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06年7月29日(土)
「ゲド戦記」
公開日
オフィシャルサイト
(リンクせず。皆さん日テレで死ぬほど予告編やら見せられてますよね?)
☆
原作に敬意を表して☆一個進呈
□感想
駿監督になら映画にして欲しかった。
・・・・・・・・・・・以下、ながーい愚痴・・・・・・・・・・・・・・・・・
子供の頃、文字どおり「本の虫」だった私。自転車に乗れるようになると最寄の「こどもとしょかん」へ週一度は出かけ、7冊の本(それが上限だった)をワクワクした気持ちと共に自転車のカゴに入れて帰る。これが子供時代の楽しみでした。新聞の書評は関係ないし、児童書の売上ランキングなんて知らない。よって、手当たり次第に目につく本を読み漁ったわけですが、当時は面白いと思い夢中になったのに成長とともに忘れ去り、何も残らない本が実は大半でした。しかし、わずかですが作品の世界に完全に引き込まれ、まるで実際に得がたい経験をしたような強烈な印象が残る本物の「物語」が中にはありました。
「ゲド戦記」はその稀少な物語のうちの1つ。それは私にとって大事な物だし、多くの人にとってもそうだと思います。
1976年が初版ということで、図書館にあったものを私が手にとった時には本は古びてました(この子供ウケしない切り絵の表紙じゃ余計古い印象を受けるな)
物語の中身も本の外観同様とにかく「暗い」。ですがその暗さの中、影の対極にはささやかな光りの輝きときたら。私などが感想を語るのはおこがましい深遠で簡潔な物語。同じく魔法使いが主人公でも「ハリーポッター」くらいではだいぶ格が落ちてしまう。
壮大な物語と緻密に構築された「アースシー」の世界観の完成度のあまりの高さに、私はこの本を書いた人はお爺さん(大賢人?)か、既にお墓の中だと思いこんでいました。
実際には作者は女性。しかもアメリカ人!子供時代の私の中では3冊で完結したこのシリーズに何年もたってから続編が発表されていたことなど最近まで知りませんでした。
宮崎駿作品には、ゲドになついた野生の小動物とそっくりな「テト」がナウシカに登場したり、真の名前の力に対する概念とか、考えてみると「ゲド戦記」に影響を受けたと思われるものがありますが、決して「真似」という感じはしなくて、宮崎駿もまた読者としてあの世界を見に行き、旅してきてアースシーという世界の存在を知っており、憧憬の念を持っているという気がしています。クリエーターですから好きな作品を自分の手で映像にしたいという欲はあるだろうとは思いますが、あのアプローチや影響の受け方から想像するに、上映時間の制約が強く、原作をブツ切りにすることに即つながる映画化は、本当に心の底から原作が好きだったら苦しく感じるのではないでしょうか。
まぁ、勝手な推測ですが、自分が触られずに(以前に映画化を原作者に断られているということなので、あるいは触れずに)いた思い入れのある物語を、わが子とは言え、監督経験のない若いのがいきなり映画作品にしてしまうのはどこか割り切れない思いがするのが人情だろうと思います。
今回のジブリ作品は、広告やテレビの情報から断片を見て察するに相当大胆に原作をアレンジしており、「ジブリアニメのゲド戦記」は本の「ゲド戦記」とは別物になっているようです。しかも「罪だなぁ」と私が思うのは、この映画化がきっかけで「指輪物語」や「はてしない物語」ほど有名ではないこの素晴しい本を読む機会を得る人が多くいるはずなのですが、映画の広告ポスターなどでモノスゴいネタバレなコピーが複数街中に氾濫していることです。
作品を作る人と映画を宣伝する人は別の人に決まってますが、 安易な言葉を羅列する者は均衡を乱す
というゲドの世界の基本ルールを平気で侵す人達がイッチョマエの映画が作れるワケがない。と映画を見る前から決めつけさせていただきました。
今やこういう結論ですが、ハウス食品(かな?)のタイアップCMで「テルーの歌」を聴いたときにはひょっとして、とてもいい映画ができるのかな!と期待したんですよ。
はぁ…。
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