オペラ鑑賞教室「蝶々夫人」 Part 2 | Sheva's Ballet Fan Ibra's Opera Fan

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2015年07月11日

オペラ鑑賞教室「蝶々夫人」　Part 2

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オペラ鑑賞教室「蝶々夫人」　Part 2

第3幕

ずっと立っていた蝶々さん

高台から降りてくる

スズキ

もう朝ですわ

蝶々さんは坊やを抱いて奥に消える

高台に紺の軍服姿のピンカートンが現れる

これも似合っていてかっこいい！

シャープレスは苦い表情を浮かべている

これから起こるであろう愁嘆場を思って心を痛めている

ピンカートンの妻のケイトも伴っている

スズキはピンカートンの姿を見て喜ぶ

しっ！
静かに！
奥様を起こすのじゃない。

スズキは女性がいるのに警戒する

どなたなのです？

すべて話すんだ

…彼の奥さんだよ

スズキは蝶々さんを思って嘆き悲しむ

シャープレスは動揺するスズキに協力を頼む

何ができるって！？

シャープレスは白人の血が混じった子供の将来のため
子供をケイトに育てさせるよう

シャープレスは怒りがたぎって
スズキを突き飛ばす

怒りの表情！
すごい！
本当に怒り狂っている
当初のコミカルなシャープレス像は消え失せている
若々しいシャープレス像です。
これが大沼氏の真骨頂です。

Io so che alle sue pene
non ci sono conforti!

すばらしい三重唱

お前が頼りなんだ！

スズキは嘆き悲しむ

シャープレスはプライドの高い蝶々さんを思い、最悪の事態だけは避けようとしているが
はたしてうまくいくのだろうか

スズキはケイトと相談する

一方のピンカートンは甘い思い出に酔い、
ただ悲しみに浸っているだけ

現実を受け止めているのはシャープレスとスズキだけ。

ピンカートンは座を外すという

シャープレスは彼に説教する

俺は警告しただろう

Sorda ai consigli,
sorda ai dubbi,

Andate

Addio fiorito asil
さようなら花の家よ

ah! son vil, ah! son vil!
僕はひきょう者だ！

ピンカートンは思い切り全力で走り去っていく

スズキがケイトと出てくる

説得してくださいますね

スズキはケイトの顔を見ずにうなずく。

蝶々がやってくる

シャープレスは急いでケイトを隠す

蝶々さんはピンカートンを探している

どこ？

どこ？

シャープレスに気が付く

シャープレスにすがるが
シャープレスは凍りついたように前を見つめ何も答えない。
蝶々はシャープレスの足元に崩れ落ちる

…
いないわ。

隠れていたケイトが姿を現す

あの方は誰なの？

どうして泣いているの？

シャープレスは蝶々に話そうと近づく

何もおっしゃらないで！

蝶々はスズキとだけ会話する

あの方はもういらっしゃらないのね？

スズキは蝶々に向き直る

でもまたうつむき、答えない

聞いているのよ！

Mai più.

あの女性が怖いわ！

シャープレス：あの方は何も知らなかったのです。

蝶々さんはそこにいる地味な色の洋装の女性がピンカートンの妻であると知る。
そして子供を引き取ろうとしていることを。

もう終わりだわ。

Coraggio
シャープレス「しっかりしてください」

このCoraggioの優しいこと！

Fatelo pel suo bene il sacrifizio

（ここは大沼氏が前回演じた宮本亜門さん演出のシャープレスでは蝶々さんに土下座していたが、今回は優しく切実に真摯に説得していた。）

悲しい母親ね

子供はピンカートン様が来てくれたらお渡しします。
30分後に。

シャープレスとケイトは足早に出ていき坂を下っていく。

緊張が途切れ倒れる蝶々さん

スズキ、窓を閉めてちょうだい。

坊やと遊んであげて

スズキは
一緒にいさせてください！
と蝶々にすがって頼むが
蝶々は行くように命じる

短刀を取り出しかざす
父親が自決した短刀で彼女も死のうとしている

子供が走ってくる

蝶々さんは短刀を落とす

抱きしめる

感情を爆発させる

Amore, addio! addio! piccolo amor!

遊んでおいで
（ここはしゃべるように優しく言う）

子供を行かせる

すーっと家屋のセットが下がる

蝶々は四角いスポットライト(畳のイメージ？）の中で短刀をかざす

喉元に刺した時

蝶々さん～～！と叫ぶピンカートンの悲痛な声だけが聞こえる。

蝶々が短刀を引き抜いた瞬間、障子があき、人形を引きずった子供が入ってくる

子供が立って見ている中蝶々は後ろ向きにばったりと倒れる

暗転。

最後のシーン、残酷さの強調が際立っている。
血のりこそないものの…
この子供がどういう思いを抱いてこれから生きていくのか暗示させる。

この演出のバタフライにはありだろう。

ほぼ非常に細やかな心理劇だった。

全幕了。

大喝采。

すばらしい公演でした。
高校生たちにも記憶に残る内容だったでしょう。
やはり終盤のドラマチックな展開は息をのみますものね。
ほんとにお疲れさまでした

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