がんバレー“ジャンプくん”GO!

がんバレー“ジャンプくん”GO!

第2章平壌の夜 



「みんな男の人は黒い服ばかり着ていますが、どうしてですか?」「私もいつもそのような服を着ています。今は仕事中だから、このような正装をしているんです」「ふう~~~~~N!」まさにマフィアぽい服だ。李さんは、「Tさんは、朝鮮人顔なので、日本人なのか朝鮮人なのかわからない」「(それは、嬉しいのか嬉しくないのか。う~~~~N!朝鮮人は日本人より頬骨が高く、あごが大きい。まあ、顔がでかいということか!?)」


雨が降ってきた。ホテルへと帰る。ロビーでキムチ談義となる。李さんが、「今はキャベツのキムチを食べる。(白菜は)10~11月にかけてつけ、冬に食べる。冬に食べるshじょくじの半分はキムチです。」「僕はキムチといえば白菜しかりません。」「いろんなキムチがあるし、漬ける人によって味が全然変わってきます。また、水キムチというのもありますので、是非北朝鮮でいろんなキムチを食べてください」。17時57分、Mさんがきて、夕食にいこうという。レストランは「清流」という。レストランはいったい何屋さんかわからない。ソ連で感じたレストランと同じだ。国民の貧素な食事に対して外国人にはそんなものを食べさせるわけにはいかないが、人民にはわからないようにしなければならない。そんな出で立ちのレストランである。

 まずは、テンガンビール(テンガンとは平壌の中央部を流れる川の名である)を飲む。炭酸が抜けていてまずい。しかし、ガイド2人ともこれが美味しいという。(きっと、他のビールがまずいからであろう)マヨネーズは甘い。イカとキュウリを混ぜ合わせた料理は美味しい。キュウリと鶏肉を混ぜ合わせたものもおしいしい。これらは、日本でいう「酢の物」ではないか。聞いてきると「酢の物は、朝鮮料理であって、日本料理ではない」ということだ。そのほか、日本料理と思っていたものが実は「朝鮮料理」というもが後でわかってきた。何と『さしみ』もそうらしい。『巻きずし』『いなり寿司』も・・・(?_?)とりあえず、今日のメインディッシュ『牛肉スープのお鍋』ガイド2人も運転手も「これはすごく美味しい!!」と絶賛するが、悪いけど「マズイ。牛骨スープというのは味が全くしない。我々は魚のだし・昆布だし・豚骨スープ・コンソメは慣れ親しんでいるが、牛骨というのはあまりない。だから、この味のおいしさがわからない。口に合わない。

 そうしていると、「北朝鮮で一番美味しい焼酎を飲みますか?」「(それはもしかして・・・!)」「これはシンドクという水の美味しいところでつくられている焼酎です」「(やっぱり!あの政治犯収容所でつくられている、大阪の講演での脱北者・安明哲(アンミョンチル)が言っていた焼酎だ。)はい、飲みます。」そして、ググと飲む。よくわからない。味がわからない。単に「アルコール入りの水」という具合か!?

食事中、Rさんが、「日本では、北朝鮮のことで、どんなことが報道されていますか?」というので、これは正直に言った方がいいだろうか、どういったらいいだろうかと考えながら、「やっぱり“拉致問題”ですよ。」というところから白熱するのであった。「あれは、もう終わっているじゃないですか!」「・・・?」「小泉さんが来たときに、拉致人たちは返したでしょ。残りの人たちは、もう死んじゃったから返しようがないじゃないですか。」何とこの言い回しはテレビで聞く北朝鮮政府と同じじゃないか!この人レベルまでそういわせているのかと思うと驚きだった。「いやまだ終わってないですよ。」「どうしてですか?」「死亡証明書の生年月日が間違っているじゃないですか!自分の生年月日を間違えて登録する人はいませんよ!」「それでは、日本が植民地に(朝鮮を)していたときに約20万人以上の朝鮮人が強制的に日本に連れて行かれたんですよ。それはどうしてくれるんですか!?」「ちょっと話のレベルが違うと思います」「何が違うんですか!同じでしょ!10人くらいの(拉致で)と20万人以上のレベルからしたら、日本がしたことがもっと悪いでしょ!」「しかし、日本はアメリカの助けもあってサンフランシスコ平和条約を結びました。それによって、戦争責任についての話し合いは終わりましたよ。未だにガタガタいうのもおかしい」「そんなことはないです。日本は北朝鮮に戦後補償をまだしていないんですよ。」「(しかしこれ以上、話がこじれて今後の旅行に影響してもいけないから、黙る)」しかし、さらには、「ジェンキンスが日本に帰ったのは日本側が最初から考えたことだろう」しかたがないので、「それでは、曽我ひとみさんが日本に帰ったときに、ジェンキンスさんや北朝鮮政府は病院から“帰ってきてくれ~”というビデオを日本に送ってきたではないですか。そのことを考えると2年も3年も前から体調が悪かったということだから人道的立場としてジェンキンスさんを医療の進んでいる日本につれてきたということに何も問題はないで~!もしかしたら、体調が悪いということを北朝鮮が公表しなかったら、そうなったかどうかはわかりませんねえ」
19時、Mさんが、「今日は青年祭の最終日ですよ。みんな、労働党タワー広場で『青年祭祭舞踊会』踊っているので行きましょう!」サーチライトのなか、1~2万人もの若者がフォークダンスらしきものを踊っている。しかし、フォークダンスではない。「何か」と尋ねると、「『集団舞踊』といって毎年毎年(踊りが)少しずつ変わっている。だから私は、ちゃんと踊ることができない。でも何度もいいから楽しんだらいいんですよ。Tさんも一緒に踊りましょう!」「ええっ!」「大丈夫、大丈夫!さ~、行きましょう!」そういってRさんが輪の中に入れてくれるよう頼んで、見よう見まねで踊るのであった。何と気さくに輪の中に入れくれた。一緒に踊っていると楽しい。(なんだかこのようなことを)TVで見ていると違和感があるが、一緒になって踊ると楽しいものである。

 しかし、新たな発見があった!!!それは、服もキレイだし、顔も、お化粧もキレイ。しかし、手をつないだ手はガサガサしていた人が少なくはなかった。これはかなりの労働をしているんだなと感じた。来てみないとわからないことだ。


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: