Sukhumvit Story

Sukhumvit Story

第6章 空港ピックアップの巻


「なーんだ、おまえが先にきているってわかってたら緊張しなくてすんだのに」
とか言いながら・・・
その場で彼に言われて・・
「あれ?一緒に何人かの人たちと来てるんじゃないの?」
顔から血の気が引くのがわかりました。そうです、あのおっさんも
取引先の社長さんも一緒だったのでした.
「えーすっかり忘れてたよ。」ジャンジャン
という締めくくりでしたー。

友人に言われて気が付いてしまったケント君です.

「おーそうだったーすっかり忘れてたよ。」

「どこにいったかなあ?」

今来た道を振り返るとさっき、両替した場所で
F工業社長のF内さんとその部下のO塚さんが、両替しようと並んでました.

ケント君は、荷物を友人に預けて、逆戻りです。

「F内社長ーすみませーん、先に行っちゃって―」

「いえいえ・・ご心配なく、ところでケントさんは、両替しましたか?」

「はい、とりあえず5万円両替しましたけど」

「ケントさんは、両替しなくてよかったんですよ、全部持ちますから・・」

(え?これって接待の誘いかな?)

「え?どういうことですか?」

「難しいことは言わなくていいんですから・・
 お金のことは心配しないでください・・ケントさん、
           おい!O塚君早く両替しなよ!」

「はい、いくら両替しましょうか?」

「そうだなー3泊だから50くらいしておきなさい」

(え?50万円ってこと?)

「ケントさん、ホテル代の支払いとかあるから
  そのくらいでとりあえずたりますよね?」

「足りなきゃまた追加で両替すりゃいいしー」

「私も初めてなんでよくわかんないですよー」


社長に言われたO塚さんは、バッグから札束を出して
          半分に分けようとしています。

もちろん、100万円束です。
ざっと半分に割って数え始めました。
50枚あることを確認して窓口へ渡してます。

係員も必死で数えてます.何故必死かって?だって後ろに列が出来てます.

係員が電卓で50万円と打ってみせます。
「OK」といってます。

係員は、タイのお金を必死で数え始めました.
両手で一杯お金を持ってます。

再度、電卓で両替後の金額を示してお金を手渡して
両替用紙にサインしろ!とボールペン付きで手渡します.
サインしてお金を数え始めました.

後ろには、すごい列ができてます。
社長さんが。「適当に数えりゃいいよ。」

「どうせ日本に帰って経費で申請するんだから・・」と

両手に金が一杯です。

後ろのお客さんもびっくりしてます。
あの大金でこれからのタイの仕事がすごく楽しみになりました。


いいんでしょうか?こんなに幸先のいいスタート切っちゃって??
列の後ろのほうにおっさんのいるのが見えます。

「ケント君、両替したの?」

(F内社長が目配せします・・言うなってことか)

「はい、両替しましたよ!」

「いくら両替すればいいかなあ?」

(おっさんなんだから自分で考えりゃいいだろ!)

「いくら両替したの?」としつこく聞いてきます.

「5万円ですよ」

「えーそんなに両替したの?」

「一日1万円で3泊だから3万円でいいかなあ、僕は!」と・・
   ひとりでブツブツいってるから「先に出てます」と

3名で移動しはじめたら・・あせったおっさんは、「3万円だしてます」


さっきの待ち合わせ場所に戻って友人に「遅いなー」とか言われながら
F内社長とO塚さんを紹介するケント君!たのもしー。

「あれ、おっさんは?」
「両替してるよ」
「おっせーなー」
やっときました、おっさんが・・・
「冷たいなーとか言いながら」


友人が、「じゃあ車まで移動しましょう」といって
バッグを全員でゴロゴロと外へ移動します。

車のところへ行くと車は、トヨタのワゴンワンボックスでした。

それもロング仕様のようで日本では、土建やさんが使うような車です.
荷物を車の後部に積んでいる間に・・・

あの、おっさんは、さっさと一番後部の座席にもぐりこんでしまいました。

「あーここが一番落ち着くなー・・一人ですわろーっと」

みんなの視線がおっさんにくぎ付けです。あきれてます。


こういうときだけ・・すばやいんだから。
我々3名は、その前の座席に3人で座りました.
あとでこれが幸します。

おっさんは、よりによって後部座席の右側に座っています.
友人が、「じゃあー出ますよ」といって運転手にタイ語で指示してます.

運転手は、「カップ」といって車が発信します.
お客さんを乗せてるということか?張り切っちゃって運転手は
急発進しました.空港の道路には,スピードを出せないようにする為に
道路上にもっこりとしたセメントのかまぼこ上のデッパリがありました。

「ブー・・・ガーン・ボコンボコン」すごい音です.

なんと!車が乗り上げたのです.そのでっぱりに・・・
車は勢いよくバウンドしてしまいました。
その直後に「いてー」とどこからか声が聞こえる・・・
後ろを振り返るとおっさんが、頭をというより額をおもいっきり
天井のエアコン吹き出し口にぶつけてます。


またも「いてー」と叫びます。
(あーああそこに座らなきゃ良かったのにー)

「額から血がでてますよ」というとおっさんの顔から血の気がひきます。

手で触って「うわー血が出てる」といいながら失神しそう・・・

ティッシュが近くにあったのでさくっさくっと3枚取り出して
渡すケント君優しい!ティッシュで抑えながら友人に
「バンドエイドない?」とたずねると近くに救急箱がありましたので
バンドエイドを取り出して額に貼ってあげました.
おっさんは、「もうだめだー」とわめいています。

「今日は飯もくえない」とも・・・

車は何事もなかったように走り出しました.
今度はゆっくり・・高速道路をスムーズに走ります.
140キロはだしているでしょうか?
怖いです、正直言って怖い―こんなところで死にたくねーよー。



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: