体力論
中村 和彦先生の講演を聞いて。
この２０年の子どもたちの「学校」での体育は大きくは
変わっていない。なのに，現状の子どもたちのこころと
からだの変化は，集団（違年齢）の外遊びが激減した
放課後の生活に主な要因がある。
スポーツへの関わり方は，スポーツクラブやスポーツ
少年団での活動が主流だ。
この活動の弊害は，「単一種目」と「勝利至上主義」だ。
動きそのものが身につかないまま大人になっている子ど
もたちの現状をみると，総合的な運動経験の重要だ。
これからの学校体育の役割は，地域との連携を深めながら，
総合的な運動経験の積み上げが望まれる。日本でも
「総合型地域スポーツクラブ」が誕生しているが，まだまだ。
小学校新指導要領の改訂の動きについて，
動きづくりが大きなテーマになっている。
運動遊びの内容を行う「動きづくり」という
これまでの「基本の運動」と呼ばれていた領域が
全学年に入るだろう。体力低下に歯止めをかけ，
多様な動きを獲得するねらいが明確になる。
その分，ボール運動に整理がある。サッカー，
バスケットボールなどの種目名が消え，「ネット型」
「ゴール型」「野球型」などの名称に。
文部科学省のスポーツ課の重点政策目標の一位は「
子どもの体力の低下に歯止めを」である。成人の
運動不足解消よりも今重点がかけられている。
最後に，義務教育９年間の区切りが，現行の６・３・３制
から４・４・４制にしようということも検討されている。
（2007年８月）
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