「イイ人」が「オトコ」に変わった時

2002年の幕開けは波乱に満ちたものだった。
前項でお話した通りのショックな出来事が起こって、私は仕事をしていても
覇気がなく、何をしてもボーっとしていた。
でも、元来プラス思考の私は「まぁ、どうにかなるさ」と思い、過ごす事にした。

1月の真中くらいだったろうか、会社の中で昼ご飯を食べていたら、
ゴウさんがそこに来た。「僕もそろそろ昼ご飯食べようかな~」と。
もう2時なのに、ゴウさんは仕事ばかりしていて、昼ご飯を食べるのも
忘れていたらしい。
そして、二人だけで昼ご飯を食べながら色々話していた。
ゴウさんに「今度、食事でも行かない?」「何食べたい?」と聞かれ、
話の流れで「遠くに行って美味しいものを食べよう」という事になった。
一週間後くらいに二人で隣の県に出かけた。
予定としては美味しいものを食べて、温泉に入って帰って来るというものである。
昼前に出て、帰って来る頃にはすっかり日もくれていた。
「今日は本当に楽しかったです。ありがとうございました。」と挨拶をして、
私は家に帰った。

それから、3日後くらいにゴウさんから連絡が来た。「仕事終わったら会える?」と。
夕方にゴウさんと会って、海へ車を走らせた。
1時間ほど走ったのだろうか、そこで車を止めて、ゴウさんは話をした。
「俺、でにぃの事が好きになってしまった」と。
私は耳を疑った。”だって、あなた結婚してるじゃないの”と考えた。
ゴウさんは「自分の立場は十分理解はしている。でも、好きになる気持ちを
止める事ができない」と。
なぜ、私に好きだって告白をしたのかというと、こうやってたまに二人で
食事に行ったりドライブしたりしたいから、だそう。
いつも誘われていたら「何でこの人はいつも私を誘ってくるんだろう?」って
思うのではないかと。
とにかく色々と話した。
ただ、私は思った。普段のゴウさんは本当に喋りが上手である。会社での
スピーチなどは群を抜いて上手であるが、そのゴウさんが
私へ告白している時は、言葉につまり緊張で喉が渇いて、飲み物に手を伸ばす
回数がやたらと多かった。そして、少しだけ手が震えていた。
「この人、本気なんだ・・・」
私はすごく複雑であった。
それは2002年1月下旬であった。

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