【こんな感じです】

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とりあえずの置き場



産経新聞 10月21日(日)15時18分配信



「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と苦しそうな喘鳴(ぜんめい)を伴い、ひどくなると、座位になって息ができないほどせき込み、最悪の場合は死に至ることもある気管支喘息(ぜんそく)。1980年代以前は年間7千~8千人が死亡していた病気だが、根本的治療法により劇的な改善がみられた。一方で患者は増加している。

 --気管支喘息とはどんな病気ですか

 福田健教授「ゼーゼー」したり、せきや痰(たん)が出たり、胸苦しさや呼吸の苦しさが発作的に起きる病気です。慢性化すると、症状が毎日みられるようになり、極端な場合、意識消失や亡くなることもあります。

 --そのとき、気管支はどうなっているのですか

 気管が2つに分かれた所から枝状に23回分かれ、肺の肺胞につながる所までが気管支と細気管支です。気管の空気の通り道が気道で、その気道が閉塞(へい

そく)しています。気道の粘膜が炎症を起こしてむくみ、気管支壁の中にある平滑筋がゴムのように締め付けるので空気の通り道が狭くなり、喘息が起きるのです。

 昔は根本原因が分からず、1980年代までは、自律神経や平滑筋に異常があるためだろうと思われていました。それで、薬で気管支を広げてステロイドを点滴する対症療法が行われていましたが、そのころは毎年7千~8千人が死亡していました。

 --それがどう変わりましたか

 気管支鏡が発達し、喘息が起きているところを見られるようになり、喘息特有の炎症が起きていることが分かったのです。原因が判明し、ステロイド薬の吸入で劇的な改善がみられ、喘息が治るようになりました。全ての病気の中で、最も治療が成功した病気と言われています。死亡数は年間2千人に減りました。

 --患者数はどうなっていますか

 1960年代、大人で100人に1人だったのが、今は100人に3人と増えています。子供はもっと多いです。炎症の原因としてはアレルギー、花粉やハウスダストが重要です。この40年間に大気汚染はきれいになりましたが、アレルギー疾患は全般的に増えています。それは衛生がよくなり過ぎたからです。

 アレルギーの観点からすると、衛生がよくなかった昔は、リンパ球の中のTh1細胞が活性化し、アレルギーの原因のTh2細胞を抑えるため、アレルギー患者は少なかったのです。Th1とTh2はシーソーゲームをしているようで、今は感染症などが減ってTh2細胞が強まったのです。だから先進国ほどアレルギーが多いと言えます。

 --炎症の原因は全てアレルギーと言っていいですか

 気道の一番表に気道上皮細胞というのがあり、普通はウイルスが入っても簡単には壊れないのですが、喘息になる人はそれが弱く、アレルギーがなくても、喘息になっていまうのです。

 極端な例がオリンピックの選手です。クロスカントリーの選手は氷点下20度の冷たく乾いた空気の中、練習で一日中走りますから、気道の中で息を暖め、湿らす暇がなく、上皮細胞が壊れ、喘息と同じ症状が出ます。それに水泳選手も、水に滅菌のため入れる塩素で、気道を痛める人が多いのです。これらは喘息の素質がなくても環境だけでなる場合です。

 --喘息患者が気をつけることは

 季節の変わり目は、気温や湿度の変化が大きく、要注意です。炎症が起きていると気道が過敏になり、冷たい空気でも、たばこの煙でも吸うと、刺激され、せき込みます。きちんと治療して、炎症が治まればそんなことはありません。炎症が治まっても、きちんと治るまで治療をやめてはいけません。(聞き手・高橋健治)

 ■福田健(ふくだ・たけし) 昭和22年9月、宇都宮市生まれ。千葉大学医学部卒業。48年4月、同学部第1内科入局。49年10月、独協医大アレルギー内科入局。平成8年4月、アレルギー内科学(現呼吸器・アレルギー内科学)教授。24年4月、副学長。県医師会副会長。

















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