Anemaziro~アネマジロ的考察~

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スランプについて



~彦坂眞一郎 書込み~

音楽は音を楽しむ物ですから、あまりマイナス面ばかり気にしていると、聴いている人にもそれが伝わってしまいます。「音ガ苦」。自分の気にしているだめな部分は諦めてしまわない限りは、いつか必ず良い方向へ向かいはじめます。自分で気が付き、自分の力で前進させる事ができる物の方を、喜びを持ってどんどんやるのが良いと思います。そうして自分の物にできたことは、自慢に思って下さい。たとえ今、できない事があったとしても、できる事の方を自慢に思い、自信を持って下さい。

白状すれば、僕にはそれができなかったのです。

大学院の2年の時でした。トルヴェール・Q結成の年、その年の秋の管打楽器コンクールでは田中靖人が1位、新井靖志が2位になりました。予選の曲は僕がとても得意としていた曲でしたので、自信もありました。ところがコンクールの2ヶ月程前から急に僕のタンギングが狂いはじめました。テンポ120から150までの16分音符が刻めなくなったのです。144で演奏したかったのに本番では160を超えていました。「予選落ち」と言う結果がでるまでの僕の行動は、かなり常軌を逸していたようです。結婚したばかりの妻は、一生、精神病院へ通い続ける事を覚悟したと言っていました。コンクールの結果がだめだったのをその事のせいにしたい自分もいますが、今、冷静に考えれば、どうあっても結局は「予選落ち」のレベルだったのかも知れません。結果を残せなかったのですから、僕には何も言う事ができません。その当時、「限界」という言葉が頭から離れませんでした。

そんな僕を助けてくれたのが、トルヴェールの仲間だったのです。彼等はもうおぼえてもいないだろうほんの小さな事の積み重ね。トラウマを抱えている僕を当たり前のように仲間として大切に扱ってくれた数々の出来事。

常に立ち止まらず前へ進み続けて行く以上、明日には必ず今日とは違う自分がいます。諦めない限り、「限界」は決してやって来ないのです。

注意!!
はじめからできない事をできるようにする場合は、その要素ごとに突っ込んだ練習が必要です。できるようになるまで、やめてはいけません。(笑)



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