このごろ思うこと

このごろ思うこと

勝ち組、負け組み 2004・7


 孫を見ていると、本当にシナリオを描いてきているんだなーと実感させられます。運動会を見に行っても、授業参観に行っても、とにかくマイペースで、他のお子さんと比較すると幼いというか頼りないというか「もう少しきちんとできないの?」という感じです。しかし、何かと比較しても何の意味も無いんですよね。娘も私も孫の全てを受け入れ、そのままでいいと思っています。

 授業中に集中力が続かないからといって、全てに集中力がないわけではありません。家で好きな絵を描いているときや、製作をしているときはすごく集中しています。好奇心旺盛で、動植物が大好きな孫は鋭い観察眼でいつも私たちを驚かせます。鳥や魚や動物の名前も図鑑で調べ、よく知っています。全てに平均して合格点を取るのではなく、何かこれはというものをいくつか持っている人生は豊かだろうと思います。

 去年と同じ沖縄のホテルに6月の末から3泊で行ってきました。
去年のイルカとの触れ合いがよほど嬉しかったのでしょう。その後、顔に水がかかると泣いていた子がスイミングスクールに自分から行くと言い出して、ずっーと通っているので、今回ももちろんイルカとの触れ合いのプログラムもやりましが、その他に体験シュノーケルもやりました。

 始めは順調に泳いでいたのですが、大きなエイがたくさんいたので、エイには毒針があると知っている孫はこわいこわいと言いだし、先生からエイの毒の針は切ってあるから大丈夫よと説明を受けても目の前にいる大きなエイはやはり恐いらしく、それなら少し浅瀬に行ってきれいなお魚を見ようと移動しました。色とりどりの魚たち。海中の世界を自分の目で、自分の力で見る事が出来、大満足の孫。また一つ成長し、大きな自信となったようです。無理せず自分のペースでいいんです。それが自分にとっての最善の体験なんですね。

 いつも家に閉じこもって仕事ばかりしている私も、一緒にシュノーケルに挑戦しました。以前、御蔵島へイルカに会いに行った時も、泳げず、シュノーケルの使い方さえ知らなかった私が、直前に津留さんに使い方を教えてもらい、イルカの群れが船に近づいて来たとき、「それ!飛び込め!」というガイドの方の声が聞こえると飛び込んでいました。

 人はやりたいと思っている時には思いもよらない力がわいてくるようです。もっとシュノーケルが上手になりたいと思いつつそのままになっていたのですが、美しい沖縄の海の、囲いのある安全な場所でのシュノーケル体験で、お魚を見られたことはかけがえのない経験になりました。



 最近受けたご相談で「自分は毎日遅くまで会社に居残って仕事をこなし、その成果は人には絶対負けていないのに、昇進ルートからはずされ、後輩に追い抜かれ、頑張っても頑張っても昇進できない。もうこれ以上頑張れない、どうすればいいか」という問いかけがありました。

 人は誰でも自分の存在を認めてほしいという本能を持っています。自分の存在理由です。しかしその存在理由を「会社での昇進」という一つだけに絞り込んでしまっているところにその方の苦しみがあります。「会社での昇進が思うように行かず悩んで、悩んでどうしようもなくなり、意識が内側に向き、全ては自分の心の中にすでに在った」と悟るというストーリーを描いてきたのではないでしょうか。ですから「どうしても昇進出来ず、もうイヤだ!」とエゴがお手上げになるまで体験させられているのでしょう。これはハイヤーセルフからの「あなたはこのままでいいの?」というメッセージだと思います。

 人は存在するだけで価値があります。エゴはすぐに何かをしようとしますが、何もしなくてもいいのです。そしてその事が腑に落ちたときに何かやりたいという思が沸いてきたら、始めればいいのです。

 この相談者は過去世でどんどん昇進し、社長になり、社員を自分の手足のごとく動かした体験があるので、今回は認められない社員がどんなにつらく苦しい思いをするのかを体験に来たのではないでしょうか。まだ頑張れる余力があるのなら、もう少しこの勝ち負けのゲーム体験を続けてもいいし、「昇進などしなくてもいい」と今決めることもできます。そして昇進などしなくても今の仕事が好きなら、楽しんで、余裕を持って自分だけのために、自分らしく仕事をすれば、仕事が辛くなくなり、まるで趣味のようになることでしょう。また、その仕事が好きでないのなら、他に何か自分がやりたいことはないかを探してみるといいと思います。

 こう考えると、勝ち組も負け組も価値は同じということです。3次元で勝つことは、短いスパンでは可能ですが、それが続くことはあり得ません。上がったり下がったり波の形をしたエネルギーの流れのなかを進んでいるのが3次元世界だからです。勝ったら、それを維持するのにどれだけの努力が必要でしょう。いつか負けるのではないかという恐れは非常に強いと思います。

 どの場所にいても、それぞれに喜びと苦しみがコインの裏表のように同時に存在しているのが、3次元世界です。その中でジェトコースターに乗って遊んでいるのが人間です。

 絶対的安心感は「今・ここ」にしかありません。他との比較のないところ、自分は世界にたった一つのユニークな存在だと信じるところ、このままで何の問題もないと信じるところ・・・、そこに絶対的安心感があるのではないでしょうか?


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