小手指に行く前に少しだけ時間があった(30分弱だが)ので池袋で書店に寄ったらかまち潤の「世界初!これがビートルズ・カヴァー決定版(オリコン・エンタテインメント刊)」という本があった。その分野の専門家としては見逃せないので購入。 結論から言えば「甘い」。まず「世界初」であるが、これがまず嘘。98年に音楽之友社からBeatle Vibrationsというムックが出ている。厳密に言えばカヴァーだけを扱った訳ではないし(ビートルズフォロワーという視点から編集されている)、単行本とは微妙に形態も違うが、それでも「世界初」というのは言い過ぎだと思う。 「決定版」もかなり疑問だ。ビートルズのカヴァーは俺が聴いた曲だけでも数曲を除く全てがあり、さらに存在を確認しただけの曲を加えるとほとんど全曲がカヴァーされている。だが、この本からは例えばYou Like Too MuchやRevolution9等といった曲が(本文からも巻末のリストからも)漏れている。 また、そのセレクトは70年代以前の、特にジャズや(所謂)ポップスに偏っており、80年代以降のミュージシャンはかなり漏れてしまっている。 更に、日本人アーティストを差別しているのも問題だ。日本人による興味深いカヴァーは大量にあるのに、リスト化さえされずたったの2ページで済ませてしまっている。