○●絵空事●○

○●絵空事●○

I want to ...

昔、愚かな男がいた

自国が嫌で、隣国へと逃げ出した

しかし、隣国は紛争の真っ最中

男は紛争に巻き込まれぬよう逃げ回った

不法入国者が職に就けるわけがなかった

男は貧困に喘いだ

街中にいても貧しさから解消されなかった

男は街中から逃れた

逃れて

逃れて

辿り着いたのは紛争地帯

男はあるゲリラ兵にこう言った

「パンを!俺にパンを!!」

勿論異国人の男の言葉が、ゲリラ兵に伝わる筈が無かった

ゲリラ兵達は首を傾げ合った

『この男は何を言っているんだ』

ゲリラ兵達は口々にそう言った。

しかし、其の言葉は男には伝わらない。

飢餓で死にそうな男は頻りにこう言った。

「パンを!俺にパンを!!」 と。

ゲリラ兵達は笑った。

『この男は”パン”と言っているぞ』

『そうか。お前が”パン”を望むのならくれてやろう』



―――パンッ―――


男の望む通り、”パン”が与えられた

もう男が飢餓に苦しむことは無くなった




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