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アル・ジャズィーラ攻防戦10~
このハーレムのいや、このドバイのもう一人の主はこうして一見“降服”した。
中にいる美女たちは数百人を超え、これらの美女の世話をする者、このハーレム全体の世話をする者などを含めると一万人を超えていたといわれている。
彼女はおそらくだが、これから自分と、自分の夫、いや、同志であったアッ・ザーリヤートに訪れるであろう運命に思いをはせていたに違いない。
十分な美女ではあったが、このハーレムの中では埋もれがちな顔立ちだ。
年齢も30近くということもあるし、かなり小太りの体型を長いストールで隠すようにしながら所作をするこの女に対し、杉野は何の感情ももたなかった。
彼は淡々とこの広大なハーレムの部屋すべてを調べさせ、武器になりかねないものをすべて探し出させた。
美女たちをそれなりに困らない程度の金を持たせてハーレムから追い出したのは次の日になる。それほどこのハーレムは広く、あらゆる財宝や、それに紛れた武器等が発見され、それらのすべてをチェックするのにかなりの時間がかかったのだ。
その女たちを見送った後、残されたワスタシュに杉野が話しかけた。
「アッ・ザーリヤートからの連絡は?」
これが杉野のワスタシュへの第一声だった。
「ありませぬ。」
見事な態度だ。取り乱すこともなく、こびることもない。この女はアッ・ザーリヤート以外の誰の前でもこのような態度なのだろう。
その横で震えている白人女の顔には杉野も見おぼえがあった。確か、南極へアッ・ザーリヤートが攻め入った時に拉致して行った白人の13歳のモデルだ。この女は確かにこのハーレムの中でも十二分に勝負していける顔立ちだ。アッ・ザーリヤートの寵愛も元から深く、女の子を出産している。
杉野はこの哀れな白人女にも話しかけた。
「エリーマさん。お父さんもあなたを心配しておりましたよ。」
「この女はラトーヤという女です。私の妹としてここにいるものです。」
「…え。ええ…その通りでございます。」
ほとんどのものが荷物と金を受けとって後ろも振り向かない状態で姿を消したこのハーレムで残ったのはワスタシュの他にはこの女のみである。アッ・ザーリヤートの寵妃としてはほぼ、ただ一人だろう。ワスタシュにすがりつくようにそばにいて震えているだけだ。
不思議な関係である。普通であればライバルとして、殺し合いをしてもおかしくはない関係ではあるが、この2人を監視していたものが言うには、まさに実の姉妹のようにこの2人は昨夜抱き合って泣いていたというし、ワスタシュには双子の男児がいる。その子供たちの仲の良さも含め、この2人の関係は常人には理解ができないものがあるのかもしれない。
ビスファラシュもワスタシュに対しては、悪い感情は持っていないと聞く。そういう人間関係をつくるこの女の一種の才能に警戒心をもった杉野だった。
その上、この女の後ろにはドバイの経済を動かしている父親がいる。
「この2人と子供たちを第一艦隊へ連れていくように。」
と言い残し、一切の面会を拒否させるように指示して杉野はドバイ中心部へ馬を走らせた。
「さて、何日持つか????」
脱走兵を防ぐためにイージス艦が入れるはずの水路も閉ざしたアッ・ザーリヤートの軍勢は一応、その体を保っているように見える。
しかし、その周りには、明らかに異常な光景が広がっていた。
通常なら、すべて外部に向いていないといけないはずの戦車の大砲は交互に内と外を向いてその30万の軍勢を取り囲んでいる。
この戦車隊は南極へも付いていったこともあり、アッ・ザーリヤートに絶対の忠誠を誓っているはずの軍隊の一つだ。
しかし、彼らの心も揺れているに違いない。
大体、自分の軍勢に大砲を向けろと命じる指揮官などについて行こうなどという馬鹿がどれだけいるのだろうか?
一日もたてば、最初の激情や、集団心理の催眠も取れ、自分たちの犯そうとしている愚行に気付くに違いない。運良く戦車の中は程よく狭く、中には3人の人間しか入れないはずだ。
3人。
この人数ほど人間関係を不安定にするものはない。
おそらくそれぞれの戦車の中では、アッ・ザーリヤートの指示に対して賛否両論が渦巻いているに違いない。
心理学上、3人集まれば、ほとんどが無難な線に思考が落ち着く。
おそらく、おびえきった仲間の兵が脱走しても彼らは砲撃する勇気はないのではないか?
とアマンダは思っていた。
しかし、世の中はうまく言っているようで、なかなかうまくはいかないものだ。
先に、海軍の艦隊と空軍が恭順の意を示してきたのだ。
元から、彼らは導師の用兵の妙を仲間から聞きつけている。アッ・ザーリヤートのそばにいるよりはよいだろう。と考える者も多かった。彼らはどちらかというと知識層の出身者が多く、アッ・ザーリヤートのやり方に反感を持つ者も多かったといわれる。
その上、アマンダと導師の会談の前から話し合いは確かにあったのだが、導師は意外に強い指導力を発揮し、海軍の切り崩しに成功したのだろう。
降伏してきた彼らの行き先は彼らに任せるしかない。
これも導師との話し合いで決まっていた。
行先はポーツマスだ。
この戦闘で一番得をしたのはおそらく導師アル=ファトフだろう。と後の歴史家も言うとおり、PLOがその財力を使うだけ使って建造したイージス艦が30隻、空母が10隻、潜水艇が数十隻ポーツマスへ向かって旅立って行った。おそらく、後の戦闘がかなりの規模で行われたため、正式な数がわからなかったせいもあったからか、あの艦隊にはかなりの数の陸軍兵も乗っていたのではないのだろうか?とのちにアマンダはショーンに愚痴をこぼしたが、約束した以上、仕方のないことだったし、このころのアマンダと導師の関係は非常に良好だったため、問題を感じることなくアマンダは彼らを快く送り出した。
しかし、この海軍の行動に怒りを感じたのは完全に包囲された形の陸軍の兵士たちだった。元から彼らはシュケルとともに戦った父親たちの武勇談を聞いて育った世代だ。
南極では貧民層として扱われ、第二級市民として辛酸をなめてきた。せっかく得た独立の地をここで手放すわけにはいかない。海軍や空軍の兵士とは違い、陸軍の兵士はアル・ジャズィーラでも庶民層出身者がほとんどだった。
その上、ここで死ねるなら、アラーのそばで死ねるとのことだ。
アッ・ザーリヤートには特別な感情は元からあまりないが、ここを離れて、他にどこへ行くのか!というような檄が飛び、兵士たちの心は一つになって行った。
アッ・ザーリヤートも思わぬ援軍を得たかのようだった。
その上、兵士たちはアッ・ザーリヤートに同情をしていたといわれる。
妻に逃げられ、義兄には捨てられたも同然、「イスラムの男」としてやるべきことはしていたはずなのに、これでは彼らのプライドが許さない。
その上、陸軍の中間層の主な出身民族であるクルド人や、スンニ派の人々(彼らは第3次世界大戦時代、シュケルの元一丸となって戦うことを意味するアッラーフ=アクバル会談・2036年の会談で和解していた。その後は意外にも共闘することも多く、クルド人とスンニ派は意外にも当時は仲がよかったといわれる。)から見ると、導師アル=ファトフは、確かにあのビン=ラディンのひ孫ではあるが、富裕層シーア派の指導者であり、彼らから見ると完全なウラマーであり、民族も厳密にいえば宗教も違う、というものも多かった。
アッ・ザーリヤートはここぞとばかり、ずっと隠してきたはずの自分の母親はクルド人である、という事実をここでようやく噂としてはばかることなく“食客”たちに流すように命じた。
こうすることで、彼は残された陸軍の“カリスマ”となることに成功したのだ。
しかし、この30万の兵隊を率いる将軍たちとなると実戦経験も南極が初めての未知数のものばかりだった。
「別に心配することもない。」
一時は崩壊寸前だった陸軍が、一気に態度を硬化させ、団結したのはアマンダから見れば予想外のことではあったが、別に対処に困ることではなかった。
いつでもかかってくればよい。
たくさん死者が出ることを歓迎する趣味ではないが、向こうから望んでくるのであれば仕方のない話だ。
泥沼となるに違いないロングビーチと、潜水艦から放たれるイージス艦も貫くレーザー砲が彼らを待ち受けているだけだったからだ。
意外にパフィン=ナイドゥが作ったシールドは頑丈で、持ち運びも簡単で、信頼に足る兵器である。これを持っていれば戦車からの砲撃など恐れるほどでもない。
その上、幹線道路はすでに統括政府軍の手に落ちており、PLO陸軍の食料の確保も10日分はあると聞くが、それ以降は水一滴飲むのも事欠く状況になるだろう。
アッ・ザーリヤートの元にワスタシュとラトーヤと3人の子供が返されたのはその次の日であった。これは二人の強い意向が大きかったという意見もあるが、ワスタシュの性格や能力、彼女の父親の影響力の大きさを懸念した杉野の進言もあったのではないかといわれる。導師アル=ファトフの例を見なくても十二分にわかるが、殉教者になるに違いないアッ・ザーリヤートの血筋を残すことの危険性をアマンダも察知し、彼らをアッ・ザーリヤートの元に送り届けた。
ワスタシュの父はその話を聞いて動転し、卒倒した。彼はおそらく娘と孫は自分の元へ帰ってくると信じていたのだ。娘と非常に仲が良く、南極では買える家もない、と常々ワスタシュから聞かされていたというラトーヤとその娘も面倒を見てやるつもりでいたといわれている。
ワスタシュの生き方はイスラムの女としては立派な生き方だと、その母親に慰められたが、利発で明朗快活な一人娘の迎える運命を考えるとただ正直に涙を見せたといわれる。
優秀な経済人であり、導師アル=ファトフとも仲がよかったといわれる彼はこれから娘に降りかかる運命を受け入れることができなかったのだろう。
ラトーヤことエリーマ=ジャネット=エリオットの父母はただ抱き合って泣き、慰め合ったといわれる。クリスチャンではないがインテリで、娘とは終始気が合わなかったものの、親の気持ちが通じなかったことに関して、その母は最後まで後悔していたと伝えられている。
アッ・ザーリヤートの最期は秒針とともに刻々と近づく一方だった。
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