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What’s シドニーライフ!?
その一、輸入の申請まで
輸入の申請まで
2001年4月
- 旦那も私も仕事をしていたので、日常生活に忙殺され、転勤が決まったとはいえなかなか準備もままならない具合。それ以前に本人達のビザもまだ取れていなかったので、それを待つという状態では実際に動かなきゃいけないという気持ちにはなれなかったこともあった。モモの検疫のことについてはインターネットで多少調べる程度。まずは日本の動物検疫所のページをみてみると、輸出については持ち込む国の条件に準ずる、とある。オーストラリアは世界でも一番というほど動植物の持ち込みに関して厳しいので、オーストラリアに連れて行く場合は専用の申請をオーストラリアの政府にしなければならない。なので、日本サイドの検疫所ではそのパーミット(許可)をもらってからでないと何も出来ません、という答え。じゃあその申請書というのはどこにあるのだろう、とオーストラリア大使館のサイトから動植物検疫省(AQIS)のページを探すと、そこからプリントアウトできるようになっていた。しかしながらこれが、細かい細かい英語の羅列で条件が事細かく記されている10何ページもある書類。これを読むだけでも頭がくらくらするような気になり、とりあえずはプリントアウトだけ・・・。
6月
- 5月も仕事で多忙。6月に入り、私が出張で家を10日ほど空けるという時に旦那は正式のビザを待たずとりあえず現地入りしなければならなくなり、取りもとりあえず当面の荷物だけまとめて行ってしまった。残された私とモモは・・・!? ともかく、現地でもAQISについては問い合わせるなりして連係プレーで考えようということに。
7月10日
- 私自身のオーストラリアビザ取得のために、レントゲン検査が必要といわれ、そのための専用フォームをもらいにオーストラリア大使館へ行く。予想はしていたが、あまりの態度の横柄さ(!)に怒。
暑い中えんえんと歩かねばならないという苦痛の末に・・・とりあえず単にそのフォームをもらい、指定の医者に行けということだった。
7月17日
― 指定の医者の一つ、東京メディカルセンターへいく。東京タワーの目の前。役所的な手続きのあと、胸部レントゲンを撮る。一週間から10日の後何も問題がなければそのまま大使館へ結果を送るという。1万5千円かかる。
7月24日
― 最近の毎日の心痛はモモのこと。この期に及んでもオーストラリアへ連れて行くべきか否か・・・。10人が10人「やめた方が良い」というほど、辛く長く大変なことらしい。連れて行くのはエゴなのだろう、と思うと同時にやっぱり置いていくことも出来ない、と思い悩む。
かわいい顔をして慕ってくる彼女を見ていると愛しくてたまらない。
そんな中での一つのニュース。そういう検疫手続きに慣れているという動物病院(ちなみに東京は広尾と杉並にあるダクタリという)に友人が聞いてみてくれたところによると、何人も同じような人はいて、そのような手配は慣れている、オーストラリアに連れて行く人も大勢いるから大丈夫だよ、といわれたという。また、オーストラリアの検疫所はとても環境が整っているので心配することはない、といってくれたというのだ。なんと心強かったことか!目の前がパッと開けた様だった。
うれしくてモモを目の前に一人で乾杯。
7月31日
― 退職することになった私の仕事の最終日。これからは引っ越しとモモの検疫に集中しなければ。
8月1日
― さっそく引っ越しの見積もりにきてもらう。頼んだのは、海外引っ越しや動物の輸送にも慣れているというので某大手旅行会社の関連会社。その際モモの件も聞いてみたところ、とにかく早く手配した方がいい、ビザがなくても出来る、という。今まで余裕がなくしまい込んでいたAQISの書類をとにかく読んでみようと取り出すが、面倒なのとややこしいので涙がでそうになる。
が、何が一番涙ものかといって、結局今まで何もやってなかったんだ!ということを実感したこと。
ビザがないと、と思いこんでいたが、ビザなどなくても出来る事がたくさんあったのだ。こんな事ならもっと早くからやっておけたのに・・・東京ベースもあと20日あまりとなって(その後当面実家のある神奈川に移動しなければならないことになっていたので)あせる!悔やまれるが、今までの自分にその時間も余裕もなかったか、と自分を慰める。
とりあえずまず何をしなければならないかというと、輸入許可(Import Permit)の申請で、そのためにはペットにマイクロチップを埋め込まねばならないのだ。それってすぐにやってくれるものなの?どこで?など頭を駆けめぐるが、とにかくダクタリに電話をしてみる。輸出に関する資料がたくさんある、ときいていたので、「オーストラリアに連れて行くのでその手配などの資料や、教えてもらえることがあれば伺いたいのだが」とまず尋ねると案の定、「ここは別にその手配先ではない、自分でオーストラリア大使館へ行って調べて、うんぬんかんぬん・・・」という。その手続きはすでに調べてあり、それによるとマイクロチップを埋めなければならないとある、と返したら「・・できますよ。」と。素直にいってくれというのに!どうして皆うんちくばかり並べて大変そうなことばかり言うんだー、不親切!とやや涙。
すぐできるということなら、とさっそく翌日行くことに。痛いのだろうか?いくら掛かるのか?
モモ、がんばれ!
8月2日
― ついにモモにマイクロチップを埋め込む。彼女ほど様々な経験をする元ノラ子もいないだろう、と親ばかながらに思う。アポイントメントの時間にタクシーで病院へ向かう。何となくわかるのだろうか、モモもいつもよりおとなしくキャリーバッグに入る。ダクタリは名だたる所だけあり、先生も沢山いる。担当は優しそうな若い男の先生。オーストラリアへ連れて行きたいことや、仔猫の時に久我山のダクタリで見てもらったこと、など説明すると、いろいろと丁寧に話をしてくれ、「一緒にやっていきましょう!」と心強い言葉をかけてくれた。何度か過去にも同じ事をしているようだ。
マイクロチップにもいろいろ種類があって、この子のIDとして一生の物になる(!)ので好きなナンバーを選んでいいという。覚えやすい数を選んだ。(といっても10桁以上あるのだが・・・)。チップは結構大きくて長さ2センチほどある。それを首の後方、背中に埋め込むらしい。いれるところは見たくないでしょう?といって、奥に連れて行かれてしまったが、ほんの数分で戻ってきた。鳴かずにおとなしかったという。そのあと入れたところをさわらせてくれた。結構かたいのがわかる!恐いけど、その上からバーコード読みとり機のようなものをかざすと、ナンバーがちゃんと出るのだ。モモはかなりの緊張状態だったろうに、とてもいい子だった。
それから先生は久我山でのカルテを改めて見て、産まれた頃本当に死んでもおかしくないというほどひどい状態だったんですね、と「今の体からは想像できないね」と驚いていた。モモはきっと強運の持主なんだと思う。その運を私たちも与えられて、一緒に乗り切っていきたい。
ちなみにマイクロチップの処置料は¥3、850なり。かなり高いものかと思っていたので想像よりは安かった。これでやっとインポート・パーミットを申請できる。許可がおりたらそれからまた一ヶ月ほど様々な手続きでかかるのだという。まだまだ道は長い・・・
その二、輸出まで
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