高齢者の定期的な運動はやはり認知症の予防に有効なようだ。60代以上の高齢者1740人を平均6年間追跡して、運動の習慣と認知症発症の関連を調べた前向き観察研究の結果、週3回以上定期的に運動する人ではそうでない人に比べ、認知症全体とアルツハイマー病の発症リスクが約3割、有意に減少することが確かめられた。米Washington大学のEric B. Larson氏らの研究成果で、詳細は、Annals of Internal Medicine誌2006年1月号に報告された。
対象は米ワシントン州シアトル在住の認知障害がない66歳以上の高齢者1740人。認知機能スクリーニング検査(CASI)スコアが25パーセンタイル超(CASIスコアが91-100)の人を登録した。CASIスコア86は、MMSE(Mini Mental State Examination )25~26に相当する。ベースラインで、運動の頻度、認知機能、喫煙、認知症の危険因子となるアポリポ蛋白質E4の遺伝子型などを調べた。
米国最大の非営利HMO(会員制健康維持組織)であるKaiser PermanenteのRachelA Whitmer氏らは、多民族からなるHMO加入者を平均27年間追跡する前向きコホート研究を行い、中年期に肥満だった人の認知症リスクは、正常体重だった人の1.74倍であることを明らかにした。British Medical Journal誌電子版に05年4月29日に報告された。