やっちまった♪

File.1★やっちまった★

まだピチピチギャル(死語?)だった頃のことである。
ある日親知らずが痛み出したので以前違う親知らずを抜いた時と同じ
歯医者に駆け込んだ。すると狸親父状態のその歯医者はこう言った。
 「前あなたの親知らずを抜いた時えらく苦労したんだよね~。あなたの
歯は『根』が大きいから大変なんだ~。大学病院に紹介状書くからそっちに
行ってくださいね~~~」
仕方なく生まれて初めての大学病院の口腔外科なるものに予約を入れ
早朝から電車に揺られバスに揺られの長旅と相成ったわけである。

行ってみるとああ、びっくり!さすが大学病院・・・麻酔の利きの強力なこと!
一発で口がきけない状態となり、見たこともない器具が登場したかと思ったら
速攻技の連発で私は親知らずとおさらばしたのだ。
「ホンニョ、ヒフフレハ、ヒヒヘフハ?」(今度いつ来ればいいですか?)と
動かぬ口を一生懸命動かして訊いてみると「糸は自然に溶けるからもう来な
くていいですよ」と前述の歯医者とは大違いのダンディなDr.はのたもうた。

とりあえず痛み止めと化膿止めをもらってホッとしつつ帰路についたその
ぽんである。しかし口の閉まりはなく、うがいもままならないがまだ
出血している。仕方なくハンカチを口に当てつつ家路を急ぐ。
(友人と待ち合わせしていたのだ)電車に乗ってしばらくしたら座ることが
できた。「あと30分くらいで着くな」とリラックスしたのがいけなかった
のかもしれない。あるいはかなり早起きをしたからか
それともあまりの健康体で麻酔が全身に効いたのか(ナイナイ!)
あろうことか眠ってしまったのである。
「○○○~~○○○~~ご乗車ありがとうございま・・・」という車内
アナウンスにハッと気がついた瞬間!自己防衛本能が働き(!?)思わず口
に手を添えたときにはもう遅い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私の「手」には鮮血が・・・そしてまたまたハッとして胸元を見て見ると
その当時流行っていたIZOD(わにのラコステ)のクリ~ム色したおっしゃれ
なポロシャツの胸が「赤」と混ざって朱色になってる~~~!!!!!
お察しの通りである。麻酔でゆるんだ口元は出血&よだれを堰き止める
ことはできなかったのである。
あせって飛び起き、脱兎のごとく電車を降りホームを駆け抜け、最寄りの
ビルの『すいてる』トイレに駆け込んだ速さは高橋尚子より確実に早かった
はずである。ポロシャツを洗い、ひと息ついて思ったことは・・・

「なぜだ~れも声をかけてくれなかったんじゃあ!!!!」

しかし、きっと同乗してたお客さんはさぞビビッたことであろう。なにしろ頭
をガックリ落として(そのぽんの電車での寝方である)血ぃ吐いてるんだから
そんなヤツが、終点に着いた途端、復活して走り去ったひにゃあ・・・
私の方が「驚かせてすみません」と言わねばならないのかもしれない。
小規模ながらまるで「どっきりカメラ」のようである。

思い出したくもないいまわしい過去の最有力候補がこの
「そのぽん真昼の血の惨劇」と名付けられた事件である。

まあ、電車の走行中に車掌さんに揺り起こされるよりは自分の記憶がない
だけしあわせなのかもしれない・・・そう思っておくことにしている





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