鍋・フライパンあれこれ美味
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
000000
HOME
|
DIARY
|
PROFILE
【フォローする】
【ログイン】
SCRIpT
月~人類の父、地球2~
きっとアル・アッタードが聞けば噴き出したに違いない。いや、すでにハンカチで首筋の汗をふきふき登場してきたテンの見かけで彼なら撃沈している可能性がある。カートであってもどこまで耐えられるだろうか。
杉野ですら吹き出しそうになった。
むむむむ…なる言葉など久しぶりに聞いた気がする。
おそらくこのテンという男は漫画に出るとしたら数ページに一回は目を飛び出させたり、口を床につくぐらいまで開けてみたり、走る時などは足が見えないほど速く回転させるなどの特徴を持つキャラクターになるに違いない。親友らしいな、と思いながら、黙り込むしかないようにテンを追い詰めてしまった自分をどうしても責めてしまう。テンにはそういう人に同情される、というか、シンパシーを感じさせる所があり、それが敵を作らない不思議な彼の人徳というところだろう。
杉野が統括政府の首都サウザンドについたのは昨日の夜であるが、思った以上に貧富の差が広がっている現実はすぐに理解できた。
一見する所首都らしくビルはそれなりに立っているのだが、空室が目立つ。その上、ビルの下にはよくわからない人々がビニール製の大きな袋を持ってうろついている。
それらのほとんどがイスラム教徒で、あの袋は寝袋であるらしい。
南極は大陸全体が太陽光によって一年中25度に設定されているからそのような軽装でも死なずに済むのだろうが、その中には数多くの子供も含まれており、哀れを誘った。
他にも最近のイスラム教徒には新しい恐るべき習慣もでき、あの放射能づけのメッカに無防備で出かけ、そのお土産の砂を親せきに配ったりする者もいるらしいとも聞いた。
おそらく今の統括政府の支配下にあるイスラム教徒の主流派はシュケル派が否定した自爆テロなどを奨励していた元ハマス派(現PLO)でであると聞くため、そんな自暴自棄な行動で自らの信仰を証明する土壌がもともとあったのに違いないが…
それに対する欧米勢力と言っても大した人材はいないと判断するしかない。
前大統領のイザーク=マクスウェルは在職中の汚職が見つかり今は政界を追放されている。
今の政界の実力者と言っても欧米出身者はまともにイスラム勢力と話ができそうな人物はいない。彼らはキリスト教信者であり、20世紀を動かした原動力ともいえる原油がない今の貧民集団と言ってもいいイスラム勢力を認める気はないだろう。
中国人を代表とするアジア人はどうだろうか?
目立つのは、チベット仏教を中心とした仏僧たちのボランティア活動のみだ。
彼らはそれぞれの為政者に弾圧されていたところをシュケルに助けられ、それなりに恩義を感じているうえに、元から困った人を見れば助ける習慣があるらしく、放射能入りの砂が飛んでいるかもしれないイスラム居住区にも恐れずにはいり、簡単な治療しかできないようだが彼らなりに必死で、医療をはじめとするボランティア活動をしているようだ。
それに比べ、20世紀から欧米に追い付こうと、他人のことより自らの経済活動に生活の重きを置いてきた他のアジア人たちは、自らの足元を守るために必死のようにおもえる。杉野から見れば一番現実的な視点をもった人種と言ってよいだろう。
テンが大統領になれたのも、彼の現実的な政策が一部のイスラム教徒の賛成を得ることができたことも大きいといわれている。テンのバックボーンは間違いない、このアジアコミュニティーだ。つまり、テンは、統括政府が設立されてから今までの中で緊張が最高潮に達している人口比の順番で行けばイスラム、アジア、欧米の3つの勢力のバランスを取らねばならないという非常に難しい立場に立たされている。
「彼の喜劇的な見かけやパフォーマンス、まぁ、別にハンカチで汗を拭いたり、可哀そうなほど欠落した服のセンスなどは彼の狙いではないだろうが、そのキャラクターで、どこまで今のシビアな現実に持ちこたえられるだろうか。」
これは昨日杉野に語ったカートの言葉である。
そのテンの足元も最近崩れかけてきている。それがテンの焦りを誘っているようだ。最近、アジア人議員連合が出した法案の中に
「連合政府側に親戚や身元引受人がいる場合は移住可能とする」
という内容の案が提出された。結局高額所得者が多い、アジア系住民からすると、働く気もなさそうなイスラム教徒に自らの収入を取られているのが一番の不満らしい。その上、そのイスラム教徒はいつも不満をため込んでおり、いつまたあの狂気の沙汰に及ぶかもしれない。
今度ターゲットになるとしたら、一番経済的に豊かな自分たちだろう、という恐れもあるとの分析もある。
テンの例をあげるまでもなく、特に中国人の中の華僑達はパリ連合に当初から加入しているものが多く、今は連合政府の経済の中心である。イスラム教徒はもちろんのことであるが、連合政府と統括政府に分かれて住んでいる家族を多く持つのもアジア人の特徴の一つでもある。
その上、日本人や、インド人など、科学や医学にひいでた民族も連合政府には多く、その人々の親戚も連合政府側に移住したがっている調査結果も出ている。
キリスト教を信仰する欧米人が全く地球を離れたがらない様子とは全く逆で彼らは逆に国民的な宗教をもたない分、核爆弾を落とされたり地震を起こされたりしたうらみこそあるものの、これ以上の悲劇に巻き込まれたくないという心情の方が強い。その上、元から歴史上イスラム教自体には極端なアレルギーもない。
シュケルに対しても逆に英雄視する者すらいて、最近は
「チンギスハン率いたモンゴル軍も他国に攻め入った時は略奪等繰り返した史上最悪の軍隊だった。それから比べたらシュケルはましな方だ。」
と発言したアジア人議員もいてかなりの論議を巻き起こしたといわれている。
統括政府は今、ずっとほったらかしていた問題により、混乱への扉を確実に開こうとしていた。
そんな政府の大統領であるテンの焦りもわからないわけではないが、杉野とて、連合政府の責任者としてそれなりの対応を取らなければならなかった。
「昨日、ビニール袋を持った子供たちを見たよ。親もいないかもしれないあの子たちをメッカにやるのか?」
「…」
「われわれ連合政府にできることは放射能除去装置を新調し、10年割賦で支払ってもらうか、コスモステーションを数台送ることしかできない。
あれだけの放射能の攻撃を受けたメッカから正直我々の技術ですぐに放射能を除去するのも難しい話なんだ。
我々の立場も分かってほしい。意外にもイスラムコミュニティーは連合政府に溶け込んでいるんだよ。それなりの問題も抱えているが、統括政府の抱える問題ほど大きくはないんだ。」
二人きりの会談ということもあり、杉野はあえてテンと友人関係の言葉で話している。事務的な言葉で話すのは親友として、同等ではない感じがして、あまりにもテンが哀れな気がしたからだ。
「しかしな、杉野。おれの考えでは、メッカにこだわったイスラム教徒を置いてパリ連合は月へ去った。メッカにこだわった連中はほとんどが貧民層であって、宇宙に出る余裕はなかったはずだ。結局連合政府は地球のエリートのみを連れて去って行った…つまり諸問題をおれたちに押しつけてな。」
「イスラムコミュニティーは望んだイスラム教徒には金を出しているはずだ。彼らが動かなかったのはシュケルを早々に処刑したことも大きかっただろう。彼らにとっては守ってくれるカリスマを永久に失った。その上、政府も崩壊し、きちんとした情報を受け取ることができなかったことも大きかっただろう。その辺の情報操作をしたのは、ほかならぬ地球連合だ。今も月のイスラム教徒は弾圧されている。だからメッカに行けないのだと彼らは言っているそうじゃないか。」
「シュケル派はシュケルがいる限りシュケル派だった。結局アヤトラ・サウードもシュケルが処刑されたのを知ってパリ連合と行動を共にすることに決めただけであって、あのままシュケルを生かしておいたらまだまだあの男も導師には収まらなかったろうよ。その上、メッカにこだわる連中は元から純粋なシュケル派ではない。元PLO派の連中で元からシュケルとはうまくいっていない。その連中が勝手に流している噂だよ。現導師ウスマーンも元PLO派だ。彼らが流した噂を我々のせいにされても困る。」
「PLOか。20世紀にはノーベル平和賞という名誉ある賞を受けているはずの組織ではあったが、元から婦女子にまで自爆テロを奨励するハマス等の組織も内包しており、タリバーン、旧アルカイダの一部の組織に強い影響を与えた組織として伝統ある歴史を誇っているのは知っている。
だがその彼らもネクストアルカイダの世代になると急速にその影響力は少なくなってきた。シュケルがイラク生まれのブルネイ人であることや、ネクストアルカイダの主要人物の中でパレスチナ人の割合が非常に少なかったことが大きいと聞いたがね。
実はテン、俺としたら連合政府にいると、PLOの名前を聞くことも珍しく、過去の遺物としてのイメージが強かったが、統括政府下では全くそうではないらしいな。」
色々あるものだ。杉野から見ると、宗教とは非常に政治的な生き物だ。考え方が違うと別な教義や行動をとり、分裂を繰り返してきた。その程度のことで、彼らが一番守らなければならないはずの人命が一番粗末に扱われるという所が杉野にしてもいま一つ宗教を持つ気になれない理由である。もちろん、マザーテレサや、今のチベット仏僧のような人々は素直に称賛する気になれるのだが…
「そういうことだ。イスラムの中でも一番困った連中かもしれんな。PLOといえば、その設立理由がガザ地域から他民族(ヨルダン人・ユダヤ人)の撤退だ。その地域に愛着を持ち続け、20世紀最終時にはインティファーダという婦女子を使った投石による抵抗を始め、マスコミへの露出が極めて高くその力を最大限に利用することでその影響力を伸ばしてきた。旧アルカイダも転用したその手法をいまだに生かしているのか、今や統括政府に支配されているイスラム教徒たちもコーランはもちろん大事だが、聖地であるエルサレムや、メッカに対し、より愛着を持つように、とウスマーンもよく演説しているよ。」
とテンは杉野に語った。
アラファト議長がこの世を去ってから急進派のハマスという名前で活動していたが、やはりPLOの方が認知度が高いという理由で、いつの間にか元に戻したらしいというのは杉野も昔、聞いた覚えがある。
当時はネクストアルカイダ間でシュケル=ラディン派とアブ・カドゥーミ派の争いが行われている最中で、ハマスと名乗ろうが、PLOと名乗ろうが、彼らの動向にほとんどの人々が興味を示さなかった時期でもあった。
「つまり、今の統括政府のイスラム勢力の中核を占めるのはPLOだと聞いていたが、その通り、だということだな。」
「そうだ、だからエルサレムだのメッカだのに異常な執着を見せている。南極にいるよりも放射能づけになって死ぬのが殉教ということで英雄扱いだよ。正気の沙汰とは思えん。」
連合政府内のイスラムコニュニティーはいまだにシュケル派である。もちろんエルサレムやメッカに対する愛着はあるだろうが、シュケルや、アブドラが自爆テロを奨励しなかったように生き残った彼らも自殺行為に等しいメッカ巡礼などはしないだけの話だ。
それをおそらくはウスマーンが攻撃対象にしているのだろう。
「欧米諸国側は何を言っているのかな?」
「連中の言うこともいつも一緒だ。イスラムとは共存は無理。という連中のイスラムアレルギーは相当なものがあるよ。」
「あのアレルギーは歴史的なものだ。イスラム教徒と同じだ。あきらめるしかないだろうな。だが、軍事は相変わらず彼らの影響下にあるんだろう。クーデターの心配とかはないのか?」
テンは遠慮なく聞ける相手だ。単刀直入に杉野は聞いた。
今の統括政府の状況だと、いつそのようなことが起こってもけして、不思議ではない。
「夏休みの宿題を残す学生がこんなに多いのだから、誰も、政治家ですら面倒なことは後回しにするものだ。」
その家庭教師はカートに優しくこう話しかけた。
「ただ、あなたはそうあってはならない。こういう時代は一つのボタンの掛け違えが数億人の命を奪ってしまう。」
シュケルの副官であったが、テロによるけががもとでアヤトラ・サウードは1年間カートの家庭教師になっていたことがある。温和な笑顔が印象的な男だ。
彼からは勉強よりも政治家としてのいろは、を教えてもらった気がする。
杉野とテンの会談は思ったとおりの結果に終わった。
初めて連合政府から統括政府に“経済的な援助”が行われることに決まった。
ただ…それがうまくいくだろうか?
本当は今、彼らに近づくべきではないのではないだろうか?
「悪い例をあげるとしたらヒトラーもそうだったが、歴史上に名前を残した人物の中に予知能力が非常に強かった人物が多い。このカート・シュナイダーもその一人と言える。ヒトラーもそうであったが、数度のテロによる暗殺事件計画を予知したように突然重病になったり、移動手段が途中で止まったことによってすり抜けることができた。彼の政治的な決断もその予知能力と周りのブレーンによるサポートもあり、2068年までは何事もなく進められていた。」
しかし、一人の人知を超えた予知能力などは人類全体の人知を超えた歴史の前には歯が立たないはずもないのである。
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
ジャンプの感想
週刊少年ジャンプ2025年51号感想その…
(2025-11-17 18:19:13)
最近、読んだ本を教えて!
BUTTER/柚木 麻子
(2025-11-17 18:45:35)
楽天ブックス
すてきな奥さん
(2025-11-16 10:49:01)
© Rakuten Group, Inc.
X
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Design
a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
楽天ブログ
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
ホーム
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: