The black world

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第十章


敦也のおかげで消えかけてた「真希が死ぬかも」って思い。
急にまた沸き上がってきて俺の上に重くのしかかってきた。
胸の中にこみ上げてきた思いに耐えられなくなって、目から熱くなって流れ出た。
「お前いい年して泣いてんじゃねえよ。その子がお前にとって何なのか知らないけど、お前が大事に思ってれば消えないって。絶対。もし死んだら俺が神様殴ってきてやるよww」
「・・・サンキュww」
馬鹿みたいな敦也の言葉だったが不思議と説得力があり俺も敦也が死なないって言うんならきっと大丈夫だと思っていた。
「ほら、着いたぞ。俺、車止めてくるから。」
そういって俺は真希を背負って病院の急患窓口へと走った。
「・・・ご用件は?」
係の中年女性が訝しげに俺たちを見てきたので俺も自分たちの格好を確認して驚いた。
「やっべえ・・・」
俺も真希も川に飛び込んでいたので体中ぐちゃぐちゃのビチョビチョであった。
「格好はまあ、いろいろあってこんなんですけど、あの、とにかく怪しい者じゃなインドぇ」
なんだかしどろもどろになった上に最後咬んだので余計に怪しまれた。
「とにかく!急患お願いします。」
あーもう。なんで俺はキレてんだよ
「お名前は?」
「国沢です。国沢健二。あ、それは俺の名前だ。えっと早瀬真希です。」
俺はやっぱ馬鹿だな・・・なんて思いつつ真希の名前をおばちゃんに告げた。
「早瀬、早瀬、早瀬真希さんねえ・・・」
おばちゃんは何か思い出しそうな顔をした。
「あ、あのこいつ前に一回入院してるんで。」
と、恐らくおばちゃんの記憶の隅に引っかかっていたであろうことを口にした。
「ああ、そうだったねえ。早瀬さん。はいはい。じゃあ保険証はいいです」
た、助かった・・・保険証のことなんかまったく考えてなかった・・・
「じゃあ、少々お待ちください」
俺たちはそういわれて待合室に入った。
「お?」
「は?」
全くいきなり関西なまりのひらがな音声が一文字だけ聞こえたので俺も思わずは?と答えてしまって声のした方を見るとそこにいたのは竜彦だった。
「お前こんなとこで何しとんねん。ついに頭おかしなって病院きたんか?」
「それはこっちの台詞だっつの。お前こそ何してんだよ。」
「ああ、おかんがここに入院しとるしな。容態聞きにきたんや。んで、お前は?」
「付き添いだよ。こいつにな。敦也も一緒だよ」
「ははーん。さてはお前の女やな。」
「・・・前はな。今は、違うよ。」
竜彦はそんな俺の雰囲気を悟ったのか真面目な顔になって聞いてきた。
「なんか・・・あったんか?」
そして俺はこれまでにあったこと。四年前のあのことを全部話した。
「そうか・・・つらかったんやな。(つらかったな)」
なんか声がだぶった気がしてふと顔を上げると敦也もいつの間にかいた。
「川本さーん。早瀬さーん。」
「お、一緒やったな」
そうして俺たちは一緒にドアを開けて竜彦は病室に。俺は診察室に向かった。

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