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第14話 組織のおうち(後編)
「いらっしゃ~い♪」
いつになくゴキゲンな幹部が、この空間に不似合いな液晶テレビから顔を上げた。どうやら、ここが幹部の家のようだ。
くんこは幹部の前の液晶テレビを覗いてみた。ゾンビが血しぶきをあげて倒れていた。くんこはあわてて顔を背けた。
「ギャ―――!!ゾンビ――!!!」
くんこではなくカナエが大声を出して座り込んだ。
「お前何やってんだよ。また「バイオハザード」?・・・たのむからはやくきって~」
「あっはっは。ほらドン♪頭ふっとんでるぜー♪」
「ギャ―――!!!」
カナエはダッシュでその場を離れてどこかへ行ってしまった。そのあとを、フシュギがちょこちょこ小股で付いていった。
「それにしても、幹部・・・・ここ、ドコ?」
くんこは先ほどから気になっていたことを口にだしてみた。
「太陽」
・・・・・・・・・・・・。
「たいよう!?ってあの空にある・・・・・」
「それ以外にどんな太陽があるっていうんだよ」
「」
組織のメンバーの家のいいかげんさにただあきれるしかないくんこであった。
「それにしても、太陽ってこんな形してたんだぁ・・」
ところどころいびつな形状になっている内部を見渡しながら、くんこはつぶやいた。
「ちなみにさぁ」
幹部の声にくんこは振り向いた。
「これが俺のペットのゴジラちゃん。それからこっちがアルルちゃん」
幹部の隣に並ぶリザードンと体長50センチのゴジラ。・・・・・・趣味が悪い。くんこは思ったが、口にだしたらカンペキに命はないだろうからやめておいた。賢明な判断である。
「・・・・・もう、きったよな?」
カナエがフシュギを抱きかかえながら、薄暗がりの中から顔を出した。そういえばカナエの趣味もそうとう悪い。なんてったってフシュギが。
「ねえ、そろそろ10時だよ。BOSSの家行かなきゃ」
と、いうわけで一同BOSSの家へ出発。
「じゃあここのドアから」
という幹部に従い、くんこも皆に続いてドアをくぐった。
「いらっしゃい。おはよ」
「おはよーBOSS!」
・・・・・・・なんでBOSSが。幹部とBOSSは隣人なのだろうか。くんこの考えを汲み取ったように、ガッちゃんが言った。
「このドアね、ドラえ○んのどこでもドアなんだ」
「どこでもドア!?」
「BOSSの家ってすごく遠いんだよね。まともに通ってたら片道3ヶ月は軽くかかるよ。だから、あれ使ってるの。さっき幹部の家来るときに使ったロッカーもあれの形が違うだけで、根本的には同じだよ」
「はぁ」
「どっからそんなの持ってきたのかは私もよく知らないんだけど、ねー」
「はぁ」
「あ、くんこ危ないよ」
「はぁ・・・・・・え?」
くんこはとっさに上を見上げた。
くんこの上から、何か大きなものがゆっくり降下してきた。何なのかはわからなかったが、くんこははっとすると、弾けるように身を引いた。大きなものは、そっとくんこのさっきいた地点に降り立った。
「あぁ?なんだお前。見かけねぇ顔だな」
大きなものはするどい眼光をくんこに向け、ドスのきいた声で言った。くんこは恐ろしくなってさらに2,3歩後づさった。
「あ、くんこー♪」
「え?ゆいこちゃん?」
ゆいこが、大きなものの背中の羽の隙間から、あどけない笑顔をのぞかせた。
「怖がることないよー。リザっちはぜんぜん悪い子じゃないんだから」
「リザっち?」
なるほど、よく見ればこれはお化けでも怪獣でもなく、ただのリザードン・・・・・・ってリザードンがしゃべってる!?
「ちょ・・っ!なんでコイツしゃべってんの!?」
「あぁ?なんか言った?」
「・・・・・・・ぃぇ・・・・」
くんこはリザードンごときにこうも脅され、(脅しているわけではない)悔しくてたまらなかった反面、やっぱりリザっちが恐ろしかった。いったいこれのどこが『悪い子じゃない』のだろう。
『BOSSって何でこんなのが好きなんだろう・・・。怖いよ、こいつ・・・・・』
くんこは思った。
「なにしてんの、くんこ。はやくゲームしようよ!」
ゆいこがテレビの前から呼んでいる。くんこははやくリザっちから離れたかったので、急いで皆のところに駆け寄った。
6人でゲームを始めてからしばらくたったころ、くんこは人数が一人増えていることに気がついた。
『あれ、ひとりふたり・・・・・7人いる・・・・・・?』
「あれ、ライチいたの?」
「うん、気づかなかった?」
そうBOSSの問いに答えたのは・・・・・ライチュウ。BOSSのしゃべるポケモン再び。しかし、先ほどのリザっちとはうってかわってライチはとても優しそうだ。
『ライチって子は可愛いかもv友達になってみようかな・・・v』
「は、初めまして!私、くんこっていうんだ。あなた、可愛いねぇ。キュ、キュートでラブリーっていうかぁ・・・」
なぜ、こういうナンパ野郎のような物言いになってしまうのだろうか。しかし、これでもくんこは真剣に言っているのである。くんこはそっとライチの反応をのぞき見た。
「・・・・は!?」
ライチの顔に浮かんでいるのは親愛の情でもなく、ただの軽蔑・・・。くんこ、撃沈。
ライチは沈んでいるくんこの手に、ビデオテープがあるのに気がついた。人一倍好奇心の強いライチである。さきほどの軽蔑すべき出来事は水に流して、とにかくそのラベルも何もない謎のビデオテープを見たいがために、くんこに話しかけた。
「ね、あんた」
「え、“あんた”って・・私のこと・・・・?」
「あんた以外に誰がいるのよ」
『あ、“あんた”・・・・・。やっぱり私より位が高そう・・・・・・。ああ、私ポケモン以下なんだ・・・』
くんこの悲嘆をよそに、ライチは続ける。
「あんたが持ってるそのビデオ、いったい何なの?」
「え、ああこれ・・・。あの、森で拾ったんだけど・・・・・」
「なんだなんだ。それ、エロビデオか!?」
リザっちが勘違いしたのかからかいたかったのか、話にわってはいってきた。変にまじめなところがあるくんこは、まともにキレかけてしまった。
「ちがうよ!!なんでそういうことになるの!!」
言ってからくんこは『ヤ、ヤバイ・・・!!』と遅いながらも後悔した。しかしリザっちは、
「はぁ、なにキレてんの?」
だけで軽く流したので、くんこはほっとした。それと同時にかなりムカついてきた。
『・・・まったく、なんなのよあいつ!!なんで私をからかってくんの!?もしかして、私のこと好きだから、ちょっかいかけてくるの!?(絶対ありえない)・・・・・・でも、私そういう変なのタイプじゃないから。BOSSにだけは好かれるようにしてて・・・・あ~!!ムカつく!!!』
くんこはおもいっきりリザっちを睨みつけたが、逆に睨み返され、あわてて視線をそむけた。
「・・・・・・・・・・」
「どうしたんだよ、BOSS?」
「そのビデオ・・・」
BOSSはすっとくんこの手からビデオを取り上げた。
「これ、呪いのビデオだよ・・・・!」
「ギャァ――――――!!!!!」
カナエが絶叫した。幹部は無言で倒れこんだ。(この二人、超怖がり)
「ちょ・・っそんなの何でわかるの?」
「これ、私が捨てとくね」
「BOSSが言うんなら間違いないとはおもうけど・・・」
「・・・こわーい」
くんこの発言はまったく無視されてしまっていた。まあ、この件については後に触れるとして、今は説明はしないでおこう。と、いうわけでこの秘密が知りたかったらくんこ物語をこれからもずっと読み続けなければいけません。よろしく。(宣伝)しかも第14話ここで終了です。次回を乞うご期待。
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