MILLのひとりごと

MILLのひとりごと

ミルのこと

すてねこ


ミルは私が二十歳の頃から飼いだした猫の名前です。
当時アパートに住んでいた私はそのアパートの大家さんの親戚で、管理人として一階に住んでいたご夫婦に親切にしてもらっていました。
女の子の一人暮らしで何かと心配だったのでしょう。
お子さんがいないせいか猫を飼っていて、私と同じ二階に住んでいる弟さんも猫好きでした。その弟さんがある日子猫を一匹連れてきて「三匹もらったから一匹もらってくれないか」と言って来たのです。
それが私とミルとの初めての出会いでした。
もとより猫好きの私は二つ返事でOKしました。
ミルという名前はその時もう付いていました。
アパートでの一人暮らし、実家へ帰ってからの家族と他の3匹の猫との暮らしの中、辛い時も淋しい時も悩んだ時もいつもミルはそばにいてくれました。
膝の上にちょこんと座って、少し生意気な態度で「大丈夫、なんとかなるよ。」と話しかけてくれてるようでした。
私が結婚して車で40分かかる隣の市に行くことになった時、当然一緒に連れて行くつもりでしたが「ミルは置いてきな。もう年だし、慣れるまで様子を見れば・・」と言う母の言葉に、(そうだな、あっちの生活が落ち着いたら連れに来よう)と考えてしまったのです。
しかし、すぐ私は妊娠、つわりがひどく実家へ帰って来てしまいました。
一ヶ月して戻りましたが猫の世話をする気力もなく、また、周囲の「動物の毛とかあんまり良くないよ。」の言葉にもう少し、もう少し・・と引き取るのが遅れていきました。
そして出産、(一ヶ月以上早く生まれたので出産前の里帰りはなし)出産後に実家に帰りましたが父とのゴタゴタがあり半月ほどで戻りました。
ミルのことは気になっていましたが実家で穏やかに暮らしていたのでもうこのままで知らない土地に来るよりは慣れた土地で余生を送って欲しいと願っていました。しばらくして母からミルがいなくなったと聞きみんな心配しましたがそのまま帰ってきませんでした。年をとってどこにも行く事がなかったのに何故急に?
ミルはきっと自分の死を感じ取って誰にも知られず天国へ旅立って行ったのではないだろうかと家族で納得しています。
でもやっぱり最後は看取りたかった、ごめんね、ミル・・・。
ずっと今も心残りですがうじうじしてても成仏しないと困るので、感謝と愛を込めてこのミルという名前を使っていつまでも忘れないようにしているのです。




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