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(2012年4月13日07時58分 産経新聞)
京都・祇園で歩行者の列に車が突っ込んだ事故では、車を運転していて死亡した藤崎晋吾容疑者が、突然意識を失うてんかんの治療を受けていたことが家族の証言から判明した。栃木県で小学生6人が死亡した事故などでも問題化したてんかん患者による車の運転。事故の遺族は厳罰化などを求める署名を提出しているが、病気の差別につながる可能性もあり、対応は一筋縄ではいかなそうだ。
◆過去5年で18件発生
「(何かに)ぶつかったことは覚えている。人をはねたか覚えていない」
栃木県鹿沼市の事故は昨年4月18日に発生。元運転手、柴田将人受刑者(27)=自動車運転過失致死罪で懲役7年の判決確定=がクレーン車を運転して工事現場に向かう国道で、小学生の列に突っ込み、9~11歳の6人が死亡した。クレーン車は時速約40キロのスピードで児童をはね飛ばしていて、急ブレーキが踏まれた形跡は確認できなかったという。
栃木県警の調べに、柴田受刑者は事故の瞬間の記憶がないことを供述。免許取得の際には持病のてんかんを隠していた。
平成22年12月には、三重県四日市市で、踏切待ちをしていた自転車の3人に乗用車が追突。線路内に押し出されて、2人が死亡、1人が負傷した。運転していた歯科医、池田哲被告(47)=控訴中=はてんかんの持病があり、三重県警の調べに「事故直前から搬送された病院までの記憶がない」と供述した。
警察庁によると、交通死亡事故のうち、てんかん発作によるものが過去5年で18件発生している。
◆不正取得「罰則なし」
てんかん患者の運転免許取得は、14年施行の改正道路交通法で可能となった。5年以内に発作がなく、「今後、発作が起きる恐れがない」と医師が診断していることなどが条件となる。一方で、てんかんであることを申告しなくても罰則はない。
栃木県の事故の「遺族の会」は今月9日、刑法改正などを求める署名計約33万人分を国家公安委員長らに提出したばかりだった。免許を不正取得し事故を起こした場合は、法定刑のより重い危険運転致死傷罪を適用するよう法改正することなどを求めている。
遺族の会代表で、亡くなった大森卓馬君=当時(11)=の父で会社員、大森利夫さん(47)は「てんかん運転者といっても、きちんと申告した人もいれば、無申告で免許を不正取得した無責任な者もいる。病気を差別しないためにも区別しなければならない」と話した。
◆発作の形態さまざま
今回の事故について日本てんかん協会役員の鈴木勇二さんは「持病があっても薬の服用で発作は抑えられる」と述べる一方、「今回の事故が発作によるものかは分からないが、発作が出ることが分かっているなら免許を取らないようにすべきだ」と指摘した。
順天堂大学の菅野秀宣准教授(てんかん外科担当)は「栃木の事故の発作と似たようなものだろう。ただ、発作の形態はさまざまで、薬がよく効き運転に支障のないケースもある。前提となるのは、しっかりと専門医の治療を受け、指示をよく聞くことだ。そうでないならば、ハンドルを握るのは危険といわざるを得ない」と指摘する。
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