とらのまき

経過

5月2日
 早いかな、と思いつつ、気がかりもあり、子宮外妊娠の懸念もあったので、検査をしてもらっていた婦人科を受診。
子宮の中に胎のうを確認。よかった・・!でも、少し出血の痕があるので、あまり無理しないように、といわれる。
無理しないといっても、普通の生活はしてよいし、少し出血するかもしれないけど、気にしないでくださいね・・・とも。
何だか手放しで喜べない気分もあったけど、子宮の中にいてくれて一安心。

気になりつつも、ゴールデンウィーク、なるべく休息を多くとったりはしていたが、幼稚園の遠足にもいってしまった。

5月10日
 少量の出血。先生にあまり気にしないで、と言われたので、すぐに止まるのかな・・と思っていた。

5月11日
 出血が止まらない。ネットで流産のことなどを調べ、思い当たるところが多くて、心配でたまらなくなる。
朝、たまたま遅出だったとーさんに相談して、近くの産婦人科に一緒にいってもらうことに。
赤ちゃんの心拍は元気に動いているのを確認してほっとしたけれど、切迫流産。
自宅で安静にといわれる。トイレ、洗面、食事以外は寝てるようにと。
それと、胎のうが小さいのが気がかりで、大きくならないと赤ちゃんが育つことができないかもしれないとのことだった。

両実家の親達に応援を頼み、たいがの送り迎え、家事などをお願いした。
たいがは、急に私が動けなくなった事で、とても不安な様子で、最初は「お母さん、起きてよ~」と大泣きするし、
これまで幼稚園にいくのにそれほどぐずったことはなかったのに、着替えるのさえもひどく嫌がった。行ってしまえば大丈夫みたいで、帰りはご機嫌で帰ってくるのだけれど・・。
そんな姿を見ると、たいがに我慢をさせてしまい、動けない自分が申し訳なくて切なくて仕方がなかった・・。

いくら安静にしていても、出血は止まらず、かえって増えてくる感じ。
つわりもほとんどないのがかえって不安だったり。もう、赤ちゃんはお腹にいないのでは・・絶望的な気分になっていった。

5月18日
 ドキドキしながら、受診。「赤ちゃん、元気よ!前よりよくなってるわよ!」
赤ちゃんは頑張っていた。心拍もばくばくいっていて、胎のうも少し大きくなっていた。
諦めかけていたところに、驚きと安堵。でも、出血は多いし、流産が進行していることは確かだから、入院を薦められる。
赤ちゃんも頑張っているのだし、最善を尽くそう!と入院を決意。
その日の夕方から入院した。

たいがは、当日はわけもわからず、にこにこ送り出してくれたけれど、お母さんが帰ってこない、ことで、少し不安定になってしまう。
怖いものが増える、私の話題は避ける・・など。
週末にお見舞いにくることができて顔が見れて安心したのか、元気になった様子。
でも、たいがのことを考えると、入院生活を長引かせるわけにはいかないし、周りの負担も大きい。とーさんも、両親達も、たいがと、私の体のこととを心配してくれていた。
止血剤に、子宮収縮抑制剤を飲み、毎朝、腕に子宮への着床をよくするというホルモン注射(これが筋肉注射で痛いのだ!)をうち、ひたすら安静の日々。
何日か経過したが、安静にしていても出血も止まらず、大事な時期なのに、こんなに出血して赤ちゃんの成長の過程で障害が残るのではないだろうか?
もちろん生めればこしたことはないけれど、この妊娠を継続させることは本当にどうなのだろうか・・?
とーさんとも色々話し合い、ともかく1週間入院してその先を考えることに。

5月22日
 実は、6回目の結婚記念日。こんな記念日もあるんだね・・。
前夜、下腹部と腰の痛みがちょっと強かったけれど、落ち着いていた。

5月23日
思いがけぬ診察。この日は、出血はあったけど、痛みはなかった。
いつもなら、カーテンがすぐに開くのに、なかなか開かない・・これはダメかも・・。
「・・残念だけど、今回は、諦めよう」と先生の声。
胎のうは大きくなっていたけれど、肝心の赤ちゃんが・・もう心拍は確認できなかった。
進行性流産。「これだけ手を尽くしてもだめだったのは、受精卵の問題だと思うし、自然淘汰みたいなもの。
誰のせいでもないのよ、自分を責めたりしないで」先生は、優しく、きっぱりと言った。
シャワーも浴びて、気持ちの整理をして、翌日、ソウハの手術をすることに。
ある程度、覚悟はできていたけれど、やっぱり期待もしていたのは確か。
いつ心臓が止まってしまったのだろう・・苦しかっただろうか。栄養を送ってあげられなくて、ごめんね。
たいがにも、きょうだいを作ってあげられなくて・・ごめんね。
お父さん、お母さん、悩まなくてもういいよ・・私達の思いが伝わっていたのだろうか。
考えると涙が止まらなかった。たまたま2人部屋で一緒だった方が、退院されて一人だったことに感謝した。

5月24日
 妊娠8週1日目。午前10時過ぎに手術。とーさんは、仕事が忙しい中、説明を聞きに朝よってくれて、母はずっと付き添ってくれた。
どうも麻酔が効きやすかったらしく、「軽く麻酔しますよ~声は聞こえますからね」・・そのまま意識不明。
数を数えるという話だったけど、そんな間もなかったらしい。
気がついたときは、すべて終わった後だったけど、これから始まるのかと思った位。はは。
ああ、もう赤ちゃんは、ここには、いないんだなぁ・・
翌日、点滴、診察をして退院。基礎体温も、急に下がった。







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