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蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~
パリ/マルモッタン美術館展
念願のマルモッタン美術館展に足を運ぶ。
いつの頃からだろうか、クロード・モネの作品が好きになったのは。
特に彼の描く「睡蓮」にとても惹かれていた。
池に写る空の青と木々の緑。睡蓮の葉と花は、こぼれるほどの光を受け、さまざまな色彩で輝いている。
今までに、ポスターや印刷されたものは見ていたが、実物を見たのはきっと初めて。
京都市美術館に入る。
まずベルト・モリゾの作品が並ぶ。
彼女は印象派を代表する女性画家だったが、これまで日本でまとまって見ることがなかったため、あまり知られていない。
私も知らなかった。
1996年に、モリゾの作品を中心とするルアール・コレクションが寄贈された。
今回の展覧会は、まだ日本では公開されていないルアール・コレクションからモリゾの作品を展示している。
日本初公開の作品群なのだ。
コレクションが寄贈されたおかげで、今日私が彼女の作品に触れることができた。うれしい。
モリゾは、印象派を代表する画家と言われるだけあって、色彩が軽やかで、明るい画面のものが多い。
当時の上流家庭に生まれ育ったモリゾでも、画家として生きていくのは大変だったらしい。
しかし、マネの弟ウジェーヌと結婚し、ジュリーという娘を授かったモリゾは、家族の姿や旅行先での風景を題材に絵を描いていく。
彼女の描いた家族の絵は、光が溢れていて、人物の頬を硝子のきらめきのように輝かせている。
図録を購入したが、やはり印刷では出せない色彩の輝きだ。
モリゾの初期の作品は、モネのようにさまざまな色彩を散りばめている。とても美しい。
それが「桜の木」以後は、ルノワールのように筆跡を長く伸ばした画風になる。
なめらかな印象を受けるが、私は初期の「印象派らしい」作品が好きかな。
さて、モリゾの世界に堪能した後、いよいよモネの「睡蓮」が待ち受けていた。
そこは「睡蓮」の間だった。
「睡蓮」の絵ばかり5枚並んでいる。
イロイロな日の、イロイロな時間の、睡蓮がさざめいている。
キャンバスは平面なのに、水面に映る空や木々を見ていると、空間の広がりを感じる。
そうか、私がモネの「睡蓮」に惹かれる訳は、1枚の絵から広がる空間が心地よいからなのだ。
吹き渡る風。青い空を流れる雲。
見ている私も森林浴することができる絵。それがモネの「睡蓮」
2004年4月6日~5月23日 京都市美術館
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