ベルギー(四歳)の雑記部屋

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この世から悪人を消し去ってしまう装置



『この世から全ての悪人を消し去ってしまう装置』


博士
「・・助手よ。ワシは最近、思うのだよ・・。この世の中には罪深い人間が多すぎるとな・・」

助手
「っと・・い、いきなり、そんなシリアスな事を・・あ!さては冷蔵庫の中にあった賞味期限切れの羊羹を食べたの、博士ですね!・・まったく・・考えなしに何でも食べちゃうからそんな似合わない事を口走っちゃうんですよ?・・大体ですね!博士はもっと自分に厳しく・・って、あれ・・どーしたんですか博士・・そんな黙りこんじゃって・・」

博士
「・・・助手よ・・ワシは悲しい・・ワシは本気で言っておるというのに・・あぁ、それから冷蔵庫にあった賞味期限切れの羊羹はワシが気づいて捨てて…」

助手
「あはは、そんな事、あり得ないし」

博士
「か、考える間もなく否定しおった。・・・まぁ、信じようが信じまいが構わんが・・」

助手
「え・・博士・・?」

博士
「・・ワシはもうウンザリじゃ・・」

助手
「え・・っちょ!ちょっと博士?一体どうしちゃったんですか?」

博士
「この世の中には罪深い人間、欲深い人間、悪い人間で満ちあふれておる・・」

助手
「な、何か本格的に博士がおかしい・・ちょっと博士いい加減に正気に戻ってくださいよ!」

博士
「・・思えば助手よ・・お前もまた罪深い人間じゃ・・」

助手
「な、何をいきなり言い出すんですか!」

博士
「ワシの偉大な才能を認めようともせず、毎度毎度、必要以上に冷徹なツッコミをいれよって・・しかも今は賞味期限切れの羊羹を食べたの何だのと言いがかりをつけおる!」

助手
「いや、じゃぁ聞きますけど、その口の周りについてるアンコは一体何なんですか?」

博士
「そこでワシはある決断をした!」

助手+
「・・・・・・・・」

博士
「この新しい発明『この世のイヤな奴を全部、消しちゃうよ装置』通称・イレイザー君を使い世の中の悪人どもを全て消し去る!!」

助手
「・・またもや、アレなネーミングセンスですね・・・って、し、正気ですか博士!!」

博士
「ワシは正気じゃ!今の荒んだ社会を考えてみい、戦争、テロ、犯罪、子供の虐待、売春、ドラッグに汚職!」

助手
「い、いや確かに荒んだ世の中ではありますが・・」

博士
「この世界にワシが直々に天罰を下すのじゃ!何、心配することはない。この装置で消えさるのは本当に悪い悪人だけじゃ!」

助手
「って、博士!早まらないで下さい!」

博士
「うるさい!!」

・・ポチ

助手
「は、博士・・」

博士
「ぬぅ・・!解ってくれ助手よ!これは、いずれ誰かがやらねばならんかった仕事なのじゃ!これで世界中の悪い人間は後1分後に消滅する」

助手
「いや、そうじゃなくってですね?・・『この世の悪い人間なんて一人残らず死んでしまえばいい』とか思って、それを問答無用で実行づる人間のほうこそ、よっぽど 悪い奴 のような気がするんですが・・」

博士
「・・・・・・ぁ」

助手
「・・って、当然、作るときにその装置の使用者はその対象から外れるシステムとかを入れてますよね・・ハハ、一瞬本気で心配しちゃいましたよ~」

博士
「・・・・・・・・・(滝汗)」

助手
「あ、そろそろ一分たちますね。・・どーしたんですか?顔色が悪いですよ?」

博士
「・・・助手よ・・じゃがワシはこうも思う・・いかに悪人であろうとも、その命を奪う権利は誰にもないと」

助手
「それで?」

博士
「・・そして、この装置を今すぐ壊せばまだ間に合うのじゃ!!」

助手
「・・・で?」

博士
「この装置を破壊する・・」

助手
「・・・この意気地なしめ」










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