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第15話 忍び寄る黒い影
くんこは朝からはりきっていた。なぜなら今日は、待ちに待った部活動編成の日。くんこはリンクといっしょの部活にはいるため、なんとしても、学校へ行かなければならないのだ。問題は組織なのだが・・・。
「たとえ今日見つかっちゃってもなんとか頼みこんで、ぜったい、ぜーったい行くんだから!!」
くんこは深呼吸すると、勢いよく玄関のドアを開けた。
「よお、くんこ、おはよー」
・・・・・・・ナイスタイミング。組織がくんこの部屋の前で全員集合していた。
『ま、まさかこんな早く出会うことになるなんて・・・・。とにかく、今日は学校行くって言わなくちゃ!!』
「あの、今日は学校・・・」
「早く行こうよ。学校遅れるよ」
「・・・・・・・え?」
あまりにも似合わない言葉に、くんこは声が出なかった。
ひとり放心したように突っ立っているくんこをよそに、組織はアパートの階段を駆け降りていく。階段の中ほどで、赤いランドセルをかついだゆいこがくんこに叫んだ。
「どうしたの、くんこ?行かないの?」
「あ、うん!!待って!!」
組織が学校へ行くと言い出すなんて、めずらしいこともあるもんだ。今日は雪でも降るんじゃないだろうか。
不思議に思いながらも、くんこはみんなの後を追った。
「あら、くんこちゃん。おはよう」
「あ、おはようゼルダちゃん」
教室に入ったくんこに一番に声をかけたのはゼルダだった。
「久しぶりね、11話ぶりかしら。くんこちゃんが学校に来るのって」
「?11話ってなんのこと?」
「あら、裏話よ♪」
くんこはカバンを下ろし、隣を見た。隣の席ではリンクが、なにか文庫本を読みながらニヤついている。くんこは朝の挨拶もかねて、リンクの横顔に、ウインクを飛ばした。リンクが気がつかなかったのが不幸中の幸いとでも言うべきだろうか。
「では、今配ったプリントに書いてある部の中から、一つの部を選んでください」
久しぶりの登場でやけにはりきっている長谷野糞婆ァが、鼻息荒くしゃべった。くんこは渡されたプリントに目を落とした。そこに書かれていたのは・・・・総数100を軽く超えるだろうと思われる部活動の種類!!くんこは驚いて顔を上げた。
『ど、どうしよう!!こんなにいっぱい種類があるんじゃ、リンクくんがどの部活にはいるのかわからないじゃない!!・・・・べつべつにだけはなりたくないよぉ~!!・・・・そうだ、リンクくんに訊いてみればいいんだ。・・でも・・・・』
くんこはそっと隣を盗み見た。すると、リンクがなにやら熱心にプリントに書き込みをしている。くんこはさらに首を伸ばした。端から見るとカンニング状態である。どうやらリンクは、自分の入りたい部に印をつけているようだ。くんこはさらに目を凝らした。
『・・・えーと、あれと、これと。わかった!『サッカー』『バスケ』『馬術』『剣術』『仮面製作』『動物愛護』この6つに絞られたわ!!後は、このうちのどれにするかだけど・・・』
この中のどれを選ぶかは、直接リンクに聞いてみないことにはわからない。くんこは勇気を出して、小声で話しかけてみた。
「え?ボク?う~ん、迷ったんだけど、バスケ部にするよ」
くんこは何も考えずにバスケ部に入部届けを出したのであった。
休み時間。くんこは組織の溜まり場となっている階段脇へ連れてこられていた。
「なあ、くんこって何部に入るんだ?」
幹部が訊いてきた。
「バスケ部。・・・・ウフ、リンクくんといっしょなんだvv」
くんこが言うと、組織一同がずっこけた。
「アホかお前!そんな理由で決めていいのかよ!!」
「いくら部活動は一年で変わるからって、それはないだろうが!!」
「考えなおしなよ~。今からならまだ遅くないよ」
「それより、くんこ、運動できるの?」
さんざん組織に反対されまくり、最後にキツ~イBOSSの一言。それでもくんこの決心がゆるがなかったのはさすがというべきか。しかし、たしかにくんこは運動オンチである。(リンクのためなら別だが)いったいどうする気なのだろう。
「だから、私、マネージャーしようと思ってんの」
「マネージャー!?くんこが!?」
「むいてないって!!」
「と、いうかくんこにそんな心配りができるとは思えないけど」
「リンク限定だよね。くんこの心配りの対象」
「それはいえてるかも~」
組織にさんざんなことを言われまくっているくんこだが、意識はすでに妄想世界。組織の罵詈雑言が耳に届くはずもなく。
そんなくんこに、ガッちゃんが声をかけた。
「ねぇ、じゃあバスケ部なんかやめて、私たちといっしょに呪い研究部はいらない?」
「いや」
同じく呪い研究部入部希望者の幹部も話にのってきた。
「はいろうぜ。俺とガッちゃんのふたりしか部員いないらしいんだよ」
「いや」
すると、今度はカナエが話にはいってきた。
「じゃあ、オレと異世界交流部にはいろう。フシュギたちと異世界行ったり、いろいろ楽しいぜ♪」
「いや」
最後にBOSSも声をかけてきた。
「ねぇ、それなら料理部はいってくれない?前の学校でもさー、ウチが入部したら1週間足らずで全員やめちゃうんだよ。味見係にしてあげるからさv」
「いや」
「「「「くんこ!」」」」
「もうっ!入部届けだしちゃったんだから!!」
くんこが叫び、やっとその場が治まった。
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