鷹匠

鷹匠

雪降る音


おかんさんの日記の中で信州人のアンケートで、雪の好きな信州人が多いことに驚いた。(嫌いな人14%)
 好きなのは私ぐらいかと思っていたからだ。実は皆好きだったのだ。



雪で思い出すのは雪降る音である。
もう長いことその音を聞いていない。

雪がしんしんと降るとき、音のすることを知ってる人はどのくらいいるだろう。その音は蚕が桑を食べる音より小さい。

何年か前に地元のSBCラジオを聞いていたら、音のないものとして、雪降る音があると言っていた。抗議したいと思ったが面倒くさく忘れてしまった。
信州に住む人でさえこんなものであるのだ。

ある本を読んでいたら、その著者が友人の欧米人に、雪が降るとき音がするといってもわかってくれない。
ところがある晩、彼が聞こえたと叫びながら走りこんできたとのこと。
あのかすかな音に耳を澄ませるのは日本人特有なのだろうか。


20歳の頃、私は紅白歌合戦を見る家族から一人離れて、外に出て雪降る音に
耳をすませていた。
なぜだったかは、よく思い出せない。
ただ雪音に耳を澄ませていた。
聞きたかったのは、雪の音であったのか、いや心の声だったのかもしれない。

(あの8人の家族は何人か亡くなり、独立し、いま実家にいるのは二人だけである。大家族が懐かしい。)

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