九谷焼総盛(石川)



 数ある陶器製招き猫産地の中でとりわけ異彩を放っているのが石川県の伝統工芸「九谷焼」の招き猫であります。

 その種類は多彩で、転写プリントをあまり用いない製法は、同じ猫でも描き手によって、その表情から文様まで、同じ物がないというところに魅力があります。

 また、他に例を見ないと言う点では、盛(もり)と呼ばれる、上絵の具をまるでデコレーションケーキの様に盛り上げて書き込む(陶芸ではいっちんと呼ばれる)技法があります、これは九谷焼独特のもので、かつては獅子の置物に多く用いられ(実用品向きではありませんので)その技術が高められました。
 文様も多岐にわたりますが、花などを中心に、異国風の趣もあり、外国人特に欧米での人気は高い物があります。

 このくりからもんもん的な猫こそが九谷猫の代表と言えるでしょう。

 現在は人々の趣味も変わり、もっと軽い、表情も穏やかにこやかな物がその生産の主体となりつつあり、写真のようなタイプは姿を消しつつあります、型もかつての手起し(手で粘土を押し込む)方法から、鋳込み(溶いた粘土を流し込む)大量生産型に変化しております。

 写真の猫は、今では生産されていない、手起しの猫で、高さ約40センチ
ずっしりと重い物で、(鋳込みのものは以外に軽い)当然手描きですので、同じものはありませんし、同じ色柄もほぼ存在しないと思われます。

九谷焼総盛(石川)


 福次郎がこの猫にひかれたポイントは、三点、胸元の福の文字、腹に抱えた日本一の富士の山、そして、長く倉庫に眠っていた点です。

 現在はこのように残っている物以外は鋳込みで顔の穏やかなものがほとんどですので、現在の人気はともかくも貴重な品といえるでしょう。

 なんとも迫力のある、顔、どこまでも無骨でありながら、艶かしさをたたえるポーズのアンバランスさ、この様な猫は、割とお高めの日本料理店の店先や日本旅館のロビーなどで見られる程度で、間違っても○○食堂のテレビの横などには存在しないので、ランクの高い猫、しかし忘れられつつある猫でもあるのです。

 個人で所有するにはやや大きすぎる物ですが、小型の物でここまで描きこまれたものはなく、一体は持っていたいものです(招き猫好きとしては)

 福次のレア度☆☆、段々無くなって行きます。





© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: