日記、空白の時期の出来事・2

日記は空白だったが、私の生活は内容の濃いものだった。

3月末に以前の会社を辞めてから、レイさんとも疎遠になっていた。
理由はいくつかあるが、私は相当いじけていた。

レイさんは4月から職種が変わり、ものすごく忙しく働かなくてはいけなくなっていた。朝から遅い時は深夜まで。週末もあったものじゃない。

それに加え、離婚出来ずにズルズルしている。
私はその事を考えると、非常に切ない気分になり涙した事もあった。
「このままレイさんが離婚しなかったら、私の将来どうなるのだろう?」なんて真剣に考えていた。

想えば想うほど、気持ちは辛いので現実逃避していた。

そう、オダ以外の男とも仲良くなりつつあった。

たまに日記に出てくる「テツさん」
私よりも7歳上の会社を数個持っている社長である。
見た目は「社長」なんて感じではなく「少年」みたいだ。小柄で締まった体。ファッションセンスも抜群。

彼に私は惚れられた。

のちのち聞いたら一目惚れだったらしい。
人に連れてこられて、私の働いてる店に来たのだが、一目で私を気に入り、また店に来てくれた。

普段、女性のいる店に行くようなタイプでもないのに・・・。

そしてメールなどをするようになったものの、何を話すわけでもなく、冗談の言い合いくらいだった。

GWの前に一回だけ普通に電話が来た。
「実家に帰るんだよ。何日に帰ってくるから、食事でも行こうな」と。

まともに話した事なかったので、私は変な気持ちだった。

そして約束通り食事に行く事になった。

平日のある日に、私は昼間の仕事が終わり、会社の近くにあるオダの家で夜の仕事の前にのんびりしていた。

突然電話が鳴りテツさんからだった。

いつものように冗談ばかり言われた。数分経ってから「で、今日は食事行ける?」とのお誘い。

私は嬉しかった。
彼に興味を持ち始めていたので、二人きりで食事に行けばまともに話しが出来ると思った。

急いで用意して食事に行った。

同伴となったわけだが、その日、お店は暇で私が席を離れて他の客についてる時も、彼はいた。

家に帰ってから彼はメールをくれた。「突然だったけどありがとうな!」

あまり素直に気持ちを表さない彼にとっては珍しい発言だった。

その数日後にも食事に行き、やがて私の休日に会うようになった。

食事をしてもう一軒行くような感じで、付き合いは続いた。

酒を飲まない私がテツさんを迎えに行き、送る。

7月になってから川の側の夜景が綺麗な所で車を止めて話していた。
その時に私は肩を抱かれた。

しかし、キスまではしない。

テツさんは自分が既婚者だと言うことを、今まで私が知っている既婚者以上に気にしている。
「自分の立場があるから”好き”だなんて言っちゃいけない」
「そういう風に想ってはいけないんだよ、俺は」と言っていた。

結婚5年目にして、初めて他の人を好きになったみたいだ。
結婚当初に会社を立ち上げ、毎日忙しさに翻弄していたため、遊ぶ事を全然しなかったという。

私を好きになって、彼は相当戸惑ったらしい。
いや、今現在も彼の戸惑いは続いているだろう。

肩を抱かれた数日後、彼の家に行く機会があり、そこでキスをした。

それは2004年7月の出来事。

ちょうどその頃、2~3週間に一回くらいしか顔を見なかったレイさんから連絡が来て、「離婚が決まった」との報告を受けた。

その数日後、レイさんは本当に離婚した。

淋しいからオダやテツさんと遊び始め、二人とも付き合いは始まったばかりで、私への気持ちは熱くなっていってるのに、レイさんは離婚した。
なんて皮肉なんだ。




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