デリシャス☆キッス ~ ちゅるりんリップに癒されて ~

デリシャス☆キッス ~ ちゅるりんリップに癒されて ~

街角の吟遊詩人 スザンヌ・ヴェガ



ココロがニュートラルでない夜は、十中八九スザンヌ・ヴェガを聞いてしまう。
足りないモノは補ってくれるし、要らないモノは捨ててくれるから。
そのままの自分でいさせてくれる嬉しさ。
こんな現象を起こしてくれるアーティストは、そうは知らない。

彼女の等身大の音世界が大好きです。
それ以上でもそれ以下でもない、自分との絶妙なジャスト感は最高に小気味いい。
こんなふうにいつでも自分を表現出来たらいいのにって、心底思う。
思ったことを、そのままの温度と風景で描くことは至難のワザだ。
スザンヌ・ヴェガは、心象風景をまさに写真のように歌に映し出せる希有なシンガーソングライター。
彼女の世界に触れていると、自分のココロに眠っていた、いくつもの思いの萌芽が次々に開いていくのが分かる。
彼女の歌を聞かなければ、一生分からなかったかも知れない自分の気持ち。

そう。
大体が、自分の気持ちなんて、自分の所有物でありながら、そうそうはっきりつかめやしないモノなんだから。
世間や常識なんかにいいように扱われちゃって、全然分からなくなっちゃってるモノなんだから。
だから、それをこの手でつかめたときは、シャンパンをポンポン開けるほどの価値がある……はずなのだ。

ああ、彼女の歌を携帯プレイヤーに入れて、太輔さんの写真をミニフォトアルバムに入れて、どこでもいいから旅に出たいと、わたしはいつも熱望している。
荷物は、そのほかには最小限の現金とパスポートだけ、なんて。

行き先はひらめくまま、気持ちがいざなうまま。
そんなふざけた大真面目な旅に出たい。
彼女の歌を聴きながら、この世で一番好きなオトコのことを思うだけの旅。
そんな旅が出来れば、わたしは多分、絶対に世界で一番自分に詳しいオンナになれそうな気がします。

昔っから大好きだった、彼女の「キャラメル」って曲。
太輔さんを好きになったときに、わたしは一発でこの曲を思い出していた。
まさに太輔さんを思うときのためにあるような曲。
そうだったのね。
わたしは、いつか誰かを途轍もなく好きになるときに、この曲を傍らにしながら、泣いたり笑ったりするようになる。
スザンヌ・ヴェガに出会ったときに、遠い将来太輔さんに出会うことも、もうほぼ決まっていたのかも。

なんて考えると、ドラマティックでいいな(笑)。

「キャラメル」って曲は、こんな曲です。

キャラメルを夢想し、シナモンを思い浮かべて、あなたのことをとても欲しいと思うなんて、好ましいことじゃない。
ひとくち食べちゃったら、あとはもうキリがなくなっちゃう。
だから甘い欲望にお別れを

自分自身とどう折り合いをつけて生きていけばいいのか
わたしには分からない
あなたが去っていかないのだとしたら

太輔さんへのセンチメンタルでぶっ倒れそうな夜には、100%この曲を聞いて、正気を取り戻すわたしなのです。

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