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★No020007 南総 里見の里
☆☆☆
南総 里見の里
☆☆☆
2006年01月07日 撮影版
房総半島の内房のほぼ先端部に近い富浦(とみうら)にある旧岡本城址。。。
そう言っても殆どの方は知らないでしょう。別名は里見公園と言います。
そう~あの滝沢馬琴は生涯をかけて書き上げた『南総 里見八犬伝』の関連してるとも言われてる所です。
内房を国道127号で南下し豊岡海岸の外れのトンネル手前の脇道を左折して、暫く行くと右手の狭い山道を登ると山頂にある台地のような城跡である。
険しい尾根先端から東京湾が一望でき、遠くには駿河の富士も見える。
途中の岩肌に咲く白い水仙が、何故かもの寂しい思いがする。勿論、小説ですからあのような華やかな活躍の物語ではない…。
昔、時代劇映画全盛期の頃はよく放映されたもので、近年(H18年正月)に長編ドラマが放映されたのが最後である。
数年前の晩秋に来た時は登山道の大きな団栗はそのままで落ちていたが、今回は道筋に落ちてる物は踏み潰されていた。
里見家の城址とされている場所は東京都と千葉の県境の下総国にあたる。
現在の
千葉県市川市国府台(こうのだい)
である。
ここにも
里見公園
があり、安房国(富浦)の里見公園より華やかで有名である。
その昔、北条方と里見方が二回にも亘って争った戦場跡で、春先は花見で賑わうところである。
眼下に
江戸川
がゆったり流れていて、今ではその昔を偲ぶ面影もない。
我が家からも30分圏内
で行けるところです。
☆。.:*:・'゚★。.:*:・'゚☆。.:*:・'゚★。.:*:・'゚☆。.:*:・'゚★。.☆。.:*:・'゚★。.☆。.:*:・'゚★。.:*:・'゚☆。.:*:・'゚★。.:*:・'゚☆。.:*:・'゚★。.☆。.:*:・'゚★。.
ここからは暇のある方(すみません興味のある方)だけ見てください。
「南総里見八犬伝」は、1814年(文化1年)から1842年(天保1年)にかけて刊行された江戸時代後期の人気小説であり、
曲亭馬琴(本名:滝沢興邦、1767年~1848年)が48歳から76歳で28という長い年月をかけて書き上げた全106冊の労作である。
*NHKでの人形劇「新八犬伝」(1973年~1975映)
*角川映画「里見八犬伝」(1984正月公開、薬師丸ひろ子・真田広之主演)
最近でもアニメ・ドラマなどにも借用され、「八犬伝」の名は広く知られてはいるが…
「南総里見八犬伝」の原作そのものを正しく知る人
はそう多くないのではなかろうか?
「南総里見八犬伝」は、室町中期に勃興する実在した房総里見家の話と種々の伝説を組み合わせて創作され、
『仁義礼智忠信孝悌』の文字が浮き出る8つの霊玉を持つ8人の武士が活躍するスケールの大きい伝奇ロマン物語である。
物語の時期は、江戸時代初期まで10代続く房総里見家の初代・里見義実が、1441年下野の国の結城城落城から、
僅かな部下と共に三浦の地から安房(現在の千葉県南部)に落ちる頃から始まるが、
この「南総里見八犬伝」の話がスケール大きく展開する上で重要な役割を持つのが、
話の冒頭を飾る里見義実の
娘・伏姫
と里見義実の
飼い犬・八房
との話である。
下野の国から安房まで落ち延びてきた里見義実が、次第に勢力を伸ばし安房の一部を領するに至るが、
凶作の年に敵将・安西景連から大軍をもって攻め寄せられ落城寸前となった。
挽回の望みもなくなった里見義実は、
「敵将を殺したら伏姫をやろうか」
と、
飼い犬の八房に戯れ言をいう
のであるが、
最後の夜と覚悟を決めた時、
敵将・安西景連の生首をくわえた八房が城に戻ってくる。
大将を失った敵陣は総崩れとなり、里見方の大勝利となった。
こうして安西の領した土地を手に入れ、安房国一国を治めることとなった。
しかし、里見義実は
八房との約束を果たそうとしなかった
が、娘・伏姫が父を諌め城を去ることになる。
八房は伏姫を背に乗せて、安房国第一の高峰・富山に奥深く入っていき、伏姫は
富山の洞窟
に篭ってしまう。
やがて姫の身を案じて探しにきた義実主従は、
八房を鉄砲で倒すが、伏姫も自害
する。
この時、伏姫のかけていた「仁義礼智忠信孝悌」8字の8つの数珠の玉が八方に散り、これが
八犬士出生の因
となる。
※いわゆる八房との約束を守らなかった里見義実の所業が発端である。
ドラマでは争い事を避ける優しい城主なのだが…(*_*)
この伏姫と八房の異類婚交の話は、実は中国の古代伝説「槃瓠伝説」に由来している。馬琴が「八犬伝」執筆に直接種本としたのは、「太平記」の巻22にある犬戎国の話だと言われているが、この伝説は、史書の「後漢書」や六朝志怪の祖とされる「捜神記」、宋の欧陽脩の「五代史記」などに記されてきた。
そしてこの「槃瓠伝説」と同じ内容の始祖伝説を持ち、犬を神聖視してきたのが、かつて古代中国の楚の国あたりに勢威を奮い、現在は広東省、広西壮族自治区、雲南省、湖南省、海南島、ベトナム北部、ラオス北部、北タイ(主にチェンマイ県、チェンライ県、パヤオ県、ナーン県)に居住しているヤオ族(自称ミェン)である。このヤオ族の始祖伝説とは、「中国の皇帝パンは、長年にわたってカオ王と争っていたが、ついに従えることができなかった。ある日、宿敵の首をもたらしたものには姫をつかわすであろうと布告した。この言葉を、槃瓠という犬が聞いた。槃瓠はカオ王の陣営に赴いて、王を噛み首を中国の皇帝に持っていった。皇帝は約束にそむくわけにもゆかず、姫を槃瓠に与えた。彼らのあいだに6人の男子と6人の女子が生まれた。その子孫がヤオ族になった。」というものである。
尚、馬琴は、この「槃瓠伝説」を借用するが、伏姫は八房とは関係は持たぬが、懐妊する形をとっている。また八犬士の「8」という数字については、房総里見家が、徳川幕府の外様諸侯取り潰しの中で1614年、本領を没収、減封され倉吉に移された後、1622年嗣子なく家名断絶の後、殉死した8名の見家の侍に因ったという説がある。
主たる参考文献:『南総里見八犬伝考ー馬琴小論ー』
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