぼれ落ちる涙を見た。秦老と緒風は媛娘を連れて無事に朔州から脱出した。一方、朔州には阿詩勒軍が侵攻し、長歌を見せしめにする。長歌は民から刺史を殺して朔州を売ったとなじられたが、決して言い訳しなかった。黙って見ていた穆金だったが、何も知らず恩人に怒りをぶつける民たちの理不尽さにへき易する。そこで穆金は可汗が朔州に恩赦を与えたと教え、民をなだめた。その夜、阿詩勒隼たちは刺史府に入った。そこへ敵兵を解放したと知った土喀設(トカシャー)が乗り込んでくる。「なぜ殺して首を持ち帰らぬ!熊師が大勢、犠牲を出したんだぞ?!」「お前が暴挙に出たから作戦は失敗した!可汗の計画を潰しておいて、よく言えたな! …お前がおとなしく口をつぐむならうまい汁を吸わせよう しかし拒むなら、可汗に何と報告されても知らんぞ」ฅ(•̀㉨•́ )ฅ<覚えてろよ!阿詩勒隼はこれまでも唐の民を密かに見逃していた。しかし今回はあの土喀設に知られ、穆金は可汗の耳に入るのではと危惧する。「覚えておけ、これは俺が決めたことだ、鷹師は関係ない…それより頼みがある」阿詩勒隼は朔州に″李十四郎は鷹団を襲って失敗し、国に殉じた″と告示を張り出した。民たちは死屍に鞭打つことはできず、李都尉への怒りを収める。一方、捕らわれの身となった長歌は阿準が自分のために策を弄したとは知らず、悶々としていた。つづく(^ꇴ^)ようやく男主と女主が合流しました!
2022.02.11
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长歌行 The Long Ballad第14話「大将軍の覚悟」熊団に捕まり、首領の天幕の柱に縛り付けられた阿竇(アトウ)。すると朔(サク)州陥落に失敗した土喀設(トカシャー)が鷹団に指揮権を奪われ、今や蚊帳の外だと知った。どうやら土喀設は挽回しようと気が急くあまり、可汗の命さえ無視して功を立てようとしている。そこで阿竇は高笑いして首領の気を引いた。「俺は都尉の実の弟だ、一番の交渉の手札だろう?哥哥にとっちゃ俺は朔州の半分の価値はある」一方、唐軍に成り済ました穆金(ムージン)たちは朔州へ引き返していた。すると城下で落ち合うはずだった阿詩勒隼(アシラシュン)が突然、現れる。「土喀設が中原人を連れて朔州の方へ向かった、奴らの愚行を止めないと作戦が台無しだ!」朔州に熊団が現れた。李長歌(リチャングァ)こと十四郎は今さら熊団が何の用かと困惑、城楼から確認する。ʕ •ɷ•ʔノ″<どうも~熊ちゃんです!…こいつに見覚えがあるか~い?その時、騎馬隊の後ろから阿竇が引っ張り出された。呆然となる長歌と将軍たち、すると馬を降りた伊布坎(イフカン)が阿竇の背中を踏みつけ、開城して交渉に応じるよう迫る。「拒むならお前の前で殺すぞ!」激怒した長歌は助けに行こうとしたが、郭寧(カクネイ)と張暉(チョウキ)が止めた。「近過ぎます!城門を開けば奴らがなだれ込む!」( ๑≧ꇴ≦)<クソッ!伊布坎はこれ見よがしに阿竇を蹴り飛ばした。すると阿竇がふいに城楼を見上げ、師匠に合図を送る。…俺は今から大将軍になる…阿竇は重い身体を起こしてひざまずくと、師匠に叩頭してから決死の覚悟で叫んだ。「代 州 が 陥 落 し た !!! 援 軍 は 来 な い !!!」土喀設は阿竇に騙されたと気づいて激怒した。すると伊布坎は早合点し、李都尉の目の前で阿竇を処刑してしまう。「あとおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」その時、唐軍に成り済まして駆けつけた阿詩勒隼たちは長歌の悲痛な叫び声を聞いた。どうやら手遅れだったらしい。敵は自分たちが援軍を装っていると見抜き、すぐさま戦闘態勢に入った。土喀設は人質を失い撤収を決めた。すると城門から十四郎率いる唐軍が飛び出し、その様子を見た阿詩勒隼は巻き込まれないよう鷹団を止める。阿竇を失った絶望と悲しみ、激情に駆られた長歌は熊団を次々となぎ倒し、ついに阿竇を手にかけた伊布坎を追い詰めた。「悲兵は勝つ…機を逸したな」隼は最後に長歌を背後から狙う熊団の兵士を射抜き、そこで引き返した。長歌はまさか敵将に助けられたとは知らず、阿竇と戦死した兵士の敵を討った。こうして阿竇の犠牲により陥落を免れた朔州、長歌は望み通り阿竇を竇大将軍として埋葬し、朔州軍と共に礼を尽くし凱旋を迎える。しかし長歌が悲しみに打ちひしがれる中、公孫恒(コウソンコウ)は密かに重大な決断を下していた。朔州の屯田は鷹団に潰され、食糧庫も焼き払われていた。今や城内の食糧はもって3日、そこで公孫恒は護衛の緒風(ショフウ)に文を託し、敵将の阿詩勒隼へ届けるよう命じる。するとその夜、長歌が書房に現れ、新たな策を思いついたと訴えた。撤退を装って鷹団に朔州を明け渡し、入城後に仕込んだ火種を引火してはどうかという。しかし公孫恒は朔州の人々を流民にできないと反対した。「私が守るのは要塞ではなく、万民の安息の地であり、命を紡ぐ朔州だ そうでなければ晋陽(シンヨウ)の挙兵で唐が建った後、投降などしない… 私に考えがある、明日、改めて話そう」阿詩勒隼は本当に単身で約束の場所に現れた。公孫恒はその度量に敬服し、取引を持ちかける。「朔州を献上したら城内の民を傷つけないと保証してくれるか?」鷹団は確かに食糧庫を燃やしたが、周辺の民家は被害を受けず、目撃者も見逃していた。公孫恒は特勤も殺戮を望んでいないと気づき、敵将とは言え城内の民の命を預けるに値する相手だと判断する。「もちろん朔州を献上するに当たり誠意を見せよう… 阿詩勒兵の全員の鬱憤が晴れるような手土産を用意するつもりだ」「後戻りできないこともあるぞ?」「…朔州の民の安全に比べたら何でもない」公孫恒は悔いはないと断言、すると隼は約束は必ず守ると安心させた。翌日、長歌は書房に呼ばれた。何やら思い詰めた様子の公孫恒と秦(シン)老、すると公孫恒は朔州城の兵の配置図と全ての物資を十四郎に託すという。「そしてこれが令符だ、これで朔州の兵と刺史(シシ)府の配下を動員できる、もう決めた… 明日、投降する」実はすでに阿詩勒隼も同意し、自分の首を差し出す条件で民の命を必ず守ると約束させていた。刺史がいる限り朔州軍は最後の1人になるまで決して投降しないだろう。公孫恒にとっても苦渋の決断だった。公孫恒と秦老が急に十四郎に向かって拱手した。「朔州の民の命を唐の郡主に託します、仁義を貫いて死ねるなら悔いはありません」2人はすでに十四郎が永寧(エイネイ)郡主だと知っていたという。あの日、秦老は皓都(コウト)が十四郎に向かって″永寧郡主″と呼びかけたのを聞いていた。手合わせしたところ皓都の腕からして宮中の禁衛、遠路はるばる朔州まで前皇太子の縁者を追って来たのだと察しがついたという。しかし公孫恒は郡主の目的が何にせよ悪意はないと判断し、黙ってそばに置いていた。長歌はついに身分を明かした。「私は李長歌、確かに李建成(リケンセイ)の娘ですが、もう郡主ではありません 今は刺史と共に敵と戦いたい」しかし公孫恒は城主の朔州の民に対する深い情に感謝し、最後の願いを託した。「唯一、気がかりなのはまだ幼い媛娘(エンジョウ)を残して逝くことです どうか郡主が可能な限り母娘の面倒を見て頂きたいと…」「刺史…考え直してください!」すると公孫恒は必死に涙をこらえながら秦老に郡主を見送るよう命じた。「刺史!」つづく(  ̄꒳ ̄)漫画のせいかイマイチ感情移入ができず…でも来週はいよいよお楽しみのシーズン2へ!
2022.02.06
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长歌行 The Long Ballad第13話「朔州攻防」阿詩勒隼(アシラシュン)率いる鷹団が朔(サク)州陥落に動き出した。李長歌(リチャングァ)こと十四郎は城東に地形の利ありと西門に守りを集中させたが、鷹団はその過信を突いて東の沼地を渡ってしまう。驚いた長歌は自分の落ち度だと謝罪し、自ら敵を迎え撃つと申し出た。しかし朔(サク)州刺史(シシ)・公孫恒(コウソンコウ)は李都尉(トイ)ひとりの責任ではないとなだめる。「十四郎、しかと心しておけ、これより対峙するのは阿詩勒部随一の精鋭だ」荒野に甲高い鷹の鳴き声が響き渡った。公孫恒は全軍を招集、ついに東門で阿詩勒軍と激突する。鷹団の特勤(テギン)・阿詩勒隼は仮面で顔を隠し、後方から戦況を眺めていた。すると城楼で戦っていた公孫恒が敵兵に腹を刺され、立てなくなってしまう。「お戻りください、ここは私が!」長歌は緒風(ショフウ)に刺史を任せて見送ったが、その時、阿詩勒部に援軍が到着した。穆金(ムージン)は阿詩勒隼と合流、亜羅(ヤールオ)が計画通り屯田を潰したと報告した。すると隼が穆金にも仮面を渡し、顔を隠せという。穆金は理由もわからず仮面をつけて城門の様子を眺めたが、その時、顔を隠す理由が分かった。( ゚ロ゚)!!<あれは…十四郎か?!面が割れたくない?じゃあ身分を隠していたのか?( ๑≧ꇴ≦)<黙れ!隼は複雑な心境だったが、ついに全軍へ攻撃を命じた。阿詩勒部の騎馬隊が一斉に東門へ駆け出した。圧倒的な兵力の差に戸惑いを隠せない郭寧(カクネイ)と張暉(チョウキ)、すると長歌は夜を徹して襲撃に挑んでいる阿詩勒軍なら馬に餌を与える時間もなかったと気づく。そこで干草に撒菱(マキビシ)を混ぜ、投石機で次々、投下した。すると空腹だった阿詩勒軍の馬が足を止めて餌に食いつき、撒菱で喉を切って次々、倒れてしまう。「十四郎、お前だな…隼!奴を生かしておくわけにはいかない!」穆金は激怒したが、なぜか隼は黙ったまま動こうとしなかった。「隼!何を迷っているんだ?!…特勤?!」城楼を見上げ長歌とにらみ合う隼、その時、長歌が矢をつがえて自分を狙う姿が見える。隼も急いで矢をつがえ、2人はほぼ同時に矢を放った。阿詩勒隼は長歌が放った矢をぎりぎりのところで避けた。しかし長歌は敵将の放った矢が胸に命中、そのまま後ろに倒れてしまう。穆金は敵将が死んだと確信し、唐軍に投降するよう迫った。その時、自ら矢を引き抜き、長歌は気丈にも城楼から無事な姿を見せる。李都尉は死んでない!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<死んでないぞ!穆金は呆然となった。阿詩勒隼の弓矢は百発百中、外したことなどない。すると唐軍が士気を盛り返し、隼は撤収せざるを得なくなった。「引くぞ、城外で駐留する」阿詩勒軍が引き返す姿を見た長歌は安堵したが、そこで倒れてしまう。長歌は刺史府で目を覚ました。公孫恒は命に別状ないものの古傷まで傷めてしまい、まだ伏せているという。阿竇(アトウ)は起きあがろうとする師匠を止めたが、長歌は危険が迫る朔州を放っておけないと言った。その夜、阿詩勒隼は高台でひとり朔州を見下ろしていた。そこへ穆金がやって来る。狼団はすでに2州を攻めており、可汗からも10日以内に朔州を落とすよう急かされていた。しかし隼は包囲された朔州なら長くもたないという。「…ムージン、俺の弓の腕は?」「百発百中だ」穆金は隼が十四郎を心配して朔州へ行くつもりだと焦り、慌てて隼の弓術なら無事だと安心させた。すると隼は熊団首領・土喀設(トカシャー)に会いに行くという。「災いの芽は摘む、朔州は鷹団が引き継ぐ」土喀設は軍師・司馬健(シバケン)の度重なる失態に怒り心頭だった。すると天幕に阿詩勒隼たちが現れる。隼は熊団の兵士ら半数が命を落としたと指摘、司馬健が深刻な被害をもたらしたと非難した。追い詰められた土喀設は司馬健をその場で処刑し、可汗には自ら奸臣に惑わされたと釈明するという。「可汗からの指令なら受け取った…」「功を焦って俺たちの足を引っ張らないでくれ」土喀設は可汗に告げ口されないよう隼特勤に従ったが、腹心の伊布坎(イフカン)に鷹団を監視させることにした。延利(イエンリー)可汗は阿詩勒捗爾(アシラシャアル)が代州を攻める際、鷹団に呼応するよう命じていた。そこで阿詩勒隼は穆金を送ると決める。「すぐ発て、代州では敵の軍装を回収しろ、民を襲うな…可汗に伝える必要はない」実は狼団が侵攻した代州にはさらわれた李楽嫣(リラクエン)がいた。しかし混乱の中で麻子(マシ)が敵兵に殺され、海(カイ)老も自分の身を守るだけで精一杯となる。楽嫣は思いがけず自由の身となり、民に紛れて無我夢中で逃げ出した。長歌は城東の様子が心配で阿竇と城門へ向かった。しかしその途中、突然、皓都(コウト)が襲いかかって来る。長歌は阿竇を逃すことに成功したが、病み上がりの身体で対抗できず、皓都に激しく蹴り飛ばされた。「どうやら狙いは皇太子璽(ジ)だけじゃない…私の命か?」すると皓都がついに剣を振り上げ、止めを刺そうとする。その時、知らせを聞いた秦(シン)老が駆けつけ、皓都の剣を跳ね返した。驚いた皓都は彼女をかくまえば必ず後悔すると説得したが、秦老は失笑する。「あの者は他でもない、敵から朔州を必死で守る軽車都尉だ 小郎君、鷹師が包囲する前に朔州に入ったなら、現在の状況を知っているだろう 今や朔州の民の安全は李都尉にかかっておる、傷つひとつ負わせぬぞ!」皓都は秦老の気迫に負け、今回は仕方なく引き下がった。長歌は熊団を水攻めにした時、無定河に排水した穴があると思い出した。そこでその穴から城外へ出て援軍を呼ぼうと決める。しかし公孫恒は深手を負った長歌にこれ以上の重責は負わせられないと止めた。すると阿竇がその役目を引き受けたいと申し出る。身体が小さい自分なら狭い穴も通ることができる上、何より子供なら敵の注意を引かずに済むはずだ。「俺は機転が利くから弟子にしたんだよね?師父からもたくさん学んだよ?」長歌はついに決断し、阿竇に荷物を渡した。「逃げ道の地図と追撃をかわす手弩(シュド)が入っている」「俺が戻ったら竇大将軍って呼んでよね!それまで耐えてください」こうして阿竇は元気よく走り出した。「李都尉、いい弟子を持ったな」「いいえ、阿竇に出会えた私こそ救われました…」翌朝、阿竇は深い森を出て、ついに代州を望める道へ出た。しかし山道には唐軍の死体が転がっている。そこへ阿詩勒軍が現れ、阿竇は慌てて物陰に隠れた。どうやら敵軍は代州から半径100里の唐軍を皆殺しにした帰りで、これから鷹軍特勤の使者を出迎えに戻るという。…駅道が阻まれては長安に知らせが届かない…代州はもう占領され、援軍も来ないのか阿竇は師匠に報告するため、急いで引き返した。穆金は鷹軍と代州に到着したが、民たちは狼団に虐殺されていた。目も覆いたくなるような凄惨な城内、しかし穆金は特勤の指示通り唐軍の軍装を剥ぎ、代州を出たら着替えるよう命じる。一方、楽嫣は生き延びた民たちと一緒に必死に逃げ回っていた。しかしついに阿詩勒軍に囲まれてしまう。もはやこれまでかと思われたが、その時、穆金たち鷹軍が現れた。「早くうせろ!難民を殺した代償は分かっているんだろうな?」狼軍は憤慨したが鷹軍に対抗できるはずもなく、そこで引き上げて行った。阿竇はもうすぐ無定河というところまで戻って来た。しかしその時、阿詩勒軍が現れ、急いで草むらに身を隠す。すると後ろから急に殴られ、気を失った。阿竇は土喀設の前に引っ立てられた。土喀設は子供では役に立たないと始末するよう命じたが、阿竇は生かしてくれるなら協力するという。「李主簿が昇格したことも知らないくせに主導権を握れるの?俺なら交渉できるよ?!」阿竇は李都尉と刺史が鷹団との戦いで瀕死の状態だと嘘をついた。失敗続きで蚊帳の外となり、何とか挽回したい土喀設、そこでひとまず阿竇を生かしてやるという。公主である楽嫣が今や難民に身をやつした。それでも生きるため必死に歩いたが、やがて一緒に逃げた婦人が足を痛めてしまう。楽嫣は婦人が裸足だと気づき、自分の靴を譲って励ました。鷹団を監視していた熊団の兵士が帰って来た。「鷹師は代州で唐軍の軍装を回収し着替えさせました!」(# •̀㉨•́)ฅ<出し抜く気か…(机バーン!)熊団を集めよ!つづく( ๑≧ꇴ≦)欲を出してすぐ騙されちゃうクマちゃん!
2022.02.05
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长歌行 The Long Ballad第12話「人心 帰するところ」行軍総管・司馬図(シバズ)は朔(サク)州の刺史(シシ)・公孫恒(コウソンコウ)に造反の疑いありとして拘束した。すると翌朝、刺史府に官兵が押し寄せ、捜査が始まる。部屋中を引っくり返され憤慨する李十四郎(リジュウシロウ)こと長歌(チャングァ)たち、実は総管の侍衛・王歴(オウレキ)は兵符を探していた。王侍衛は奥の私邸にまで踏み込んだ。驚いた秦(シン)老は急いで駆けつけ、気丈に振る舞う公孫夫人をかばう。その隙に長歌は自ら書房を荒らし、慌てて秦老へ報告した。「大変です!屋敷に賊が入って…帳場と書房の物が盗まれています、早く追撃しないと!」王侍衛はそれより兵符だと苛立ったが、長歌は兵符なら書房だと教えた。書房はひどく荒らされていた。結局、兵符は見つからなかったが、王侍衛は下手な芝居だと勘づいている。「3日以内に差し出さねば刺史府の安全はないぞ!」長歌の機転で王侍衛はひとまず撤収した。しかしこれもただの時間稼ぎにしか過ぎない。すると秦老はたとえ兵符があっても司馬図が朔州の兵を動員することはできないと言った。「将兵たちを心から承服させるためには刺史・公孫恒でないと…」そこへ総管府を見張っていた緒風(ショフウ)が戻って来た。「司馬図が府庫の財物を手土産に阿詩勒(アシラ)部と和議を…!」長歌は自分を重用してくれた刺史の恩に報いるため、何としてでも助けたかった。しかし秦老もお手上げの状態、阿竇(アトウ)は牢を襲う以外に方法はないという。「それとも司馬図を殺すのかい?」「…そうか」長歌は阿竇の一言である計画を思いついた。かなり危険な賭けだったが、話を聞いた秦老は刺史の目に狂いはなかったと安堵する。そこで秦老は刺史から託された書き置きを渡した。…号令に従う…長歌はふと幽州の都尉・沈固(シンコ)から言われた言葉を思い出し、その真意をようやく理解した。翌朝、秦老は刺史が最も信頼する副将を長歌に紹介した。郭寧(カクネイ)と張暉(チョウキ)は李主簿に拝礼し、開城を阻止し刺史を救うためなら全力を尽くすと誓う。そこで長歌は郭将軍に指揮を任せ、毎晩のように阿詩勒部陣営の寝込みをかくよう指示した。「ただしすぐ撤退し、兵馬の犠牲を出さないこと」また張将軍には密かに城外に兵を移動させ、北西と北東に駐留させるよう命じた。和議の当日、援軍が来たように見せかけるためだという。将軍たちは拝命し、ただちに準備に向かった。すると阿竇は書き置きだけで大軍を動かせるのかと目を丸くする。しかし長歌は書き置きの力ではなく″人心″だと諭した。草原の夜、穆金(ムージン)は特勤(テギン)の天幕を訪ねた。すると阿詩勒隼(アシラシュン)がひとり酒を飲みながらにニヤけている。穆金が怪訝そうな顔で見ていると、隼ははたと気づいて渋面になった。「唐から戻ったお前は別人だな、何もないのに笑ったりして…しかも笑顔が不気味ときてる やはり唐の女に惚れたんだろう?…おお~天狼神よ、隼がついに目覚めました!」「…暇なのか?」「はぐらかすな~認めろよ?!」「分 か り ま し た」しかし思いがけず陣営が夜襲に遭う。報告を聞いた隼はこれまで公孫恒が自ら攻めて来たことがなかったことから違和感を感じた。(  ̄꒳ ̄).oO(まさか?刺史府の地下には隋(ズイ)代から使っていた密室があり、秦老と緒風だけが知っていた。長歌はこの地下室を隠れ家に決めて移動、そこへ緒風が駆けつけ、計画通りに夜襲をかけていると報告する。「繰り返し襲撃すれば敵も寝てはいられまい」すると長歌は次の一手に出ることにした。「ただこの方法は…緒風に苦労をかける」司馬健(シバケン)は土喀設(トカシャー)に催促され、密かに行軍総管府を訪ねた。司馬図は予定通り数日後に投降書を渡すと伝えたが、司馬健の話では毎晩、朔州軍に襲撃されて阿詩勒軍が狼狽しているという。何も知らなかった司馬図は兵符が盗まれたことを思い出し、盗んだ賊が暗躍していると疑った。その時、回廊で物音が聞こえ、曲者がいると気づく。司馬図は身振りで王侍衛に合図、すると密かに裏手で盗み聞きしていた緒風が捕まった。緒風は激しい拷問を受けた。決して口を割らない緒風、すると司馬健は火鉢から真っ赤になった焼きごてを取り出し、じわじわと迫る。一方、穆金は熊団の軍師がまた朔州に入ったと報告した。阿詩勒隼は土喀設が明日、投降を受け入れると見せかけて朔州を攻めるつもりだと気づく。「しかし李主簿が黙っているとは思えない、クマーは応戦できるかな?」「クマー?いや、李主簿?」「調べたところ外地から来た新しい主簿だと…まだ就任して数日だ」新しい主簿…( ° ꒳ ° )✧˖°✧. キラーン緒風は深手を負いながらも何とか地下の密室にたどり着いた。驚いた長歌は手を貸そうと駆け寄ったが、突然、緒風に薬を嗅がされて意識を失ってしまう。実は緒風は焼き印を恐れ、ついに司馬健に寝返っていた。そこで司馬健から主簿を捕らえるよう命じられ、長歌をさらって約束の場所へ向かう。司馬健は短剣を渡し、その場で主簿を殺すよう指示、仕方なく緒風は長歌の左胸をひと突きした。「ふ、驚いたな、手加減なしとは…気に入った」すると司馬健は死体の処理を任せて帰って行った。司馬健は土喀設に李主簿を始末したと伝えた。熊団の様子を探っていた穆金はすぐ阿詩勒隼に報告、そう言えば十四郎も李姓だったと思い出す。隼は十四郎の身が心配だったが、ともかく明日は熊ちゃんから目を離すなと命じた。「死なせるな」「ラジャー!」翌朝、朔州の城門の前に阿詩勒軍の熊団がずらりと並んだ。司馬図は城門を出て自ら投降書を献上、すると土喀設は馬にまたがったまま巻物を開いて目録を確認する。その時、弓矢が巻物を射抜いた。弓矢を放ったのは城楼に立った長歌だった。激怒した熊ちゃんは司馬図を処刑、これを口実に城門の攻撃を命じる。長歌は熊団をぎりぎりのところまで引きつけてから射撃で応戦し、城外に駐屯していた兵士へ川辺まで追い払うよう伝令した。伏兵がいたと気づいた熊団は進攻を断念、撤退を余儀なくされる。「…次は郭将軍の腕の見せどころだ」こうして長歌は熊ちゃんの手で司馬図を始末することに成功し、戦死した総管の代わりという大義名分を得て刺史を総帥にした。熊団は無定(ムテイ)河まで後退した。司馬健の情報通り運良く川が枯れたおかげで行軍が楽になり、ここで伏兵を迎え撃つことができる。しかしふと気づけば朔州軍は追撃を止め、川へ降りてこなかった。その時、兵士が上流でせき止めていた水を一気に放水、熊団は濁流に飲み込まれ流されてしまう。長歌は土喀設が和議を口実に必ずや進攻して来ると読んでいた。その野心を利用して一計を案じ、見事に朔州を守り抜く。何より緒風の働きはお見事だった。あの芝居で司馬図を騙せなければ今回の計画は失敗しただろう。すると緒風は自分が刀を刺した時、一歩間違えれば血糊袋を貫通してしまったはずだと驚いた。「なぜ私を信じたのです?」「信じたのは刺史への忠誠心だ」公孫恒は嬉しそうに李主簿の武勇伝を聞いた。そこで十四郎の功績を認め、軽車都尉に昇格させるという。「見事な策だった」公孫恒は民に代わって十四郎に叩頭し、長歌を恐縮させた。しかし長歌は土喀設を逃してしまったと後悔する。すると公孫恒は実は熊団の後ろに鷹団が現れたと教えた。鷹団とは阿詩勒部でも精鋭が集まる最強の部隊だという。長歌は東門外には沼地があるため、守りを西に移して警戒すよう進言、公孫恒も同意した。熊ちゃんは駆けつけた穆金たちの援護で助かった。司馬健への怒りが収まらない熊ちゃん、しかしまだ使い道があると考え脅すだけに留める。すると配下が鷹団がどこかへ向かったと報告した。(# ̄(ェ) ̄)<ああ?!一方、長歌を追う皓都(コウト)は朔州に入った。すると講談師が店の前に李主簿の肖像画を掛け、今回の手柄話を身振り手振りで語っている。「李主簿じゃないぞ!今や軽車都尉だ!」ヤンヤヤンヤ>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<8888888~公孫夫人は朝食の席で十四郎と阿竇に改めて感謝を表した。「寒い地では着込まないと…厚い布で何着か作ってあげるわ 良かったらここを自分の家だと思ってね」長歌は久しぶりに人の真心に触れ、ふと母を思い出して感傷的になってしまう。「感謝します…母の他界後、初めて家の温もりを感じました」そこへ兵士が駆けつけた。「刺史!食糧庫に火がつき、全て灰になりました!」火矢は鷹団のものだった。死傷者を出さなかったのは不幸中の幸いだったが、緒風が東門外の沼地で桐の板を発見する。恐らく鷹団の騎兵は板の浮力を利用して沼を渡ったのだ。長歌は地形を過信して西に守りを移したことを謝罪し、先陣を申し出たが…。つづく( ๑≧ꇴ≦)柴犬を見逃すなんて、クマー優しめw
2022.01.29
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长歌行 The Long Ballad第11話「無敵の謂れ」朔(サク)州の刺史(シシ)・公孫恒(コウソンコウ)は李十四郎(リジュウシロウ)こと長歌(チャングァ)の手腕を高く評価、主簿に任じた。一方、阿詩勒隼(アシラシュン)も偵察のため腹心・穆金(ムージン)と2人で朔州に入る。すると要塞と称される朔州にはわずかな兵力しかなく、その代わり城門が分厚い壁でできていると分かった。確かにこの城門を閉じたら、食糧さえあれば数年は死守できるだろう。「ふ、面白い…行くぞ、桐の木材を買う」その頃、隼が密かに朔州に出かけたと聞いた熊団主領・土喀設(トカシャー)はその隙に招集をかけた。長歌と阿竇(アトウ)は露店で麺を頬張っていた。するとふと阿竇が山賊の情報を得るため持ち金を全て叩いてしまったことを思い出す。仕方なく長歌は正直に店主に事情を説明、弟がお金を取りに行くと言った。阿竇は急いで走り出したが、店主は長歌も逃げるつもりだと疑って腕をつかむ。「役所へ行くぞ!」その時、突然、阿準(アジュン)が現れた。「どうしてここに?!」「また会ったな…」穆金が裏道で待っていると、阿詩勒隼が美しい少年の手を引いて現れた。「朔州に行くなと言ったのに聞く耳持たずか?」「そっちこそ…で、傷はどうだ?」穆金は少年が隼の傷のことを知っていることに驚き、思わず話に割り込んでしまう。「なぜ傷のことを?」「私が手当てしたから」「あの獣医はお前か?!あんな巻き方したら…」しかし隼が話を遮り、もう傷は治ったと安心させた。すると阿竇がようやく師匠を見つけて駆けつけ、阿準を見て困惑する。「またあんたか!」穆金は一体、何がどうなっているのか分からず、目を白黒させた。「阿竇、阿準が代金を払ってくれた」「十四郎、今から城門を出る、送ってくれるか?」長歌は阿準に別れを告げた。朔州に危険が迫っていると知る阿詩勒隼は早く立ち去るよう勧めたが、十四郎は行く当てなどないという。「草原は?」「草原?…見知らぬ土地だ、やめておく」「私がいる」 へっ?(๑・᷄ὢ・᷅๑)@穆金「ありがたいが遠慮するよ」その時、馬のいななきが聞こえた。阿詩勒隼は十四郎たちを連れて物陰に隠れた。すると阿詩勒軍の斥候(セッコウ)たちが目の前を走り去って行く。隼は阿詩勒部が朔州を攻めると十四郎に警告し、北に配下がいるので戻ると伝えた。「早く離れるんだ、ではここで」土喀設は抜け駆けして出兵していた。穆金は手柄を独り占めするつもりだと焦ったが、阿詩勒隼は熊団が負けると確信している。「愚かだからな…それに″あいつ″がいる」(๑・᷄ὢ・᷅๑)<たぁ(他)?長歌たちは急いで城門へ戻り、敵の襲来を知らせた。すでに公孫恒は城楼に待機していたが冷静沈着、敵をもう少し引きつけると言って動こうとしない。驚いた長歌は思わず刺史の胸ぐらをつかんで詰め寄ったが、公孫恒は聞き分けのない十四郎と阿竇を屋敷に監禁してしまう。長歌たちが閉じ込められてしばらくすると、ようやく戦鼓の音が聞こえた。「朔州は陥落するかもな…阿竇、ここへ来たのは間違いだったのか? 刺史も朔州を阿詩勒部に献上しようとしているのやも…」しかし長歌の危惧は杞憂に終わる。公孫恒は見事、戦に勝利したのだ。長歌が城楼に駆けつけた時、公孫恒はすでに弓隊3000人を忍ばせていた。敵が射程距離に入ると一斉に射撃、阿詩勒部の足並みを乱してから拒馬(キョバ)を出して攻撃に転じる。話を聞いた長歌は兵法の″偃月(エンゲツ)の陣″だと分かった。偃月の陣により阿詩勒部の騎兵は壊滅的な打撃を受けた。公孫恒は土喀設が巻き返しを図ろうとした矢先、戦鼓を叩き、烽火(ノロシ)で合図を送る。すると北東と西北に待機していた伏兵が一斉に怒号を上げた。土喀設はこのままでは包囲されると焦り、自ら撤収したという。公孫恒の奇策に感服する長歌、しかし伏兵がいたのならなぜ奇襲をかけなかったのか。「はっ!…つまり刺史は戦わずして勝とうと?」「その通り」実のところ伏兵は2000しかいなかった。長歌は自分の甘さを痛感し、無礼を謝罪した。しかし公孫恒はむしろ朔州を思う十四郎の気持ちに感謝する。「刺史…刺史の度量に敬服いたします この戦いでようやく分かりました、なぜ刺史が無敵なのかを!」こうして公孫恒と長歌は共に力を合わせ、朔州を守ろうと約束した。熊ちゃんは手柄を奪おうとこっそり騎兵を率いて攻めたが惨敗した。すると阿詩勒隼はこれで相手が警戒し、もし戦局に影響があれば熊ちゃんのせいだという。( ̄(ェ) ̄)<くっ熊団に実戦訓練をさせただけだ!(  ̄꒳ ̄)<今日の顛末はありのまま可汗に報告するからねฅ(•̀㉨•́ )ฅ<自分で報告できるわーっ!公孫恒は行軍総管の司馬図(シバズ)に援軍を要請するため、侍衛・緒風(ショフウ)を使いに出した。実は朔州の前には幅が広く深い無定(ムテイ)河が流れている。本来なら自然の防衛線となるはずが、朔州の兵が少なく警固を配備できないため、こうして城下まで攻め込まれていた。そこで長歌は川にあえて道を造り、水に慣れない阿詩勒軍を罠にはめようという。ただし敵も惨敗したばかり、さらに手堅い建策が必要だった。すると長歌は無意識に二叔父・李世民(リセイミン)が使った方法を提案する。「″戦いは正をもって合い、奇をもって勝つ″… おとりの大軍で敵の主力を誘い、騎兵で背後をついて側面から奇襲をかける 最後、追撃して破滅させれば痛快かと…」公孫恒はまさに秦王を彷彿とさせると笑ったが、長歌は動揺を見せないよう拳を握りしめた。緒風は司馬図から刺史を呼ぶよう命じられ戻って来た。公孫恒は嫌な予感がしたが行軍総管の招きを断るわけにもいかず、最悪の展開も考え十四郎に書き置きを残す。「主公!本気ですか?!素性も分からぬ少年ですぞ?!」家職・秦(シン)老は困惑したが、公孫恒は十四郎の心根を信じた。「私がいなくても秦老と十四郎が力を合わせれば朔州の危機を救う手立てを見つけられる」行軍総管は4州の兵馬を管理していた。司馬図は報告もせず出兵した公孫恒を非難し、隋(ズイ)官が長かったせいで天下の主が変わったことを忘れたかと中傷する。思わぬ妄言に公孫恒は反発、唐に忠誠を誓い、異心などないと言い返してしまう。これがかえって司馬図を侮っていると取られた。「お前は独断で出兵した、もし見逃せば他の3州もこぞって私を一顧だにしなくなる 誰か!連行して厳重に見張れ!」公孫恒はせめて敵を撃退してから罰してくれと嘆願したが、司馬図は聞く耳を持たない。実は司馬図は刺史が朝廷に送った戦報も止めていた。司馬図は公孫恒を拘束すると、物陰に隠れていた弟・司馬健(シバケン)を呼んだ。実は司馬健は阿詩勒部に寝返り、今や土喀設の軍師を務めている。司馬図にとって招かれざる客ではあったが、公孫恒が阿詩勒部の大軍を怒らせたため4州が戦果に包まれると聞いて心中、穏やかではなかった。もはや朔州が陥落するのは必至、兄が自分の首を守るためには投降するしかないという。長歌は遅くまで政務をこなしていた。そこへ見回りをしていた秦老がやって来る。刺史が戻る様子はなかったが、その時、緒風が慌てて帰って来た。実は門前で待機していたところ、刺史は総管府に留まると言われて追い返されたという。「やはり捕らわれたか?!」秦老は司馬図が刺史を目の敵にしていると教え、恐らく独断で出兵したことを口実にされたと悔しがった。朝廷が行軍総管を置いたのも元隋官である刺史を警戒、簡単に兵を動員させないためだろう。今回の一戦は刺史を追求するのにうってつけだった。とは言え朔州の刺史を簡単に処罰はできないはず、そこで秦老は斥候出身の緒風に総管府の見張りを任せ、朝一番で直接、訪ねることにした。「李主補は大人しく屋敷にいてくれ」阿詩勒隼は熊団に出入りする中原の男に気づいた。穆金の話では司馬健という男で、もともと土喀設が捕らえた捕虜だったという。そこそこ賢いことから殺されず軍師になっていた。「密偵によれば刺史が総管府に拘束されたらしい…残念だ、一代の名将が奸臣に潰されるとはな」そこで隼は司馬健を見張るよう命じた。「巻き添えはごめんだ…」翌朝、秦老は司馬図に門前払いされ帰って来た。何でも司馬図は刺史が阿詩勒部と結託し造反する疑いがあるため勾留、審査するという。すると刺史府に官兵が乗り込み、屋敷内の一斉捜査を始めた。↓熊ちゃん、次は上手くやれるでしょうか?!つづく( ๑≧ꇴ≦)阿準がカッコ良すぎて町でひとり浮いてるwwwウーレイ顔ちっちゃ!背ぃ高っ!からの逆三体型~お見事!…そして柴犬w
2022.01.28
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长歌行 The Long Ballad第10話「国境の守り人」朔(サク)州は国境にある辺ぴな地、草原が近く戦が絶えない場所だった。しかし街は活気にあふれ、人々も豊かなのかおおらかで優しい。李長歌(リチョウカ)はひとまず酒楼でひと休み、すると給仕はすぐ外地から来た客だと気づいて名物の燻製鶏を出した。「注文していないが…」「番頭から外地の客人には無償でお出ししろと言われています、挨拶代わりですよ」長歌は辺境でも朔州が栄えていることに驚いた。給仕の話では、これも父母官の刺史(シシ)・公孫恒(コウソンコウ)のおかげだという。公孫家は隋(ズイ)代からこの地を治め、ここ数年で朔州は要塞のごとく兵力を強めていた。また公孫刺史は墾田(コンデン)を推奨して流民を招き入れ、周辺でも朔州が一番にぎわうという。…評判の父母官は隋代の将領なのね、きっと戦を憎んでいるはず…どうにかして刺史に挙兵を勧められないものか。結局、長歌は燻製鶏には手をつけず、代金を置いて店を出た。長歌は誰かが後をつけていると気づき、咄嗟に裏道に隠れた。すると追いかけてきたのが阿竇(アトウ)だと分かる。「やっぱり師父だった!似た人だと思ってさ~」再会を喜ぶ長歌だったが、幽州での失敗は心に大きな傷を残していた。「誰も信じられなくなるのは騙されるよりも辛い…」阿竇にはその意味が良く分からなかったが、長歌はともかく刺史に近づく方法を考えることにした。一方、阿詩勒隼(アシラシュン)は無事に鷹団の幕営に帰っていた。「特勤(テギン)!お帰りなさい!」鷹団の子供たちが嬉しそうに出迎える中、腹心の穆金(ムージン)は隼の背中にある大きな傷に気づいた。穆金は隼の手当をしながら、阿詩勒捗爾(アシラシャアル)に襲われたと知り憤慨した。「それにしても誰が手当てしたんだ?めちゃくちゃだな」すると隼は長歌が切り裂いた布を見て思わず笑顔になる。( ゚д゚)<何で笑ってる?( ̄▽ ̄;)<別に…(  ̄꒳ ̄)<隠し事か…あ!唐の女だな?!隼ははぐらかしていたが、そこへ招かれざる客がやって来た。いけ好かない熊団の首領・土喀設(トカシャー)が現れた。そこで隼に軍令を投げ渡し、実は可汗が熊団に南下を命じたと教える。確かに軍令は今回の朔州への侵攻で鷹団は熊団の指揮に従うよう命じていた。どうせまた誰かが可汗に讒言(ザンゲン)したのだろう。何も言わずとも隼と穆金は誰の差金か分かっていた。その頃、朔州の刺史府に急報が舞い込んだ。公孫恒の妻娘が参拝へ向かう道中で山賊に遭遇し、馬車が壊れ、御者が死んだという。しかしそこへ夫人が無事に戻って来た。「媛娘(エンジョウ)も無事よ、2人の郎君のおかげで…ほら」すると娘を抱いた長歌と阿竇が中庭に入って来た。公孫恒は妻と娘を助けてくれた2人に感謝した。そこで長歌は阿竇と兄弟を装い、実は急を要するゆえ虚言を吐いたと告げる。「私と弟は隴西(ロウセイ)からこの地へ流れ着き、山間で休んでいました その時、山賊が近くで相談していたのです ″公孫恒の娘が病になり、参拝のため母娘がここを通る、必ずさらうのだ″と…」しかし2人で山賊に勝てるはずもなく、刺史に報告する暇もないため、先回りして馬車を止めることにした。夫人は山道を歩いている少年たちに気づき、馬車を止めて乗るよう勧めた。すると長歌は弟の病を治すため、和尚から歩いて参拝するよう言われたと嘘をつく。夫人は確かに歩いてこそ誠意が示せると納得し、馬車を先に行かせて娘と一緒に歩くことにした。「馬車から降ろさせるにはこうするしか方法がなかったのです」「確かに別の理由だったら馬車を降りなかったわ…でも御者が殺されてしまった」公孫恒は御者を手厚く葬るよう命じ、遺族も善処するよう頼んだ。しかし本当にこれが偶然なのかと疑う。さすがは公孫刺史、そこで長歌と阿竇はひざまずき、確かに下心があったと認めた。「明主に仕えたいのです、私の父は隋王朝から投降した将・李氏 一生、芽が出ず、臨終前に私に名を上げろと言い残しました」夫人は恩人を置いてはどうかと提案、仕方なく公孫恒は2人を受け入れることにした。山賊の情報のおかげで長歌と阿竇は久しぶりに暖かい寝床を手に入れた。「あとはどう信頼を得て兵権を掌握し、挙兵す…」「秘密を口に出すな!」長歌は慌てて阿竇の口をふさいだが、実は公孫恒も聡明そうな十四郎から抜け目なさと狡猾さが透けて見えていた。この不安定な時勢、人手が欲しいのは事実だが用心に越したことはない。公孫恒は家職・秦(シン)老に見張を任せ、ひとまず様子を見ることにした。長歌と阿竇は屋敷であからさまに警戒されていた。しかし翌朝、十四郎が偶然、耳にした民からの訴えを的確に処理し、公孫恒はその手腕に舌を巻く。そこで十四郎に商人が胡(コ)商と密かに取引する問題の対処法を聞いてみた。十四郎は異国との取引で民に必要な品も補えるため一律に禁じるべきではないとし、物品と数量は規制しながら実情に応じて過度には罰せず、商人の判断に任せるべきだという。公孫恒は臨機応変に対応できる十四郎をすっかり気に入ったが、秦老は念のため2人を見張らせた。一方、魏徴(ギチョウ)は磁(ジ)州に着くや都へ身柄を押送されていた李健成(リケンセイ)の旧配下を解放した。そのせいで李志安(リシアン)と李思行(リシコウ)は姿をくらまし、報告を聞いた杜如晦(トジョカイ)は直ちに魏徴を連れ戻して厳罰を与えるよう皇太子に訴える。しかし李世民(リセイミン)は追及しないと命じ、今後は旧配下を告発しないよう触れを出すことにした。それより依然、行方が分からない楽嫣(ラクエン)、李世民は長歌を失ったそばから娘まで奪われ、天が罰しているようだと落胆する。すると房玄齢(ボウゲンレイ)が公主と郡主には天のご加護があると励ました。その夜、勾引かされた楽嫣は山間のあばら屋にいた。すると蘇蘇(ソソ)が服従を装い油断させ、海(カイ)老と麻子(マシ)を泥酔させることに成功する。そこで片隅で眠っていた楽嫣を起こし、今のうちに逃げようと誘った。戸は麻子が外から施錠していたが、ちょうど通り抜けられそうな隙間が開いている。「でも高すぎて届かなくてね」「大丈夫よ、2人なら」こうして蘇蘇はまんまと楽嫣を踏み台に利用し脱出、しかしそのまま独りで逃げてしまう。街を散策した長歌と阿竇が刺史府へ戻った。すると前庭でちょうど秦老と出くわす。「都からの知らせが届いてな、刺史に報告に行くところだ、では…」その夜、秦老の予想通り十四郎が刺史の書室に忍び込んだ。長歌は机にあった報告書を確認、しかし自分の捜索令状ではなく延利(イエンリー)可汗の動向だと知る。…なんて野心なの…その時、秦老が十四郎に襲いかかった。長歌と秦老は数手の後、互いに相手がただ者ではないと分かった。実は秦老は隴西の訛りに詳しく、十四郎が身分を偽っていると気づいていたという。刺史は″人を用いれば疑わず″、危険を察知するのは秦老の役目だった。「北からの間者か?行軍総管府か?それとも長安から?」秦老は長安と聞いた時の長歌のわずかな動揺を見逃さなかった。恐らく十四郎は刺史の兵権を奪いに来た朝廷の人間だろう。秦老は朔州が今日まで持ちこたえて来たのは長安のお陰ではないと非難したが、長歌は朝廷の者ではないと否定した。「身を寄せるところを求めたまで…浅はかでした」「…何を画策しているか知らんが、公孫一家を害さなければそれでいい 賢いそなたなら分かるな?自重しろ」楽嫣はいつの間にか眠っていた。ふと目を覚ますと部屋に陽が差し込み、寝台で寝ていたはずの海老の姿がない。そこで戸を開けてみると、目の前に軒下からぶら下がった蘇蘇の亡骸があった。楽嫣は驚いて腰を抜かし、恐怖のあまり声も出ない。すると海老が現れ、賢い楽嫣は同じ目に合わないだろうと不気味な笑顔を見せた。翌朝、公孫恒は十四郎と阿竇を呼んだ。実は数日ほど考えた結果、十四郎に刺史府で主簿を務めて欲しいという。予想外の提案に長歌は感謝したが、秦老は密かにくれぐれも公孫一家に害を及ぼさぬよう約束させた。「もちろんです、刺史府のために尽くします(๑•̀ㅂ•́)و✧」つづく( ๑≧ꇴ≦)草原、楽しい!でも海老蔵が怖い!←違うw※阿詩勒部は〜師となっていますが、可愛くないので〜団で統一しました…←何が?w
2022.01.23
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长歌行 The Long Ballad第9話「流浪の皇女」李長歌(リチョウカ)は城外の軍営にいた都尉・沈固(シンコ)と共に都督府に戻った。すると正門で王君廓(オウクンカク)がひざまずき、かたわらにはすでに息絶えた李瑗(リエン)が倒れている。「謀反を起こそうとした盧江(ロコウ)王をこの手で討ちました!」王君廓は主に追従したのは致し方なかったが、この手で逆賊を討ったことで罪を許して欲しいと嘆願した。捕らわれていた長安特使・魏淑玉(ギシュクギョク)も助け出し、治療させているという。驚いた長歌が府内へ駆け込んでいくと、王将軍は都尉に長歌の正体を明かそうとした。しかし沈固が報告を遮り、王将軍は捕縛されてしまう。長歌は淑玉の無事な姿を見て安堵した。「手は尽くした…楽嫣(ラクエン)を安全に送り届けて」事情を説明した長歌はそこで帰ることにしたが、淑玉が引き留める。(` ・ㅅ・)ノ<長歌!皇太子璽(ジ)を渡さぬ限り…バシ!ヾノ。ÒㅅÓ)ゥッ…バッタリ(` ᴗ_ᴗ)zzz…長歌は淑玉を手刀で打ち、眠らせた。皓都(コウト)は長歌を追って都督府に駆けつけた。すると沈固は魏使者の通報により後処理をしていると報告、驚いた皓都は慌てて府内に乗り込む。そこで阿竇(アトウ)がおとりとなり皓都をおびきよせ、その間に鎧に身を包んだ長歌は沈固の配下に紛れて都督府を脱出した。兵士たちと談笑していたのは長歌ではなく、見知らぬ少年だった。空振りだった皓都は急いで寝殿に駆けつけると、淑玉はまだのんきに眠っている。苛立った皓都は淑玉に水をかけ、すぐに長歌を探しに行くと急かした。沈固は密かに長歌を城外へ逃がしてくれた。実は当初から沈固は長歌が永寧(エイネイ)郡主だと気づいていたという。「目下、行方知れずの郡主、太子の配下だった私が気づかぬと?」沈固は王将軍が密告しようとしたことで予想が確信に変わったと言った。しかし郡主を助けたのは李建成(リケンセイ)の恩に報いるため、幽州を守る責務を果たすためにも、これ以上は長歌に協力できないという。長歌は落胆したが、都尉の志を尊重して別れを告げた。そこで沈固は朔(サク)州へ逃げるよう助言する。「唐と草原に挟まれた地ゆえ、朝廷の手も届かぬかと…」一方、阿詩勒捗爾(アシラシャアル)は阿詩勒隼(アシラシュン)を追いかけていた。配下は早く可汗へ報告に戻ろうと諌めたが、捗爾は鬱憤を晴らすまであきらめられない。その頃、皓都と淑玉も長歌を追って城外に出ていた。すると沈固が配下と共に道をふさいでいる。皓都は淑玉を先に行かせて応戦したが多勢に無勢、幽州軍に捕らわれてしまう。阿詩勒捗爾は隼が可汗の命で朔州の北へ向かうと知っていた。恐らく官道ではなく小路を使っていると予想、休む間もなく追いかける。すると隼は追っ手に気づき、咄嗟に物陰に身を潜めて狼(ロウ)師をやり過ごした。その時、不意をついて捗爾が襲い掛かる。隼は咄嗟に避けて捗爾を蹴り飛ばし、追い打ちをかけようとしたが、背後から現れた雷蒙(レイモン)にいきなり背中を斬られてしまう。劣勢を強いられた隼はすかさず馬にまたがり逃げ出した。「誰が手を出せと言った?!」「小可汗を守るのは私の役目です」冷静な雷蒙は襲撃するなら一発で仕留めなければ無駄だと諌める。捗爾は仕方なくそこであきらめたが、配下に隼を追うよう命じた。淑玉はついに長歌に追いついた。「長歌!君を守るためなら何もかも犠牲にすると誓う どうにもならぬ時は君と共に散り、黄泉路だろうと君に寄り添うよ」淑玉は長歌が皇太子璽を持っている限り朝廷から追われ続けると警告した。すると長歌は綺麗事を並べても結局は朝廷の任務を果たしに来たのかと呆れ、短剣でいきなり淑玉の肩を刺してしまう。「李淑玉…今日を境に私たちはもう何の関係もない、旧情に免じて手柄をあげるわ」長歌は皇太子璽を放り投げた。沈固が言った通り、ただの塊で人の心は動かせない。「これからは自分だけが頼りよ」沈固は皓都を曲者だと疑い拘束したが、都督府に戻ると身分を確認できたとして釈放した。すると皇太子璽を奪還した淑玉が迎えに来る。「これで長安に戻れる」「足りないな…李長歌は?」淑玉が黙って出て行こうとすると、皓都は公主なら駅館にいると教えた。その頃、楽嫣は見知らぬ男の馬車に揺られていた。不気味な老人は自分を″海(カイ)老″と呼ぶよう教え、おとなしく従わなければ″施しの道具″にすると脅し、居眠りを始める。すると隣にいた娘・楚楚(ソソ)がこっそり話しかけた。「私もさらわれたの、彼らは人勾引(ヒトカドイ)よ、女や子供を売るの ″施しの道具″とは手足を切って物乞いをさせるってこと…」楚楚はこうなったら力を合わせて生き抜こうと励ます。いきなり世間に放り出された楽嫣、あまりの恐ろしさに声も出せず、小さく頷くだけで精一杯だった。淑玉と皓都が駅館へ戻ると楽嫣の姿がなかった。争ったあとはなく、楽嫣が自ら逃げるとも考えられない。皓都はさらわれた可能性が高いと判断、すぐ長安に戻って報告すべきだと言った。しかし責任を感じた淑玉は自分がはってでも公主を探すと拒否する。「公主の身に何かあれば死をもって償う!」「…お前が探すより殿下が捜索を命じた方が早いぞ」←ごもっとも( ̄▽ ̄;)すると皓都はひとり長安へ戻ってしまう。その頃、阿竇は師父が残した目印を追って朔州へ入っていた。李世民(リセイミン)は幽州が平定したと報告を受け、安堵した。すると杜如晦(トジョカイ)は河北(カホク)と山東(サントウ)が李建成の配下ばかりのため、兵権を取り上げるよう進言する。驚いた魏徴(ギチョウ)は息子の不手際を謝罪し、ただし決して武将を抑え込まぬよう嘆願した。そこでかつて河北を鎮めた経験があり、再び赴いてなだめたいと申し出る。「私を信じていただければ、明朝、出立します」李世民は河北の件を魏徴に一任し、自分の指示を仰ぐことはないと許して見送った。すると房玄齢(ボウゲンレイ)は杜如晦がわざと息子や反乱の件を持ち出し、魏徴を説得に行かせたと笑う。杜如晦はまんざらでもない様子、せっかく手に入れた頑固者を働かせず、無駄飯を食わせることはないと言った。その夜、長歌はちょうど一晩過ごせそうなあばら家を見つけた。辺りを警戒しながら小屋に入る長歌、すると物陰から突然、阿準(アジュン)が現れる。「またお前か…」「はっ!…阿準?!」阿詩勒隼は安堵して剣を収めたが、長歌は阿準の背中に大きな傷があることに気づいた。そこで手当てするため衣に手をかけると、十四郎が女だと知っている隼は慌てて拒む。長歌は聞き分けのない阿準に呆れ、半ば強引に衣を脱がせた。すると阿準の胸にある大きな傷跡があらわになり、長歌はただの商人ではないと気づいてしまう。長歌は黙って布を切り裂き、阿準の体に巻きつけた。「何か言いたそうだな?」「どうして怪我を?あの馬は?」すると阿準は確かに阿詩勒部の人間だと認め、府庫の荷を阻止して小可汗に襲われたという。長歌は困惑したが、深入りしないよう詮索しないと決めた。「どこへ行くんだ?」「どこでもいいだろう?」しかしここから向かうとしたら朔州か草原しかない。阿詩勒隼は十四郎が朔州を目指していると気づき、すぐここから立ち去るよう迫った。そこで十四郎に銭袋を投げ渡し、宿に泊まるよう勧める。「施しは受けない」「貸しだ…いつか返せよ?」結局、長歌はそのまま銭を借りて小屋を出て行った。隼は長歌の背中を見送りながら人知れず再会を願う。「また会おう、十四郎…いや永寧郡主」李世民の手元に皇太子璽が戻った。長歌が素直に返して姿を消したと聞いた李世民は、長歌の件はこれで終わりだと釘を刺す。すると杜如晦がもう一つ重大な報告があると切り出した。「永安公主が…」楽嫣は隊伍に同行し幽州へ、しかし幽州で魏郎君が捕らわれたため、皓都が救出へ向かったという。その間、楽嫣は駅館で待機していたが、戻った時には姿が消えていた。永安公主は洛陽で静養中のはず、慌てた李世民は失踪が漏れないよう命じ、独りにしてくれと頼む。…か弱いお前が独り世をさまようことになろうとは…お前を思うと心配でたまらぬその頃、楽嫣はまだ自分の境遇を信じられずにいた。食事は泥がついた饅頭(マントウ)ひとつ、とても手がつけられず呆然としていると、楚楚が横取りし、水まで取られてしまう。すでに失踪して数日が経った。楽嫣は涙ながらにいくら払えば解放してもらえるのか尋ねる。しかし海老は富豪の娘ならなおさら解放できないと笑った。「騒ぐなら舌を切るぞ」その時、偶然にも淑玉が馬を駆けて馬車を追い越して行くのが見えた。楽嫣は思わず窓を開けて叫ぼうとしたが、巻き込まれたくない蘇蘇が後ろから殴りつけてしまう。気を失う楽嫣、結局、淑玉は馬車とは別の方向へ駆けて行った。長歌は城内に入った。朔州と言えば国境にある辺ぴな地、草原も近く戦が絶えないが、街は賑わっている。すると店の給仕が物乞いに食事を与えていた。…最も栄える長安でもこんな光景は見られない…つづく(  ̄꒳ ̄)ハンサムでやる気はあるのに空回りするイールンとシャR…からのウーレイの作り方↓
2022.01.22
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长歌行 The Long Ballad第8話「身売りの条件」李長歌(リチャングァ)は盧江(ロコウ)王・李瑗(リエン)に騙されたと気づき、隠し持っていた短剣を突きつけた。実は李瑗は長歌の令旨(リョウジ)が偽物だとすぐ気づいたという。印章の朱肉は安物のせいで湯をかけるとすぐにじみ、使われていた絹も粗末だった。すると物置小屋にいきなり王君廓(オウクンカク)が現れ都督を解放、長歌はあっけなく捕らわれてしまう。一方、阿竇(アトウ)は危機一髪のところで阿詩勒隼(アシラシュン)に救われていた。隼は少年が懐に忍ばせた物が皇太子璽(ジ)だと気づき、それが師匠の命を握っていると教える。「城門に行って師父を待て」「…あんたを信じるよ!」物置小屋から皇太子璽は出てこなかった。「永寧(エイネイ)郡主だから殺せぬと思うな!」王将軍が十四郎を脅す様子を見ていた阿詩勒隼はついに十四郎の正体を知ってしまう。…永寧郡主だと?ふっ、どうりで皇太子璽を盗めるわけだ、十四郎の敵は李世民(リセイミン)か…長歌は都督府に収監された。しかし王将軍は口の硬い郡主に手を焼き、郡主が身を挺して守ったあの長安特使を利用する。すると散々、痛めつけられたのか、気を失った魏淑玉(ギシュクギョク)が長歌の牢に連行された。「時間をやるから在りかを思い出すがいい、結果が同じなら2人とも死んでもらう」淑玉が目を覚ますと長歌がいた。「まだ怒っているよな…長歌、信じなくてもいいが私は君を裏切っていない」淑玉は皓都(コウト)が長歌を動揺させようと画策したと釈明し、自分が訪ねたせいで苦境に立たせたようだと謝った。しかし長歌は自分が捕まったのは淑玉と無関係だという。実は自分から協力を持ちかけたものの、盧江王と王将軍は幽州を延利(イエンリー)可汗(カガン)に贈ろうと企んでいたのだ。「何だと?!長歌、それで君はどうする?」「どうするも何も…この結末をあなたと主が望んでいる」「長歌、殿下は君を大切に思っている、一度も…」「やめろ!この身が粉砕しても李世民に尻尾は振らない!…で、幽州へは一人で?」すると淑玉は申時3刻に東大門で皓都と合流することになっているという。長歌は思いがけず脱出する手立てを思いつき、急に李瑗に会わせろと騒ぎ出した。長歌は従者と待ち合わせしていると嘘をついた。もし自分が無事に現れない時は従者が命令を執行、皇太子璽は二度と手に入らないという。一方、阿詩勒隼は都督府を見張っていた。すると長歌が現れ、平服に着替えた王将軍と共に馬車に乗り込む姿を見る。( ̄ー ̄)<ふっ、相手は長安から逃れた永寧郡主だぞ?王君廓の手には負えまい王将軍は城門に配下を配置させ、遠目から従者を待つ長歌を見守った。…皓都、失望させないでよ…長歌は皓都が現れることを願い、じっと待つ。その時、皓都が公主を連れて東大門に到着した。しかし民に紛れて短剣を隠し持った刺客が紛れていると気づき、付近を警戒する。すると馬車から顔を出した楽嫣は市場の中心に立っている長歌を見つけた。「あれは…」「声を出すな!」皓都は思わず公主の口をふさぎ、淑玉と長歌の無事を祈るなら大人しく馬車で待つよう頼んだ。皓都は目立たぬよう見張りを1人ずつ片付けていった。しかしやがて王将軍が配下の数が減っていると気づく。王将軍は騙されたと気づいて慌てて長歌の元へ走り出すと、異変に気づいた長歌が咄嗟に逃げ出した。その様子を皓都が物陰からうかがっている。一方、楽嫣は長歌の様子が気になりそっと馬車から顔を出した。すると突然、何者かに口をふさがれ連れ去られてしまう。長歌は裏道へ逃げ込んだが王将軍に捕まった。しかし皓都が現れ、王将軍をあっさり退け長歌を奪取することに成功する。その時、突然、楽嫣の叫び声が聞こえた。「皓都!」すると驚いたことに阿準(アジュン)が楽嫣を人質に取り、長歌と身柄を交換するよう要求する。「楽嫣?なぜここに?」長歌は困惑し、阿準に無理をしないよう訴えた。「皓都!チャングァを傷つけないでぇぇぇ!」( ๑≧ꇴ≦).oO(って名前、言っちゃってるぅぅぅ@チャングァ「お前は誰だ?」皓都は只者とは思えない青年に動揺し、結局、長歌を解放した。皓都は公主が無事な距離まで近づいたら長歌を斬ろうと構えた。すると楽嫣が皓都にしがみついて長歌を追いかけないよう邪魔をする。その隙に阿詩勒隼は長歌の手を取り、逃げ出すことに成功した。しかし長歌は阿準が王将軍と阿詩勒部の仲介をしていたと誤解し遠ざけてしまう。「…敵対したくない」「救いたかったんだ」「…ありがとう、何も聞かない、でも今後は私に関わるな、幽州を離れてくれ」「それは私の台詞だ、幽州にいれば奴らに殺されるぞ?」隼は長歌を連れて逃げようとしたが、長歌は阿準の手を振り払った。「幽州は阿詩勒部に渡さない…家族を殺した敵は憎いが、私は唐の民だ」そこで隼は長歌にあの短剣を返すことにする。「護身用だ、持っておけ」皓都は悶々としながら公主を連れて馬車まで戻った。すると逃げたはずの長歌が現れる。長歌は李瑗たちが幽州を阿詩勒部に売り、すでに狼(ロウ)師の大軍が向かっていると教えた。魏淑玉も都督府の牢に捕らわれ、幽州のためにこうして姿を見せたという。しかし皓都は自分の任務は長歌と皇太子璽、幽州など知ったことではないと言い放った。「己の任務だけにこだわり大事を成せるとでも?!」長歌はともかく救援をすぐ呼ぶよう命じたが、皓都の急務はまず公主を安全に逃すことだという。李瑗は長歌に逃げられたと聞いて激怒した。すると王将軍は城門を閉めて捜索していると報告、実は他にも李長歌を追っている男がいたという。恐らく皇太子璽を追って来た朝廷の者だろう。退路を失った李瑗は長歌も朝廷の男も捕らえるしかないと決めた。どちらにしても小可汗が率いる狼師の大軍が着けば憂いはなくなる。しかし皓都の馬車は間一髪のところで城門を出ていた。長歌は楽嫣の安全のため大人しく皓都の指示に従った。やがて小さな駅館に到着、皓都は部屋の戸に錠をかけて長歌を監禁してしまう。しかし皓都が合図の烽火(ノロシ)を上げに出かけた隙に思いがけず阿竇が現れた。阿竇は器用に錠を外し、城門で待っていたところ封鎖される直前に馬車が走り去ったのを見てピンと来たという。「あの商人が言ってた通りだ!師父は必ず逃げるって!」「阿準が?…」すると阿竇は無事に守り切った皇太子璽を返した。長歌は幽州を守るため再び戻ることにした。その前に楽嫣に別れを告げることにしたが、実は楽嫣が和親のため阿詩勒部に嫁がされると知る。しかし李世民が時間稼ぎで娘を奇病と偽り、静養先の洛陽(ラクヨウ)へ向かう途中だった。「長歌、私どこにも行きたくない、昔に戻れたらいいのに…」楽嫣は長歌に抱きついたが、長歌は楽嫣を引き離してしまう。「無理よ…お別れね」敵の娘である楽嫣をどうしても受け入れられない長歌、すると楽嫣は皓都が烽火を上げると教えた。「淑玉哥哥は助かる?」「私が必ず助けるわ」長歌と阿竇は馬を駆けて城外の軍営に到着した。そこで皇太子璽を示して長安特使だと偽り、都尉・沈固(シンコ)に事情を説明する。沈固は長歌が特使ではないと怪しんだが、その時、部下が駆けつけ、烽火だと報告した。驚いた都尉は長歌の話が本当だと知り、すぐ出兵を命じる。同じ頃、阿詩勒捗爾(アシラシャアル)も烽火が上がるのを見ていた。「唐軍に情報が漏れました…早く撤退を」捗爾は王将軍の失態に憤慨したが、少なくとも府庫から地図や戸籍、絹や金銀は運び出してある。「収穫はあった、王君廓の令牌で城外へ出よう」その話を阿詩勒隼が聞いていた…|ω・`)))阿詩勒隼は密かに小可汗の一行をつけた。すると郊外へ出た一行が軍隊の気配に気づき、茂みの中へ隠れる。前から現れたのは都督たちと一緒に幽州へ戻る長歌だった。その時、隼が放った矢が小可汗の荷車に命中、驚いた馬がいななきを上げてしまう。阿詩勒捗爾は隼の姿に気づいて激高したが、今は逃げることが先決だった。仕方なく捗爾は荷物を捨てて撤収、長歌たちは思いがけず府庫内の品を回収することに成功する。しかしその頃、駅館で思わぬ事件が起こっていた。その夜、皓都は駅館になかなか戻って来なかった。長歌も逃げ出してしまい独り不安が募る楽嫣、待ちきれず部屋を出て門の様子を眺める。その時、ちょうど駅館に到着した女連れの男2人がいた。楽嫣は気にもとめなかったが、男たちが楽嫣に目をつける。「蘇蘇(ソソ)?お前に仲間を作ってやろうか?」その男たちは人さらいだった。部屋に戻った楽嫣はじっと皓都の帰りを待った。すると部屋の外で何やら物音がする。楽嫣が部屋を出ると男が苦しそうに座っていた。「おじいさん、大丈夫ですか?」「…み、水をくれ」そこで楽嫣は水を取りに戻ろうとしたが、突然、背後から誰かに薬を嗅がされてしまう。つづく(  ̄꒳ ̄)楽嫣、本日2回目w
2022.01.16
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长歌行 The Long Ballad第7話「新たな友」父と昵懇(ジッコン)だった幽州都督の盧江(ロコウ)王・李瑗(リエン)を訪ねた李長歌(リチャングァ)。李瑗はてっきり永寧(エイネイ)郡主が保護を求めてきたと思ったが、意外にも長歌は力を貸すために来たと言った。「今や李世民(リセイミン)は四面楚歌、軍を分散させて守りに入るはず… そこで幽州も二手に分け、隙をつくのです」そこで長歌は偽造した令旨(リョウジ)を渡し、父が生前に李世民ら逆賊を殺すよう命じたと見せかけた。しかしその時、思いがけず長安特使・魏叔玉(ギシュクギョク)が到着したと知らせが届く。すると王君廓(オウクンカク)は奇しくも逆賊の使者が現れたのなら、今こそ捕らえて戦う決意を示そうと勇んで出て行った。正堂に案内された淑玉は突然、兵士に包囲された。そこへ思いがけず川へ落ちたまま行方不明となっていた長歌が姿を現す。淑玉は長歌の無事な姿に笑顔を見せたが、長歌は裏切り者の友との再会に動揺した。「今、投降すれば命だけは助けるわ」「長歌…謀反を扇動するのか?!」「私はあなたのように簡単に主を変えたりしない」「誤解なんだ」「誤解?!」その時、痺れを切らした王将軍が兵士に特使を捕らえろと命じた。しかし淑玉は抵抗、ひとり応戦する。長歌はこのままでは淑玉が殺されてしまうと焦り、咄嗟に飛び出して淑玉の剣を素手で握りしめ、首に短剣を突きつけた。「王将軍、彼は東宮の股肱(ココウ)の臣・魏徴(ギチョウ)の息子、もし殺せば東宮の配下が失望する」すると李瑗が現れ、遺命に従い逆賊を討つと令旨を示した。令旨を見た淑玉は長歌が皇太子璽を使ったと確信し呆然となる。長歌は淑玉が口を滑らせる前に急ぎ兵士に特使の収監を命じ、ひとまず難を逃れた。長歌は李瑗から都督府へ留まるよう説得されたが、断って帰った。しかし長歌の様子を怪しんだ李瑗は令旨をまじまじと見つめ、印章に湯をかけてみる。すると朱肉は安物なのか、すぐににじんできた。阿詩勒隼(アシラシュン)は都督府から出てきた十四郎を見ていた。…使者が入って行ったが十四郎は捕らわれぬままとは…すると十四郎の手から血が滴り落ちている。…あの傷は偶然ではないな…その時、都督府から2人の男が現れ、十四郎のあとをつけて行った。隼もすぐ追いかけて行ったが、尾行に気づいた十四郎が急に裏道に逃げ込み、追っ手をまく。…なぜ都督府の者が十四郎を?ふっ、面白くなってきた…それにしても十四郎の正体は一体、何者なのか。阿竇(アトウ)は怪我をして戻った師匠を手当てした。「ずいぶん深い傷じゃないか」「大丈夫だ…それより尾行された」李瑗を疑いたくはないが、この状況下では疑心暗鬼にもなる。一方、宿に戻った阿詩勒隼は自然と物置小屋に向かっていた。…兵法を知り、智謀にも富む、しかも死を恐れないとは類い稀な女だな…隼は十四郎のことを思い浮かべて思わず笑顔になり、我ながら照れ臭くなった。長歌はひとりになると淑玉との切ない再会に涙を流した。すると誰かが戸を叩き、慌てて顔を出す。「阿準(アジュン)?」「?!泣いていたのか?…男も泣くさ、無理しなくていい」長歌はばつが悪くなり小屋に戻ろうとしたが、隼が気晴らしに散歩へ行こうと誘った。阿詩勒隼は十四郎と月を見ながら、おおかた求婚が失敗して悲しんでいたのだろうと揶揄した。下手な冗談に思わず笑顔を見せる十四郎、実は古い友に会ったという。「いや、もう友じゃない、幼なじみだ、これから先もずっと友だ、でも結局…」「和解できるかもしれない」「…無理だろうな、もうあんな友を持つこともない」「それも成り行きだ…以前、言われたことがある 水のように万物を包む者もいれば、火のように燃え盛り、全て焼き尽くす者もいると 近づいた者は火傷し、灰と化す」隼は養父からその言葉を聞いた後、友と袂を分ち、永遠の敵になったという。すると長歌は自分も火に属するのかもしれないと言った。「でも友になれるか?」「もう友だろう?」長歌は阿準が自分を励ますために連れて来たと気づき、感謝した。お互い正体を隠し、どちらも幽州の危険を知る2人、そこで隼は幽州を離れるよう警告したが十四郎は聞く耳をもたない。すると長歌は阿準こそ早く商いを終えて去った方がいいと勧めた。一方、駅館に到着した皓都(コウト)は永安(エイアン)公主のお守りに手を焼いていた。夜になっても部屋に女子と2人だけというのは体面に関わるが、公主が淑玉のために時間を稼ごうとしつこく引き止める。すると手持ち無沙汰の李楽嫣(リラクエン)がふいに自分で刺繍した手巾を見せた。「うさぎよ、私のうさぎは目が緑色なの、うさぎは草原を見ているから…」しかし皓都は黙ったまま表情も変えない。楽嫣は冷徹だからだと思ったが、義父の前でもそうなのか尋ねると皓都が急に席を立った。驚いた楽嫣は皓都を止めるため咄嗟に泣き出し、独りぼっちで夜を過ごさねばならないと嘆く。皓都は仕方なく引き返すと、いきなり公主を抱き上げ寝台へ寝かせてから背を向けてひざまずいた。「お休みを、私はここから離れません」阿詩勒隼が宿に戻ると亜羅(ヤールォ)が待っていた。王将軍から投降書を受け取ったという。隼は投降書を懐に入れると、まだ片付けることがあると言って出て行った。「…いつまでそこに?出てこい」すると暗闇から小可汗の配下が現れる。「奴も来ているのか?…案内しろ」阿詩勒捗爾(アシラシャアル)は妓楼で酒色にふけっていた。隼の冷ややかな目を見た捗爾はいきなり鞭を振り回したが、隼は瞬時に避けて鞭を切断してしまう。そこで捗爾は妓女を追い出し、可汗からの指令を渡した。「…俺を朔(サク)州へ?!」蘇伊舎(スーイーシャー)から密報を奪い取った捗爾は隼の手柄を横取りし、自分が後を引き継ぐという。怒り心頭の隼だが可汗の命は絶対、仕方なく王将軍の投降書を渡し、おとなしく引き下がった。翌朝、長歌は阿竇から返してもらった皇太子璽の隠し場所に困っていた。すると阿竇は確かに卵は別のカゴに入れた方がいいという。その言葉を聞いた長歌は結局、再び阿竇に預けることにしたが、その時、馬屋が騒がしくなった。何事かと見に行ってみると、阿準が所有する戦馬を見知らぬ男達が連れて行ってしまう。…阿準に何かあったのか?…長歌が都督府を訪ねると、ちょうど王将軍が配下と何やら密談していた。そこで長歌は王将軍を尾行することにする。一方、阿詩勒隼はすでに配下と幽州を発っていた。すると密偵が追いつき、王将軍との取引で小可汗が皇太子璽を渡すよう迫っていたと報告する。「皇太子璽?…どうなっている?」実は隼は王将軍の投降書の中身を読んでいなかった。その時、隼は川から助けた十四郎が真っ先に持ち物を確認していたことを思い出し、都督府で無事だったのも皇太子璽があったからだと思いつく。「だから逃亡を…」隼は十四郎が危険だと気づき、配下を先に行かせて独り幽州に戻った。その頃、長歌は城外の草庵にいた。王将軍はどうやら誰かと交渉しているようだが、2人の話から相手が阿詩勒部の小可汗だと分かり呆然となる。その時、小可汗が口笛を吹き、王将軍が希望する戦馬を中庭に呼んだ。その馬を連れてきたのは確かに朝方、宿で阿準の馬を奪って行った男だ。|ω・`).oO(阿準は阿詩勒部の者と関わりが?すると戦馬を見た王将軍は喜び、約束の品が渡せるまでの担保として府庫の鍵と令牌を渡してしまう。長歌は王将軍が幽州を延利(イエンリー)可汗に売るつもりだと知った。そこで急いで都督府へ戻り、李瑗に報告する。李瑗は考え過ぎだと笑ったが、そこへ王将軍が兵を率いて戻って来た。「2人で共に黄泉路を行くがいい」その時、突然、中庭に矢が降り注ぎ、兵士たちが騒然となる。長歌はその隙に李瑗と一緒に殿内に逃げ込み、窓から脱出した。長歌は李瑗を連れて清祥邸舎(セイショウテイシャ)の物置小屋に避難した。しかし阿竇の姿がない。「いないわ…」「いない?誰のことだ?…もしや何か預けているとか?」気が急いた李瑗は逃げるなら大切な荷物を取りに来たのかと余計な事を聞いてしまう。長歌は李瑗を怪しみ、密かに腰に忍ばせた短剣を手にした。一方、厠から出た阿竇は小屋にいる師匠の姿に気づいた。しかし突然、あの商人に捕まり、引っ張り出されてしまう。「師匠を助けるぞ」長歌は李瑗の首に短剣を突きつけた。すると李瑗は2日以内に皇太子璽を渡すよう小可汗に迫られ、一芝居打ったと白状する。「お前に信用させなければ在りかは分かるまい」李瑗は令旨の真偽など調べれば分かると教え、長安なら上等な朱肉を使うはずだと言った。つづく(  ̄꒳ ̄)小可汗、アップスタイルだと魅力半減
2022.01.15
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长歌行 The Long Ballad第6話「物言わぬ旧臣」幽州に到着した李長歌(リチャングァ)は早速ひとり都督(トトク)府の偵察に出かけた。すると近くの露店で昼食を取っている兵士を見つける。長歌は羊肉を差し入れ、実は軍にいる従兄を訪ねて来たと話しかけた。しかし兵士は従兄を頼っても無駄だと教える。実は都督の盧江(ロコウ)王・李瑗(リエン)が都に祝辞も送らず、7日も屋敷に閉じこもったきりだった。兵士たちは都督が罰を受けるのも時間の問題、自分たちも道連れだと嘆く。「王将軍も盧江王とは姻戚だから同じ穴の狢だ」長歌は李瑗の男気に感心し、これなら上手く進みそうだとほくそ笑んだ。一方、魏淑玉(ギシュクギョク)は皇太子からの命を受け、急遽、皓都(コウト)と幽州へ向かうことになった。皓都の恐ろしい企みを知った李楽嫣(リラクエン)は淑玉に伝えようと機会をうかがっていたが、淑玉は皓都と一緒に荷物をまとめて出発してしまう。すると慌てた楽嫣は咄嗟に最後尾の荷車に飛び乗り、荷物の中に隠れた。商人に成り済ました阿詩勒(アシラ)部の亜羅(ヤールォ)は鉄鉱石を持ち込もうとして王将軍に捕まった。王君廓(オウクンカク)は鉄鉱石の密売が重罪だと脅し、見逃す代わり鉄鉱石をあるだけ持って来いという。「必要なのは2000石(コク)だ、集まったら私を訪ねて来い」阿詩勒隼(アシラシュン)が都督府を見張っていると、程なくして亜羅たちが解放された。隼は亜羅と目配せし宿舎に戻ることにしたが、通りに出たところでばったり十四郎と再会する。驚いた長歌は初めての街なので見物に来たとごまかし、仕方なく宿舎に戻ることにした。「奇遇だな、俺も宿に戻るところだ」すると図らずも2人は同じ清祥邸舎(セイショウテイシャ)に泊まっていると分かる。「まさか部屋まで同じじゃないよな?ふっ」隼は先に2階へ上がると、長歌は逃げるように裏の物置へ走って行った。隼が部屋に戻ると亜羅が待っていた。「特勤(テギン)、何だか嬉しそうですね?…笑うなんて珍しい」( ̄∀ ̄)<そうか?すると亜羅は王将軍が鉄鉱石2000石も要求して来たと報告した。「どうしますか?」「何もしない、ふっ、今夜、その王将軍に会おう」その頃、幽州に向かっていた淑玉と皓都は林で休憩していた。すると荷車の中から思いがけず楽嫣が現れる。皓都はすぐ洛陽へ護送すると言ったが、楽嫣は皓都が怖くて淑玉の後ろに隠れた。( ・ノェ・)コショッ<淑玉哥哥、あの人は信じられない楽嫣は淑玉が公務のため自分を送ることができないと知り、同行したいと懇願した。驚いた皓都は公主の身に何かあれば責任を取れないと反対したが、淑玉が楽嫣の安全なら自分が引き受けると豪語して黙らせる。仕方なく皓都は配下にそろそろ出発すると号令をかけた。その隙に楽嫣はようやく淑玉に危険を知らせる。淑玉は心配いらないと安心させたが皓都への不信感は募るばかりだった。その夜、隼たちは約束通り王将軍が指定した城外の草庵へ赴いた。実は王将軍は始めから取り引きする気などなく、荷物を受け取ったら商隊を始末するため射撃たちを忍ばせている。しかし荷車は全てからだった。「数年ぶりだが俺の顔を忘れたのか?」「お前は…はっ!阿詩勒部の鷹(ヨウ)師特勤、阿詩勒隼か?!」王将軍は騙されたと焦ったが、むしろ鉄鉱石より特勤の首を長安に届けた方が価値があると笑う。「ふん、今、長安へ行って戻って来られるかな?命を保つ策ならあるぞ?お前はそれを拒むと?」隼は王将軍が決起に必要な武器を作るため、大量の鉄鉱石を求めたと見抜いていた。そこで阿詩勒部と組めば何でも惜しまず提供すると懐柔する。さすがに敵軍に降るなどできず王将軍は断ったが、隼は意外にもあっさり引き下がった。王将軍は配下に阿詩勒隼たちを尾行させた。しかしすぐ努爾(ヌアル)に勘付かれてしまう。「このまま続ければ首が飛ぶぞ?気が変わったら草庵に白い布を…こちらから連絡する」その頃、蘇伊舎(スーイーシャー)は可汗の軍営に到着していた。門衛に令牌を見せて可汗の天幕へ急ぐ蘇伊舎、しかし途中で小可汗・阿詩勒捗爾(アシラシャアル)に足止めされ、特勤の密書を奪われてしまう。( ˙꒳˙ )小可汗も結構、好きです ←誰も聞いてないw長歌は皇太子璽を使って聖旨を作り、これで引き返すことができなくなったと腹を括った。そこで独り物置小屋の屋根に登り、月を眺めながら母を懐かしむ。…阿娘、天上で元気にしている?すごく会いたい…明日は大勝負に出ます、成否は分からないけれど他に道はないの…魏徴(ギチョウ)も李世民(リセイミン)に帰順したし、頼る人もいない…皇太子璽の力で旧配下と手を組み、敵を討ちますその時、ちょうど宿舎に戻った隼が十四郎の姿に気づいた。隼は屋根に上がって十四郎の隣に座り、何か悩み事かと聞いた。「…別に、月を見ていた」「そうか、都督府に入れず落ち込んでいたのかと…」「こんな名も無い若造が都督府に入れるものか」「無名の若造?…最初に会った時は威厳を放っていたぞ?本当に無名の若造なのか?」「…お前の素性は聞かないから私の過去も聞くな」「嫌だ」長歌は話す気が失せて帰ろうとしたが、隼が腕をつかんで引き止めた。「言いたくないなら聞かない…で、傷はどうだ?」「大の男だぞ?大丈夫だ」「大の男か?ふっ、大の男が2人で月を見るか?」「月は団らんの象徴だ、異郷で月を見て故郷を思い出すのは自然なことさ」「中原の月の何が良い?美しいのは草原の夜だ…( ̄▽ ̄;)あ」隼はうっかり口を滑らせ、咄嗟に商売で草原にいたことがあるとごまかした。すると旅をしたことがない長歌は草原に行ってみたいという。「草原に行きたいか?」「たぶん機会はないだろうが…そうだ、阿準、幽州の商売はどうなった?」「成否は天命次第だな」「天は信じない、事は人為にあり…阿準のような者も天命を信じるんだな」「事は人為にありか…面白い、お前が正しい、失言だった」長歌は阿準が商人にしては短剣に興味があり身体も丈夫そうだと感心し、誰かに師事していたのか聞いた。すると隼は早くに親を亡くし、生きるために我流で腕を磨いたという。「天賦の才があるんだな、私なんて師は…」その時、長歌は隼の腰にあるあの短剣に気づいた。幼い頃から武術を学び、父より敬愛し、師と仰いでいた李世民、あの時もせめてもの恩返しだと短剣を贈ったが、まさかその短剣で母が殺されることになろうとは…。隼は長歌が短剣を見ていると気づき、貸してやった。「見たら返してくれ」「ケチだな」「…ふっ、その言いぐさは女みたいだ」気恥ずかしい長歌は思わず立ち上がり帰ろうとしたが、うっかり足を滑らせ倒れた。隼は咄嗟に長歌の腕をつかみ、2人は抱き合うように転がり落ちてしまう。しかし先に落ちた隼が上から落ちて来た長歌を見事に抱き止めた。思わず見つめ合う2人、その時、物音を聞いた阿竇が物置小屋の戸を開けてしまう。「あ!何も見てないよ…続けて!」長歌は何とも恥ずかしくなり、逃げるように小屋に入って行った。胸が高鳴り動揺する長歌、その頃、隼は名残惜しそうに小屋の前に立っていた。…十四郎、草原の夜はさほど美しくはない…翌朝、長歌は阿竇に無事に戻れるか分からないと告げた。そこで皇太子璽を預け、夕方までに戻らねば阿準を頼るよう命じて出発する。「もう遭遇しないわよね」長歌は阿準に見つからないよう宿舎を出たが、隼が後をつけていることに気づかなかった。長歌は都督府を訪ね、李瑗の故人だと名乗って化粧箱を託した。門衛から報告を聞いた李瑗は箱を受け取ったが、中を見て驚愕する。「東宮の者だ…」化粧箱には東宮の令牌があった。ちょうどその頃、楽嫣たち一行も幽州に到着していた。淑玉は別行動をしたいと申し出たが、皓都は淑玉が長歌を探すつもりだと見抜いて反対する。すると楽嫣が馬車から顔を出し、公主として皓都が自分のそばを離れず警護するよう命じた。皓都は仕方なくその代わり淑玉に護衛を全員、連れて行かせる。見知らぬ土地で苦手な皓都と2人になってしまった楽嫣、それでも淑玉と長歌を守るため皓都を足止めしようと馬に乗らずに歩き始めた。しかし業を煮やした皓都はいきなり公主を馬に乗せ、駆け出してしまう。長歌は正堂に案内された。しかし殿内に入るや否や兵士が包囲、飛び込んで来た王将軍に閉じ込められてしまう。王将軍は長歌を朝廷が遣わした曲者かもしれないと疑った。すると物陰から様子を見ていた李瑗が現れ、長歌は永寧(エイネイ)郡主だと正体を明かす。李瑗は永寧の無事を知って喜び、王将軍は無礼を詫びた。「永寧、心配するな、殿下亡き後、私が守ってやる」「いいえ、私がここへ来たのは力を貸すためです」つづく
2022.01.11
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长歌行 The Long Ballad第5話「北の要地」阿詩勒隼(アシラシュン)は商隊の身代わりたちと別れ、幽州に向かおうとしていた。すると川辺に流れ着いた人影を見つける。亜羅(ヤールォ)は死体だと思ったが、隼が仰向けにすると例の東宮の少年だった。驚いた隼はまだ息があると気づいて岸に運び、肩に刺さった矢を抜くことにする。しかし思いがけず胸の膨らみに触れ、隼はこの少年が実は女だったと気づいた。一方、皓都(コウト)と魏淑玉(ギシュクギョク)は川へ落ちた李長歌(リチャングァ)を探していた。淑玉は皓都の強引なやり方を非難したが、皓都は魏家を守りたくばおとなしく義父・杜如晦(トジョカイ)に従えという。隼は誰もいない猟師の休憩所へ長歌を運び込み、亜羅に酒・薬・衣を用意するよう命じた。相手が少女だと分かり思わず頭を抱える隼、しかし早く矢を抜かねばならない。仕方なく隼は布を裂いて目隠しし、手探りで手当てを始めた。しかし長歌の意識が戻り、いきなり引っ叩かれてしまう。バシッ!⊂彡☆))Д´) 「恥知らず!…見たんだな?」長歌は青年が目隠しをしていることを訝しんだ。すると隼は傷口を見たくなかっただけだとごまかし、ならば自分で矢を抜けという。そこへちょうど亜羅が戻ってきた。淑玉が屋敷に戻ると父・魏徴(ギチョウ)が朝服に着替え、書斎に座っていた。実は先ほど李世民(リセイミン)を罵り追い出したことから、程なく死を賜るはずだという。驚いた淑玉は故郷・曲陽(キョクヨウ)へ逃げるよう促したが、そこへ方義(ホウギ)が皇太子からの差し入れを持って来た。魏徴は毒酒だと覚悟して蓋を開けるも、なぜか中には芹(セリ)の酢の物が入っている。李世民の文には房玄齢(ボウゲンレイ)から好物だと聞いて皇太子妃・長孫(チョウソン)氏が自ら腕を振るったとあった。…今日の失態を許していただきたい…魏徴は自分の狭量さに気づかされ、誰に付くかではなく唐へ力を尽くそうと思い直した。長歌は激痛に耐え自分で治療し、衣を着替えた。中庭では青年の配下たちが暖を取っている。「ありがとう…」長歌は別棟にいた青年に感謝した。「私が誤解していた、この恩はいつか必ず…」「必要はない、貸し借りはないしな」そこで隼と長歌は酒の肴に互いに質問し、答えられなければ酒を飲むと決める。「その肩の矢は誰にやられた?」「朝廷の追手だ…私の番だ、貴殿の名前は?」「姓は秦(シン)名は準(ジュン)、阿準(アジュン)でいい…お前は?」「姓は李、14番目の子だ、十四郎でいい…なぜ私の短剣に執着を?」「お前を困らせるためだ」「ふっ…腹黒いやつだ、出身は?」「中原人だが塞外で生まれた…この後どこへ?」「…敵討ちに、貴殿はどこへ?」「北だ、敵討ちとは?」すると長歌は黙って酒を飲んだ。「北では何を?」「大きな商いだ…どんな商売かは言えない」隼は長歌の質問を見越して先に酒を飲んでしまう。「最後の質問だ…本当に阿準というのか?」「十四郎こそ、本当に十四郎というのか?」2人は思わず失笑し、一緒に酒を飲んだ。隼と長歌の笑い声は外まで漏れていた。亜羅は特勤(テギン)が笑っていると驚いたが、蘇伊舎(スーイーシャー)は取り合ってくれない。阿詩勒部の鷹(ヨウ)師を束ねる隼は可汗から警戒され、政敵には牽制されていた。そんな状況で特勤が心から笑えるとは思えないという。それにしても孤高の特勤がこれほど意気投合するとは、あの少年は何者だろうか。翌朝、酔い潰れた隼が目を覚ますと、すでに十四郎の姿はなかった。外へ出るとすでに準備を整えた配下たちが挨拶する。「出立だ」そこで蘇伊舎に鷹師への連絡と可汗への密書を任せ、先に行かせた。一方、李世民は粛清の噂と李長歌が無関係だと報告を受けた。しかし皇太子璽は朝廷の重器、李世民は杜如晦に何があっても誰の手にも渡すなと命じる。その言葉を聞いた杜如晦は皇太子もようやく踏ん切りがついたと安堵し、書斎を後にした。杜如晦が下がると入れ違いで永安(エイアン)郡主・李楽嫣(リラクエン)現れた。楽嫣は長歌を罰しないよう嘆願したが、李世民は長歌の存在を忘れろという。しかしそこへ思いがけず皇帝から聖旨が届いた。皇帝は阿詩勒部との和親を決め、楽嫣を公主に封じて嫁がせるという。杜如晦は皓都に魏淑玉を見張るよう命じた。淑玉は長歌を慕っており、長歌が生きていれば必ず淑玉と接触を持つと確信している。「太子璽を奪い返し禍根を除け」如晦は皓都にくれぐれも情にほだされ躊躇してはならないと釘を刺した。一方、長歌はついに長安の国境へ到着した。…ここが長安との別れの地ね…その時、突然、阿竇(アトウ)が現れる。阿竇は約束通り十里亭で待っていたが長歌が現れず、北へ行くなら必ず″長安″の石碑を通ると考え、待ち伏せしていた。しかし長歌は改めて阿竇には未来があると言い聞かせる。すると阿竇は長歌こそ自分の未来であり、生死を共にしたいと訴えた。「俺の目に狂いはない、師父は英雄だ! 英雄には補佐が必要だろう?俺が大将軍になる!(๑•̀ㅂ•́)و✧」長歌は阿竇の熱意にほだされ、照れ臭そうに弟子入りの儀式をするよう言った。喜んだ阿竇は師匠に拝礼し、今度こそ正式に弟子入りが叶う。「師父!で、これからどこへ?」「幽州だ、父の旧兵がいる」長歌は復讐を果たすため、父と昵懇(ジッコン)だった幽州都督・李瑗(リエン)に出兵を頼もうと考えた。李世民は娘を守るため、魏徴の知恵を借りることにした。すでに魏徴も永安公主の縁談話を聞き及び、ひとつ考えがあるという。李世民は弘義宮へ帰ると、早速、楽嫣を呼んだ。実は楽嫣が奇病を患ったと偽り、洛陽(ラクヨウ)で静養させることにしたという。すると楽嫣は心細くなり思わず泣き出した。李世民はうっかり長歌のように強い心を持てと叱り、慌てて言葉を飲み込む。「楽嫣、これでしばらくは嫁がずに済む…いいな? 魏の郎君と親しいのだろう?洛陽までの護送を命じた、安心せよ」その頃、商人になりすました亜羅は幽州の城門で王将軍に止められていた。すると積荷に隠していた石の山が見つかってしまう。「連行しろ!」王将軍は亜羅たちを引っ立て、部下たちには石を見なかったことにするよう命じておく。その様子を物陰から眺めながら、隼は計画が上手くいったとほくそ笑んだ。ちょうど同じ頃、長歌と阿竇も幽州へ入った。長歌と隼は偶然にも同じ宿舎に決めたが、隼は上階の豪華な部屋、片や長歌たちは雨がしのげる物置小屋を借りる。一方、長安を発った楽嫣は最後の宿となる南安(ナンアン)駅館に到着した。明日には洛陽の行宮に着く。楽嫣にとって想い人の淑玉との旅路は束の間の幸せだった。今や皆が大人になって離れ離れとなり、各自の道を行かねばならない。「淑玉哥哥、文を送ってくれる?…長歌の行方が分かったら知らせて?」「必ず長歌を見つけるよ」淑玉は部屋へ向かった楽嫣を見送った。すると後を追って来た皓都が到着する。皓都は皇太子の命により淑玉が長安特使に任じられ、長安へは戻らず自分と一緒に幽州へ行って盧江(ロコウ)王・李瑗を入京させるよう伝えた。淑玉は長歌の行方が分かったと気づいたが、皓都はどちらにしても使者として命令以外のことに干渉しないよう警告する。実は幽州への官道で長歌と少年らしき二人連れが目撃されていた。皓都は配下に淑玉をしっかり見張るよう命じ、幽州で長歌と接触した時は問答無用で長歌を殺せと指示する。「淑玉が阻んできたら…奴も始末を」その話をちょうど部屋にいた楽嫣が聞いていた…|ω・`)つづく( ๑≧ꇴ≦)イールン! ←言いたいだけw
2022.01.10
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长歌行 The Long Ballad第4話「長安脱出」李長歌(リチャングァ)は皇太子璽(ジ)を盗んで弘義宮から脱出した。しかしその夜、追っ手に見つかり、夜の街を逃げ惑う。そんな長歌を救ったのは品香斎(ヒンコウサイ)で知り合った少年・阿竇(アトウ)だった。阿竇はすっかり長歌に傾倒し、弘義宮に侵入した刺客が長歌だと察して2日も待っていたという。そこで侠客の弟子になりたいと懇願したが、長歌は命を落とすことになると警告した。「人はいつか死ぬ、師父の信念を共に貫けるなら本望だ! もちろん死ぬのは怖いよ…でも惰性で生きて行く方がもっと怖い」「ふっ…死んでも恨むなよ?」阿竇は初めて長歌の笑顔を見た。一方、阿詩勒隼(アシラシュン)は監禁された少年が弘義宮から逃げたと聞いて驚いた。「逃げ足が速い、ますます興味が湧くな、もしや李建成(リケンセイ)のゆかりの者か?」しかし蘇伊舎(スーイーシャー)の話では李建成の息子は皆殺しになり、将領も投降しているという。「東宮の下っ端ですよ」「ふっ、どうやら他にも長安を脱出したい者がいるらしい」杜如晦(トジョカイ)は房玄齢(ボウゲンレイ)が永安(エイアン)郡主をそそのかして長歌を逃したと疑っていた。白々しく否定する玄齢だったが、確かに皇太子璽を盗むとは想像以上に大胆不敵だと舌を巻く。皇太子・李世民(リセイミン)は今回の非は楽嫣(ラクエン)にあるとして禁足を命じ、玄齢に助け舟を出した。長歌については精鋭を平伏に着替えさせ、密かに捜索するよう指示する。「騒ぎは避けたい、必ず生かして連れ戻せ」杜如晦は皇太子が幼い頃から可愛がって来た長歌を見捨てられないと分かっていた。しかし長歌はまるで皇子のように文武の教えを受け、幼少から独断専行、ここで禍根を絶たねば手遅れになる。全ては天下の安泰のため、如晦は皇太子の命に反して長歌を抹殺すると決めた。そこで従順な養子の皓都(コウト)に任務を任せる。「ついでに常何(ジョウカ)に噂の出どころの件を確かめよ…進展がなければ後任を置くまでだ」如晦は阿詩勒部の工作まで長歌の仕業だと誤解していた。常何はまだ手がかりを掴んでいなかった。呆れた皓都は証拠となる文を取り上げたが、紙から魚のような生臭い匂いがする。実は粛清の噂を広めた文は魚の腹の中に入っていた。常何は宮中に出入りしている魚屋の男を捕らえて詰問、すると男は見知らぬ男から金をもらって紙を詰めただけだと訴える。皓都は端正な顔立ちで目元に黒子があったか聞いたが、男は否定した。「いいえ、背の高い男で口数が少なく、特徴は何も…」長歌と阿竇は運悪く捜索中の方義(ホウギ)に見つかった。そこで長歌は合流場所を決め、ひとまず二手に分かれて逃げることにする。一方、買い出しから戻った亜羅(ヤールォ)は、例の魚売りが晒し刑になっていたと特勤(テギン)に報告した。もしや蘇伊舎のことをバラしたかもしれない。しかし阿詩勒隼は慌ててここから離れると命じた。わざわざ大街で晒し者にしたのは見物人の反応を見て手がかりをつかむため、恐らく亜羅は尾行されているだろう。「官兵が来るぞ」その時、客桟へ常何たちが到着した。阿詩勒隼は亜羅を逃すためおとりになった。そこで外見が分からないよう外套をすっぽりかぶり、2階から飛び降りて馬を駆けて行く。すると前からあの少年が現れた。「長安は広いのにいつも遭遇するな…」しかし長歌は渡りに船とばかりに青年を引きずり下ろし、馬を奪って逃げて行ってしまう。「感謝するよ!」呆気に取られる隼だったが、咄嗟に外套を脱ぎ、何食わぬ顔で常何たちが通り過ぎるのを待った。長歌は途中で馬を乗り捨て、塀を乗り越えて追っ手をまいた。しかしうっかり魏叔玉(ギシュクギョク)から奪った魚符を落として行ってしまう。その頃、常何と方義は同じ馬を追って思いがけず合流していた。方義は永寧郡主を見なかったか聞いたが、常何は知らないという。一方、阿詩勒隼は無事に配下と合流していた。すると蘇伊舎が長安を脱出する方法を見つけたという。常何は怪しい男をみすみす逃したが、思いがけず魚符を拾っていた。手柄を奪われぬよう方義には教えず、皓都に渡す。皓都は魏叔玉の魚符だと気づき、叔玉が幼なじみの長歌を逃したと疑った。そこで魏家に出向き、長歌がこの魚符で弘義宮に潜入して皇太子を襲い、その上、皇太子璽を盗んで逃亡したと教える。「共謀罪は九族皆殺しだぞ?」叔玉は皓都に弱みを握られ、長歌の捕縛に協力するよう脅されてしまう。長歌は阿竇と合流、長安を脱出する手立てを模索した。すると街を行き交う胡商(コショウ)を見た阿竇が商隊に紛れ込む方法があると思い出す。阿竇は早速、ある商店に入って店主に暗語(アンゴ)で頼んだが、すでに商隊の空きはなかった。その時、ちょうど店の前をある商隊が通りかかる。急いで後を追った長歌は一緒に連れて行って欲しいと声をかけたが、振り返った胡商の男は阿詩勒隼だった。阿詩勒隼は東宮の残党ならお尋ね者だと指摘、捕らわれれば斬首になると鎌をかけた。「なぜ知っている?」「ふっ、読み通りか」長歌はうっかり口を滑らせ動揺したが、ともかく機嫌を直してもらおうと馬を奪ったことを謝罪した。すると隼は謝罪より物々交換だと迫り、長歌が持っている短剣が欲しいという。宝剣を手放したくない長歌、しかし阿竇は脱出が優先だと訴え、取り戻す機会ならあると耳打ちした。「分かった…ただし城門を出てから渡す」「いいだろう」そこで長歌は危険を冒すのは自分だけで良いと、先に阿竇を逃がすことにした。「城外の十里亭で待て、ただし3日過ぎたら諦めろ」( °_°)<特勤、東宮の小僧相手だとよく話すんだよな~@亜羅阿詩勒隼たちの商隊は通化(ツウカ)門で通行証を提示、荷物の検査も終えた。無事に長安の脱出に成功した長歌、郊外まで来たところで荷台の下から解放されたが、途端に宝剣を奪われてしまう。「名前を教えて、しばらく預けておくがいつか取り戻す、名前が分からないと…」すると隼は馬を譲った。「取引としては十分だろう、つきまとうな」皓都は長歌がすでに長安を脱出したと考えた。そこで叔玉を連れて捜索に出たが、ちょうど山道で長歌と出くわす。「さすがは郡主の盟友だ、ここを通ると予想した…知らせに感謝するよ」長歌は淑玉の裏切りに深く傷つき、とっさに馬を反転して逃げ出した。背後から飛んでくる弓矢を何とかかわしながら疾走する長歌、しかしやがて行き止まりになる。「もう逃げ道はない、観念して我らと戻り罪を認めよ!」ついに皓都と叔玉が追いついた。すると長歌は無謀にも腐食した吊り橋に向かって飛び出してしまう。馬は川に転落し、長歌はかろうじて吊り橋に捕まった。皓都は矢をつがえ長歌に狙いを定めたが、淑玉が急いで矢をつがえる様子を見て思わずほくそ笑む。まさか叔玉にそんな勇気があるだろうか。その時、ついに叔玉が矢を放った。長歌は耐えきれず手を離したが、叔玉の矢が背中に命中、真っ逆さまに川へ転落してしまう。「…長歌、すまない」房玄齢は魏徴(ギチョウ)を復職させるため、皇太子に説得を頼んだ。しかし李世民の顔を見た魏徴は怒りが爆発する。実は魏徴は再三、李建成に李世民を長安から追い出すよう進言していた。「当時、再度、進言しなかったことが悔やまれる…禍根を取り除けなかった! 出ていけ!ここで沙汰を待つっ!」玄齢は慌てて2人の間に割って入ったが、李世民は憤慨して帰ってしまう。一方、阿詩勒隼は商隊の身代わりたちと別れ、幽州に向かおうとしていた。「水を汲みました、他の者は道の下調べに…」亜羅の話では幽州に着くのは半月後だという。「遅すぎる、先を急ぐぞ…」その時、隼は岸に流れ着いた人影を見つけた。つづく|ω・`)チャンガ…お尋ね者なのに派手な衣装に着替えるのねwさてようやくプロローグが終わり本番です!(^ꇴ^)
2021.12.27
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长歌行 The Long Ballad第3話「不倶戴天の敵」その夜、阿竇(アトウ)が食料を調達して隠れ家に戻ると、李長歌(リチャングァ)が戻っていた。しかし手に怪我をしている。漂う雰囲気からただ者ではないと察する阿竇、すると急に外が慌ただしくなり、窓から様子をうかがった。「なぜ官兵が?」長歌は官兵たちが寺の件で自分を捜索していると気づく。「栄恩(エイオン)寺からもうここへ?」「あ、官兵が毒を盛られたと聞いたけど、まさか…?!」一方、杜如晦(トジョカイ)は栄恩寺に現れたのが長歌だと踏み、品香斎(ヒンコウサイ)を見張っていた。そこへ房玄齢(ボウゲンレイ)が現れる。玄齢は妻から長安一の点心をせがまれて買いに来たが、兵士に止められたと笑った。すると品香斎から火の手が上がる。如晦は玄齢の仕業だと分かったが、玄齢は涼しい顔で帰って行った。教え子の長歌を逃すためだとすれば証拠は残していないだろう。如晦は捜索を断念、皓都(コウト)に火を消すよう命じて引き上げた。長歌は叔父が自分の痕跡を消すため火を放ったと分かった。お陰で阿竇と一緒に品香斎から脱出することに成功したが、その情けが長歌をいっそう頑なにしてしまう。「…母の骸を栄恩寺に放置しておきながら、救いの手など要らない」「え?!じゃあ瑾(キン)夫人が母親なの?!」長歌は知らない方が身のためだと告げ、足手まといになる阿竇と別れることにした。長安に潜入している阿詩勒隼(アシラシュン)は密偵からの報告で計画が頓挫したと分かった。玄武門の変を利用して軍を混乱させようと噂を流したが、秦(シン)王が平定してしまったという。実は粛清の噂に頭を悩ませていた李世民(リセイミン)は残党を不問に付すと伝達していた。「まさかこれほど寛大だとは…残党に大赦を出し、1枚の伝令で軍を鎮めた」隼はもはや長安で収穫は望めないと断念し、早々に出立すると決めた。「幽(ユウ)州へ行く、父ハンは疑り深い、もし手ぶらで帰れば″良き兄弟″が何を吹き込むか…」唐皇帝は秦王を皇太子に冊封、娘の楽嫣(ラクエン)は永安郡主となった。そんな中、強硬派の杜如晦が赦免に反対、必ず禍根を残すと諫言する。しかし李世民は魏徴(ギチョウ)の言葉を引用して反論した。「″乱の後、教化すればその効は倍なり″」実は房玄齢が太子洗馬だった魏徴を皇太子に推挙したという。杜如晦は常何(ジョウカ)に密命を下した。「慎重に動け、痕跡は残すな…それと目下、政局は揺れておる 人手を増やして城門を堅く守れ、網にかかった魚を逃すでないぞ」その頃、長歌は長安から脱出すべく通化(ツウカ)門の様子をうかがっていた。すると兵士たちが急に見回りに出てくる。長歌は咄嗟に裏道に逃げ込んだが、そこで阿詩勒隼とぶつかった。阿詩勒隼は長歌の右目の黒子を見て、すぐあの時の少年だと気づいた。「東宮の官員が長安で隠れる必要があるのか?…兵曹を懲らしめた者が何を恐れる?」「(はっ)あの時の?!」長歌も第1話で助けた青年だと分かったが、その時、兵士の姿に気づいた隼が咄嗟に長歌の肩を抱いて物陰に隠れた。長歌は青年との密着に激しく動揺し、隙を見て慌てて逃げ出してしまう。その時、通化門ではちょうど府兵が到着、城門の警戒を強めた。隼たちは少年のせいで後れを取り、長安を出られなくなってしまう。↓( *´꒳`* )ウーレイのカッコ良さよ〜魏家に杜如晦がやって来た。しかし魏徴は病と称して面会を拒否、仕方なく息子の叔玉(シュクギョク)が父に代わって如晦を見送りに出る。「兄弟姉妹はいるのか?」「はい、故郷に弟3人と妹が1人」すると如晦は″巣が覆れば卵も無事とはいかない″と脅して門を出た。一方、長安を出られなくなった長歌は魏徴を頼って魏家に向かった。しかし門前に馬車を警護する李世民の府兵が見える。すると屋敷から杜如晦が現れ、叔玉が慌てて後を追ってきた。「杜先生!お待ちください!…私が父を説得します」そこで如晦は太子府の配下の証しである魚符を渡し、養子の皓都と交流するよう勧めて帰って行く。魚符を握りしめながら門前でたちすくむ叔玉、全てを見ていた長歌は黙って引き返した。↓でもイールンも好き(๑´ω`๑)大街の告示板に人だかりができていた。告示には謀反の首謀者が誅殺され、皇太子が皇帝に大赦を奏上、一派も進んで帰順すれば不問に付すと書いてある。人々は口々に寛大な皇太子を絶賛していたが、長歌はその様子を苦々しく見ていた。するとふいに叔玉が現れ、長歌を裏道に引っ張って行く。「長歌、やはり君だったか」「私を捕まえれば出世できるの?!」「なぜ疑う?!何があっても私は君の…」叔玉は東宮が倒れて今や魏家も存亡の危機だと訴え、杜如晦に従うしかないと釈明した。そこで自分が協力するので帰順するよう説得したが、長歌は誰の力も必要ないと拒む。「長歌!」叔玉は思わず長歌の腕をつかんで引き止めた。しかし長歌は咄嗟に叔玉が腰に下げていた魚符を奪い、手を振り払って逃げてしまう。その夜、長歌は侍従に扮装し、魚符を使って弘義宮へ潜入した。警戒が強まる屋敷だったが、長歌は幼い頃から通い慣れた書房へ窓から忍び込む。その時、ちょうど政務を終えた李世民が戻って来た。机の前に腰掛けた李世民は背後から忍び寄る気配に勘づいた。衝立越しに迫り来る長歌、そして阿詩勒部の宝剣を振り上げたその時、突然、杜如晦が現れる。「お喜びを、皇太子璽(ジ)をお届けに参りました」如晦は皇太子璽を置いてすぐ下がったが、殿内の異変を察知していた。李世民は独りになると部屋の中をぐるりと見回した。「長歌…出て来い!」すると暗がりから短剣を握りしめた長歌が姿を現す。李世民は長歌を見逃すため、すでに永寧(エイネイ)郡主が死んだと記録させていた。しかし長歌は良心の呵責から自分に慈悲をかけるのかと呆れ、李世民に襲いかかる。李世民は容易く長歌を封じて逃がそうとしたが、その時、府兵がなだれ込んできた。長歌は杜如晦に捕らわれた。府兵は短剣を奪おうとしたが、長歌は取られまいと必死に抵抗する。すると李世民が長歌の短剣だと許した。「…いずれこの短剣で母を殺した黒幕を殺す!」長歌の目を見た李世民は自分への深い憎しみを知り呆然となった。如晦は無礼な長歌を死刑囚の牢へ入れろと命じたが、李世民が止める。「永寧郡主に部屋を与え世話をさせよ、今夜のことは口外するな」李世民は長歌を救うため、口実をつけて房玄齢を呼び出した。「お前の弟子だ、最後まで責任を持て」一方、阿詩勒隼は密偵から秦王府に刺客が乱入したと報告を受けた。隼は刺客があの少年だと気づいたが、なぜか投獄されず部屋に監禁されていると知る。どうやら李世民とは曰くがあるらしい。( ̄ー ̄)<敵の敵は味方…どうやら我らとは友になれそうだ翌朝、楽嫣は侍女から長歌が監禁されたという噂を聞いた。そこで房玄齢に確認しようと思い立ったが、ちょうど玄齢が訪ねて来る。実は今夜は雨になるというのだ。玄齢は長歌を脱出させる好機だと知らせ、長歌を助けられるのは郡主だけだと訴えた。その夜、楽嫣は外套を頭からすっぽりかぶり、雨の中、長歌が監禁された寝殿に向かった。「昔から長歌が守ってくれた、今度は私が長歌を守らなくては…」…きっと長歌はこの数日、飲まず食わずでしょう…殿下は世話を命じたゆえ、守衛も気を揉んでいるはずです…郡主が長歌に食事を届けてくれれば表向き止めても内心は安堵します…だから恐れてはだめです、守衛は必ず通してくれるはずです楽嫣は房玄齢の指示通り、もし長歌に何かあったら責任を取れるのかと強気に出た。すると予想通り兵士は見逃してくれる。しかし再会を喜ぶ楽嫣とは対照的に長歌は誰の差金かと疑った。…長歌が逃亡するための情報をそれとなく漏らすことが肝心です…長歌が自ら逃げる気になれば、状況を受け入れるはず「雨が降り出して突然、冷え込んだから庭の守衛も家に帰ったの、だから汁物と点心を持って来たわ」「あなたの部屋から裏庭は通れない、なぜ守衛の動きまで知っているの?誰が教えた?」長歌は杜如晦が自分をわざと逃し、それを理由に殺すつもりだと疑った。仕方なく楽嫣は房玄齢の策だと教え、平安符を渡して姉妹の情を思い出させようとする。しかし長歌は平安符を握りつぶし、投げ捨てた。「永安郡主、これからは不倶戴天の敵よ、私たちは共存できない」「長歌…私たちは姉妹も同然だったでしょう?」「姉妹?両親の敵の娘と姉妹になれる?」すると楽嫣は長歌に抱きつき、父への恨みが消えるなら自分を殺しても構わないと泣いてすがった。「楽嫣…ごめん」侍女はようやく出て来た永安郡主に傘を差し出した。「郡主?どうして黙っているのですか?」道すがら外套の中をのぞき込んだ侍女、しかしそれは楽嫣ではなく長歌だった。皓都は念のため長歌の様子を見に来た。しかし守衛から永安郡主が食事を届けに来たと聞いて驚愕する。皓都は慌てて殿内に乗り込むと、寝台で楽嫣が倒れていた。屋敷は大騒ぎになった。長歌が逃げたと聞いた李世民は杜如晦と一緒に駆けつけたが、なぜか書房の外で楽嫣の侍女が気絶していると報告が来る。「書房?!」実は長歌は皇太子璽を盗んで逃げていた。つづく( ๑≧ꇴ≦)李世民の耳www動き過ぎwwwってそこ?w
2021.12.26
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长歌行 The Long Ballad第2話「亡き母への誓い」蹴鞠の試合で大活躍した李長歌(リチョウカ)、しかし東宮へ戻るなり父に呼び止められた。長歌は父に叱られると覚悟したが、皇太子・李建成(リケンセイ)は娘のおかげで唐皇帝から称賛されたと笑顔を見せる。「こんなうら若き小娘が他の5人の兄弟より優秀とはな」そこで皇太子は阿詩勒(アシラ)部の宝刀を書房へ持って来るよう命じたが、よりによって長歌は秦(シン)王・李世民(リセイミン)に贈っていた。皇太子の態度は一変、李世民を慕う長歌を叱責し、2度と秦王府に関わる一切を口にするなと命じる。その時、運良く太子洗馬・魏徴(ギチョウ)が現れた。「郡主はまだお若い、そんなに激怒されずとも…」すると皇太子は自分に懐かない長歌に嫌気が差し、魏徴を連れて行ってしまう。「ふん!…斉(セイ)王府へ言って元吉(ゲンキツ)を呼んで来い!」父の怒りから逃れた長歌だったが、安心するのはまだ早かった。瑾(キン)夫人は約束を破って東宮を抜け出した娘に激怒、初めて長歌の頬を引っ叩いてしまう。「私の躾が至らぬせいでつけ上がり、男と勝敗を争うとは…」「男だから何?女だからって何よ?!なぜ私が男より劣るの?!」すると瑾夫人は娘を仏壇の前でひざまずかせた。「誓いを立てなさい、今から何が起きてもどんな目に遭っても決して恨みを抱いてはならない」「…分かりました、誓います、でも阿娘を傷つける人は恨むわ」「誰も阿娘を傷つけたりしないわ、阿娘はあなたに一生、幸せで自由に生きて欲しい」「阿娘がそばにいれば私は幸せよ?」「とにかく今、言ったことを覚えておいて…支度をなさい 明日、辟雍(ヘキヨウ)堂へ行くのよ、10日間そこにこもり謹慎しなさい」(O_O)<え?あーにゃん?その夜、阿詩勒(アシラ)部の特勤(テギン)・阿詩勒隼(シュン)は配下の情報を聞いていた。皇太子と秦王の勢力は拮抗、皇帝の腹積りはどちらか、また斉王は烏(ウ)城へ北征予定だが、総勢や行軍は不明だという。何でも斉王は毎晩、東宮を訪ねているだけで特に動きはないとか。しかし隼は斉王の見張りを命じ、珍しくないことでも報告するよう指示した。同じ頃、太子局では李淳風(リジュンプウ)が天象の異常を発見していた。…王が変わるは天下の変革…「馬車を!参内する!」翌朝、瑾夫人は長歌の見送りに出た。名残惜しそうに娘の手を握りしめる瑾夫人、これからは東宮のように奉仕してもらえないだろう。長歌は心配そうな母の様子を見て許してもらえると期待したが、瑾夫人は心を鬼にして突き放した。「許可なく戻ってはだめ!」「阿娘…(プイッ!)行くわ」長歌はヘソを曲げ、せっかく母が作ってくれた菓子を突き返してしまう。すると瑾夫人はうっかり器を取り損ね、菓子は無惨にも散乱した。「長歌、もう一度、″阿娘″と呼んでちょうだい」しかし長歌は無視して馬車に乗り込んでしまう。阿詩勒部の使者・炻辛思力(シーシンスーリー)は予定通り出立した。炻辛思力はこのまま早馬で北上し可汗(カガン)に情勢を報告、隼は側近と共に残って偵察を続けることにする。再び唐の扮装で民に紛れた隼たち、その時、まさに宮中で政変が起きようとしていた。長歌は馬車に揺られながら、これも些細な母娘喧嘩に過ぎないと思っていた。しかしなぜか方角が辟雍堂とは異なることに気づく。そこで御者に行き先が違うと声をかけたが、御者はただ心配ないと言うだけで歯切れが悪かった。…阿娘の様子が変だったわ、一体、私をどこへ?…長歌は胸騒ぎを覚え、失踪する馬車の後ろから飛び降りてしまう。長歌が東宮へ到着すると、すでに皇太子一派が粛清された後だった。母の無事を祈りながら寝宮へ急ぐ長歌、するとちょうど太子府の使用人たちが連行されている。一体、何が起こったのか。長歌はひとまず物陰に身を潜めて様子をうかがっていたが、その時、母の寝宮の門が開いた。殿内から現れたのは二叔父・李世民…。長歌は血だらけの叔父の姿を目の当たりにし、ただ呆然としていた。阿詩勒隼は蘇伊舎(スーイーシャー)から玄武門の変が起きたと聞いた。昨夜、斉王が東宮に入り今朝、玄武門が閉門、付近に騎兵300が出没するも、すぐ兵は散ったという。閉門を命じたのは皇太子の配下である玄武門将・常何(ジョウカ)だった。そこへ亜羅(ヤールォ)が偵察から戻り、玄武門の外で見つけた矢を渡す。「幽(ユウ)州の矢じりだな…」実は幽州の兵も李建成が統率していた。「寝返ったか…」隼は李世民が仕組んだと気づき、一筋縄でいかない相手だと分かった。長歌は誰もいなくなった寝宮へ入った。寝台に横たわった母は無惨にも首を斬られ、すでに亡くなっている。母の手を握りしめ悲しみに暮れる長歌、そこへ傷だらけの侍女・三娘(サンジョウ)が入って来た。「郡主…なぜここへ…」「何があったの?!」「早く…お逃げください…あの者たちが…」その時、常何が入って来た。長歌は常何に母と三娘を助けるよう頼んだが、三娘は思わず郡主を突き飛ばし、逃げろと警告する。尻もちをついて唖然となる長歌、すると手元に血だらけの短刀が落ちていた。それは確かに二叔父に贈った阿詩勒部の宝剣…。すると三娘は最後の力で常何にしがみつき、郡主を逃した。「夫人も仰せでした!必ず生き延びてください!生き延びるのです!」長歌は窓から飛び出し、東宮から脱出した。やがて挟み撃ちになった長歌は街を流れる川に飛び込み、難を逃れる。一方、阿詩勒隼は蘇伊舎に斥候(セッコウ)を集めて近郊の軍に拡散させるよう命じた。「特に北を討つ烏城の軍に…」そして皇太子と斉王が死亡し、一派が粛清されたと噂を流すことにする。「北上軍は太子と斉王の配下、知らせが広まれば軍は揺らぐ、これで可汗も枕を高くして眠れる」李世民の娘・李楽嫣(リラクエン)は父が東宮の乱を鎮め、長歌は行方知れずだと知った。居ても立ってもいられない楽嫣は父に会うことにしたが、将軍に止められてしまう。一方、太子洗馬の魏徴は房玄齢(ボウゲンレイ)が屋敷に足止めし、難を逃れた。息子の叔玉(シュクギョク)は外の様子を探らせていたが、長歌が逃げ切って無事だと知り安堵する。「しかしきっと黙ってはいないはず、引き続き見張れ、何かあれば報告を…」その夜、追っ手をまいた長歌は民家に干してあった服を盗み男装した。すると見回りの兵士たちを見つけ、たまたま通りかかった品香斎(ヒンコウサイ)という点心の店に隠れる。机の上に並ぶたくさんの点心、長歌はふと最後に母の菓子を無駄にしてしまったことを思い出し、何とも虚しくなった。「あーにゃん…ごめんなさい、必ず生き延びて見せる」長歌は思わず菓子を頬張った。その時、扉が開いて幼い少年が入って来る。長歌は物陰から様子をうかがっていると、少年は腹を空かせているのか、目に付く点心を次々と口に放り込んだ。厨房の物音に気づいた店の見回りがやって来た。長歌は仕方なく少年を引っ張って物置へ引きずり込み、口を押さえる。「しーっ!」やがて見回りの男は空耳だったと思い込み、帰って行った。少年は危ないところを助けてくれた長歌に感謝し、落ちぶれた侠客だと勘違いして自分の隠れ家に案内する。そこで長歌の腕を見込んで東宮のお妃の埋葬品を盗まないかと持ちかけた。長歌は偶然に出会った少年・阿竇(アトウ)から母の亡骸が栄恩(エイオン)寺に安置されたと知った。そこで品香斎の配達を装い、栄恩寺を訪ねる。門衛は誰の差し入れか聞いたが、長歌は使いを頼まれただけで分からないとごまかした。「間違えなら持って帰ります」しかしちょうど腹が減っていた門衛は有名な品香斎の20両もする点心に飛びついた。門衛を眠らせた長歌は殿内に入った。棺を開けると、今にも目を開けそうな美しい母の亡骸が眠っている。「阿娘…まさかたった独りで郊外に葬られるなんて…」長歌は父とも合葬してもらえない母への仕打ちに憤り、涙に暮れた。思えば母が恨みを持つなと誓わせたのは、恐らくこの結末を分かっていたからだろう。非業の死を遂げた父と母、東宮の者が粛清されても離宮にいる唐皇帝はそしらぬふりで、文武百官も傍観していた。あの時、母に追い出されていなければ自分も今頃、黄泉の国へ旅立っていたに違いない。「恨むなと言う方が無理よ…」長歌は母の位牌の前で誓いを立て、戒めに自分の手を刺した。…どれほど危険で厳しい道でも諦めない、黒幕を殺すまで…阿詩勒隼が流した噂が拡散し、唐皇帝まで潔白を示す事態となった。しかし疑念は深まる一方、皇太子の配下は李世民への反発を強める。李世民の謀臣・杜如晦(トジョカイ)と房玄齢は何者かが故意に噂を流したと踏み、早く決断を下すべきだと進言した。すると冷酷な杜如晦は国が乱れる前にすぐにも禍根は立つべきだと訴える。温厚な房玄齢は反対、まずは相手を分裂させ柔軟に対応するよう上奏した。「今は静観する…」李世民の答えを聞いた房玄齢はホッと胸を撫で下ろした。皓都(コウト)は栄恩寺の見張りが毒を盛られたと報告を受け、直ちに駆けつけた。しかし東宮夫人の位牌と埋葬品は手付かずだと分かる。そこへ杜如晦がやって来た。皓都は些細な件で義父が現れたことに驚いたが、杜如晦はだたの墓荒らしではないという。つづく( ๑≧ꇴ≦)大画面で気づく、予想以上に割れていたウーレイの顎w〓〓玄武門の変〓〓当時、皇太子は長子の李建成だったが、隋討伐で戦功を挙げた李世民の名声が高まり、東宮に匹敵する弘義宮を認められ、その地位を脅かされていたそこで皇太子は李世民の謀臣である房玄齢と杜如晦を讒言により排除し、魏徴と三弟・李元吉で李世民の暗殺を画策するしかし事前に計画を察知した李世民が密かに房玄齢と杜如晦を呼び寄せ対策を協議、さらに李建成の配下で玄武門の守将だった常何を買収し、武徳9年6月4日に変を起こす当日、皇太子は予定通り宮中に参内、寝返った常何たちは門を閉めて一斉に斬りかかった
2021.12.18
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长歌行 The Long Ballad第1話「東宮の郎君」…辛くも政変から逃れた李長歌(リチャングァ)は必死に馬を駆けていたすると向かいの山へ渡る吊り橋が腐食して足止めを喰らい、ついに追い詰められる「逃げ道はない、観念して我らと戻り罪を認めよ!」しかし長歌は一か八か橋に飛び出し、結局、川へ転落してしまう…時は唐代初期、その日、長安(チョウアン)の都を滑空する鷹が甲高い声を響かせていた。鷹の主は客桟の上階から賑やかな街を見下ろしている。「目の前の繁栄もいつまで続くかな…」端正な顔立ちの青年はそう呟くと、腹心を連れて街に出た。青年の腹心は民に紛れて偵察している密偵から情報を受け取った。しかしうっかり疾走する馬の行く手を遮り、太子府の兵曹(ヘイソウ)から目をつけられてしまう。身分を隠している青年は面倒を避けたかったが、横暴な兵曹から腹心を守るため思わず反撃した。これに兵曹たちは激怒、すると馬に乗った少年が颯爽と現れ、兵曹を一喝する。「はっ!郡…いえ郎君、私が愚鈍でした、命はお助けを…」兵曹は慌てた様子で引き上げ、少年は赤い外套をひるがえし去って行った。果たしてあの眉目秀麗な少年は何者なのか。赤い外套をまとった少年は東宮へ戻った。少年の正体は皇太子の娘で永寧(エイネイ)郡主の称号を持つ李長歌。長歌は聡明で武術に長け、こうして男装してはこっそり東宮を抜け出していた。その日、長歌は母から明日だけは何があっても外へ出ないよう命じられる。聞けば草原の部族である阿詩勒(アシラ)部が急に使者を長安に派遣し、到着するなり蹴鞠(シュウキク)の試合を申し込んでいた。実は唐皇帝が決起した時、阿詩勒部との和親に応じている。当時はともかく今は烏(ウ)城で戦が起きていた。宮中で妙齢の女子はわずか、瑾(キン)夫人は美しい娘が誰かの目に留まるのを恐れた。「阿娘、いつの話だと思ってるの?心配し過ぎよ」「長歌、あなたはまだ幼い、知らない方がいいこともあるの…」皇太子・李建成(リケンセイ)は二弟の秦(シン)王・李世民(リセイミン)の台頭に不安を募らせていた。そこで配下の常何(ジョウカ)に秦王を見張らせ、三弟の斉(セイ)王と書房で密談する。しかしその夜、意を決して皇太子を訪ねた瑾夫人は思わぬ話を耳にし、慌てて引き返した。すると気配に気づいた皇太子が外へ出て来る。「阿瑾?どうした?ここへ来るのは嫌なはずだろう?」瑾夫人は動揺を抑えながら阿詩勒部との婚姻の件が心配だとごまかし、差し入れだけ渡して帰って行った。翌日、長歌は秦王の弘義宮を訪ねた。するとちょうど庭園で姉妹のように育った県主・李楽嫣(リラクエン)を見つける。長歌は自分と正反対で臆病な従姉妹の楽嫣をいつも気にかけていた。「意中の人に会わせてあげるわ!今日、魏叔玉(ギシュクギョク)が蹴鞠に参加するって」叔玉は長歌や楽嫣と幼なじみ、実は楽嫣は川に落ちたところを叔玉に助けてもらって以来、淡い恋心を抱いていた。長歌は不器用ながら楽嫣のために刺繍した匂い袋を渡した。(´゚艸゚)∴ブッ<何これ? 一応うさぎよ~>(˘・з・˘)すると楽嫣もお寺でもらった平安符を二つ渡す。「ひとつはチャングァに、もうひとつは…」「もうひとつは叔玉哥哥ね?…なら自分で渡しなさい」こうして蹴鞠場へ出かけることにした長歌と楽嫣、しかし門へ向かう途中、偶然、護衛の皓都(コウト)が間者を成敗する場面を目撃してしまう。長歌は慌てて楽嫣の視界を遮り、急いでその場を離れた。「皓都ってろくでもないわ、近づかない方がいい」「叔玉哥哥も言ってたわ、すごく冷血だって」一方、2人に見られたと気づいた皓都は回廊に落ちている平安符を拾った。蹴鞠場に到着した長歌と楽嫣、すると楽嫣は叔玉に渡すはずだった平安符がないと気づいた。長歌は自分がもらった平安符を返し、代わりにこれを渡すよう安心させる。しかし試合は唐組が押されていた。蹴鞠とは言え負けたら軍の士気に関わる大事な試合、すると叔玉が敵の亜羅(ヤールオ)と接触、足を怪我してしまう。叔玉は悔し紛れに仮面を外して地面に投げつけた。そんな叔玉の様子を心配そうに見つめる楽嫣だが、ふと気がつくと隣にいたはずの長歌の姿がない。一方、貴賓席では皇太子と秦王が阿詩勒部の使者・炻辛思力(シーシンスーリー)を接待していた。炻辛思力は阿詩勒組の勝利を確信し、自慢の宝刀を褒美として勝利した戦士に授けると決める。その時、観客席に立つ高貴な娘に気づいた。炻辛思力は唐皇帝が応じた阿詩勒部との婚姻を持ち出し、あの娘はどの皇族かと尋ねる。まさか自分の娘がいるとは夢にも思わない李世民、しかしそれは確かに楽嫣だった。叔玉は重症だったが試合に負けるわけにいかず、手当てを受けてすぐ立ち上がった。そこへ楽嫣が駆けつけ、今さらながら平安符を渡す。「早く渡していれば負傷せずに済んだのに…」「ありがとう」しかしいつの間にか叔玉の防具が消えていた。長歌は仮面で顔が隠せるのを良いことに叔玉の代わりとして唐組に加わった。一方、亜羅を欠いた阿詩勒組にも鷹の鳴き声とともにあの青年が現れる。青年の姿を見た戦士たちは急に姿勢を正し、直ちに定位置についた。すると長歌も戦士たちに後ろ手で合図を送り、陣を作る。「…雁行(ガンコウ)陣か、ふっ、面白い」青年は敵将に興味を持った。李世民は叔玉の代わりに入った戦士が長歌だと気づいた。期待通り長歌は見事な布陣と軽やかな身のこなしで先行、阿詩勒組を翻弄する。すると青年は長歌が接触して転んだ際、ずれた仮面からのぞいた顔を見て驚いた。右目の下にある印象的な黒子、あれは確かに街で自分たちを助けてくれた赤い外套の少年だ。蹴鞠は1点を争う白熱した戦いとなった。残り時間もわずかとなって同点、すると長歌が決勝点を決めて唐組を勝利に導く。その様子を楽嫣と叔玉が見ていた。「あれは誰かしら?」「長歌だ、他に誰が草原の連中を手玉に取れる?」2人は胴上げされる長歌の姿を笑顔でながめていたが、そこへ皓都が現れた。「県主、秦王殿下の命により屋敷へお送りします」李世民は皇太子が自分を牽制するため、娘を縁談に利用するつもりだと分かった。長安を偵察していた青年は阿詩勒部の特勤(テギン)、阿詩勒隼(シュン)だった。宿舎に戻った炻辛思力は特勤に拝礼し、自ら試合に出るとはどういう風の吹き回しかと訝しむ。隼は力を測ったと教え、これが戦場だったら相手は全滅だったと自信を見せた。しかし炻辛思力は後半から参加した戦士が機敏だったと感心する。「…東宮の者だ、八品以上だろう」「さすが飛耳長目ですな…ところで婚姻の件、李建成は餌にかかりました ですが可汗(カガン)には事前に知らせるべきでは?」すると隼は唐が和議を進めるのは兵力が劣る証拠、報告は不要だと言った。使節団は明日にも長安を発つが計画に変更はなし、予定通り行うという。蹴鞠で勝利した長歌は阿詩勒部が献上した宝刀を授かった。そこで7歳の時から武術や兵法を教えてくれた師匠でもある二叔父に恩返しとして短刀を贈る。李世民は確かに兵法を蹴鞠の布陣に応用したのは見事だと褒めたが、突然、短刀を抜いて長歌に襲いかかった。当然、叔父には勝てない長歌、すると李世民は道理を覚えておくよう諭す。「″強気は攻、弱気は守″ ″力が及ばぬ時は爪を隠し、強くなって反撃する時を待つ″ 生き延びて強くなるために…」「はい、分かりました」「もう戻れ、私にはまだ用がある」「では後日ご挨拶に…」李世民は長歌を見送ったが、思わず呼び止めた。「長歌!」しかし喉まで出かかった言葉を飲み込み、夫人に宜しくと伝える。「了解!」長歌は屈託のない笑顔で答えると、回廊を曲がって見えなくなった。そこへ外套を目深にかぶった杜如晦(トジョカイ)がやって来る。「殿下、遅くなりました、尾行をまいていたもので…」長歌が東宮へ戻ると、父に呼び止められた。「蹴鞠場の若造はお前だな?」「乱入するつもりはなかったのですが、形勢が不利だったので…」長歌は父に怒られると覚悟した。つづく(  ̄꒳ ̄)ああああああ〜♪
2021.12.17
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