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国会猿芝居 - 演目 ルールなしスクラムゲーム
演出 与党執行部・理事 佐藤正久
出演 与党安保特別委員
ついに安保関連法案が成立してしまった?
24年振り、ついに日本がラグビーワールドカップで勝った、しかも強敵南アフリカに
勝ってしまった。前者は無法下での出来事、後者はルールに則っての出来事である。
前者は数えきれないラフプレー反則の連続である。後者の日本vs南アフリカは
34対32の内、日本は五郎丸が6ペナルティーゴールで18点を稼いでいる。
一方南アフリカは2ペナルティーゴールで6点である、ということは日本はペナルティー
ゴールで12点勝ち越し、トライ数では3対4で負けているのに勝者になった。
ある意味で相手の自滅で勝ったと言える。
変わった書き出しであるが私が見たテレビ画面にはほとんど同じ光景が写っていた。
安保特別委員会での光景は鴻池委員長の不信任動議が採決されている時、委員長と
阿部さんら関係閣僚の中谷・岸田両氏がドアを開けて待っている。そこで佐藤自民党
筆頭理事が議長席で「賛成の方起立を願います‐---。起立少数と認めます、
依って不信任動議は否決されました」と告げた。不思議である、あとの人の多くが棄権
したら《可決》と言うことになるではないか。少なくとも「棄権の方の起立を願います」の
言が無ければ採決したことにはならない。
それはそれとして、それから議場で無法ラグビーが始まった。委員長はゆっくりとした
足取りで入場、続いて閣僚達が入場するまで待って委員長が着席した。間髪をいれず
与党議員が議長席に猛ダッシュしてスクラムを組み議長を囲む、するとこれまた間髪を
いれずに野党議員が殺到する。
そこでボール(マイク、原稿?)の争奪戦が始まった。ラグビーなら密集の中でボールを
離さなかったらノッ・トリリースザボールで反則、膝や肘をついた人がボールに触っても
ハンドの反則、横から密集に飛び込んでも反則、密集の上に飛び乗ってもオーバーザ
トップの反則である。ラグビーの反則はほとんどこう言った密集の中で起こる。これらの
反則は相手にペナルティーキックが与えられ成功すれば3点が相手に与えられる。
議事堂でのラグビーはどちらに反則が多かったのだろうか。
あのスクラム後方でデフェンスしていたアメリカンフットボール選手のフォワードの様な
人は誰だろう。そしてあの髭の理事はさすがに強い!イラク戦争で派遣部隊長を務めた
あの《ヒゲの隊長》はオーバーザトップした野党議員の顔面をにストレートパンチ一発で
密集から弾き飛ばしてしまった。風貌に似合わぬこの強力パンチはさすが現場で培った
パワーであるがラグビーであれば即退場である。
それよりも議長が「これより委員会を再開いたします」と言わなければまだ会議は開かれて
いないので採決以前の問題である。そして前日行われた公聴会の報告をし、質疑応答が
なされなければならない。冒頭から議長は何か言っているのだろうがまったく誰も聞くことは
できない状況、当日の速記録も「聞き取り不能」と記されている由である。ここであのマイク
の奪い合いの意味が分かった。速記録は後で録音を聞いて書き改めるらしい。混乱の中
でも議長はマイクに向かって次から次えと吹き込んでいるのだろう。
この間の密集の中で「議長! ただちにに採決の動議を提出いたします」
「ただ今の動議に賛成の方の起立を求めます」 「起立多数」
「当該法案に賛成の方の起立を求めます」 「賛成多数、よって本案は可決されました」
「委員会はこれにて散会いたします」
ただちに閣僚及び委員長退席、与党委員拍手しながら退場、 野党議員何が起こったか
理解できず怒号を発する。
《起立を求めます》の場面ではあの髭の隊長が与党委員に手でサインを送って、立ったり
座らせたりした。この限られた時間でシナリオを描きリハーサル無しでこれだけの猿芝居を
演じられるのはさすがに国会議員の先生達。バッジはダテじゃない。
名優の証しか? 立ったり座ったりするだけの演技なら私でもできそうだ。
(2015年 敬老の日に79歳老 記す)
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