不安の力
・「不安は力なり」頭から不安を追い払おうなどと考えずに、
不安を生きる力とする道を探してみたい。
・仏教の思想の大事な教えの一つ
人は苦しみを他人に代わって背負ってもらうことはできない。
（その人自身が一人で最後まで背負っていかねばならない。）
・「不安は人間を支えていく大事な力である。」
・泣くことも、心萎えることも大切だと思う。
ちゃんと泣けない人には、腹の底から笑うこともできるわけがない。
泣くことも大事なのだ。
人間の心と体を維持していくうえで、悲しむことと喜ぶことは、
どちらにも大事な働きがあります。
・しなやかな心の持ち主であるからこそ、心が萎えるのだ。
ああ人生ってどうしてこうなんだろう。→しなっている状態。
心療内科へ通わざるをえない人→こころの萎えた状態→
しなやかな生命力が残っている→しなっている状態
・仏教と神道を両方信じてきた日本人は、
宗教に対する寛容さというものを自然に持っていましす。
・聖徳太子のなくなる時の言葉「世間墟仮唯仏是真」
「世間は虚（むなし）仮なり、唯（これ）仏のみ是れ真（まこと）なり」
「この世は虚しいものだ。仏の理想の世界だけが真実なのだ」
・ 他力念仏（真宗）では、自分でつかむものはない。
仏の光は、向こうからやってきて自分を照らしてくださる。
・死の不安に対しても、たじろがずに正面から対峙していくことで、
そこを突き抜けた強烈な生の実感というものが出てくる。
・僕らは、死と隣り合わせの生というものを生きている。
・「唯我独尊」―世界中に自分という人物はたったひとりの存在である。
ゆえに価値がある。
・「犀（さい）のごとく独りゆけ」―群れをなさず、
仲間となれ合わず歩いていく犀の姿
・若さがあるから老いがあり、老いがあるから若さがある。
・「裸で生まれて、裸で死んでいく」―人間本来無一文、われわれ凡夫はあれやこれや
不安になりつつ生きていくのが相応、本来無一文なのだ。
・「歎異抄」親鸞の弟子（唯円）が、親鸞亡き後、関東で起きた念仏の教えの乱れをな
げき、正統な親鸞の教えを伝える為に書いたのも。
・蓮如「後生の一大事」―地獄から浄土へと人々の目を向けさせ、そして最終的に、
生と死の区別がなくなった生死の世界、つまり他人念仏の世界にいざなおうとした。
・解脱は悟りを開くという意味でもあるし、同時に輪廻から脱するという意味。
仏になると、もう生まれ変わりません。
・人生をなにかしら意味のあるものとして充足させたいと思うなら、死をしっかりと見
つめ、自分は必ず死ぬのだと死を受け入れて、そこから限定された生の時間を大切に
生きていくべきだ。
・親鸞の「悪人」とは、煩悩に苦しみながらも自分の力では決して、仏に成れない人間
存在。自力で仏に成れないから、他力によって仏にしてもらう。
・人間は心のどこかで、あるいは体のどこかで人生の有限性というものを実はちゃんと
意識している。意識しつつも頭の中でそれを確認しようとしない。だけど体は、そ
れを感じる。感じる時に生まれてくる感覚が一種の何とも言えない不安感である。
・人間が生まれてくることも偶然だし、人間が死んでいくということも大きな宇宙の中
の星屑がひとつ燃えるようなそんなものだと思います。しかし、われわれは人間とし
て今ここに生を享けている。この事実を大切に受け止めたいと思います。
・今の不安の時代には、心に不安を抱えているということが、むしろ正常な反応ではな
いでしょうか。
・不安定な環境にいて不安でないということは、異常な状態であると思います。
・不安は、何かの便りを運んでくる大事なメッセージ。
あなたの心身はもう限界だよ、これ以上無理な仕事はしないほうがいいよ、
という心と体からの忠告かもしれません。
・不安を抱えていることが人間らしいのだ。
不安とどう共生していくか、ということを考えてみたらどうでしょうか。
・あえて言えば、不安は希望の土台です。
不安を感じることが、人間としてあるということの出発点なのです。
僕は不安を肯定し『不安の力』というものを認めたいと思うのです。
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