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2003年05月20日
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先週出張で東京に行った。いつもそうだけど、仕事で行くとはいえ、そのまま帰るのは勿体無い。なので私は次の日は休みを取り東京の弟夫婦の家にお邪魔して遊んでくるのです。

平日の火曜日はビジネスマンが多く、飛行機のチェックアウトがギリギリだったので、座席は中央のど真ん中、ビジネスマン達に埋もれながら東京まで飛んだ。
席に着くと右端の男性はサンドウィッチを頬張り、朝食を取っている。腹が減っては戦は出来ぬ!って感じ。左端の男性は缶コーヒーを飲み、忙しい朝に一息入れてる。
世のビジネスマンは朝早くからネクタイを締め、朝食も取らずに仕事に出かけ、移動中の乗り物の中でしばしの仮眠を取る。偉い、と言うか、ホントご苦労さん!なのです。
7時50分、私とビジネスマンご一行様を乗せた飛行機は東京へと向かうのでした。
東京の原宿に会社があり、打ち合わせが終わったのは夜の8時半、昼食を取って、休憩無しの一服無し!
5月も桜の散った東京は夜でも半袖で十分な暖かさ。弟夫婦に持ってきたお土産が入った膨れたバックを持って歩くと暑いくらいだ。ノロノロと疲れた体で荷物を持ち、弟と待ち合わせしている六本木まで向かう。
携帯のメールで指示してくれたとうりに、電車に乗り、地下鉄に乗り換え、初めての六本木。

六本木はイギリス領事館があるのでイギリス人が多いそうだ。
確かに英会話教室も米国英語じゃなくて、英国国旗看板にしてる教室が多い。
私も弟がイギリスに留学中、遊びに行ったのですっかり親英家になってしまいました。
イラク戦争は反対だけど、アメリカより、ずーっと気品と歴史があるとこが、私は好きなのです。
外人だらけのパブでビールを飲み、フィッシュ&チップスの山盛りのポテトをつまみながら歯痛に苦しむ弟と久しぶりに札幌の家族やお互いの近状を報告しあった。
ポテトでいい加減お腹が苦しくなった頃、弟が「お姉ちゃん、六本木ヒルズって知ってる?」と聞いてきた。
知らない、全然聞いたことも無い。と答えると、弟は素敵なところにお連れしますという感じで、私を案内してくれた。
外にエスカレーターがある!雪の積もる北国では考えられない
エスカレーターで上がるといろんなモニュメントがある。
映画館、図書館、学校、オフィス、マンション、ショッッピングモール、飲食店などの他に最上階には東京都庁に次ぐ高さを誇るビルの最上階には会員制のバーがあり、東京タワーを眼下にしながらお酒を飲むことが出来るらしい。
「ここには生活するのに必要なものが全て揃っているんだよ。」と、弟は自慢げに言っていた。でも私には特別それ以上の感動はなかった。

目指すは柴又、帝釈天!私は下町が大好きなのです。
都内のガイドマップを見ながら電車と地下鉄を乗り換え、柴又に着いたのはお昼過ぎ。
ホームに降り立つと向かい側の電車待ちのベンチには、お年よりしか座ってなかった。
凄い!私はこの時点で可笑しくて、とても愉快だった。さすが柴又だ!
改札を抜け、駅前に出ると寅さんの像があり、その周りには小さな商店が並んでいる。お好み焼き屋、せんべい屋、カメラ屋、和菓子屋。

薄暗いお店内に入り「あのー、白黒の使い捨てカメラはありますか?」と聞いた。
70才近いおじさんが「はい、御座いますよ」と言ってガラスのショーケースからフジの白黒の使い捨てカメラを出したくれた。
おじさんは親切に使い方を説明しはじめた。
それ位は、私だって知ってるよ!と、言いたい言葉を抑えつつ、おじさんの説明を我慢して聞いていた。
「お客さん、寅さんの像の前で写真を撮って差し上げましょうか?」と言ってくれたので、折角なのでお言葉に甘えて撮ってもらうことにした。
おじさんは慣れたように寅さん像の前で、私達の立ち位置を指示してポーズまで決めてくれた。
「おにいさんは背が高いから、こちら側で寅さんの肩に手を、おねえさんは寅さんのトランクに手を掛けて下さい」
周りにも記念写真を撮ろう待っているオバサン達にカメラ屋のおじさんは「はい、皆さん、いいですか?寅さんと写真を撮る時は、このように膝を落とし、構えて撮ります。立ったままでは寅さんの頭が切れてしまいますからね」と周りにいる観光客にもアドバイスしている。
周りのオバサン達は、「そうなのー」とか「なるほどねぇ」とか関心しながら聞いていた。まるでみのもんたの思いっきりテレビみたいだった。
おじさんのズボンの膝は白く汚れていた。きっといつもこうやって観光客に写真を撮ってあげているんだね。ちょっと感動した。
写真を撮って頂いたお礼を言い、おじさんに年を聞くと、なんと!大正2年生まれの89歳だった。
元軍人上がりのおじさんは膝も腰も曲がらず、矍鑠としてて、まるで60代!
いやー、ビックリです。とてもおじいさんとは呼べません!
聞けばここで場所で商売を始めて48年になるそうです。
戦後この場所で商売を始め、沢山の観光客を相手に写真を撮ったり、観光案内をしてきたんだろうねぇ。もう柴又の主だね!
おじさんに帝釈天と寅さん記念館、矢切の渡しの効率の良い周り方を(直筆の)地図で説明して頂き、賑やかな表参道へと歩いていきました。
表参道は団子屋、煎餅屋、鰻屋、川魚料理屋、その他土産物屋などがあり、縁日で見る玩具を売ってるお店には学校帰りの小学生がガチャガチャで小さな玩具を取り出して遊んでいる。
自分の子供の頃を思い出し懐かしく思った。
帝釈天でお参りをし、立派な庭園を見て、お寺の壁面にある仏教の教えを説く彫刻を見た、有名な彫物師の作品だ。
人物の生き生きとした表情、木の葉一枚一枚の細かな彫刻を見ていると、「良い仕事してますね~」と言いたくなる。
本堂に入り、お守りを一つ買った。お寺の坊さんがお経をあげてる奥間の天井には私を睨みつける眼力鋭い龍が描いてあった。
龍に睨まれて何故か自己反省した後、境内を一周し、寅さん記念館に向かった。
寅さんは私の尊敬する人物の一人です。社会的には偉くはないけど、自分に正直で素直に生きている。
だからと言って、ちゃらんぽらんじゃなくて人に人生を諭すくらい、芯は強いのです。良い加減、なんだな。
寅さんの映画のセットが展示してある記念館を見て、矢切の渡しを見に川の土手へ。川面を渡る風が気持良かった。
参道に戻り、団子屋で休憩、草団子柔らかく、あんこが甘すぎず、小豆がふっくらとして、とっても美味しかったよ。
大きな土瓶のような急須に緑茶が並々と入っている。お茶がまた美味しくて、たらふくお茶を飲んでっしまった。
参道を戻る途中にお土産に草団子と、手焼き煎餅を買い、駅へと向かった。
帰りにもう一度あのカメラ屋のおじさんに会いたかったので挨拶をしに寄ってみた。
「お世話になりました、またきっと来ます!おじさんも、お元気で!頑張ってくださいね」おじさんは、嬉しそうに笑っていた。
弟と二人、代わる代わるおじさんと記念写真を撮った。
私にとって、昨日の六本木より、今日の柴又のほうが、何倍も楽しかった。
やっぱり、下町よねー、と改めて思う。
下町にはそこに住む人たちの町への思いと愛情、そして人情がある。
モノに満たされることより、人とのふれ合いで、心が満たされるほうが幸せのことなんだと思いました。
新しいモノはすぐに時代遅れになってしまうけど、歴史のある古いモノは時間を経て更に味わいが増していくんだね。
今回の旅はあのおじさんと出会えたことが一番の収穫でした。
とっても良い旅だったよ♪







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最終更新日  2003年05月23日 09時17分48秒
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Kaz さん
東京の弟です。僕もあのおじいさんに会って以来、背筋が伸びました。今急速に失われつつある、「正しい日本人」に出会った気がした。礼儀正しく、丁寧で、しかし相手に媚びず。見習いたいものです。 (2003年05月23日 09時17分48秒)

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